ちゃたらーの観てきた!クチコミ一覧

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男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

ライオン・パーマ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

元気になりました
久しぶりの小劇場、寒い中行った甲斐がありました。
ありがとうございます。

たくさん笑って、最後はジワッと感動しました。
最初、2時間5分と聞いた時は「長っ!」と思ったのですが、あっという間でした。全然、長く感じなかったです。

男は(いや女でも誰でも)人生何度でも勝負できるって話。
いま何かに行き詰っていたり、既に挫折してたり、そんな友達がいたりいなかったりの人に見てもらいたいです。元気がもらえます。

ネタバレBOX

太陽にほえろネタ、カラーひよこネタ、わがままカードネタ、すべてツボでした。
クールビズの解散シーンもよかったです。
遺失物安置室の男/改

遺失物安置室の男/改

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2014/11/22 (土) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★

あくまで個人の感想で
実験的な芝居だと思いましたが、よくわかりませんでした。
正直に言うと、面白くなかったです。

でも、こういう芝居を作ろうとする劇団と役者に☆ひとつ追加で。
集中が途切れ、子どものようにモゾモゾ動いてしまって周りの人に申し訳なかったです。すみません。

ネタバレBOX

あの男が何者なのかとか、国会議員の黒沼との関係はとか、二重人格の娘は本当に娘なのかとか、どうしてあんなになっちゃったのかとか、疑問に思ったことが全てわからないままに終わってしまいました。
ラストは暗すぎて、どよーんとしました。

「黄金時代(仮)」では、その世界観に引き込まれた劇団でしたが、今回は、単に個人的に、合ってなかったということだと思います。

「言葉はむなし」といいながらも、いろいろ言葉遊びがあったのが楽しかったです。
「馬のおきもの」とか、樽に貼られた「吾唯足知」とか。

あの変な言語でのバイオリンとの会話は、いらないかなーと。個人的に。
安部公房の冒険

安部公房の冒険

アロッタファジャイナ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

面白く観たけど複雑な気持ち
あの「壁」や「砂の女」の安部公房の晩年って、こんなだったのかなー。
と、面白く、そしてやや複雑な気持ちで見ました。
やや複雑なというのは、良識ある一般人の私としては、妻、夫、愛人といたら、フツーに妻目線で見ちゃうんですよ。笑。
最後まで、私は妻目線で観つつ、舞台は愛人目線で進む。
二人の女の大岡裁判(手を離したほうが本当のお母さん!)のような話でした。←ちがう。

ネタバレBOX

アメブロにもうちょっと長々書きました。

http://ameblo.jp/imacoco2010/entry-11917042237.html
大人の新感線『ラストフラワーズ』

大人の新感線『ラストフラワーズ』

ヴィレッヂ

赤坂ACTシアター(東京都)

2014/07/30 (水) ~ 2014/08/25 (月)公演終了

満足度★★★★

たのしい
大人計画は『ふくすけ』しか観たことないのですが、何となく似ていました。
たまたまなのか、大人計画がそういう感じなのかは、私は二つしか観ていないのでわかりませんが。
でも『ふくすけ』に比べたら、ブラック度は薄かった。クリープ(新感線)入れちゃったから?
じゃ、新感線ぽかったかといわれたら、そうでもない。
『大人の新感線』というだけあって、新感線の「中二っぽさ」が半減。笑。
ちょっとパンチ不足。
パンチ不足気味な分、ジャブ多用。細かいネタ多すぎの感。
でも、好きな役者ばっかりで楽しかった。
オールスターゲーム観ているような気持ち。
ヒット打つのもゲッツーで倒れるのも、あの役者たち観られるだけで嬉しい。

ネタバレBOX

小津やジブリは良いとして、全裸登場シーンで「椎名桔平かっ!」ってのは、若い人たちついてこれるのかな?
それとも、椎名桔平は全裸キャラとして定着してしまっているのか。
好きなんだけどキッペー!!
TRUTH

TRUTH

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2014/07/26 (土) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

思ったよりよかった
キャラメルで『悲劇』と聞いて、ちょっと不安だったのですが、よかったです。
思ったほど悲劇じゃない。
「TRUTH」というテーマもシンプルに伝わって来ました。

ネタバレBOX

主人公が聴力を失ったという設定で、筆談での会話が繰り広げられるのは、場面によってはちょっと無理があると感じましたが。
そして、弦次郎が、仲間に取り囲まれて白刃を向けられているときに、「待ってくれ」「誤解だ」とはいいながら「鏡吾にだまされた」という肝心な一言をいつまでも言わないことにも、違和感ありました。
だったら、墓の中まで持っていくのか、どういう意味があるのかと思っていたら、手紙に書いて皆の知るところになるというオチに苦笑。
彼女にだけは本当のことを知ってほしいということなのでしょうが、今後のことを考えてもちゃんと言うべきじゃないの。自分以外の仲間も危ないじゃないの。

それでも、さわやかな幕末青春グラフィティ無名の志士編って感じで楽しめました。
鏡吾はおいしい役ですね。

山犬

山犬

OFFICE SHIKA

座・高円寺1(東京都)

2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★

残念
ホラーということで楽しみにしていましたが、ホラーチックではなく、グロはいまひとつ好みではなく、ギャグは(↓アキラさんがネタバレ欄で書いていますが)かなり古かったです。
友達を誘って行ったのですが、ちょっといたたまれなかった。
ISOPPさんの身体の動きだけが際立っていて、そこに☆追加。

ネタバレBOX

美味しんぼの真似やヒゲダンスには、客席ポカンでした。(笑っている人もいましたが、苦笑に近いと思います)
やや最近のネタの野々村議員のモノマネ(似てましたが・笑)も、2回もやるとクドイ。

最後に双子の兄が登場して謎解きをするようで、やっぱりつじつまがあわないのが、モヤモヤしました。
役者さんは良い人たちがそろっていたと思いますので、ただ、残念です。
朝日のような夕日をつれて2014

朝日のような夕日をつれて2014

サードステージ

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/07/31 (木) ~ 2014/08/24 (日)公演終了

満足度★★★

ノスタルジー
玉置玲央さんがあの役というのがちょっと意外。
個人的には藤井隆と逆でお願いしたかった。あくまで個人の趣味です。
29年前ほど届かなかったのは、時代の差なのか自分が変わったからなのか。
ここに来て、多くの人の☆5つを見ると、やっばり自分のせいだなと思います。
面白いのはまちがいなく、面白かったです。
それ以上に、ノスタルジックでした。

ネタバレBOX

でも私は、ノスタルジーにそれほど気持ちを持っていかれないんですよねー。
だから「SOUL LIFE」が販売されても、買わない。


こちらにもう少し語りました。
http://ameblo.jp/imacoco2010/entry-11913065623.html
八月納涼歌舞伎

八月納涼歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2014/08/05 (火) ~ 2014/08/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

第一部「恐怖時代」
個人的にはとっても面白かった。
中村兄弟当たり役。これからも納涼歌舞伎で再演重ねて欲しい。

ここに来たら、「観てきた」の感想がみんな(って二人だけど!)第一部なのも嬉しい。
一部はまだ3階席も買えます。チケットウェブ松竹で。みんな観てー。

感想は、ブログで熱く語ったので、ネタバレ欄から読んでいただければ。
歌舞伎にネタバレは無しだけど。




ネタバレBOX

http://ameblo.jp/imacoco2010/entry-11911558337.html
キャベティーナ

キャベティーナ

劇団鋼鉄村松

d-倉庫(東京都)

2014/05/28 (水) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

小説として読み返したほうが楽しめるかも
情報量が多くて、エピソードもメッセージも多くて、ボスさんらしい珠玉の言葉もたくさんちりばめられていますが、いかんせん、言葉に頼りすぎている感が否めませんでした。
言葉だけでも分かりにくいから、年表まで出してきたりして。
(でも、あの年表、後ろの席の人は読めませんよね・笑)
好きな役者さんたちの熱演は楽しめましたが、芝居として面白かったかと言うと、ぶっちゃけそうでもなかったです。ごめんなさい。

土曜のマチネに観ましたが、私のナナメ前の女性と後ろの男性が激しく笑うので、逆に引いちゃったのかもしれません。そういう、観劇日のタイミングってのもありますよね。

ボスさんの最高傑作とのことですが、「けつあごのゴメス」「二手目8七飛車成り戦法」の方が好きです。あくまで個人的な感想で。

個人的にと言えば、これ、今まで一度も行けなかった日暮里に連れて行ってくれた記念の作品になります。
しばらく活動オヤスミとのことですが、次回作品もきっと観にいきます。

ネタバレBOX

相撲ネタは面白かったけれど、ホモネタは必要なのかなー。
つい笑っちゃうけど、ホモネタで笑わせるのって飛び道具的。
あと、うさぎドロップ的な展開も、個人的にはいらないと思った。説得力ないし。
執刀医の不倫の解説あたりも、間延びしたかな。


最後に聞いた、ガンバチーム全員退団と言うのは、かなりのショックでした。
ミュージカル 『レディ・ベス』

ミュージカル 『レディ・ベス』

東宝

帝国劇場(東京都)

2014/04/11 (金) ~ 2014/05/24 (土)公演終了

満足度★★★

期待ほどではなかったけれど・・・
花総さんのレディベスは女王になってからが輝いていました。うん、もう、最後の最後で。オーラ出てました。
残念ながら、少女時代のベスには魅力が感じられない。
ストーリーも、感動できなかった。

たぶん何度か観ると、好きになると思います。ヅカマジックと同じで。

曲は悪くないけれど、歌詞があっていない。
『エリザベート』や『ロミオ&ジュリエット』ほどの作品にはなってないかな。と、あくまで個人の感想です。

アン•ブーリンの和音美桜さんの歌がよかったです。
なんだかんだいって、あと3回観ます。

ネタバレBOX

ロビンのキャラがどうしても好きになれない。
中二のニートにしか見えない。
馬車くらい直してやれ。俺はアーティストだからそんなことしないって、どんだけだ。
バルコニーのシーン、ブラブラしてるんじゃない。
追っ手が来たとたん、スルスル上りやがって(笑)


ブログにもう少し詳しく書きました。当日の配役とか。
http://ameblo.jp/imacoco2010/entry-11827314425.html

言ってることは変わらないけど。
キスしてほしい。

キスしてほしい。

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/04/10 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

それなりに楽しい
いろんな話が平行して走って、最後にまるっとハッピーエンド。
面白いのですが、話としてメリハリが無いというか、サラッと終わってしまいました。
登場人物が多すぎ。しかもそのみんなにドラマを持たせるというのは、劇団の事情でしょうが、ピントがボケて芝居が薄くなりますね。

当日のパンフレットに、詳しい人物紹介と相互関係が書かれていて、それを読んでいたので、混乱しないですみました。

お笑いを芸人さんに任せるというスタイルは、私はオッケーです。
ジョイマン、よく知りませんでしたが(すみません)、かなりファンになりました。
オヤスミ、カラスミ♪サンクス、モズクス♪

ネタバレBOX

最後のカーテンコールで、生まれてきたからにはてっぺん取りたいと気合を見せていただきましたが、頂点目指すなら、今の芝居じゃ難しいかナー。
まずは脚本から。あと、アイドルの入れ方も。

結核やおならをネタにするのも、どうかなと思いました。
その辺は、個人の許容範囲の問題でしょうが。
新任教師

新任教師

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

ミスキャストかな・・・と
あくまで個人的な感想ですが、主役の女優が、物語で語られているような女性に見えませんでした。すみません。お芝居自体は熱がこもっていましたし、台詞も聞きやすく良かったのですが、ずっと役と役者に違和感があって、そのため(あともうひとつ開演前の出来事も重なり←どうでもいいのでネタバレ欄で)、集中できずに、ちょっと残念な印象に終わりました。
役者さんたちは、上手な方とそうでもない方がいましたが、みんな熱演でした。
「日常の中には常に非日常が潜んでいる」というメッセージは伝わりました。
最後、後味がよくないのも、そういう話なのだろうと納得します。

ネタバレBOX

芝居に集中できなかったもうひとつの理由。
下のほうのコメントでも書かれてますが(同じ日に観ているのですね)、ひとりの女性が開演時間になってから、トイレに立ちました。
「このひと私よりも先に座っていたのに!」と絶句。(私が来たのもそこそこ早い時間でした)
その上、その女性は和装でした。着物で用を足すのは1、2分じゃすまないことを考えても「何故にこのタイミングで!」と冷静でいられず、また、芝居も始まってくれればいいものを(笑。だって、どうせ開演後に入ってきたお客もいたし)、結局、そのおひとりを延々と待って、6、7分遅れて開演。
待っている間に膨れ上がったモヤモヤから、意地悪くなってしまった(感想も)ことは否めません。

ついでに言うと、和装での観劇を否定するものではありませんが、帯がちょうちょ結びや文庫だと、帯の厚さ分前のめりの姿勢になり、後ろの客の視界を遮ります。
観劇のときの帯は、平べったいおたいこにしていただきたいものです。
そして、トイレは開演時間前にすませて。お願い。
グローブ・ジャングル

グローブ・ジャングル

虚構の劇団

座・高円寺1(東京都)

2014/04/04 (金) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
初日2日目だからか、初めのうちは「台詞は面白いのに、間が悪いな」と残念に感じたところが少々ありましたが、見ている間にどんどん引き込まれていきました。
劇団鹿殺しのオレノグラフィティさん、月刊「根本宗子」の根本宗子さんが魅力的なことは知っていましたが、この劇団の小野川晶さんと小沢道成さんがとても良かったです。

虚構の劇団は以前に『イントレランスの祭』を見て、正直なところ、物足りなく思っていたのですが、今回は面白かったです。
鴻上尚史さんらしい、風刺の効いたストーリーに、大小ちりばめた笑い、キレのあるダンスで、2時間があっという間でした。

客席の一番後ろで(ディレクターチェア持参で)鴻上尚史さんが見守っていました。

ネタバレBOX

6年前のは見ていませんが、冒頭の炎上場面は、去年流行ったバイトテロの話でした。
たぶん6年前よりも、今の時代にしっくり来てるんじゃないでしょうか。
6年前の炎上ネタは何だったのか、ちょっと気になります。

劇中劇の『桃太郎』もよかった。
桃太郎がスタイリッシュで哲学的になっている。
「ここではないどこかで!」
「どこかではないここで!」に鳥肌立ちました。

今やってるペプシのコマーシャルでカッコいい桃太郎が出てるけど、こっちの方が先ですよね。
いのうえ歌舞伎 「蒼の乱」

いのうえ歌舞伎 「蒼の乱」

劇団☆新感線

東急シアターオーブ(東京都)

2014/03/27 (木) ~ 2014/04/26 (土)公演終了

満足度★★★★

天海さんを見に行き
早乙女太一に惚れて帰った。笑。

開演してまだ一週間たたないからか、天海さんもマツケンもちょっとカタかったかな。
マツケンの殺陣は、まだ重たかった。そして、天海さんは剣じゃなくって弓使いのようだから、あまりアクション無い。で、ひとり美しい殺陣を披露する早乙女太一が、むっちゃカッコよかった。
早乙女太一の弟の早乙女友貴が、太刀影という役で出ています。この兄弟の殺陣は見所。
平幹二朗さんが二役で、舞台を引き締めています。

上演時間 一幕100分 休憩20分 二幕110分  
  
やっぱり長い(笑)

ネタバレBOX

承平天慶の乱(平将門・藤原純友の乱)がモチーフになっています。もちろん歌舞伎なので、名前は変えてるし、大胆にフィクションを入れている。
実在の登場人物、知ってた方が面白いけど、知らなくても大丈夫。

歌舞伎らしく突っ込みどころ満載。マツケンの将門があまりに馬鹿で愕然とするけれど、最後にはその馬鹿っぷりに清清しさも。

いつもの新感線ほどのギャグはなかったけど、右近健一さんや保坂エマさんたちは相変わらず。
橋本じゅんさんは、意外な姿で登場。大活躍。

歌やダンスは、本格ミュージカルっぽかった。いや、ぽいところもあった。
村木よし子さんが登場する場面、相馬の国の貧しい農民たちの歌は、ほぼエリザベートの「ミルク」です。
二幕開始のミュージカルパロも笑えました。
美しいヒポリタ

美しいヒポリタ

世田谷シルク

吉祥寺シアター(東京都)

2014/03/27 (木) ~ 2014/03/31 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しみました。
初、世田谷シルク。
うわさに聞いていた通り、ダンスが印象的でした。
現代のアプリ製作会社とシェイクスピアの世界の絡ませ方が(ちょっと厳しいところはあるものの)うまかったと思います。
シェイクスピアのあの台詞は『アプリが大げさに変換してくれる機能』というのがツボでした。私もそのアプリ持っていたらいろいろ入れて遊んでみたいです。
アプリの世界では、製作者が神ですよね。

ヒポリタも美しかったですが、個人的にタイターニヤの美しさにやられました。
あの子守唄が家に帰ってからも頭から離れませんでした。

最終日だったからか、一部役者さんの喉が枯れていたのが気になりました。おだいじに。

ネタバレBOX

良い人そうでそうでもないハーミアや、嫌われても嫌われてもめげないヘレナ、いい男だけどどこか頼りないライサンダーと、ひどい男だよデミトリアスが、舞台を走り回っていました。
これって、よく考えたら(いや考えなくっても)どれも原作のまんまですね。
けっこう原作「夏の夜の夢」に忠実ですね!!

タイトルは『美しいヒポリタ』だけれど、ヒポリタ自身の影は薄いなと、思っていたら、最後にプチどんでんがえし。
社長の愛人は、実は彼女でした。
このラストで、タイトルに合点がいきました。
空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

松竹

新橋演舞場(東京都)

2014/03/05 (水) ~ 2014/03/29 (土)公演終了

満足度★★★★

よかった。
最初のうちは 福士誠治くんや佐々木蔵之介さんが「歌舞伎してる」ってのが興味深く、浅野和之さんのとぼけた説明オババぶりに、どっちかというと、いのうえ歌舞伎みたい(注・新感線ぽいというのではなく歌舞伎っぽくないという意味)と笑って見ていましたが、だんだんいつもの歌舞伎マジックにかかって、猿之助のくわ~って(笑ってんだか怒ってんだかわからない顔で絞りだすアレ)台詞にグッと来て、最後には大拍手。

歌舞伎らしい荒唐無稽さに、今時の音楽(あからさまにテープっぽいのが、ちとチープ)とド派手な舞台装置(特に三幕ね)を楽しみました。いかにもスーパー歌舞伎。
「さらばーさらばー」が猿翁若かりし頃っぽかった。

ネタバレBOX

感じ入ったのが「仏像とは鏡。仏性を信じる人の姿」(うろ覚え)という台詞。
そうそう、仏性を信じる人にだけ仏性が見えるのです。
と、断言する私は、かなりの神社仏閣好きです。はい。

ふと思ったのですが、お芝居も鏡ですね。
こりっちでの感想、同じ芝居を見ても感じるものが違うなーと。
あ、この演目じゃなくって、他の芝居で。
私がつまらないと思った芝居で感動する人がいて、私が笑った芝居で哲学的な思いにふける人がいて。見る人によって見えているものが違う。
余談でした。

さて、この日は、ふってわいた澤瀉屋俳優祭。楽しかったです。
芝居の感想ではないので、ブログのほうにレポかいてみました。

http://ameblo.jp/imacoco2010/entry-11808855096.html
痒み

痒み

On7

シアター711(東京都)

2014/03/25 (火) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

強くてたくましくてかわいい
女の嫌な部分や怖い部分を舞台いっぱいにドワーッと出してきてるけど、結局のところ、女ってかわいいと思える話。
元気いっぱいもらえました。
男の人が見たらどう思うのかな。
私は、最初の同窓会ランチの場面から、あるあるあると、笑いっぱなし。
90分、あっという間。
その間に変化する衣装(最初の暗転直後のユミの服の汚れには目を見張りました)も必見です。
アイの足は本当に痒そうでした。あれは、描いているのでしょうか掻いているのでしょうか。数日前の自分を見るよう・・・・・・

ネタバレBOX

あの「虫」や「痒み」の正体は、本当のところはわからないけれど、女の周りにあるいろんな、見栄や偽善や自己中や、人で言ったら上司やママ友や、姑、小姑や、子どもの学校のPTAや、玉の輿に乗った同級生や、そんなこんなのアレルゲンかな。
マリモがその虫を腹に飼ってしまった後では「良いこともある」(←熊に襲われない・笑)し、「痒みもなくなった」というのが、ある意味象徴的。

唐突に出てきたアラウンド80の同窓会(←74までバイトしていたというから!)も可笑しかった。たいがいの女って、記憶を自分に都合よく上書き保存できる能力があるんです。笑。

ショパンの馬鹿!!!~別れの夜~

ショパンの馬鹿!!!~別れの夜~

劇団東京イボンヌ

ワーサルシアター(東京都)

2014/03/18 (火) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★

残念ながら
今回も、好みには合いませんでした。
あくまで個人の好みの問題です。

が、逆に言うと、こういうお芝居と好みが合う人も大勢いるのだというのも、素直に驚きです。
やっぱり小劇場の世界は奥が深い。

ネタバレBOX

今回、ある方にご招待いただいたので、低い評価をつける場合は公演が全て終わってからと思いまして感想遅くなりました。
とはいえ、遠慮して奥歯に衣を着せた感想を書くのも違うと思うので、思ったとおりに記録します。

何人かの人が書いていますが、役者のハイテンションのがなり声と生演奏のピアノがマッチしていませんでした。
ピアノを聴きたいときに大声で邪魔されて、何度か不快な気持ちになりました。ただのBGMだったら、むしろ気にならなかったと思います。
ピアノの音も役者の声も、張り合ってるから気持ちが悪かった。
BGMにはもったいない生ピアノなので、その間は、台詞を止めるか、少なくとも気持ちよくピアノを聴ける会話にしてほしかったです。
その点、ラストのミラーボールの光で作られた音符が劇場を踊る場面でのピアノ演奏は素敵でした。

ナンセンスコメディー!との触れ込みでしたが、ほとんど笑えませんでした。
突然の赤ちゃん帰りとか、キスしまくるシューマンとか、大笑いしている人もいましたが、私には面白いと思えませんでした。
あと、胸が大きいとか小さいとか、架空の日本人お初(唐突でしたね)の描写で、デカすぎるとか毛深いとか・・・うーん。
私は笑えなかったけれど、確かに、大笑いの人もいましたね。
これは、ホントに個人のツボの違いだけなのでしょうか??
役者のお友達が笑っているのかな?とか、妙な勘ぐりも起きました。すみません。←心から笑っていた人への謝罪。

ナンセンスといえば、クラシック界の偉人をこれだけ扱き下ろしているのですから、ナンセンスと言うしかないのかなーという気もします。

説明書きにあった『躁鬱のシューマンとその妻クララ、リストとその不倫相手、マリー伯爵夫人が訪れるという珍客万来の夜』って、とても魅力的に思えたのですが、この人たち、単にショパンに呼ばれて集まっただけ。各自の魅力が描かれていなかったと思います。

魅力といえば、主役のショパンが魅力的じゃなかった。
あの白いシャツとベージュっぽいズボンがサラリーマンチックで、カツラも長髪なんだけれど毛髪少なめで不潔っぽい感じ。そしてエキセントリック(悪い意味で)な動きとしゃべり。
ジョルジュサンドが魅力的な女性だっただけに、どうして「この」ジョルジュサンドが「この」ショパンに固執するのかがわからない。
これは役者さんがどうこうという話じゃないです。
ショパンが魅力的に見えなかったという話です。

最後のオチも、ジョルジュサンドのキャラがなぜ突然変わったの?といぶかしんでいたら、「あなたにやる気を出させるためのお芝居でした」チャンチャン♪って、夢オチと同じくらい脱力です。70年代の漫画ではよくありましたが、ちょっと古いのでは。
(というのは観劇した日の感想でしたが、今朝の朝ドラ『ごちそうさん』で奇しくも「室井さんが良い作品を書けるように、わざと放り出していたのよ」という桜子とそれを聞いて泣く室井。ついでにそれ見て号泣のめ以子。
デキル女が一芝居うってダメな男を奮い立たせるというのは、テッパンの技なのかもしれませんね。)

そんなこんなで、申し訳ないのですが、今回も☆ふたつです。
『クラシックの楽曲をテーマに、 曲に込められた魂を物語に紡ぎだす演劇集団』これも、とても魅力的なフレーズです。
いつか、誰が観てもそのキャッチどおりの劇団だとなったとき、きちんとチケットを購入して伺いますね。
ありがとうございました。






ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない

ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

安定の面白さ
PMC野郎の短編集は初めて観ました。
子どものころに夢中で読んだ星新一っぽい。
短い中に、ひねりが効いて、クスリとさせたり、ホロリとさせたり。
『魔法使いの苦しみは彼にしか分からない』や『ふたりは永遠に』などのオチには、「うまい!」とひざを打ちました。
ただ、うまいとは思ったものの、何か物足りない。
その物足りなさを、幕間のドラマとアフターイベントで満足させてもらった感じです。

個人的に、なぜでしょう、NPO法人さんのファンになりました。
増田赤カブトさんのレディガガは必見。
開演20分前くらいからドラマは始まっています。

ネタバレBOX

幕間で演じられた話が一番好き(笑)
開演前のいじめられっこが、実は幕間の校長先生。うまい。
ガガ(にあこがれる昏睡状態の姉)とのラストには感動しました。
うん、あきらめなければ、夢はかなう。
虚像の礎

虚像の礎

TRASHMASTERS

座・高円寺1(東京都)

2014/03/06 (木) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

イマジン
2時間半、「考えろ」「向き合え」「想像しろ」という強いメッセージが聞こえてきました。
いろいろな問題が織り込まれていて、お腹いっぱい感。


ネタバレBOX

一緒に見た夫は「劇作家(アテナー)が薄っぺらい。あんな脳内お花畑の言葉に説得されるのがわからん。あの程度の言葉で会議に呼ばれるほど評価されるのも変」と、ラストにややご立腹(笑)でした。

私もアテナーには胡散臭さがぬぐいきれず、彼が『劇作家は心の専門家』と繰り返し言うたびに苦笑しましたし、彼が『人の心を育てる』ことで『争い』を止められるとまでは、到底思えません。
それは、最後に聞こえる爆発の音が、『隣の人が流している音楽』ではなく、ゲリラの爆弾テロだと言えるくらいの確信で。

ただ、アテナーの言うとおり『見たわけではない』ので、『自分が望む世界を想像する』のは各自の自由です。
虚構の世界では、劇作家が言葉や芝居で争いをやめさせてもいいのかな。そう信じる人がいてもいいのかな。

その信じる力、想像する力が、虚構の世界を作り上げる人たちの「礎」なのでしょう。

人によって泣こうが怒ろうが笑おうが、いろいろ考えるきっかけになる芝居だと思います。

(余談)
戦地に派遣されるピオス医師が、認めたくない自分の心と向き合って、傷ついたけれども解放された安堵感?のようなものを、
『表現する言葉はないけれど』『へーラが自分を傷つけて安心するのと同じ』
とアテナーが語ったのは、納得いきませんでした。
自傷行為とは違うだろう~。と、そこでも、アテナーを胡散臭く感じたのでした。
(この辺は、私の勘違いで、後日、ほかの人の感想を見て追記するかもしれません)

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