ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様― 公演情報 ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 26件中
  • 満足度★★★★★

    観られてハッピイ!
    日本人と蚕のつながりから紡ぎ出されたおぼんろの神話

    「おぼんろ神話」というジャンルが出来てもいいんじゃないか!!!と思うくらい創造性溢れる神話っぷりには、今回も脱帽。

    ものすごく悲劇的な蚕の運命にも関わらず、
    つながっていくところはHAPPY

    僕を含め、現代人がいかにHAPPYを見失っているか。

    人間のHAPPYだって、蚕のHAPPYくらいシンプルでいいんじゃないか!!!

    そう思いながら、自分自身も蚕として、
    あの空間に存在させていただきました。
    自分も、シンプルになりたい。。。

    役者さん、スタッフの方、主催のたくまくん。
    すべての人が、心血を注いで創っていました。

    ココでしか体験できない不思議おぼんろ体験は、
    舞台でしか体験できないから・・・

    感想文にするのは、、、難しいなあ。

    ごちゃごちゃ言うことよりも、
    単純に良いお芝居を観させていただいた。
    そのことに、敬意を込めて感謝!!

    ネタバレBOX

    最後の糸を吐いている蚕たち、
    僕には見えましたよ。

    実にありありと見えました。
  • 満足度★★★★★

    もっと色々たくさん観せて!と言いたい
    まず、蚕をモチーフにここまでの世界観を創り上げるアイデア力に脱帽。子供に蚕を飼育させる小学校は多いと思うけど、あのぼてっとして飛べない成虫を見て、その意味を考えたことのある人間は、自分を含めてそうはいないだろう。
    全ての登場人物が、それぞれ「そうせざるを得ない」故にとる行動は、悲しく激しく、時には残酷きわまりなく見えても、特に、終盤で判明する「真相」は、悲劇を通りすぎてグロテスクでさえあるけれど、とてもひたむきで優しい。個人的には「神官」に惹かれた。先祖の偉業の恩恵に預かって身分社会の際頂点に立ち、サディスティックな差別主義者だけれども、どの登場人物よりも淋しい。その彼にさえ、彼なりの「ハッピー」を用意する末原拓馬さんの創り手としての温かさに胸を打たれた。そして、すべての登場人物に感情移入ができてしまうほど、キャストが全員、個性的で魅力的で、すばらしかった!末原さんが生み出した人物達の持つ「もの哀しさ」のようなものを、役者さん達がそれぞれの立場から深く追求していった結果なのでしょうね。
     ひとつだけ苦言を呈するとすれば、セリフの量などもう少し削ぎ落とすことができれば、より物語の真髄というか骨格が分かりやすくなるかと。
     今回のようなギャラリースペースでの観客巻き込み型の演出も臨場感があって素敵な体験だったが、これだけ美しい世界を創り出せるメンバーなのだから、今度はぜひ、オーソドックスな劇場でも上演してほしい。コクーンを目指すことについて何故か批判の向きもあるようだが(1人だけだけど)、この目標は、大いに結構だと思う。彼らなら、路上でもギャラリーでも小劇場でもコクーンでも、のびのびとこのオリジナルな世界を創りだして、我々を魅了してくれるだけの成長を遂げてくれるだろうし、そうなった後でも、末原さんが今日のスタンスに立ち返ることを忘れることはないと思うからだ。

    ネタバレBOX

     終盤でタクが叫ぶ、「ハッピーになりたいよー」という台詞。そう、ふだん声を大にして叫ぶことはまずないけれど、不景気で就職難で失業率が上がって大震災が起きて原発がピンチになるようなこの世の中でも、我々はみんなハッピーになりたいのだ。何となく自分のハッピーを追及することが不謹慎にさえ思われてしまう今の日本において、こんなにストレートにみんなの気持ちを代弁してくれたタクに感謝。
  • 満足度★★★★★

    すっかり飼い慣らされて
    カイコを題材にしているので分かり易く、カイコの生態、宿命を知っている私は先読みしていましたが、よく考えると私たち観客はすっかり飼い慣らされていたのでした。

    ネタバレBOX

    お客は狭い客席に整然と押し込められ、ここまでは前回と同じですが、頭には虫の目玉のようなものを付けさせられ、カイコのアンサンブル役を担うことになりました。そして、後方で演技するときは後ろを向かないと内容が分かりませんよと説明を受けました。

    実際、お芝居の最中に全員でしっかりと後ろを向いたりしていましたが、狭くても文句も言わず、無理に身体を捻って言われた通り同じ方向を見る…、これって工場で飼われているカイコそのものじゃありませんか。

    私たちはすっかり劇団に飼い慣らされていました!やられました!

    ルデコ1階は奥に窓があり、ブラインドが下りていましたが、東急東横線の電車が通る度に灯りが見え、カイコが歩いているような錯覚に陥りました。

    カイコ役の役者は首の後ろに申し訳ないくらいの羽が付いたような衣装でした。成長した蛾の姿が思い浮かび哀れを誘います。

    糸を吐きさなぎになって殺されるのも悲しいですが、成虫になったとしても飛ぶことも飲み食いすらできないという悲しい運命が待っています。そして、神と呼ばれ、象徴に祭り上げられたカイコは手術によってさなぎになることができず、宿命を受け入れることすらできない何とも哀しい生涯でした。

    一つ気になったのが「役割分担」という言葉です。養蚕工場の話ではありますが、何かビジネス用語っぽく、「それぞれ役割がある」くらいに情緒的な言い回しにしてほしかったと思いました。
  • 満足度★★★★★

    不思議な空間
    よくお芝居をやってる4階ではなくて、あえて1階を使った意義が十分に感じられる演出でした。前を通る人が不思議そうにのぞいていましたね。悲しい運命の主人公達が今の世界のいろんなものとオーバーラップしてきて、LE DECOの空間を超越した作品になっていたと思います。私は観客のひとりになることしか出来ませんが、是非コクーンに連れってってもらいたい!

  • 満足度★★★★★

    ハッピーに、なれます!
    切なくて、切なくて、どうしようもないの?と思っちゃったけど、それ以上に、愛と優しさと温もりに溢れる素敵な作品でした。逃れようのない運命から逃げもするが、受け入れ立ち向かい、だからこそ、開ける事もあると思えました。主宰自慢の仲間達である力量のある役者さんが奏でる大人のメルヘンは、この会場でしかできない見れない演出もあり、大好きなタイプの作品で、次回作も、絶対観たいと思いました。

    ネタバレBOX

    入場と同時に手渡される小物(デズニィー感覚のカチューシャ?)が、手作り感溢れる、なんだか可愛い♪のを、『頭に付けて、みた方が楽しめま~す』って、劇団の方が案内していて、会場内のおじ様おば様方も付けていて、なんだか可愛い。若い女の子達も喜んで写メ撮ってる~。私も撮ってもらおうか?と、思っているうちに、主宰末原さんの前説。これ又、面白く、観客への配慮とサービスたっぷりだが、流石主宰の仕切りで、逞しさもあり、初見の私は期待も高まりました。

    で開演、、、ベイビー蚕タク(末原拓馬さん)は、生まれた時から『神』と言う、運命を背負わされたことを、神官である(藤井としもりさん)に告げられる。なにも知らない純粋無垢な可愛いベイビーぶりと、神官のやり取りは、コミカルでありながら、選ぶこともできず逃れようもない運命の切なさを感じてしまい、お恥ずかしながら、、、この時点で涙になってしまいました。

    タクの神殿で暮らしていたリン(高橋倫平さん)とタクが、鳥に攫われて森に落ちるシーンでは、葉っぱ吹雪が舞い散り、最前列の私も一緒にかぶり、タク達の恐怖心を味わいながらも、実は紙吹雪の大好きな私は、かなり嬉しくもありました。この葉っぱ達、ちゃんと葉っぱの形してたので、離れた席からも見たかったなんて、後で思ってしまいました。

    神殿から外へ出た喜びと不安を抱えたタクとリンは、工場の労働者サヒガシ(佐東諒一さん)とメグ(わかばやしめぐみさん)に、助けられ居候させてもらえ一安心もつかの間、それからが、切なくて、切なくて、、、メグに恋するタクの一途さ、純粋さには、ついつい涙・・・

    メグも労働者も貧困の為、食べるのも難しい。労働者は病気の妻の医療費さえ払えないこと等の厳しい現実で、リン達を利用しようと企む。
    その中で、タクはリンへの友情で、リンへ忠告するのだが、リンは報われない恋と知っていても、恋は盲目でメグに夢中でいられる自分が幸せの様子。
    タクにとっては、リンが心配でありながら、羨ましそうに感じた。
    『神』と言う立場である自分の意味を悩むが、答えが出る前に、いろんな現実(切なすぎるのだが・・)がタクを襲う。
    絶望しながらも、模索し行動する、死さえも選べない苦しみの中、行動したことで、新たな変化が、タクに夢とハッピーを届ける。

    決断して行動したところで、報われる事ばかりではないが、葛藤するだけで、繊細な自分に陶酔する作品が嫌いな私は、こういう作品が大好きです。何かをすることで、目に見えなくても手応えが無くても、何かが必ず変わってくるはず、そんな希望が湧いてくる、素敵な作品でした。

    役者の皆さま見事で、その役どころに引き込まれました。所狭しと劇場内動き回るので、観客も後ろを振り返ったりするのですが、カチューシャの後ろ姿も可愛く一緒で、不思議な一体感。後ろから、ライトが当たった時には、最前列の自分の影も蚕、お隣の見知らぬ誰かさんも同じ頭の形で、タクとリンの仲間達で、なんだか嬉しくもあり、感動的でした。

    メイク、衣装や小道具、温もりがあり、タクとリンのパンツ部分には、フィルムボーンで膨らみや動きがあり、タクとリンらしさが良く出ていてました。ベビーカーの裏側には、拓馬さんのメッセージが、書いてあったりと、遊び心も良かった。
    拓馬さんの父上の曲も素敵で、元気に歩いていこう!でも無理しないで、休んでいいんだよと言っているような優しさを感じました。もっと、聞きたかったです。
    やっぱり大好きな作品なので、又、再演して下さいね♪
  • 満足度★★★★★

    めぐりあえてハッピー!!です
     こちらのサイトでチケットプレゼントに応募して、ご招待のメールを頂いたので観劇させて頂きました。初めて観る劇団で少しどきどきしつつ、それも到着してみたら本当に小さな場所で驚きましたが、すばらしい体験をさせて頂きました。観劇する前にストーリーをちらっと読み、読んでもどんな話かさっぱり想像はつかなかったのですが、「絶対にスゴイものが観られる!」と確信を持って出かけました。…ら、その確信以上のスゴイお芝居で、胸を突かれました。と言ってもなにがどう、というのは自分でもわからないのですが。
     劇団おぼんろさんにめぐりあえて、幸せです。これからも応援していきます。お体お大事に、がんばってください。

    ネタバレBOX

     雨が降り出すシーンで、「雨だー!」と言って駆け寄ったガラス窓のむこうには、本当に雨が降っていて感動的でした。
     せっかく観劇なのに、雨なんて嫌だなーと思っていたのですが、雨が降っててラッキー!と180度気分が変わってしまいました(笑)
  • 満足度★★★★★

    2回目
    良かったので、又、見に行っちゃいました。演出ちょっと変わり、立ち位置等、以前より見やすく、より伝わりやすくなり、ますます良くなってました。
    今回は、後方の席から拝見、葉っぱ吹雪、豪快でした。

    とにかく、役者さんの魅力が輝いていた。豪快だったり、繊細だったりの使い分けが良く、全役者さんに、目の色が変わる瞬間を見せてもらえました。

    ネタバレBOX

    タク(末原拓馬さん)の無邪気さ、深い痛みも、良かったです。
    リン(高橋倫平さん)の直向きさ、ラブラブ感も良かったです。
    蚕神殿の繁栄=労働者の幸福を守る神官(藤井としもりさん)である為に、冷酷にもならなくてはならない、それでも情深い姿、良かったです。
    メグ(わかばやしめぐみさん)繊細な表情が良く、女ならではの現実や願望の非情さ、それでもリンの直向きさに、愛や優しさに変わる姿、素敵でした。
    非情過ぎる現実の犠牲者でもある労働者サヒガシ(佐東諒一さん)の男っぽさ、哀愁、良かったです。
  • 満足度★★★★★

    何時もながら不思議な空間。
    会場全体を使うお芝居だと、ここの書き込みで予備知識を頂いたので前後左右見渡せる場所、ゴザの席で観劇しました。おかげ様で話がよく解り気持ちがとても伝わってきました。役者さんは皆とてもすばらしかったです。神官の綺麗で端正な佇まい。めぐの張りのある声とくるくる変化する表情、佐東の悪者になりきれない哀愁のある眼差しと 良く響く声、りんの可哀想になるくらい一途な愛情の表し方とひたむきな目、タクの様々な感情表現と体の動き。結構泣ける話なのに最後で流れるテーマの音楽が余りにもサラッとしていて、それだからこそかえって、今この宇宙の中で私達が生きていることの偶然。その中での人との出会いを大事にしなくてはと。考えさせられる面白い作品でした。

  • 満足度★★★★★

    創意工夫と想像力
    使用をめぐって管理人を口説き落としただけのことはある、大分アナログな創意工夫が凝らされたギャラリー空間の使い切りっぷり。
    空間との関わり方を頭に入れて作られた作品はそれだけでもうかなり好きなのだが、通路もままならぬ観客のぎっちりさと、高さのある無造作なルデコ1Fと、観客と役者の空間作りの間で絶妙なバランスができていて、それはもう今まで観て来た中で「この演劇空間がいい」の3指に入る空間だった。
    参加型というか巻き込み型なのが特徴的。観客と役者の間に他愛ないやくそくごとを取り決める、この距離感なんか懐かしいなあと思ったら児童演劇での観客の巻き込み方だ。このアットホームさにのれるかのれないかが分かれ目かも。引導されるがままに身を任せ、楽しもうという心意気を持ち想像力を働かせば、スペクタクル間違い無し。個人的には飛んでるシーンと食べてるシーンに超ワクワク。
    一つ一つの言葉にのびのびとした力がこもっていて聞いてて気持ちいい。
    シアターコクーンでの上演を目指しているらしいが、全国の小さな劇場や学校みたいないびつな空間の方がこの団体のおもしろみを上手く伝えられるんじゃなかろうか。むしろバラックとかで観てみたいな。

  • 満足度★★★★★

    痛いし、悲しいし、だけど、それだけどハッピー!
    客席が30人も入ればいっぱいの小さな劇場の(ギャラリーの?)限られたスペースをふんだんに使い、上下左右前に後ろ!と観客の視線を飽きさせない。さながら遊園地のアトラクションを見ているみたい。役者の演技も、物語の内容が、痛いし、悲しいんだけど、それでも、みんなハッピーになる、いや、ならなくてはいけない!
    この物語は
    震災の被災者たちに向けたメッセージも含まれているんじゃなだろうか。と思えてしまった。

    キャラがハッキリしていて、それを演じている役者の力量に目を見張る。

    芝居の内容もさることながら、開演前にキャストが観客を盛り上げたり、
    芝居内で客にある作業を手伝ってもらったりは、
    ただただ、客席から舞台を眺めるという一般的なお芝居とは違う
    「参加型」の芝居。

    とても、エンターテイメントにあふれていると思う。
    この感覚は体感(観劇?)してみないとわからない。

    いや~とても楽しかったです!

    ネタバレBOX

    一番好きなシーンは、最後の方のシーンで
    人間のメグが蚕のりんに
    「あんたたちは糸を吐いたら、なべに湯でられて、死んじまうんだよ!」

    と言って、リンが

    「知ってるよ」

    のシーンだな!
    切なくて、痛くて、
    でも最高にハッピーなシーンだと思いました
  • 満足度★★★★

    いい感じでした
    狭い空間に押し込められ、変なマスクを渡され…どうなっちゃうんだろう…と不安を抱きつつ始まりました。

    最初はいまいち世界観がつかめず戸惑いましたが、途中からどんどん引き込まれました。段ボールで作った小道具や、衣装などこだわりが見られてとてもよかった。

    最後がいまいちよくわからなかった気がするのですが・・でもおもしろかったです。

  • 満足度★★★★

    こりっちが2ch化してる件w
    追記:まぁ、どっちが健全かは明白w
    お芝居とかやったこと無いし、この劇団のキャリアとか知らないけどw
    ***

    小さな会場ですが、それカバーして余りあるだけの親切な案内、役者さん達の躍動感でした。
    久々の観劇でしたが、観に行って良かった!
    飲み物とお菓子もついて、チケ代は一般料金でもお値ごろに感じる内容でした。
    細部を観たい方は後方の席がお勧めです。

    ネタバレBOX

    開演前のパフォーマンスがお遊戯の様で、連休に相応しいユルさ。
    楽しくファンシーな前編から一転して、後半な展開はシリアスで。親友を殺した犯人、そして蚕の運命を知らないのは自分だけだった、と、脚本の緻密さを感じました。
    冒頭の民衆への演説や、青春の旅など、いびつでフワフワした世界感が、壊され、収斂されたラスト5分が爽快。

    不思議なセリフ回しと自然な演技が心地よく、独特な世界観を感じました。
    最初の説明が長く(説明文も) うまく話が飲み込めなかった部分、火事が起きてからが長く、緊迫感が薄れてしまった所が少し残念。
    会場を出た時に、つい、雨が降ってないかと見上げてしまった。まんまとしてやられた感じが、悔しくも面白く。
  • 満足度★★★★

    応援したくなりました
    パイプ椅子を出して頂き、真横から観ていました。
    演技中にタクさんが「そこの蚕たちは立って観るといいよ。見切れちゃうから」
    とアドリブをいれてくれたのが、可笑しくて、嬉しかったです。

    役者の方が客の目を見るように(もしくは見られてると客が感じるように)芝居していらしたことがとてもステキでした。

    物語には、多少入り込みにくさを感じるところもあったものの(前半の数や抽象的・観念的な説明部分など)、音響が良かったのと、役者の熱量が伝わってきて中盤以降、引き込まれました。

    一番スゴイというか、コメントを書こうと思ったのは最後の舞台挨拶でした。私はシンプルにコクーンでやりたいと言う姿勢が好きです。

    仔細な思いのほどは私には分かりませんが、ステキな大きな劇場で多くの人に観てもらうことを目指す、っていうのはとても当たり前で、とても素直で、 「一緒にコクーンに行きましょう」と語りかけるのは大変勇気のいることだったのではないでしょうか。
    一緒に、という言葉よりは声に温かみを感じて応援したくなりました。

    是非これからも頑張ってください。

  • 満足度★★★★

    キャストの演技力で観客を取り込む
    今回もキャストが秀逸だった舞台。毎度のことながらセットに金をかけない分、観客の想像力に委ねる構成だが、それには役者の演技力が問われる。そして物語性も。更に観客も蚕になり観客参加型。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    キャストらの名前をそのまま物語でも起用したネーミングはひじょうに解りやすい。だからすんなりと物語の中に溶け込むことができた。また劇中流れる音楽は主宰の父親が作曲したというから、そう言われてきちんと聞くと実に感慨深い。アジアちっくな音楽だ。

    物語は一匹の蚕・タクが神と崇められそれによって民衆が一致団結されるように仕組んだ「作られたシンボル」を軸に愛や夢をテーマにした舞台だったが、蚕の一生を忠実に表現したような物語は繭が出来るまでを興味深く観る事ができた。

    なかでもタクが乳母車に乗って登場するシーンはファンタジー溢れアニメちっくで可愛いらしい。中盤でメグが食料を貪り食らうシーンの演技は流石。更に佐東の蚕が茹でられる告白の場面はなんだか幼虫が昆虫となりさらに怪物になってしまうようで仮面ライダーやゴジラに登場する怪物までをも連想してしまった。それもこれも役者の演技力に他ならないが、すべてのキャストがそんな力量だったから観客として安易に想像できたのは嬉しい限りだった。

    そして終盤の蚕が一斉に天に向かって吐く繭糸の乱舞はファンタジーそのものでガラス越しに滝のように流れる雨のシーンと重なって幻想的であった。

    美しくも儚いおとぎの世界。
  • 満足度★★★★

    いいと思いました。
    やりたいことをやりたいように自由にやって、それが客に受けて。その流れでどんどん大きな箱へとステップアップしていけばいいと思いました。

    あまり日本では見かけないスタイルですが、ラスベガスのマジシャンなんかはあんな感じでやっていたなとふと思い出しました。おおいに客に語り掛け、客をいじり、客を盛り上げていくやり方のことです。シャイな日本人にはあまり向かない気がしますが、元々温かい気持ちのファンが集まっているああいった場では効果的な気がしました。

    それにしても繭だとか蚕だとか、よくその題材からあれだけの物語に仕上げたものだと、その想像力に驚かされました。

    狭い客席にぎゅんぎゅんに押し込まれ、こりゃ短時間で音を上げてしまうかも、と思いきや、一時間半集中して観終えることができました。

    ネタバレBOX

    雨を降らすのにまさか窓の外側に水を流すとは・・・やられたと思いました。ギャラリーならではの、その場所を見事に使い切った演出、すばらしいアイデアです。室内をこれっぽっちも濡らすことなく完璧に雨を降らせて見せましたね。

    最後の最後がいまいちわからなかったのですが、なぜタクに飛べと?もう少し他の終わり方であれば最高の作品になった気がします。

    前回に比べ格段に解りやすい作品になっていて、今後、さらなる大量のファンを得る為の準備が整った気がしました。

    もうあと数歩先くらいのものじゃないですか?シアターコクーン。
  • 満足度★★★★

    奇跡の雨
    図らずも今日は雨でした。

    蚕側の「野麦峠」的物語。違うか(笑)

    前回同様におぼんろの気持がストレートに感じる面白い舞台。人と触れ合うなかでほんの一瞬でもハッピーを感じたり、感じさせることが出来れば好いですよね。今回観に来て私は感じました。
    開場してからの雰囲気も楽しい。

    地下から1階。次回は2階かなあ。

    ネタバレBOX

    蚕の悲劇的運命(人間の身勝手)それすらあえて受け止めながらも愛するものの為に笑顔を見せるリンが切ない。
  • 満足度★★★★

    初演観劇
    独特の世界観での舞台作りであり、
    割と観客いじりしそうで、そこまで突っ込まないという。
    微妙な距離感(心配り)が心地よい空間での芝居でした。
    最初は、すっごい舞台&セットだなぁと周囲が気になりましたが、
    物語が進むに連れて、作品世界に引き込まれていきました。
    ここより大きな舞台で演じたら、
    もっと作品世界のイメージが判り易い万人受けの舞台になったのでは?
    と今後の成長を期待される舞台でした。
    (もったいないけど、あの座席やら舞台では向き不向きあるので。)
    (星は評価できても”皆に”「お勧め」は躊躇しました)

    ネタバレBOX

    場所を見て・・・「えーっ、ここでやるんだ。」と思った程、
    舞台とは思えない場所でした。
    う~ん、ラジオの生放送スタジオのような道に面したガラス張りの空間で。
    外から丸見え!(当然、中からも外が良く見えます。)
    芝居の後半で外から「ジィー」と見ていた太鼓腹スーツの外人さんいました。
    NYの小劇場芝居みたいでしたね(^^)。
    外界との接点であるガラス窓は、
    作品のラストで重要な演出に使われるので。
    そのままにしていたのです!この演出は見事でありました。
    また素舞台に近く全体は白が基調のスタジオであり。
    黒い素舞台に慣れていた自分には新鮮でした。
    なんか突然来た友人部屋に入れるのに、
    慌てて部屋の中を片付けたような空間での芝居でした。
    観客の座席もまぁゴザ+座布団やらパイプ椅子だし。
    外の歩道から入るとチケット代わりの、手作りのマスクカチューシャ付けます。
    (あご下でヒモ結んで、とは言ってたけど。耳にゴムかけた方がいいよー。)
    で、これが「おつまみ」+「ドリンク」のサービスの許可だそうです。
    ポップコーンとアメとかと、梅酒・オレンジジュース・お茶の選択で、
    梅酒が美味しかったです。
    (このアイテムで観客は舞台上の工場内の蚕さんになるのですねー)

    で、おしりが痛くならないようにとの配慮で、
    「お金ならあります!(^^;)」と声高らかに宣言した。
    王様ゲームじゃんけんで観客を強制的に立たせたりと、
    ホント配慮が細かかった。Goodっス。
    (勝負運の無い自分ですが、めずらしく最後まで勝ち残って。
    王様よりアイスクリーム、拝領いたしました。)ありがとうございました。

    さて19時開場で、いろいろ上記のような事が有り10分遅れの開演です。
    作品世界への導入は、語りから入ってイメージを観客に共有してもらっての舞台です。(この語りの台詞は改良の余地多々ありますヨ。朗読劇や小説の導入部みたく細かく設定を判り易く観客に植え付けるトコですので)
    神の写し身として、この世に生まれた蚕が主人公「タク」です。
    神殿で暮らしていた主人公が「リン」という蚕と共に、
    外の世界へと飛び出してのプロローグで物語は本編が始まります。
    この神殿から鳥に捕まって、森に落ちるところまでの話は、
    映像化したらジブリアニメみたいな感じがありました。
    森の中に落ちてくところでの葉っぱの撒き散らしが臨場感ありましたし。

    で蚕は絹糸を取るために改造された為に成虫になっても飛べないコト。
    糸が重要なために、繭ごと茹でられてしまうコト。
    蚕工場での労働者の貧困と神殿での不自由の無い生活など、
    いろいろ物語りは進み、雨乞いの為に天に帰る=自殺しようとした「タク」は、
    自らが単なる改造され人工的に神の役目を演じられる用にと作られた存在であることを知ります。死と引き換えにこの世に残す糸も吐けない自分に絶望しますが、自殺しようとして飲んだ毒でも死なない体(他の個体と異なって何年も生きられるが、幼体のまま成長もしません。)に毒が変化を与えたのでしょうか、糸を吐けるようなりました。ってところで幕です(簡単過ぎますが)。

    この蚕の一生の悲しい歴史とか、モノを知らずに生きてるコトとか。
    知っていながら次代に希望を託すトコとか。設定と表現がうまかった。
    ホントせめて60人規模ぐらいで舞台セットも、
    そこそこ出来たものでの表現で観てみたく思いました。
    で・も・ね、作品世界観に合わないので、
    γ線の照射とか、現代の単語などは使わずに。
    「ナウシカ」のような世界観で台詞選んで欲しかったな。
    (ボキャブラリーは減らした方が感じでたハズ)
    あと、食料少ないのに豪勢な食事用意できるトコと、
    工場で働く人間等と蚕の「タク」「リン」が同じ大きさでの理由とか、
    食事は蚕は葉っぱですけど、そこへの言及も欲しかったです。

    あーそれと、手動(?)暗転ー明転は受けました。
    いろいろ観るのに、イメージやら制約がありますが、
    それを推して尚、熱量にあふれた舞台でした。(終演21:10)
    80分と言っていましたが、正味90分でしたね。

    説明文に対抗して長く感想UPしてみました。
    読みました?全部? ご苦労さまです(^_^;)

    でも観たいより、観てきたの感想の方が多いとは。
    愛されてますねー。
  • 満足度★★★

    独特な世界観
    初日&デモの影響で前半がちとグダグダな感じに
    なってしまったのは残念。
    ちとセリフや構成などの迷いがそのまま世界観に反映してしまって
    グダグダな感じになってしまったかも…

    ただ中盤からはセリフや構成に迷いが無くなったので、
    独特な世界観が確立されたので、その世界観に浸るコトは出来た。

    言葉遊びを中心に構成された作品だと思うが、言葉のチョイスを
    もう少し丁寧にして欲しかったかな…

    ネタバレBOX

    観客に同じかぶりモノをさせ、物語に引き込ませるアイデアは
    いいのだが、ちと中途半端な感じがした。

    もう少し観客を巻き込む様なコトをしてもよかったかも…

    ラストのセリフ、ちと教科書通りな感じがしたので、
    そこはもう少し考えて欲しかった。
  • 満足度★★★

    手作りの暖かみ
    蚕の世界を舞台にした、幻想的で、タイトルとは裏腹に悲しく切ない物語でした。前半は独特の世界観に少々入り込み難かったのですが、後半のドラマチックな展開は勢いがあって引き込まれました。

    手作り感溢れる衣装や小道具、メイク、照明が童話的な雰囲気を醸し出していました。普段は演劇公演に使われないルデコの1階の空間を所狭しと動き回り、狭さを感じさせませんでした。クライマックスでの演出はこの会場だからこそできる手法で、とても効果的でした(実は見切れてしまって、ほとんど見えなかったのですが…)。

    主宰の末原拓馬さんはトリックスター的な雰囲気があり、ナイーブなキャラクターの演技も良かったです。

    客入れ時には出演者総出で客を席に案内し、ドリンクやおつまみのサービスや、アイスを賭けたジャンケン大会など、フランクに客をもてなそうとする心意気に好感を持ちました。
    正直、脚本や演出はもうひとつというところもありましたが、演劇に対する情熱が強く感じられ、応援して行きたいと思わせる魅力がありました。

  • 満足度★★★

    繭(コクーン)
    なぜに蚕(カイコ)のお話なのかと思ったが、
    シアターコクーンに掛けて蚕のお話だったのだろうか?

    お芝居が始まる前から楽しませてもらいました。
    ワンドリンクもちょっとお芝居のストーリーにからんでいたり。
    ちょい参加型の舞台は楽しいですね。

    雨のシーンがよかったです。

    時々お芝居の世界からふと我に返ると、目の前にはマスクを頭にかぶった集団(もちろん自分も含め)がいてちょっと吹き出しそうに。集団でマスクかぶって何やってんだろ !?

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