ちゃたらーの観てきた!クチコミ一覧

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THE JAPANESE JOB

THE JAPANESE JOB

劇団恋におちたシェイクスピア

ワーサルシアター(東京都)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった!
まずはじめに「今日は京王線が遅延していて、開演が遅れる場合があります」と挨拶があり、それでもキッチリ5分後には始まりました。
最近、小劇場を見始めて、開始時間のルーズさが気になっていたので、この対応には好感持てました。
そして、お芝居が終わった後も、役者の皆さん出口にそろって、お礼で見送り。
いくつかの劇団では、終わった後の役者が友達とおしゃべりしていて「知らない客は無視」というのを経験したので、「恋おち」の皆さんの対応は、またまた好感もてました。

お芝居は、スタイリッシュで、ちょいわざとらしいハードボイルド調のセリフもありましたが、時事ネタも鋭く入れ込んでいて楽しめました。
役者の皆さんの熱演もすごかったです。
小山役の菅野さん、顔は汗かいてないのに首顎からポタポタものすごい汗が滴っていて、ビックリしました。

個人的に、シン役の田巻剛さんが良かったです。
田巻さんが出て来ると、そこしか目が行かなくなるので、ところどころ肝心なモノを見落としたのではないかという気もします。
というのが、終わった瞬間、「え?もう終わり??」と思ったんです。
頭の中で、すっかり違う話を描いていました。
ネタバレで、その敗因について語ります。

ネタバレBOX

まず小山が深谷と別れたのが4年前、そしてその後に結婚した、子どももいる、その子どもが「女の子で4才になる」って言われたら、二股かけてたのでなければ、「子どもは小山の子じゃない」って思うでしょ~(汗) 
まずそこで一つドラマを勝手に作りました。

次に、三井アウトレットモールでの試着室。
シンが宝石とお金を、本物のバイヤーと交換した「後に」小山が試着室に入る場面がありました。藤原たちの計画では、小山の鞄を遥がニセの金と交換した「後に」、遥が本物のバイヤーと取引することになっていたので、この順番はおかしい。
シンが自分以外のメンバーの時計をずらして合わせていたトリックは分かりましたが(それはそれでちと無理があると思うけど)、それでも、本当のバイヤーに伝えていた時間は15時15分よりも後でないと、遥が換金できません。だとしたら「この順番はおかしい」と思ったのです。
(ここらへんまでに何か見落としてるかもしれません)

そこで、私の脳内ではシンが黒幕(バイヤーとの直接連絡係で取引を15時10分に変更していたとか)、もしくはシンと小山が裏でつるんでいる(わざと遅れて試着室に入った)という筋書きができました。

まあ、このあたりが敗因ですね。

ついでに言うと、小山があそこまで必死に金を欲しがるのは、自分の実の子じゃないけれど「4歳の娘が心臓病」で、外国で手術をしないと助からないとか、それくらいのドラマを作っていました。勝手に。
だからパスポートもいるのだなって(笑)
だって、家族置いて高跳びはしないよねー。

思い込みって、こわい。


最後は1億3000万円も手に入れて、家族ぐるみでさっそうと日本を去る小山を予想していたので、もう一回どんでん返しがあると信じていたんです。

1億3000万円は、結局どうなっちゃったの??
北の諜報員の手に渡ったままなの??
その諜報員は、公安に囲まれたけれど、つかまったの??

山路は、死んじゃったの?
確かに悪い奴だけれど、藤原との差が大きすぎて可哀想だ。

そんなこんなで、色々突っ込みたくはなりましたが、総じて楽しかったです。
またぜひ観たい劇団です。
特に田巻さん、田巻さんのダンスがもう一度見たいです。

雪鼎

雪鼎

ミュージカルグループMono-Musica

ザムザ阿佐谷(東京都)

2011/11/25 (金) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

阿佐ヶ谷でミニミニ宝塚を観た
私事から入って恐縮ですが、かつてヅカオタクでした。
一番夢中になっていたのは、一路さんがまだ万輝と名乗っていたころです。毎日見て毎日手紙入れてました。
そこから数えるとヅカ観劇歴は四半世紀を軽く超えます。
そんな私なので、宝塚風の劇団にはむしろ厳しい目で観てしまいます。
この劇団については、とにかくヒロインが娘役っぽくないんです。歌は上手いんですが、歌の上手さにあとは全て目をつむってと言わんばかりです。
トップ娘役なんだから!メイクが男役に負けてちゃダメ!!

いや、宝塚じゃないし・・・と言うのなら、逆に男性陣の化粧をヅカ風にするのをやめてください。見ていてバランスが悪いのです。

しかし、三廻部さんはもろに男役演技でしたね。歌った後の、キッとにらみあげる立ち姿とか、思わず拍手を送りたくなりました。

そう宝塚だと曲ごとに拍手があるのですが、それが無いので逆に違和感ありました。唯一、客席から拍手があったのは、そういう場面だったからというのもありますが、柳井久実さんだけ。

歌は皆、上手でした。
特に柳井久実さんと福原悠理亜さんのデュエットは迫力ありました。
木下祐香さんの歌声も素敵でした。

オリジナルの楽曲も、ところどころ聞いたことあるなーという感じは受けましたが、ミュージカルらしくて良かったです。
個人的に飯田能理子さんの作られた曲が好きです。
あと夏織さんの「縁」は耳に残ります。パンフレットに歌詞を乗せたのは良いですね。

ストーリーははっきり言ってありきたりですが、宝塚だと思えばこんなものです。ヅカの楽しみは、ストーリーじゃありません。

機会があれば、また観たい劇団です。

ネタバレBOX

雪鼎の意味はよくわかりました。
最初、不思議なタイトルだなと思いましたが、鼎に「三つ」の意味があるといったところで、三角関係だなと。
素敵な男性二人に想われる佐代子がうらやましい。
だからこそ、佐代子にもっと輝いていただきたいのです。(しつこいですね)

余談

私の後ろにはセーラー服を着た女の子たちがずらっと座っていて、幕間にキャーキャー言ってました。
私も、いま高校生だったら木下さんあたりのファンになって追っかけしていたかもしれませんが、いかんせん、今の好みは、りょう似の柳井久実さんと、山村紅葉にしか見えなかった福原悠理亜さんなのでした。

すみません、福原悠理亜さん、写真で見たら可愛らしいお嬢さんなのですが、この貴美子役では紅葉だったのです。髪型、要注目です。
関係ないですが、山村紅葉さん、早稲田政経出のものすごい才媛なんですよ。
こちらのパンフレットにも、女優のみなさんの卒業大学名が書かれていて、お茶女や埼大、上智、法政と才媛ぞろいなので、ふと思い出しました。

green flowers vol.11 かっぽれ!

green flowers vol.11 かっぽれ!

green flowers

テアトルBONBON(東京都)

2011/11/25 (金) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ほっこり
みんなが良い人で、心が温かくなる話。
まさに落語の人情話をお芝居で見せていただきました。

全体的に「うわープロだ」と呻らされる演技や演出、堪能しました。
お芝居の中で語られた『柳田格之進』、すばらしく良かったです。
落語、聞きに行きたいという気持ちになりました。
ありがとうございました。

ネタバレBOX

吉太役の人、本当に噺家さんのようでした。
鈴木役の人のかっぽれ、足の親指がピンと立っていて決まっていました。
なつみさん役、失礼な言い方ですが、ただ一人すごく素人っぽく感じました。
それが、落語から距離を置いている「普通のOL役だから」だとすると、やられた!って感じです。笑顔がまぶしくてかわいいです。
せん吉役の人、劇中渋くてカッコよかったんですが、帰りに受付のあたりで知り合いと立ち話、「すんげー疲れた」とか言ってる姿は、できれば見たくなかったです(苦笑)

とても素敵なパンフレットでしたが、どの役が誰というのがわからないので、役者名と役名を併記していただけると、次回の参考になります。


日記的余談。
私の周り、ご年配のお知り合い同士がたくさん座られていて、開演前に剥いたミカンが回っていたのが笑えましたが、帰り道、八百屋さんの店頭(というか路上)に、ひと山100円のミカンが売られていて、これか!と思った次第です。
黄金時代(仮)~【公演終了致しました。皆様、有難うございました。次回作もご期待下さい。】

黄金時代(仮)~【公演終了致しました。皆様、有難うございました。次回作もご期待下さい。】

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ぐるぐる考えます
「わからないものを分からないで終わらせてしまうことは、とてももったいないこと」
と、最近、誰かが言っていました。
だから分からないなりに考えたいと思いました。


正直、このお芝居、わからなかったです。
ただひたすら、役者の演技に圧倒されました。
特に3人の被疑者女性と、その女性たちに殺される男(1人3役演じ分け)がすばらしかったです。
女刑事役の亀田智子さんにも、惹きつけられる魅力がありました。

ただただ、感じるだけで頭がついて行かなかった。
けれども、「いいものを見た」という思いは残りました。

会場に入ってすぐちょっとした違和感、いつもは椅子の上にどっさりあるチラシの束やアンケートが無い。そう思っていたら、終演後に、チラシとアンケート&返信用封筒(なんと切手付き!)が劇場出口で手渡されました。
切手付き封筒だけでも、すごいなあと感心していましたが、高円寺の駅のホームで劇団のチラシ(パンフ)を開いたら、役者さん全員の肉筆メッセージが書かれていました。
すごい。
ああ、捨てられないなあ……と思いました。
これから見る人、荷物になるなと思っても、受け取った方がいいですよv


(小さいオツムで考えた内容はネタばれで。これから観劇の人は絶対見ないでください。観終わってからの人は、よかったらご意見ください。てか、教えてほしいー)

ネタバレBOX

この芝居を観る前に「黄金時代(仮)」のSNSに登録して、楽しませていただきました。
その時「今思いつく3つの衝撃的だった殺人事件」についてコメするスレがあり、私は、もっともショックを受けた事件として「神戸連続児童殺傷事件」、酒鬼薔薇聖斗の事件を思いついていました。
今でもたまにニュースでバラバラ殺人とか出て来るとドキッとしますし、その殺人にどんな理由があったにしても、死体をバラバラにするという行為には嫌悪を覚えます。

だから、今日の芝居で、「被告には殺意は無かった。ただ、太古の血が濃かっただけだ」という結論には、衝撃を受けました。

それでいいの?!

しかし、最後の最後、被告3人が子ども(らしき肉片)の手足を引き散って叫びながらバスタブに投げ込んでいる場面が、ものすごく気持ち悪かったので、何か逆説的な意味があるのではないかとも思いました。
太古の血が濃く流れているというのは、人として原始的すぎるということ。

「本当はやっぱり、許されないんだよ」

そう考えたら、全部が逆説で、母親の胎内であるバスタブを「飛び出した」と言われた被告たちは、逆に母親の胎内から出ておらず、猟奇殺人を犯す人間は、精神的に未熟だと言いたいのか、とか。
しかし、そう考えるのも穿ち過ぎの気もします。ええ、かなり。

グルグル考えても、よくわからない。
なので、答えを知っている(思いついた)人がいるのなら、教えてほしい。というのが正直なところです。
すぐに隣の人と答え合わせをしたくなる、共通一次試験世代です。←あっ

ついでに気になったのは、カウンセラーの立場で言わせていただければ、あの八里塚さんは、カウンセラーではないですね(笑)
作家といってました。カウンセラーを名乗る胡散臭い作家です。
だから、彼の言動にも、何が真実なのかぐるぐる悩むのです。

ラストシーン草原の中にポツンと置かれたバスタブは印象的でした。
あれを見て、「小さくなってるよ~」と笑った人がいて、ちょっと興ざめでした。
余韻に浸りたかったんですが。
トラone×CHUBBY 

トラone×CHUBBY 

トランジスタone

CHUBBY (京王線 代田橋駅 徒歩1分)(東京都)

2011/11/22 (火) ~ 2011/12/13 (火)公演終了

満足度★★★

素敵な時間は過ごせました
もとは倉庫を改造したカフェレストランCHUBBYを舞台にしての食事つき演劇。
芝居が始まるまで、作・演出の水野さんとそのお身内の方、役者の高橋さんのお友達とその先輩、素敵な人との出会いがあり、とても楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます。
お芝居の前にこういう時間が持てたというのはとても貴重な経験で、それだけでもとても満足いたしました。

舞台はレストランCHUBBYのど真ん中にしつらえた探偵事務所。
役者たちは、店全体を動きまわり、時には店の外にも出て、空間を自在に使っています。その辺の演出は面白いと思いました。

しかしながら、お芝居自体の内容については、色々な面で「残念」と言わざるを得ません。
(詳しくはネタばれで。これから見る人はご遠慮ください)

役者さん一人一人にはとても好感が持てましたので、これからも応援したい劇団です。

約90分の芝居と聞いていたので、20時に始まって21時30分終演と勝手に思っていたのですが(小劇場の開始時間が平気で5分10分遅れるのにはまだ慣れていません)、そこから25分も遅い21時55分終演には参りました。
21時30分を過ぎてからの芝居がものすごく冗長に感じました。

どんなに遅くとも21時58分代田橋発の電車に乗る予定で、50メートル10秒の俊足(笑)でゼイゼイ走ったのですが、間に合いませんでした。
星の数が減ったのはそこにも理由があります。すみません。

ネタバレBOX

探偵とその仲間たちの話でありながら、事件という事件は起こらず、五人の男の妄想だけで話が進んでいく。それはそれでいいのですが、あまりにもレベルが低すぎて、失笑を禁じえませんでした。
探偵ともあろう人が「ロミオ&ジュリエットってどんな話だ?!」は無いでしょう(笑)
細かいことを言うと他にもいっぱいありますが、探偵がおバカちゃんすぎて引いてしまいました。
途中に度々入ってくるナツメロも、狙いが良くわかりません。
井上陽水までは「探し物」つながりでよいのですが、あみんの「まつわ」とかヴィーナスの「キッスは目にして」とか、いまどきの人に受けるのでしょうか??ところどころ聞かせてくれる、山田英真さんの歌声は素敵でした。


猫缶にしてもロミオ&ジュリエットにしても引っ張りすぎだと思いました。
オチは、観客がわかるまで引っ張ってしまうと笑えないんです。
わかっていても笑ってくれるのは、特別な愛情のある人だけだと思います。

あの、名前から連想するロミジュリ場面、奏さんが「この二人、名前が似てませんか」と言って考えさせていくのは、とても無理がありました。
あそこ例えば、奏さんが二人の関係を勝手に想像して、
「この二人、許されない恋人同士だったとか?」とか言って、それに間髪いれずに鶴さんあたりが、
「馬鹿言うな、いくらフミオ&ジュエリエツコだからって!」(←発音はまんまロミオ&ジュリエットで)と言ってくれたら、
「あ、似てる」「そう言われたら似てる(笑)」という気持ちで笑えたと思います。
笑いは、間というかスピードが命だと思います。
そういう、ああ~残念だなってところがたくさんありました。

それでも、林田さんの名古屋弁キャッツ(の一回目。二回はやっぱりくどい)と鶴さんの梅の木(紅天女か・笑)は、笑えました。
個人的に鶴さん役の高橋信康さんの演技はとても惹かれるものがありました。飄々としていて良かったです。


色々書きましたが、芝居が始まるまでは本当に良い時間を過ごさせていただきました。
役者さん一人一人、とても好感持てます。

だからこそ、役者仲間や身内だけではなく、演劇ファンがお金を出しても見たい芝居を作っていただきたいと心から思います。
これからも応援しています。
仮面の剣士 LOVE之介♡

仮面の剣士 LOVE之介♡

劇団 EASTONES

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2011/11/18 (金) ~ 2011/11/24 (木)公演終了

満足度★★★★★

本格的!
最近小劇場系のお芝居を知って、いろいろ観はじめたのですが、この「LOVE之介♡」は、久しぶりに明治座あたりのお芝居を見た気分になりました。
おちゃめなタイトルにも関わらず、本格的なエンターテイメント時代劇でした。
富蔵役の石田武さん、お虎役の堂面一るこさん、種吉役の青木主税さんらの芝居がしっかりしているからだと思います。

そして、驚いたのが役者さん達の動きの素晴らしさ。
殺陣の場面は華麗な刀さばきにうっとりですが、それだけじゃなく、側転、バク転、連続回転、なんでもあり。小春役の吉浜愛梨さんには驚かされました。
役者さん達の動きを観るためだけに、チケット取っても良いと思います。

笑いの場面も計算されていて(でも客席にはそうとわからない)、安心して笑えました。
楽しいお芝居をありがとうございました。

ネタバレBOX

仮面の戦士が、次々に出て来る場面、爆笑でした。
富蔵さんの桃太郎侍風。肩からではのこぎりに手が届かないという、ちょっとした動きとかがツボにハマりました。

客演のお二人の殺陣も素晴らしかったですね。
白木隊長がなかなか死なないところは、歌舞伎を思い出しました。
攘夷隊はイケメン揃いでしたね。LOVE♡です(笑)
ある馬の物語

ある馬の物語

劇団俳優座

あうるすぽっと(東京都)

2011/11/14 (月) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

すばらしかったです。
人間は「自分がこの世で何をなしえたか」ということよりも、「自分が何をどれだけ持っているか」で、幸せの度合いを計っている。
「私の」という所有格の代名詞を、より多くの名詞に対してつけることのできる人物がより幸福だと、人間は考える。(トルストイ『ホルストメール』より)

トルストイの「ホルストメール」を初めて見たので、この芝居の演劇としての出来の良さはもちろん、もともとのテーマにも深く感動させられました。
立派だった公爵の最後は、死んだ馬ほども役に立たないんだという皮肉。歳を取るなら、堂々とした老年になりたいですね。

オープニング、役者たちがマイムで円形の舞台を回りながら、人間から馬になっていく様は幻想的でした。

小山力也さんのいななきは馬にしか聞こえず、いつしか馬ホルストメールにしか見えなくなりました。
動物に(だけ)は弱いので、やっぱり泣きました。

いいお芝居でした。

ネタバレBOX

最後のシーンで、舞台のまん中がポッカリ空いて、そこから音が聞こえて来るのが、とても不気味でした。
あれは何を意味しているのでしょうか。
観た人のご意見が聞きたいです。

ソワレで早く次のところに移動しないといけなかったので、アフタートークを聞けなかったことが残念です。
あの穴についても、なにかヒントになる話があったのでしょうか。

俺んちに神様!?

俺んちに神様!?

タッタタ探検組合

タイニイアリス(東京都)

2011/11/17 (木) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★

おとぎ話
雨の日でしたが、会場内はお客さんでぎっしり。スタッフの人はみな感じが良くって、誘導もスムーズでした。
椅子の上にあったお芝居のチラシ(これなんていうんですか?一枚ものの役者紹介とかあるコピーの)にはなんと福銭まで付いていて、アンケート用の鉛筆にも可愛らしい心遣い。
芝居が始まるのを待つ間は前方スクリーンにアニメーション映像が流れていて、弥が上にも期待が高まりました。

そして、ワタシ的には、期待が高まりすぎたんだと思います。
役者のみなさんは、みんな上手でした。
特に谷口有さんの大阪弁の神様、サイコーでした。
弁財天の山素由湖さんも雰囲気があって色っぽくて、ついつい目で追いかけてしまいました。

しかしながら、本が、ちょっと……予定調和(俗語としての意味)、ご都合主義っぽく、物足りなかったです。
わかりやすいといえば、わかりやすいんですけれど。
おとぎ話だと思えば、楽しめると思います。


(これから見ようかなと考えている方は、ネタバレ見ちゃダメですよ)

ネタバレBOX

芝居が始まると、オープニング映像。
そのスクリーンの裏から突然現れる、青年のリアルな下宿部屋。
出だしから、ものすごいインパクトでした。
そこにワラワラと現れる神様たち。にぎやかです。ダンスも楽しい。
これからどうなっていくのかな~v とワクワクしたら、そこから先は案外フツーのドタバタ。
高橋留美子の漫画に出て来るような酒盛りシーン。
鬼とオオタマブクロの闘いのアクションシーンでは、役者たちのコンビネーションに目を見張るものがありましたが、たまたま石原正一ショーで同じのを見ていたので、これも小芝居系ではよくある演出なのかなとか思いました。すみません。

主人公が美咲ちゃんに騙されている様子はとても不自然で、もちろん騙している方も不自然で、わかりやすくという配慮なのかもしれませんが、学芸会を見ているようでした。
美咲ちゃんの心の声も「あそこまで露骨に語るか(笑)」と、まさに心の声で突っ込みました。

主人公吉宗くんが尻こ玉を抜かれて完治するのは予想通りでしたが、闇金がお母さんからの手紙で号泣して借金をチャラにするのや、あんなだった美咲ちゃんが、「直接心に語りかけた」神様の説教で改心するというのは、全てメルヘンだと思えばいいんでしょうが、違和感ありすぎました。

あと、これは個人の好みでしょうが、暗闇での弁財天の色っぽい喘ぎ声とか、客席に向けて美咲ちゃんがミニスカートで放屁とか、一部ファンサービスなのもしれませんが、あまり要らない気もしました。

女霊媒師の場面もいらないか、もう少し面白くできそうな気もしました。あのおまじないとかも工夫したらもっと笑えたと思います。
(そもそも闇金がターゲットの部屋を除霊するというのは、あり得ない通り越してバカバカしくて笑いましたが)


NHKの「俺んちの神様」はわずか30分の間に「意外な訪問者、お笑い、ドタバタ、主人公の自覚と自立」と組み込んだものですが、同じような内容・テーマを2時間に引き延ばしたために、ちょっとつまらなくなっちゃったのかなと思いました。2時間、長く感じました。
すごいセットと役者さんたちだったのに、残念。

あくまで個人の感想なので、許してください。
すごく楽しかったという人もいると思います。

まるっとハッピーエンドというのも、こんな時代にはいいのかもしれません。
かざかみパンチ

かざかみパンチ

カムカムミニキーナ

座・高円寺1(東京都)

2011/11/03 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ドタバタじゃなかった
小学生の頃、「風はどこから吹いてくるのですか」という子どもの質問に、「風上から吹いてきます」と言い切った女の先生がいました。子ども心に「ごまかしやがって!」と思ったものですが、今考えるとこれほど正しい答は無い気もします。
そんなノスタルジックメモリーをほじくり出してくれた「かざかみパンチ」
チラシやそこに書かれた紹介文からかってにコメディーだと思って行きました。ドタバタか、もしくは「サラリーマンNEO」風のクスッと来るヤツ。
ところが、どっこい。
確かに笑いの要素は散りばめられていましたが、見終わる頃には、演劇と虚構とか、現実と自己喪失とか、部屋とYシャツと私とか(嘘、ごめんなさい)、色々考えさせられる重たいお芝居でした。

2時間40分、内休憩10分。千秋楽の今日は終わったらちょうど3時間でしたが、少し長く感じました。全体で2時間くらいにおさまっててくれれば、むしろ分かりやすかったかも。

ネタバレBOX

正直、1回見ただけじゃわかりません。←私は。
2、3回見て、やっと本当のテーマに近づけるのでしょうか。
まさに『飲み込むのが惜しくてしゃぶり続けるイカゲソ』のように、しゃぶり続けないと。
『演劇でないと伝わらないことがある』と、八嶋さんが言ってましたが(あのブルータスのシーン好き)、演劇にしてもわからないことがある。
あのギャグは、そういうことだったのかな(笑)

久ヶ沢徹さんの身体能力にビックリしました。
カーテンコールでの挨拶で、こう見えてもうじき50才にはもっと驚きました。
ニューヨークに行きたい!!

ニューヨークに行きたい!!

東宝

帝国劇場(東京都)

2011/10/29 (土) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

サービス精神あふれるミュージカル
キャリアウーマンとバツイチ男、老人ホームで知りあった年とった男女、ゲイカップル。三組の恋人同士にスポットを当てるのですが、それぞれ薄っぺらで、ストーリーにはあまり感動無く、登場人物にさほど共感もできません。が、深く考えないで曲と踊りを楽しむだけなら、十分、良いミュージカルだと思いました。
オーケストラも役者たちも、お客様を楽しませようというサービス精神いっぱいです。
客席にキャストが下りてくる、また客席から舞台に上がる場面もあり、客席と舞台を近づけようという演出。通路側に座っていたので、ちょっと得した気になりました。個人的には、一幕の最後の「地獄からのメッセージ」がとても盛り上がってよかったです。

レトロな感じの舞台衣装も見て楽しめました。
浅丘ルリ子さんの衣装がすばらしく、一緒に見た友人はルリ子さんに一番感激していました。

瀬奈さんはエリザベートの時よりも、キャラに合っていて良かったです。
すごく楽しそうに演じていて、橋本アクセルの悪ふざけに笑う場面では、本気で笑っているようでした。
橋本さとしさん、今回も素敵です。いろいろアドリブ入れているようです。

子役の吉井一肇くんが、ものすごく上手でした。

上演前にはロビーで、「題名の無い音楽会」風のミニコンサートがあり、指揮者の塩田さんが「山崎邦正です」と挨拶したり(似ている・笑)、「こう手をあげたら塩ちゃん!って声かけてね」と事前にお願いしたりで、とても楽しませてくれました。
ミュージカルはたくさん見ていますが、指揮者の顔と名前をおぼえて帰ったのは初めてです。

楽しいミュージカルをありがとうございました。

ネタバレBOX

浅丘ルリ子さんの歌が、よわよわしいのですが雰囲気がありました。
村井国夫さんは、たぶんルリ子さんに合わせているのでしょう(いや、老人役だからか?)、いつもの声量は発揮されず、一歩引いた感じ。
全てにおいてルリ子さんを引きたてる側に回っていらしたように思います。

eプラスの貸切公演で、最後に挨拶があったのですが、橋本さんと村井さんの掛け合いがとても楽しかったです。このお二人は、本当に「楽しませよう笑わせよう」というサービス精神が旺盛です。
橋本さんの後に村井さんが、「つまらないシャレを聞かせてすみません」と、橋本さんの言ったことを謝りながら、自分も全く同じことを言って、「それ同じ」と橋本さんがすかさず突っ込む。すると瀬名さんが「親子だからね」とうなずく。キャスト同士がすごく仲がいいのが見てとれました。

仲が良いというと、瀬名さんと橋本さんの枕投げシーンでは、あまりに楽しそうなので、この二人が本気で恋に落ちていたらどうしようとまで思いました(笑)
Surprise Guest どっと COME

Surprise Guest どっと COME

東京おいっす!

「劇」小劇場(東京都)

2011/11/05 (土) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いました
楽しい1時間44分でした。
否、正確に言えば始まって15分くらいは、ドキドキしていました。
会場が温まっていなかったからでしょうか、セリフでは面白いことを言っているのですが、笑いが起きない。
それでかどうか、ベテランらしい役者さんが噛んでしまう。
ますます芝居が固くなる。
で、大丈夫かな、と心配しましたが、案ずることはありませんでした。

Surprise Guestが出て来るたびに、ドッカンドッカンの大笑い。

色々な勘違いが起きるのも自然。(私でもそう思うよ!的な)
ちょっとした会話に託された伏線が、あとから綺麗に回収される見事さ。
一緒に見ていた友達が、終演後「伊坂幸太郎の小説みたいだった」と言いました。←彼女の最大級のほめ言葉

とてもよくできた脚本でした。
面白い芝居をありがとうございました。

ネタバレBOX

初め、主役のファンタジー作家先生のカツゼツがちょっとだけ気になりました。ちょっとだけ。

女性陣は、皆さんすごくきれいなのですが、せっかくの「笑い」の場面を普通の会話に終わらせたところがあって残念でした。
間が少し違っていたら、もっと笑えたと思います。

花嫁のお兄さんと、伝説のウェディングプランナーと、ナンセンスギャグ作家からアダルト作家になる先生(全員名前正確に覚えていません御免なさい)が安定していてよかったです。

過去のお芝居のDVDを買おうかなと思ったのですが、終演後、そのテーブルの周りがすでに人でいっぱい。雨が降っていたからだと思いますが、役者さんとそれを囲むお友だちでギュウギュウだったので、購買部に近づけないまま、出口に出てしまいました。すみません。

煙草の演出は、事前に「本当のたばこじゃありません」というアナウンスがあって良かったのですが、それでも前の方はかなり煙たかったです。劇場内飲食禁止の注意で、水を飲めなかったのが辛かったです。
あそこまで煙たくする必要があったのかどうか、ちょっとだけ疑問です。

とにかく面白いお芝居でした。
またぜひ見に伺いたいです。ありがとうございました。
岸田國士傑作短編集

岸田國士傑作短編集

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2011/11/04 (金) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★

昭和初期
最近あまり聞かない言葉遣いやレトロな服装、昭和初期の上流の家庭のひとコマをのぞき見たようで面白かったです。
男女の意識の違いなどは、現代にも通じるように感じました。

が、やはり短編集なので物足りなさは否めません。(これは好みの問題だと思います)

役者さん達は、とても上手でした。話し方も自然で、その時代の人のようでした。

あと、舞台のクリムトが素敵でした。

ネタバレBOX

ネタバレじゃなくって日記。

高校生たちが見に来ていましたが、開始早々に半分くらい寝ていました。
学校で進められてきたのでしょうか。

あと、芝居の途中で出たり入ったりするご年配の方がやたら多く、席が通路横だったので気になりました。




平成中村座 十一月大歌舞伎

平成中村座 十一月大歌舞伎

松竹

隅田公園内 特設会場(東京都)

2011/11/01 (火) ~ 2011/11/26 (土)公演終了

満足度★★★★★

さすが中村座
初日2日目に行ってきました。
すごーく良かったです。
役者も良かったし、平成中村座という小屋の雰囲気も良かった。
とても楽しめました。

一つ一つの感想は、興味ある人だけブログでお願いします。ネタバレで。

筋書きは1500円。対談あり解説あり、そのうえ巻末に付録ありで、お得感あり。毎月買うといいことあります。
トイレもたくさんありました。これでもかって言うくらい。幕間、慌てなくても大丈夫です。
お弁当は950~1500円くらいで、小屋の外で販売していました。

歌舞伎見たこと無いという人、ここでは「幕見」もあります。
一度見てみても良いと思います。
小さい小屋で雰囲気あるし、お芝居の迫力もあります。

ネタバレBOX

ブログで感想↓
時間のある人だけご覧いただければ幸いです。

http://ameblo.jp/imacoco2010/entry-11064464676.html


いつも誰かのせいにする

いつも誰かのせいにする

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2011/11/03 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

個人的にいたたまれなかった
役者の皆さんとてもお上手で、照明、場面転換なども計算されていて、すばらしい舞台であることは間違いないのですが、このお芝居が好きかどうかと聞かれたら、「好きじゃない。ちょっと苦手」というのが正直な気持ちです。

いろいろなセリフで、チクチクと痛いところを突かれました。というか、ほじくり返された。

片桐はづきさんが演じる徳川修子が30才のころの自分に重なりました。
同族嫌悪を呼び起こすくらい。リアルに嫌な女を演じられていましたね。

他の登場人物にも、ちょっとずつ(もしくは、かなり)嫌な面があって、それが過去の自分と重なって、いたたまれなかったです。
まあ、「過去の」と言えるくらいに年とって大人になっているのが今の自分の救いです。30才で見たら、何も気づかなかったと思います。
え、あれ、何が悪いの?的な(笑)

脚本に込められたテーマが重くリアルなんでしょうね。
背景はデフォルメされていますが、ものすごくリアルに感じました。
次は、また違う脚本で観てみたいです。

嫌な人物を演じられていても、役者の皆さんは、本当に素敵でした。
個人的に小林タクシーさんとザンヨウコさんが気になります。とてもvv

上質なお芝居をありがとうございました。

ネタバレBOX

開演前のアナウンスはよくわかりませんでした。
あんな風に自分の名前を連呼したり「ごめんなさい」を繰り返したのは、何かの演出ですか?
内輪受けっぽくて、初見の自分には少々耳障りでした。
(すみません。正直な感想として、あしからず。)



徳川さん同族嫌悪集(自分用覚書)
・上司という立場で年上の男性にも嵩に懸かったもの言い
・自分のことは棚にあげ、他人の欠点や限界についてえらそうに説教
・自分の知らないもの、見ていないものについては、無かったこと
・試写会に応募してくるタダ見客を乞食扱い
・自分がやったことでも「あれで本当によかったの?」と被害者ぶる
・あなたって××と指摘(否定)された時、言われた内容を省みる前に「誰が言ってるの」と聞くあたり

けんのん けんのん
眠れぬ雪獅子

眠れぬ雪獅子

TSミュージカルファンデーション

世田谷パブリックシアター(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

素晴らしいダンスと歌声
まずオープニングから保坂知寿さんの透き通った歌声に心を鷲づかみされました。四季のころから、全く変わらない美しさです。
そして、しゃべるとちょっと癖のある声も相変わらずで、嬉しかったです。
そしてもうお一人、今井清隆さん、本当に立派な声。この二人がしっかりと支えてくれたので、若い人たちものびのびと歌えたのではないでしょうか。
厳しいことを言えば、この二人以外の歌には少し難もありましたが、上手い下手を超えた情熱を感じられたので不満はありません。
そして、評判の良かったダンス。これは、もう大満足でした。群舞も華やかで、照明と合わさって幽玄な雰囲気もよく出ていました。
東山義久さんのソロはシャープでキレキレ。ジャンプする場面では羽根が付いているのかと思うほど高く飛んでいました。
(伊礼さんの踊りがそれに付いていけてないのは、役の上から当然だと理解しています・笑)

残念なのは、曲の印象が暗いので一度聞いただけだと頭に残らず、帰りに頭の中をグルグル回って離れないというような状態にまではならないところ。
2、3回見たら違うんでしょうが。
その代わり、東山さんの上腕筋が頭の中をグルグルしています(笑)

もっと話題になってもいいミュージカルだと思いました。
東京は明日までで、私も観るのが遅かったのですが、これから行く富山、兵庫の方は、機会があったら見てください。

東京でも再演を希望したいです。

ネタバレBOX

初めの頃の場面、保坂さんの歌が終わった後、入れ違いに女性ダンサー3人が入ってきました。(正確には、ひとりは最初から踊っていた)

まん中の女性が上手いなと思って見ていたのですが、両脇のダンサーがそのまん中の女性の長くヒラヒラした袖を引きちぎると、筋肉ムキムキの肩とたくましい腕が現れ、顔を見たら、男の東山さんでした。

その後からは、もちろん男の踊りになっていて、その違いが際立っていました。
優雅な動き(と保坂さんと似たグリーンの美しい衣装)に、すっかり女性だと思って見ていたもので、ビックリしたというか、ちょっとゾクッとしました。
蒲田行進曲

蒲田行進曲

ファントマ

シアターKASSAI(東京都)

2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

どっちもサイコーでした!
有楽町ルミネに並ぶのを止め、マチネで「熱血」バージョン、ソワレで「狂乱(妖乱)」バージョンを見ました。結果的に大満足です!

初見だったので、先に「熱血」を見たのはよかったと思いました。
まずは、「熱血」で、役者ひとりひとりのクオリティがどれだけ高いかを知らされた上で、おバカパロディ満載の「狂乱」を楽しむ。ワタシ的に正解でした。
本当に楽しかったです。

全ての役者さんが、すごく魅力的で、誰を見ていいかわからないほどでした。
伊藤えん魔さんなんて、写真だけ見たら『タダの太ったオッサン』なんですが、舞台に立つと、ものすごくカッコよく見えるんです!
初めて新感線で古田新太さんを見た時と似たような驚きがありました。
大阪の劇団なので、東京に次に来るのは「春あたり」とのことでしたが、次回も絶対見に行きます!

『惑星ボーイズ』のDVD買ったので、これから見るのが楽しみです。

いいお芝居をありがとうございました。

ネタバレBOX

両方のバージョンでヤスを演じた行澤孝さんは、つかこうへいの描いた、情けなくて健気で馬鹿で哀愁漂う(散らす?)ヤスそのものでした。
二つのバージョンで、微妙に違う台詞を言うのは大変でしょうに、「狂乱」バージョンでも真面目なところではキッチリ本筋の蒲田行進曲に戻していました。

「熱血」で銀ちゃん、「狂乱」で橘役の藤元英樹さんは、殺陣がすばらしく上手で、キメポーズがいちいち決まってました。かっこよかったです。あれなら銀ちゃんの非道ぶりも許せる感じ。最後、階段落ちを止めてくれと監督や橘に頼むところでは、愛を感じてグッときました。顔も大きくて迫力あり、昔の日本の役者顔です。あっこれ、ほめてるつもりです。

「熱血」の橘、田渕法明さんは、「狂乱」では小夏。ヒロインです。
先に橘を見ていて良かったです。小夏があまりに可愛らしく女の子らしいので、橘を見てなかったら、普通にスタジ○ライ○的な役者さんなのかと思うところでした。
プライドの高い歌舞伎役者の御曹司から小夏への変化が見事でした。

佐藤正宏さんも宮都謹次さんも良い味出ていました。
佐藤さんでは、世界的有名な日本の監督クイズのボタンを押すまでの一人芝居、宮都さんではラグビーの先輩の場面と、本筋とあまり関係ない場面で、すごく笑わせていただきました。
芝居の中で、ああいう場面が成功するかどうかって、ものすごく大事だと思うのです。
他にも安心して笑える場面が、(狂乱はもちろん熱血の中にも)たくさんあって、秀逸なエンターテイメントでした。


そしてそして、最後に美津乃あわさん!ラブ!!
昼間に「熱血」の小夏を見たときから、気になって気になって。美しかったり、健気だったり、上手だったり、気になる理由はあると思うのですが、それ以外にもなんだかとても心が惹かれる。
なんなんだろう?とよくわからないまま、お昼のアンケートにも「美津乃あわさんのファンになりました」と唐突に告白したのですが、ソワレで「狂乱(妖乱)」の銀ちゃんを見たときにわかりました。

ヅカ追っかけ歴20年(少なくサバ読み中)の私は、美津乃あわさんの持つヅカヅカしいオーラに惹かれていたのですね。
オスカルのパロが出て来たときにはどうしようかと思いました。どうもできないけれど。
よく見たら、アイラインとつけまつげが『本当の目よりも2ミリ上』という、メイクも素敵なヅカメイク。死に際のアンドレ(行澤孝さん)のセリフで「化粧落としたら誰もわからなくて」とか言われていましたね(笑)

ベルばらのパロだけでも見せたい友達がいっぱいいます。
もちろん、全部見て欲しいけど。とにかく面白かったです。
まだ間に合うから、みんな池袋に駆けつけて!!
雲心「満員御礼!ご来場ありがとうございました!」

雲心「満員御礼!ご来場ありがとうございました!」

東京カンカンブラザーズ

シアターブラッツ(東京都)

2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★

ミステリーというよりファンタジー
最近、小劇場を見るようになって気付いたことがあります。
それは、「アウェイになると楽しめない」(笑)

私の観劇時「アウェイ」というのは、役者の友人、知人、劇団関係者に囲まれた状態。
今日もそんな感じでしたので、他の日に観たら違った感想になったかもしれません。

役者の中では、菊川浩二さんが良かったです。
また、石塚あつこさんは、表情がとても魅力的な女優さんでした。
この二人の場面では、(泣かないまでも)グッと胸に迫るところもありました。

畠山U輔さんも、若手お笑い芸人のような(ほめているつもり・汗)キレ、テンポの良さがあり、また別のお芝居で見てみたいと思いました。

脚本演出の川口清人さんは、役者としてもさわやかで素敵でした。が、田舎の幼馴染も弟妹も標準語なのに、ただひとり関西弁である理由がわかりませんでした。(母親が関西の人だったの?←憶測)
まあ、それは細かなことです。関西弁、とてもよく似合っていました。

ストーリーは、想像していたような「ミステリー」ではなく、むしろ「ファンタジー」でした。ヒューマンファンタジー。
謎解きはありません。
でも、感動できるラストが用意されています。

なにぶん私はアウェイだったので、いま一つ感動できなかったのが残念でした。

ネタバレBOX

芝居の開始前に、舞台が突然披露宴会場になり、新郎新婦からのご挨拶という形で飲食禁止や携帯電源オフの諸注意がありました。
その工夫は面白いとは思いますが、さほど可笑しいものでもなかったのに私の後ろや隣のあたりから大きな笑いが起きているので、妙だなと思いましたところ、どうもみんなその二人のお友達らしく、そこからアウェイな気分になってしまいました。

その新郎は本芝居の中ではヤクザの組長でしたが、組長なのに華奢で弱いというのがウリらしく、細い身体をさらしたり、しょっちゅう躓いたりして、笑いを取っていました。
正直、関係ないところで階段踏み外したりテーブルに膝ぶつけて痛がられても、全然面白くありません。
それなのに、私のまわりでは大爆笑なのです。
ナゴヤ球場に新庄を応援しに行ったら中日応援団のど真ん中だった日本シリーズのあの日を思い出しました。
中の人、辻博己さんが嫌というのではありません。すみません。

そんな気分で見ていましたら、いまひとつのめり込めず、ちょっと冷ややかな感想になります。
なにしろ、お友達らしき皆さんは大笑いだけでなく、ちょっと感動的な場面では激しく嗚咽し鼻もすするので、そっちが気になりすぎでした。


ストーリーには、さほどひねりは無く、ミステリーというには、かなり最初のうちから犯人らしき人物も、何故久子が脅されているのかもまるわかり。
鈴が何をしに来たのかも、考えるまでもない感じ。
そして、そのどんでん返しはというと、死んだ人間が現れて真犯人を言い当てるという解決策。
次郎が警察で否認したら証拠はどこにもないのではないかと、感動的なシーンでもモヤッとした気持ちが残りました。

全体通じて登場人物の台詞がステロタイプだったり、説明調だったり、リアリティに欠けていたりというのも気になりました。

(リアリティというのは、例えば拓が病院からの電話を受けたとき、最後「わかりました」と言って切るのですが、私はなぜそこで「ありがとうございます」じゃないのかとかが気になるのです。1年間も世話になった病院からの「その」知らせ、相手だって「そのこと」を伝える上ではねぎらいも慰めも言ったと思います。言うべきというか。それに対してただ「そうですか。わかりました」とだけ言ったのは、アルバイトの翔子が直人の肩を傷めた事情をこと細かに説明した場面以上に違和感ありました。)

たぶん、アウェイ気分じゃなかったらもっと芝居に引き込まれていて、そんなこと気にしなかったんだと思います。

色々書きましたが、役者のみなさんの熱演には好感持てました。
また機会があれば拝見したいと思います。
ありがとうございました。


あっ、最後に劇団関係者様に。
会場に入るときの案内はとても丁寧で感じ良かったです。ありがとうございました。
ただ、会場が混雑してきている割に、私の前の2列(4人がけ×2)が「関係者席」というのでずっと空いており、芝居が始まっても受付にいらした男性が一人座っているだけでした。
ところが、芝居が始まってから一人二人と関係者(なのでしょう?)が入ってきて、劇団の男性は丁寧に挨拶なぞして、それは人として礼儀正しくていいのですが、そのたびに芝居から気がそれました。
30分以上も経ってから入ってきた方もいらっしゃいました。
何かよんどころない理由で遅れて入るのがわかっているのなら、関係者席の作り方も一考されるとよいのではないかと思います。

ひとよ

ひとよ

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

人よ・・・
良いお芝居を見ると、幸せな気持ちになります。
この日も、しみじみ幸せをかみしめながら帰宅しました。
ありがとうございます。
友達にも勧めました。たくさんの友人に観てもらいたいです。

全米が泣いてもまず泣かない私ですが、最後泣いてしまいました。
不覚。でも、気持ちの良い涙でした。

特別な一夜から始まる話であり、素敵な人たちの話でした。
タイトルはやっぱり「一夜」だけでない、「人よ」のダブルミーニングですね。
一人ひとりの登場人物が愛しく魅力的な存在でした。

良い芝居をありがとうございました。

ネタバレBOX

子どもたちの為に父親を殺したお母さん。
冒頭から、いきなり衝撃的な一夜を目の当たりにして、そこからグイグイ物語に引き込まれました。

岡まゆみさんというと美人女優、お姫様女優(大河の細川ガラシャからか?)のイメージがあったので、最初驚いたのですが、すぐに気にならなくなり、いつしか「お母ちゃん」にしか見えなくなりました。
確かにおばちゃんと言うには不自然なほど美しいのですが、息子のためにモナカを投げつけるところなど、「お母ちゃん」そのものでした。
離れて住んでいる母親のことを思い出し、何度も涙が出そうになりましたが、そのたびにものすごく良いタイミングで、笑わせてくれた「ヨシナガさん」。最高です。ありがとうございました。
私は、芝居でも映画でも、他人がそばにいるときに泣くことをよしとしません。
芝居中に鼻をすするなんてとんでもない。(自分がするのもNGだけれど、他人のその音を聞かされるのも、実は嫌)
そんな私ですが、最後の、それまでずっと笑っていたお母ちゃんの号泣シーンには、涙の堰が切れました。
アンケートを記入しながら、鼻水ダラダラたれ流してました。不覚。

まいど豊さんの泥酔からその後に続く暴行シーンはとても演技には思えず、本気で怖かったです。
(あの場面があったので、死んだ父親がどんな男だったのかも想像できました)
芝居が終わってから「改めて役者ってすごいな」と思った次第です。
大満足のお芝居でした。ありがとうございます。


自分用覚書
「自分にとって特別な夜でも、他の人にとってはただの夜だよ。でも、自分にとって特別ならいいじゃないか」
「膝小僧もなか」
「代わりについてきたものもいっぱいある」
「牛が踏んでも泣かない」
「転換期です」
【終演致しました】とりわけ雨をはじくベビー【ご来場頂き、ありがとうございました!】

【終演致しました】とりわけ雨をはじくベビー【ご来場頂き、ありがとうございました!】

トリコロールケーキ

しもきた空間リバティ(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/24 (月)公演終了

満足度★★★

クスッ
本当に「微」ナンセンスでした。
大爆笑とはいかないのですが、フッと鼻から笑ってしまったり、思わずクスリとしてしまったり。

オッサンのキャラが良かったです。←本当にオッサンだった(笑)
サトルさんの真面目で飄々とした雰囲気も良かった。あの雰囲気が、オッサンを引きたてていて、会話の間も良かったです。この二人の場面では、よりたくさん笑えました。

一方で、やや演技が鼻についてしまった役者さんがいて(いえ、全く個人的な好みの問題ですが)、ちょっと残念でした。


(ネタバレは鳥原さんへの私信です)

ネタバレBOX

アフタートークでは、鳥原さんのお父さんが登場してきて驚きました。
普通そういうののゲストって、他の劇団の役者さんとかだと思ってましたから(笑)

しかし、お父さんの勤務先、お住まいを聞いて、鳥原さんも同郷と知り、一気に親近感が増しました。
私も高校までは宮崎にいたんですよ。
ここのコメントでも言ってたので、終演後にお声をかけようと思ったのですが、たくさん人がいたので遠慮してしまいました。すみません。
お父さんも、ドイツの衛星を気にしつつ、はるばるいらしてくれてよかったですね。

楽しいお芝居ありがとうございました。


十月花形歌舞伎

十月花形歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/10/02 (日) ~ 2011/10/26 (水)公演終了

満足度★★★★

昼の部期待以上によかった
愛之助の『義賢最期』、あそこまで身体を張ってくれているとは。
幕間ではおばさま達が「ハラハラしたわねぇ」「バタッと倒れたところもねぇ」と口々に言ってました。
『京人形』は笑也が美しすぎです。ちゃんと人形に見えました。
関係ないですが、新橋演舞場の捕り手のみなさんはイケメン率高いですね。
最後の『一心太助』、たくさん笑えました。すごく良かったです。獅童丈のこと、侮っていました。ごめんなさい。

夜の部のチケットダメにしてしまったのですが、昼の部を見られて良かったです。

ネタバレBOX

一心太助の中で、江戸の情報通鮨勝がイマドキネタを披露する一場面がありました。たぶん、毎回アドリブ。
今日は、「最近の恋愛事情」とかいって、ゆずの人とあやぱんの結婚とか、鈴木京香と年下男優の熱愛とかを話しだすから、絶対、愛之助とつかこうへいの娘の交際宣言の話が出ると思い、「言っていいの?ここでおめでとうとか言っちゃうの?!」と、ハラハラしたのですが、結局、全く出ませんでした。

思わせぶりなんだから!!

ちなみに獅堂は、「俺は中村獅堂ってえ役者は嫌いだねぇ、女の尻ばっかり追っかけまわして」と自虐ネタで笑いを取っていました。
あ、でも他の笑いは、芝居での笑いです。こういう姑息なものはごく一部です。

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