『Re:FT-リフト-』
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
若い。
話は3演目の中で一番分かりやすかった。とはいえ、がっつり物語で勝負できるだけ脚本が強固って事でもなく。登場人物の横の繋がりがほとんどないし、ファンタジーといえど説得力に欠ける部分が多かった。
同じ内容の芝居を同じレベルで30代の人がやってるのを観たら多分オレ怒ります。勝手ながら高校演劇の延長線上だなという印象。貶してはいないので誤解なき様。順当な道でここまできたのだなという感じです。ここからどう変わっていくのかが楽しみなのです。
自己再生のテーマ
激情コミュニティ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
ようやく。
旗揚げから気にしていた激情コミュニティが観られたのが今回のポイント。本公演では内面的な暗さがもっと出る作風なのかなとか勝手に想像してるのですが、どうなんでしょうか。
ひとまず今回は距離の話。実際的な距離、人と人の繋がりとしての距離。話というよりは表現。身体を使って内面を見せるという、ある意味で矛盾していて全部揃っている見せ方。個人的には30分でちょうど良かった。これが90分とかになったら他の要素も入れてくるとは思うけど。
TangPeng30 Bグループ公演
TangPeng30 Bグループ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
学生演劇。
「学生演劇」というとどうも聞こえが悪い。サークル活動の延長に思えるからだろうか。しかし、学生って事は正に学んでる最中の彼らな訳で。自分でやってみたくもなるだろうし、これからどう育っていくのかの注目株。
各団体のページが出来ていたので各々についてはそちらでコメントします。
反重力エンピツ(再演)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
何が一番重いのか。
劇中で明かされるその答えは彼らの今回への胸中も示すかの如く。
観に行くまでは前々回公演の再演は尚早と思っていましたが、これはこれでアリだったのかもしれない。少なくともそう思い直せるだけの作品でした。行くか考慮中ならばとりあえず行っておいて損はないかと。出来的に、これが58初見でも特に問題ないかと。
演目を変更しながら無理なキャスティングがなかったのが幸いでした。役者に当たり外れなくきっちり仕事を振り分けられていて各々がしっかりこなしていました。「役を身に落とす」「台詞が腑に落ちる」という意味では堀さん(DULL-COLORED POP)が抜群に良かった。「根付いていた」と思います。58へ何度も客演している加賀美さん(青春事情)もしっかり安定。登場の度に場の空気を換える様な存在を維持して、話の先導役をこなしていた。藤尾さん(犬と串)は後半から一段上がった感じ。
彼らの作品は脚本の時点でかなりの強固さがある。今回不在の友寄さんの存在も何処かに見えた気がしました。きっとこれからまだ育ちながら安定していくはず。ロングラン。彼らにとっての体感距離が当初より延びているだろうと邪推しつつ、しっかり駆け抜けて欲しいところ。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
デタラメ。
演劇でデタラメを題材にする。それ自体がネタだし、デタラメ。ギャグにもシリアスにも行けるのをクロムはやっぱりギャグに仕立て上げていました。社会風刺が入りながらも分かりやすくてワクワク出来る。気軽に勧められますね。お子さんにとってのハンバーグくらいハズレがない。
魅力的は役者も多い中、個人的には女優にパワー型が多いのが印象的。女優でパワー型って言ったら普段の姿もインパクトの強い方を想像するじゃないですか。二文字で言えばブ…ゲフゲフン。クロムの場合はみんな可愛いらしいさがあるんですよね。なんかズルい。何がズルいかは分かんない。憧れと紙一重の僻みみたいなもんです。
対して男優は良い意味で癖のある人が多かったかな。普通の芝居で一人か二人の盛り上げ役がいっぱいいる感じ。誰を観てても楽しめる。
掘り下げて欲しい登場人物もたくさんいたけど、多分それは愛故。その人物が気になるからもっと知りたくなったのであって、知ったら本編がより楽しめたかって言うとあんまり変わらなかった気もする。目の前で起きている事を観てれば充分に楽しかった。ザ エンタメ。
Wannabe
柿喰う客
アトリエ春風舎(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
何が起きていたんだろう。
あ、深い意味じゃないです。自分が遅刻してしまったのです。すみません。観られなかった間に話の流れとして何が起きていたのかは想像が付くけど、それをどう表現していたのかが気になる。確かめにもう一度行きたい。
普段の圧倒的な勢いで押して来る柿とはちょっと違う感じ。でも「圧倒的な勢い」ではない別のもので押された感覚がありました。張り詰めた空気に居場所を狭められた様な。
はははなし【ご来場ありがとうございました!】
劇団森
早稲田大学学生会館(東京都)
2010/06/24 (木) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
面倒。
人間関係とかそれこそ家族とかって面倒なものです。分かってるのに維持したかったり踏み込んだりするのは、何かを求めるから。
言動よりも行動に重きが感じられる演目だったのは個人的に好きな部分。物語の説明ではなく、目の前に存在する事への説得力。だからこそ役者の立ち振る舞いにも出来不出来が如実に表れていたかと。三人芝居で出ずっぱりだから疲弊するし、特にやりながら精神的に波に乗せるのが難しいだろうなとも。上演時間65分は正確な限界値だった気がする。
違う人数でやったり構成を変えたり、可能性のある演目にも思えました。そういう意味では今後また何かの形で観てみたい気持ちもそそられて。
幸せを踏みにじる幸せ【公演終了!ご来場誠にありがとうございました】
ジェットラグ
タイニイアリス(東京都)
2010/05/28 (金) ~ 2010/05/31 (月)公演終了
お前の幸せはオレの不幸せ。
なんて台詞はありませんでしたが、そういう様な事を思ってしまう場面ってありますよね。なんでこいつ笑ってんだろ。お前がいなきゃ楽なのに、死ねよ。とか。絶対そんなの口に出しちゃいけないし、口に出しちゃいけないと思ってるし。でも結局はシンプルに言葉にしようとしたらそう言いたくなってる時。その癖に「お前もっと生きろよ」って本音で思う事は少ないのってなんか空しい。理由は良くわかんないけど死んだらだめだと思うから、自分の気分が悪いから自分を正当化したいから「生きろ」って言うだけ。実際はそんな。
谷賢一本人がジャック・ケッチャッム好きであるのを知っているからか、少なからず意識はしたのだろうなという感じ。そこに彼特有の悪ふざけ要素を追加するとこうなるのか。
この面子だもの、もう誰の演技が良かったとかいちいち挙げてらんない。みんな仕事をこなしていました。「あ、なんだ。よく名前を見てたし、この人もっと凄いのかと思ってた。大した事ないな。なんで評価が高いんだろ」という個人的感想はありました。それもまぁ「お前の幸せはオレの不幸せ」みたいなもんです。あえて挙げるとすれば、我妻さんの声が最高に良かった。演技どうこうじゃなくて、声。そそられた。萌えたのとは違くて男としてのそそられであり、自分自身は完全にドMでありますが米粒ほどあったらしいS心を刺激してくれました。
ちょっとここ電波届かないから
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2010/05/27 (木) ~ 2010/05/30 (日)公演終了
という事で、仕事を休んで観に行った。
ネットで集まったらしい人々が穴の中で共同生活してて、振ったり振られたりその輪の中に入れてもらえてなかったり。我がままでいい加減でみすぼらしくて可愛い人々のあれこれ。
なんでこれだけめちゃくちゃやって破綻しないのだろう。意味のない部分がたくさんあって、同じくらい意味のある部分もたくさんある。役者の上手い下手にも差はあるものの、みんな全力なのが良い。頑張ってるという言葉で表すと安っぽいから使いたくない。一回やったら体の変なところが痛くなってそうな不器用な頑張り方と器用にやっている。元も子もないけど、演劇以外の何か生活に役立つ事にこの精力を注いだら充分に何か達成出来ると思う。のに、あえてそれを演劇に注いでいるのが素敵。褒め言葉として、馬鹿と言いたい。ばーかばーか。
アンゲーテッドコミュニティ
北京蝶々
テアトルBONBON(東京都)
2010/05/26 (水) ~ 2010/05/30 (日)公演終了
初日は雨。怪しい物語。
さてさて、どう纏めたら良いものやら。初日を観てコメントするのが遅れたので、それ以降を観た方とは温度差があるやも。とか思ってちょっと気が引けています。
既に散々と語られているのであえて触れずともと思いながらも、舞台美術の件。初めてのテアトルBONBONでしたが、劇場に入ってまずは「ここってこんなに圧迫感のある劇場じゃないよね? となると…」などと勝手に憶測。いざ始まってからの舞台の移り変わりでその点に納得。様々な場所を表現出来る面白い構造だったと思います。が、逆に「そこは結局その場所の何処?」と思える瞬間も。
作風にもよりますが、個人的に上演時間は90分~110分くらいが好みです。そういう意味ではこの作品はもっと長くても良かった様な気もするのです。登場人物が多い割に物語はスマートに纏まっているので、見ていて大事な何かを見逃す事がないだろう親切な作り。とはいえ少しくらいは余計なものがあっても良かったかなー。お肉で言うと脂身の部分。食べない人は食べないけど、食べたい人は食べたい部分。旬のものが油が乗ってるという様な。初日の時点ではまだ乗り切ってなかったかも。楽日に向けてそういう部分が増えるのか期待したいところ。初日はそんな感じでした。
そもそもの出番の量もあるけど、刑事役の方々が好演していた印象。
露出狂
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2010/05/19 (水) ~ 2010/05/31 (月)公演終了
「露わに出して狂う」=若げの至り。
たまに『演劇をどういうふうに観ればいいのか分からない』という言葉を聞いたりするのですが、それも柿に関しては無用な不安。目の前で楽しげに暴れる人々がいるのだから疲れや悩みを忘れて一緒に楽しめばいいのです。いわば、祭り。今回は本当に「女って強いな」に尽きる。そりゃ子供も産めるわ。この人達はきっとみんな安産だと思います。個人的には観終えた感触が「いまさらキスシーン」に近かった。明らかに濃密なんだけど清涼感がある。青春そのもの。
熊川さんは初めての柿とは思えないこなし振り。範宙遊泳で見た時にはかなり癖のある演技だったものの、使い分けが利くんですね。新良エツ子さんは大阪から活動処点を移したばかりの方との事。個人的にああいう役が好きなのもあって今回かなり注目して見ていました。良い意味でチラシ映りとギャップのあったのが梨澤さん。柿にはよく出ていて色んな役をやっているけど、前回「悪趣味」での可愛いメイドさんからここまで変わるものか。七味さんは天晴れなまでの化け物っぷり。普段にこやかな人でありながら舞台上でのあの暴れ様は凄い。何より本人が一番楽しんでるはず。深谷さんは珍しくほんわりした役かなと思ってたけどやっぱり充分に狂気じみてた。おこがましい言葉選びですが、コロさんは成長している。これまで中心役をやる場合には本人は比較的どっしりした役で周りが引っ掻き回して、もしくは中心ではない部分でのパワー型をやっていた印象が強い。けれど今回は両方ともこなしていた気がする。役の上での立ち回りに幅が出た様に感じました。
うーん、何処までがネタバレなのか。柿は楽日までにかなり変わっていくし、何だったら書いても大丈夫な気がするけど一応控えます。でも一つだけ。山本さんの一発ネタの完成度が演目の完成度に比例するんじゃないかと勝手に期待。なくならないとも限らないけど。
最後に。改めて今回のチラシを見たらめこちゃんが内臓を露出してるのがツボでした。
北と東の狭間
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2010/05/07 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了
偽装結婚を偽装。
前々回「紅き野良犬」以来の観劇でしたが、JACROWは場所を描くのが上手いと思う。空間に説得力がある。良い意味で「それっぽさ」が成立している。舞台装置の力もあるけれど、それだけではなくて「その場に存在する人々」を描くのが上手いのだろうと。それぞれの人物の存在がハッキリしているので、役者陣も自分のこなすべき仕事が分かった上でこなしている。ただ、外部があまり描かれていないなという印象も。舞台外の見えない場所で起きた事、上演される物語の前後の時間に何があったのか。でも、それを外伝で補っているのは上手い手だなぁ。
蒻崎さんは眼力の強い女優ですね。当日パンフレットの顔写真を見た時点で何か射抜かれた様な衝動が。清水さんは相変わらず難しくてめんどくさい役をこなしている。もはや小劇場で彼女に端役を与える演出家はいないものか。起用して片手落ちさせたら勿体無いのは確かだが。根津さんのこういう役は個人的には乞局以来かな。ホームのあひるなんちゃらとのギャップが最高。時間堂の菅野さんは女にのめり込む役を度々見ている印象(笑)。気の弱そうなイメージがあるんでしょうか?平出さんは多分初めて見ました。ひたすら「かわいいなー」と思ってました。
復讐回帰
劇団銀石
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/03/30 (火) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
言葉遊びで紡がれる。
シンプルでありながら目を引く舞台で描かれるのは、宇宙の始まりと混沌。復讐心はいつまでも褪せない原動力。
久々に観ましたがやりたい事は変わっていないのがすぐに分かりました。確かに野田秀樹的ではある。だからって気にして変に違いを生もうとしするのは得策ではない。この作風に小手先の調整は似合わない。まだ若いのだからひたすら全力で貫くべし。そして越えれば良い。
場面の移り変わりがもうちょっとスマートであってくれたら。役者の退場がちょっと雑に見えました。そこにも演出の手をしっかり入れて欲しかった。アフタートークで佐野木さんは「書いた後は自分でも意味が分からず公演中に気付いたりする」と言っていたので、恐らく出はけも台本の時点では頭になくて稽古場で後から演出しているはず。場面の繋ぎである出はけは綺麗に納めてくれたら。せっかく耳で聞いてリズムのある作風なのだから、目で見てもリズムがある進みであって欲しい。
モグラの性態
ぬいぐるみハンター
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了
「土竜」は元々ミミズを指す言葉。
セックスに憧れる童貞達。童貞なりのプライドがあるから風俗での初体験はしたくないと心に決めている。でも…やっぱりしてみたい!くだらない内容を本気で思いっ切り遣り切る戦い方。役者がちゃんとカロリーを費やす姿は好感。
ただ、観ていて面白いと感じながらどうも自分のテンションが上がりきらなかった。沸騰手前の87℃くらい。「役者がこれだけ弾けてるのに何故だろう?」と思っていたら、例の役者が交代した回だった訳で。残念ではあるものの、事態が起きてしまったからにはベターな対応をするしかない。今回に関しては健闘だったのではないでしょうか。何かが足りなくは感じたけれど、間に合わせ感はなかったので。
配役がそれぞれによく合っていたと思います。後から思い出せない役はなかった。
止まらずの国
ガレキの太鼓
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/30 (火)公演終了
行き着いた。
初演の頃から舘さんの事を一方的に知っていて、しかしこの作品は観損ねていたのです。それは良かったのか悪かったのか。初演の出来や評価について何も知らないから今回観に行けた様な気もする。結果的にはこの日の為の長い複線だったのかもしれない。それこそ異国を長く旅して偶然また出会うかの様な。
人は世界や国や状況という形のない概念に振り回されるしかない。それらを作り上げているのは人々であって。個人個人には何の抗う力もない。何も知らない人間も知っている人間であっても、みんなちっぽけな存在だというのを思い知りました。ラスト寸前まで前のめりになってわくわくしながら観ていました。
自分の場合は舞台美術が立派過ぎると「演技で伝えてよ」と思うタイプです。なので始まる前はそのスタンスだったのですが、いつの間にか世界に引き込まれていました。『行った事のない場所に観客を連れて行けるのが演劇!』みたいな発言も好きではありません。ファンタジー作品でそれを言われると「いや、オレは連れて行ってもらえなかった。だって登場人物がふわふわしてて人間味がないんだもの」とか言ってしまうタイプです。まずこの作品はファンタジーではありませんが、世界観が先に来るものにはそう思ってしまうのです。しかし今回は完全に白旗。いい仕事してますね。
はなよめのまち【ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
王子小劇場(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
qui-co現る。
『特産物として花嫁を他の土地に売る事で貧困や支配から逃れている町。花嫁は、人ではない扱いで育てられる。しかし花嫁の一人が禁じられながら恋をしてしまい…』みたいな話だと事前に予想して行きました。合ってたし外れてた。
まず最初に詩的な印象を受けて、それから。始めは物語を追うつもりでいたらどうやら違うと気が付いて、次に人を見たけどそれも違かった。込められていたのは音・風・匂い・温度。それらが生む風土とそこに生きる姿。見るよりも感じるもの。もう一度行けるなら、目を瞑ってあの空間に混じりたい。
役者の声質が重要視されているのは明らかで、ベースの様な芯のある深い音が聞こえていました。劇中にジャズが出てきます(著しいネタバレではありません)。何よりこの作品自体がジャズ。コードだけ決められたセッションの様でもあり。先述した「何を追うか」について改めて述べると、正直見ていて分かりにくい箇所が多々あります。それは小栗さんが役者に対する指揮者である演出家としてまだ万能ではないという事と、今回が旗揚げでやりたいものが積載量ギリギリまで詰まれているから。ギリギリっていうか、ちょっと零れてたかもしれない。慣れない作曲で在り来たりな部分と妙に難解な部分が混在したかの状態。惜しくもあり、今後どうなっていくかの期待もあります。
個人的には小栗版「ロミオとジュリエット」かな、と思ったりも。
~花よりおはぎライブ~【劇場版:バナナ学園の暴走】 (ご来場まことにありがとうございました!!!)
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2010/03/22 (月) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
どうにか死人は出なかった。
汗まみれ声ガラガラ。死力を尽くした大バカ騒ぎ。観るほうもバカにならなきゃ損。入場時にもらったバナナをメガホンみたいに叩いてたら痛んで色が変わっちゃった。
いずれ是非ともDANCEROIDをゲストに迎えてケンカして欲しい。ケンカと称してダンスでバトルするんじゃなくて、普通に殴り合いして欲しい。
フジヤマタイガーブリーカー
MCR
駅前劇場(東京都)
2010/03/17 (水) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」
初見でした。良い意味で童貞臭がする。「良い意味で」を付けたら何でも許される訳じゃないけど。中学生男子が考えそうなくだらなさと無責任さとバカバカしさ。あぁ、くだらなさとバカバカしさは一緒か。アグレッシブなあひるなんちゃらみたい。あひるなんちゃらがアグレッシブになったらそれはあひるなんちゃらじゃないんだけども。
役者は曲者揃い。あ、字が違った。癖だ。癖者。人によって好き嫌いが分かれそう。彼らが磨くべきは精密さや丁寧さではなく勢いだと思う。思いっ切りやって有無を言わさぬパワーがあれば癖も武器になる。とはいえ、台詞が聞こえにくくなるだけの滑舌は流石にもうちょっとどうにか…。今日は噛んだのをアドリブでネタにして笑いを取っていたけど、個人的にはそういうのが好きではなく。稽古場での鍛錬の延長にないものを舞台上でされても。
チェックしたくなった役者は石澤美和さん。あのキャラを遣り切るからには普段きっと良い人なんだろうという勝手な読みと、今後の予定が多数ある中にタカハ劇団とあひるなんちゃらがあったから。
スイングバイ
ままごと
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
えすえふ。
柴作品はSF。Sukoshi Fushigi。その線引き具合が絶妙。あとちょっと踏み込んだらきっと何やってるか分からなくなっちゃうけど適度。演劇を見慣れない方は『こういうのもあるんだなー』くらいの気持ちで観れば良いし、畏まって観る必要がないのは次第に分かるはず。子どもが玩具で本来以外の用途での遊び方を見付ける様に、演劇で遊んでるんだなというのが伝わって来る。
物語はあらすじにある通り。ドラマや漫画で見た覚えがありそうな部分があって、でもそれは安易に選んだのではなく観る側から遠くなりすぎない様にあえての印象。共感というよりは再確認と顧み。
冒頭からしばらくは個人的にあんまり面白くなかったのが、途中からノリ始めました。始まった瞬間から面白かったらそれは好みだからだろうし、もしくは目当ての出演者を追うとか何かしらの観る為のスタンスが出来ているから。折原さんとか野津さんとか森谷さんとか事前に気に掛けていた役者はいたんだけど、冒頭のあれこれは個人を観る部分じゃなかったからこの演目自体を値踏みする目線になってたんだろうなぁ。それで面白く感じたって事は、ちゃんと面白かったんだと思います。
劇場を出てビルがあったらいいなと思えて、演目的にはルデコでもアサヒアートスクエアでもやれそう。とはいえそれに合わせるにしても次にやるなら規模的に池袋の芸術劇場とかになるのかなと妄想。
月並みなはなし[2010]
時間堂
座・高円寺2(東京都)
2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
やぁ、また会ったね。
標榜される「普通」から生まれる遣り取り。あくまで日常。劇的すぎない「普通」。
始まってからしばらくは何も始まっていない様な感覚でした。やがて思い出した様に少しずつ行く末に向けてゆっくり流れ出す。結果、何処で道を間違えたのか決定的なポイントが見付からない辿り方をする。だから最後はモヤモヤ感が残ります。このモヤモヤとどう接するかが、この作品との向き合い方。この作品が持つ温もりは人のそれに近い。余韻に思いを馳せるのは人を思い遣るのと似ています。誰かと遣り取りをしていて『は?こいつ何言っての?分かり合うの無理だわ』と切り捨ててしまう人には多分この作品はつまらないでしょう。くれぐれも勘違いに御注意頂きたいのですが、この作品が面白く感じなかった人への人間性否定ではないです。要素の話。
思い遣りが絆と足枷になるから、誰かにとっての幸せが他の全ての人々にとっても同じく幸せであるとは限らない。追うべきはその部分。月に行く事をそのまま受け入れて共感しようとしたらそりゃあ無理があっても当然。未来の話です。「都会に出る」とか「外国に行く」くらいに捉えたほうが吉。