ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様― 公演情報 ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 26件中
  • 満足度★★★★★

    もっと色々たくさん観せて!と言いたい
    まず、蚕をモチーフにここまでの世界観を創り上げるアイデア力に脱帽。子供に蚕を飼育させる小学校は多いと思うけど、あのぼてっとして飛べない成虫を見て、その意味を考えたことのある人間は、自分を含めてそうはいないだろう。
    全ての登場人物が、それぞれ「そうせざるを得ない」故にとる行動は、悲しく激しく、時には残酷きわまりなく見えても、特に、終盤で判明する「真相」は、悲劇を通りすぎてグロテスクでさえあるけれど、とてもひたむきで優しい。個人的には「神官」に惹かれた。先祖の偉業の恩恵に預かって身分社会の際頂点に立ち、サディスティックな差別主義者だけれども、どの登場人物よりも淋しい。その彼にさえ、彼なりの「ハッピー」を用意する末原拓馬さんの創り手としての温かさに胸を打たれた。そして、すべての登場人物に感情移入ができてしまうほど、キャストが全員、個性的で魅力的で、すばらしかった!末原さんが生み出した人物達の持つ「もの哀しさ」のようなものを、役者さん達がそれぞれの立場から深く追求していった結果なのでしょうね。
     ひとつだけ苦言を呈するとすれば、セリフの量などもう少し削ぎ落とすことができれば、より物語の真髄というか骨格が分かりやすくなるかと。
     今回のようなギャラリースペースでの観客巻き込み型の演出も臨場感があって素敵な体験だったが、これだけ美しい世界を創り出せるメンバーなのだから、今度はぜひ、オーソドックスな劇場でも上演してほしい。コクーンを目指すことについて何故か批判の向きもあるようだが(1人だけだけど)、この目標は、大いに結構だと思う。彼らなら、路上でもギャラリーでも小劇場でもコクーンでも、のびのびとこのオリジナルな世界を創りだして、我々を魅了してくれるだけの成長を遂げてくれるだろうし、そうなった後でも、末原さんが今日のスタンスに立ち返ることを忘れることはないと思うからだ。

    ネタバレBOX

     終盤でタクが叫ぶ、「ハッピーになりたいよー」という台詞。そう、ふだん声を大にして叫ぶことはまずないけれど、不景気で就職難で失業率が上がって大震災が起きて原発がピンチになるようなこの世の中でも、我々はみんなハッピーになりたいのだ。何となく自分のハッピーを追及することが不謹慎にさえ思われてしまう今の日本において、こんなにストレートにみんなの気持ちを代弁してくれたタクに感謝。
  • 満足度★★★★★

    観られてハッピイ!
    日本人と蚕のつながりから紡ぎ出されたおぼんろの神話

    「おぼんろ神話」というジャンルが出来てもいいんじゃないか!!!と思うくらい創造性溢れる神話っぷりには、今回も脱帽。

    ものすごく悲劇的な蚕の運命にも関わらず、
    つながっていくところはHAPPY

    僕を含め、現代人がいかにHAPPYを見失っているか。

    人間のHAPPYだって、蚕のHAPPYくらいシンプルでいいんじゃないか!!!

    そう思いながら、自分自身も蚕として、
    あの空間に存在させていただきました。
    自分も、シンプルになりたい。。。

    役者さん、スタッフの方、主催のたくまくん。
    すべての人が、心血を注いで創っていました。

    ココでしか体験できない不思議おぼんろ体験は、
    舞台でしか体験できないから・・・

    感想文にするのは、、、難しいなあ。

    ごちゃごちゃ言うことよりも、
    単純に良いお芝居を観させていただいた。
    そのことに、敬意を込めて感謝!!

    ネタバレBOX

    最後の糸を吐いている蚕たち、
    僕には見えましたよ。

    実にありありと見えました。
  • 満足度★★★

    繭(コクーン)
    なぜに蚕(カイコ)のお話なのかと思ったが、
    シアターコクーンに掛けて蚕のお話だったのだろうか?

    お芝居が始まる前から楽しませてもらいました。
    ワンドリンクもちょっとお芝居のストーリーにからんでいたり。
    ちょい参加型の舞台は楽しいですね。

    雨のシーンがよかったです。

    時々お芝居の世界からふと我に返ると、目の前にはマスクを頭にかぶった集団(もちろん自分も含め)がいてちょっと吹き出しそうに。集団でマスクかぶって何やってんだろ !?

  • 満足度★★★★

    応援したくなりました
    パイプ椅子を出して頂き、真横から観ていました。
    演技中にタクさんが「そこの蚕たちは立って観るといいよ。見切れちゃうから」
    とアドリブをいれてくれたのが、可笑しくて、嬉しかったです。

    役者の方が客の目を見るように(もしくは見られてると客が感じるように)芝居していらしたことがとてもステキでした。

    物語には、多少入り込みにくさを感じるところもあったものの(前半の数や抽象的・観念的な説明部分など)、音響が良かったのと、役者の熱量が伝わってきて中盤以降、引き込まれました。

    一番スゴイというか、コメントを書こうと思ったのは最後の舞台挨拶でした。私はシンプルにコクーンでやりたいと言う姿勢が好きです。

    仔細な思いのほどは私には分かりませんが、ステキな大きな劇場で多くの人に観てもらうことを目指す、っていうのはとても当たり前で、とても素直で、 「一緒にコクーンに行きましょう」と語りかけるのは大変勇気のいることだったのではないでしょうか。
    一緒に、という言葉よりは声に温かみを感じて応援したくなりました。

    是非これからも頑張ってください。

  • 満足度★★★★

    奇跡の雨
    図らずも今日は雨でした。

    蚕側の「野麦峠」的物語。違うか(笑)

    前回同様におぼんろの気持がストレートに感じる面白い舞台。人と触れ合うなかでほんの一瞬でもハッピーを感じたり、感じさせることが出来れば好いですよね。今回観に来て私は感じました。
    開場してからの雰囲気も楽しい。

    地下から1階。次回は2階かなあ。

    ネタバレBOX

    蚕の悲劇的運命(人間の身勝手)それすらあえて受け止めながらも愛するものの為に笑顔を見せるリンが切ない。
  • 満足度★★★★

    いい感じでした
    狭い空間に押し込められ、変なマスクを渡され…どうなっちゃうんだろう…と不安を抱きつつ始まりました。

    最初はいまいち世界観がつかめず戸惑いましたが、途中からどんどん引き込まれました。段ボールで作った小道具や、衣装などこだわりが見られてとてもよかった。

    最後がいまいちよくわからなかった気がするのですが・・でもおもしろかったです。

  • 満足度★★★★

    いいと思いました。
    やりたいことをやりたいように自由にやって、それが客に受けて。その流れでどんどん大きな箱へとステップアップしていけばいいと思いました。

    あまり日本では見かけないスタイルですが、ラスベガスのマジシャンなんかはあんな感じでやっていたなとふと思い出しました。おおいに客に語り掛け、客をいじり、客を盛り上げていくやり方のことです。シャイな日本人にはあまり向かない気がしますが、元々温かい気持ちのファンが集まっているああいった場では効果的な気がしました。

    それにしても繭だとか蚕だとか、よくその題材からあれだけの物語に仕上げたものだと、その想像力に驚かされました。

    狭い客席にぎゅんぎゅんに押し込まれ、こりゃ短時間で音を上げてしまうかも、と思いきや、一時間半集中して観終えることができました。

    ネタバレBOX

    雨を降らすのにまさか窓の外側に水を流すとは・・・やられたと思いました。ギャラリーならではの、その場所を見事に使い切った演出、すばらしいアイデアです。室内をこれっぽっちも濡らすことなく完璧に雨を降らせて見せましたね。

    最後の最後がいまいちわからなかったのですが、なぜタクに飛べと?もう少し他の終わり方であれば最高の作品になった気がします。

    前回に比べ格段に解りやすい作品になっていて、今後、さらなる大量のファンを得る為の準備が整った気がしました。

    もうあと数歩先くらいのものじゃないですか?シアターコクーン。
  • 満足度★★

    来年はクリアして。
    説明演劇だった。児童劇団かヒーローショウのお兄さんたちのようだった。前編は退屈。印象的なセリフもない。
    ラストもセリフが雑。好き嫌いがわかれる公演。

  • 満足度

    演劇をするいみ。
    路上演劇やテント公演たくさんあります。演じるニーズや現場もさまざまにあります。おおきな建物やハコにあこがれるという演歌な人がまだいたかと驚いた。おおきな建物でやってるから優秀と思ってる発想がかなしい。スエバラさんの良い演劇とはおおきな劇場でやってる演劇だというなら。スエバラのハッピーは日本一駄目な公演ということになる。ちいさな場所でやる公演はおおきな都心のビルでやる公演にはるかに劣っているんですか?良い公演をすることと、建物の大小は関係ないでしょう。とくに演劇とは無関係な人のように感じます。もしかして、大人になってから演劇始めたかたですか?演劇は演劇の定義をメインに考えてやるものです。演劇を有名売名目的に使わないで。定義訴求をちゃんとやって進むべし。目的ありきは恥ずかしい。台本も直線的に進むのは未熟朗読劇。不要で雑味語彙力不足。前半は無駄な時間。

    ネタバレBOX

    路上公演を屋根つきでやってます。観客数は1回30人前後。6年目にしては観客がすくなすぎる。低迷か?かつて1000人程度の動員は数年間でだいぶ減っているらしい。いまは6日間で150人前後か。
  • 満足度★★★★★

    めぐりあえてハッピー!!です
     こちらのサイトでチケットプレゼントに応募して、ご招待のメールを頂いたので観劇させて頂きました。初めて観る劇団で少しどきどきしつつ、それも到着してみたら本当に小さな場所で驚きましたが、すばらしい体験をさせて頂きました。観劇する前にストーリーをちらっと読み、読んでもどんな話かさっぱり想像はつかなかったのですが、「絶対にスゴイものが観られる!」と確信を持って出かけました。…ら、その確信以上のスゴイお芝居で、胸を突かれました。と言ってもなにがどう、というのは自分でもわからないのですが。
     劇団おぼんろさんにめぐりあえて、幸せです。これからも応援していきます。お体お大事に、がんばってください。

    ネタバレBOX

     雨が降り出すシーンで、「雨だー!」と言って駆け寄ったガラス窓のむこうには、本当に雨が降っていて感動的でした。
     せっかく観劇なのに、雨なんて嫌だなーと思っていたのですが、雨が降っててラッキー!と180度気分が変わってしまいました(笑)
  • 満足度★★★★★

    2回目
    良かったので、又、見に行っちゃいました。演出ちょっと変わり、立ち位置等、以前より見やすく、より伝わりやすくなり、ますます良くなってました。
    今回は、後方の席から拝見、葉っぱ吹雪、豪快でした。

    とにかく、役者さんの魅力が輝いていた。豪快だったり、繊細だったりの使い分けが良く、全役者さんに、目の色が変わる瞬間を見せてもらえました。

    ネタバレBOX

    タク(末原拓馬さん)の無邪気さ、深い痛みも、良かったです。
    リン(高橋倫平さん)の直向きさ、ラブラブ感も良かったです。
    蚕神殿の繁栄=労働者の幸福を守る神官(藤井としもりさん)である為に、冷酷にもならなくてはならない、それでも情深い姿、良かったです。
    メグ(わかばやしめぐみさん)繊細な表情が良く、女ならではの現実や願望の非情さ、それでもリンの直向きさに、愛や優しさに変わる姿、素敵でした。
    非情過ぎる現実の犠牲者でもある労働者サヒガシ(佐東諒一さん)の男っぽさ、哀愁、良かったです。
  • 満足度★★★★

    こりっちが2ch化してる件w
    追記:まぁ、どっちが健全かは明白w
    お芝居とかやったこと無いし、この劇団のキャリアとか知らないけどw
    ***

    小さな会場ですが、それカバーして余りあるだけの親切な案内、役者さん達の躍動感でした。
    久々の観劇でしたが、観に行って良かった!
    飲み物とお菓子もついて、チケ代は一般料金でもお値ごろに感じる内容でした。
    細部を観たい方は後方の席がお勧めです。

    ネタバレBOX

    開演前のパフォーマンスがお遊戯の様で、連休に相応しいユルさ。
    楽しくファンシーな前編から一転して、後半な展開はシリアスで。親友を殺した犯人、そして蚕の運命を知らないのは自分だけだった、と、脚本の緻密さを感じました。
    冒頭の民衆への演説や、青春の旅など、いびつでフワフワした世界感が、壊され、収斂されたラスト5分が爽快。

    不思議なセリフ回しと自然な演技が心地よく、独特な世界観を感じました。
    最初の説明が長く(説明文も) うまく話が飲み込めなかった部分、火事が起きてからが長く、緊迫感が薄れてしまった所が少し残念。
    会場を出た時に、つい、雨が降ってないかと見上げてしまった。まんまとしてやられた感じが、悔しくも面白く。
  • 満足度★★★★★

    すっかり飼い慣らされて
    カイコを題材にしているので分かり易く、カイコの生態、宿命を知っている私は先読みしていましたが、よく考えると私たち観客はすっかり飼い慣らされていたのでした。

    ネタバレBOX

    お客は狭い客席に整然と押し込められ、ここまでは前回と同じですが、頭には虫の目玉のようなものを付けさせられ、カイコのアンサンブル役を担うことになりました。そして、後方で演技するときは後ろを向かないと内容が分かりませんよと説明を受けました。

    実際、お芝居の最中に全員でしっかりと後ろを向いたりしていましたが、狭くても文句も言わず、無理に身体を捻って言われた通り同じ方向を見る…、これって工場で飼われているカイコそのものじゃありませんか。

    私たちはすっかり劇団に飼い慣らされていました!やられました!

    ルデコ1階は奥に窓があり、ブラインドが下りていましたが、東急東横線の電車が通る度に灯りが見え、カイコが歩いているような錯覚に陥りました。

    カイコ役の役者は首の後ろに申し訳ないくらいの羽が付いたような衣装でした。成長した蛾の姿が思い浮かび哀れを誘います。

    糸を吐きさなぎになって殺されるのも悲しいですが、成虫になったとしても飛ぶことも飲み食いすらできないという悲しい運命が待っています。そして、神と呼ばれ、象徴に祭り上げられたカイコは手術によってさなぎになることができず、宿命を受け入れることすらできない何とも哀しい生涯でした。

    一つ気になったのが「役割分担」という言葉です。養蚕工場の話ではありますが、何かビジネス用語っぽく、「それぞれ役割がある」くらいに情緒的な言い回しにしてほしかったと思いました。
  • 満足度

    演劇をする意味は商業肥大主義か。
    キャリアのあるユニットなのか、新鋭か不明。動員数は150人前後の規模。アンダーグラウンドの系譜から商業演劇ふうまで、一貫性がない。ターゲットがみえない。いわゆる、やりたい演劇の定義が感じられない。悪くいえば行き当たりばったり。
    演劇定義への訴求があいまい。演劇のなにをしたいのか?
    制作者の活動が目的にかたよっているからだろう。有名大劇場進出の
    目的のみを追求すれば、すべて表現台本は妥協の山になる。
    観客との了解事項だけで構成される台詞やことばの選択。果たして内容内容展開は浅く直線的なものになる。演劇を利用してほしくない。
    演劇の目的がプロセニアム商業大劇場でもかまわないが。

    ネタバレBOX

    キャラクターの数はあっても、
    機軸はシンプルなまま話はさっぱりと終了。
    担当者の力量の限界か。シアターコクーンではとても不可能な内容。



  • 満足度★★★★★

    何時もながら不思議な空間。
    会場全体を使うお芝居だと、ここの書き込みで予備知識を頂いたので前後左右見渡せる場所、ゴザの席で観劇しました。おかげ様で話がよく解り気持ちがとても伝わってきました。役者さんは皆とてもすばらしかったです。神官の綺麗で端正な佇まい。めぐの張りのある声とくるくる変化する表情、佐東の悪者になりきれない哀愁のある眼差しと 良く響く声、りんの可哀想になるくらい一途な愛情の表し方とひたむきな目、タクの様々な感情表現と体の動き。結構泣ける話なのに最後で流れるテーマの音楽が余りにもサラッとしていて、それだからこそかえって、今この宇宙の中で私達が生きていることの偶然。その中での人との出会いを大事にしなくてはと。考えさせられる面白い作品でした。

  • 「うまく 書けません!!! 観にいってください!!!!!」
    昨日 通りすがりに 公演を観た。
    座長自ら たのしい前説。
    「写真撮ってもOKだし、動画もOKですよ~」
    と 座長の 末原拓馬さん。
    おおらかだ。。。。。。。。

    シアターコクーンでの公演をめざしているみたい。
    たぶん 叶うと思う。

    ごちそうを食べるシーン かわいかった けなげだった。
    愛を伝える シアワセ。
    でも
    愛を伝える 本当の意味を知った時 涙がでた。
    でも、
    リンが 感じれる 本物のシアワセなんだ。。。。。。て。。

    役者さんたち 動きの一つ一つが なめらかで 美しかった。
    うまく 書けないけど、きれいだった。

    衣装が気になった。
    音楽も気になった。

    偶然 いいお芝居がみれてよかった。
    ありがとうございます☆
    また 観にいきます。

  • 満足度★★★★★

    創意工夫と想像力
    使用をめぐって管理人を口説き落としただけのことはある、大分アナログな創意工夫が凝らされたギャラリー空間の使い切りっぷり。
    空間との関わり方を頭に入れて作られた作品はそれだけでもうかなり好きなのだが、通路もままならぬ観客のぎっちりさと、高さのある無造作なルデコ1Fと、観客と役者の空間作りの間で絶妙なバランスができていて、それはもう今まで観て来た中で「この演劇空間がいい」の3指に入る空間だった。
    参加型というか巻き込み型なのが特徴的。観客と役者の間に他愛ないやくそくごとを取り決める、この距離感なんか懐かしいなあと思ったら児童演劇での観客の巻き込み方だ。このアットホームさにのれるかのれないかが分かれ目かも。引導されるがままに身を任せ、楽しもうという心意気を持ち想像力を働かせば、スペクタクル間違い無し。個人的には飛んでるシーンと食べてるシーンに超ワクワク。
    一つ一つの言葉にのびのびとした力がこもっていて聞いてて気持ちいい。
    シアターコクーンでの上演を目指しているらしいが、全国の小さな劇場や学校みたいないびつな空間の方がこの団体のおもしろみを上手く伝えられるんじゃなかろうか。むしろバラックとかで観てみたいな。

  • 満足度★★★

    もっと丁寧に・・・己を磨いて大志を!
    3周り程以上の後輩だが、震災3日後には少しでも義援金を集めようと一人路上パフォーマンスを行うなど立派で誇らしく思う!帰り際「コクーンに留まらず演博を!」と末原拓馬さんへ激励をしたが・・・。芝居は、前説から末原拓馬さん自身が全てを仕切ってそのままダラダラと入った感じ・・・教職課程を取っていたのかな・・・?学校の教室のよう・・・素敵な末原康次氏の楽曲と共にタイトル幕が下りてやっぱり芝居だ!と自覚する。それでも前説での拓馬さんの声・風体の印象が強く残り、なかなか切り替えモードのスイッチが入らない。蚕は羽化しても飛べない生物なのに・・・狙いが有るのか?孵化?羽化?の台詞も理解不能で・・・。倫がめぐに告白するクライマックスシーンから商業演劇らしくなった。それまでは狙いは良いけど企画が空回り・・・?個性・演技とも豊かな仲間に恵まれていて、小屋がル・デコであり日本人の観客側も優しく許容範囲になるのだけど、さらに大きな舞台を望むのであれば、自身の変革と相当の役割委譲はすべきと思う。本は面白い。アニメにしても・・・と考えながら観ていた。エンディングでは末原康次氏がこの芝居・愛息のための楽曲がフルに聴けた。失礼な言い方で誤解ないように解釈して欲しいが、クラプトンを連想させるような素敵なメロディーラインに大喝采!ではそろそろ出発です。明日も同じ4月30日・・・47STで何を見ようかな?拓馬さんへの新たなエール「日本人の優しさを忘れずにブロードウエイを目指しても良いのでは・・・大志を抱け!」★★★

  • 満足度★★★★

    キャストの演技力で観客を取り込む
    今回もキャストが秀逸だった舞台。毎度のことながらセットに金をかけない分、観客の想像力に委ねる構成だが、それには役者の演技力が問われる。そして物語性も。更に観客も蚕になり観客参加型。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    キャストらの名前をそのまま物語でも起用したネーミングはひじょうに解りやすい。だからすんなりと物語の中に溶け込むことができた。また劇中流れる音楽は主宰の父親が作曲したというから、そう言われてきちんと聞くと実に感慨深い。アジアちっくな音楽だ。

    物語は一匹の蚕・タクが神と崇められそれによって民衆が一致団結されるように仕組んだ「作られたシンボル」を軸に愛や夢をテーマにした舞台だったが、蚕の一生を忠実に表現したような物語は繭が出来るまでを興味深く観る事ができた。

    なかでもタクが乳母車に乗って登場するシーンはファンタジー溢れアニメちっくで可愛いらしい。中盤でメグが食料を貪り食らうシーンの演技は流石。更に佐東の蚕が茹でられる告白の場面はなんだか幼虫が昆虫となりさらに怪物になってしまうようで仮面ライダーやゴジラに登場する怪物までをも連想してしまった。それもこれも役者の演技力に他ならないが、すべてのキャストがそんな力量だったから観客として安易に想像できたのは嬉しい限りだった。

    そして終盤の蚕が一斉に天に向かって吐く繭糸の乱舞はファンタジーそのものでガラス越しに滝のように流れる雨のシーンと重なって幻想的であった。

    美しくも儚いおとぎの世界。
  • 満足度★★★★★

    ハッピーに、なれます!
    切なくて、切なくて、どうしようもないの?と思っちゃったけど、それ以上に、愛と優しさと温もりに溢れる素敵な作品でした。逃れようのない運命から逃げもするが、受け入れ立ち向かい、だからこそ、開ける事もあると思えました。主宰自慢の仲間達である力量のある役者さんが奏でる大人のメルヘンは、この会場でしかできない見れない演出もあり、大好きなタイプの作品で、次回作も、絶対観たいと思いました。

    ネタバレBOX

    入場と同時に手渡される小物(デズニィー感覚のカチューシャ?)が、手作り感溢れる、なんだか可愛い♪のを、『頭に付けて、みた方が楽しめま~す』って、劇団の方が案内していて、会場内のおじ様おば様方も付けていて、なんだか可愛い。若い女の子達も喜んで写メ撮ってる~。私も撮ってもらおうか?と、思っているうちに、主宰末原さんの前説。これ又、面白く、観客への配慮とサービスたっぷりだが、流石主宰の仕切りで、逞しさもあり、初見の私は期待も高まりました。

    で開演、、、ベイビー蚕タク(末原拓馬さん)は、生まれた時から『神』と言う、運命を背負わされたことを、神官である(藤井としもりさん)に告げられる。なにも知らない純粋無垢な可愛いベイビーぶりと、神官のやり取りは、コミカルでありながら、選ぶこともできず逃れようもない運命の切なさを感じてしまい、お恥ずかしながら、、、この時点で涙になってしまいました。

    タクの神殿で暮らしていたリン(高橋倫平さん)とタクが、鳥に攫われて森に落ちるシーンでは、葉っぱ吹雪が舞い散り、最前列の私も一緒にかぶり、タク達の恐怖心を味わいながらも、実は紙吹雪の大好きな私は、かなり嬉しくもありました。この葉っぱ達、ちゃんと葉っぱの形してたので、離れた席からも見たかったなんて、後で思ってしまいました。

    神殿から外へ出た喜びと不安を抱えたタクとリンは、工場の労働者サヒガシ(佐東諒一さん)とメグ(わかばやしめぐみさん)に、助けられ居候させてもらえ一安心もつかの間、それからが、切なくて、切なくて、、、メグに恋するタクの一途さ、純粋さには、ついつい涙・・・

    メグも労働者も貧困の為、食べるのも難しい。労働者は病気の妻の医療費さえ払えないこと等の厳しい現実で、リン達を利用しようと企む。
    その中で、タクはリンへの友情で、リンへ忠告するのだが、リンは報われない恋と知っていても、恋は盲目でメグに夢中でいられる自分が幸せの様子。
    タクにとっては、リンが心配でありながら、羨ましそうに感じた。
    『神』と言う立場である自分の意味を悩むが、答えが出る前に、いろんな現実(切なすぎるのだが・・)がタクを襲う。
    絶望しながらも、模索し行動する、死さえも選べない苦しみの中、行動したことで、新たな変化が、タクに夢とハッピーを届ける。

    決断して行動したところで、報われる事ばかりではないが、葛藤するだけで、繊細な自分に陶酔する作品が嫌いな私は、こういう作品が大好きです。何かをすることで、目に見えなくても手応えが無くても、何かが必ず変わってくるはず、そんな希望が湧いてくる、素敵な作品でした。

    役者の皆さま見事で、その役どころに引き込まれました。所狭しと劇場内動き回るので、観客も後ろを振り返ったりするのですが、カチューシャの後ろ姿も可愛く一緒で、不思議な一体感。後ろから、ライトが当たった時には、最前列の自分の影も蚕、お隣の見知らぬ誰かさんも同じ頭の形で、タクとリンの仲間達で、なんだか嬉しくもあり、感動的でした。

    メイク、衣装や小道具、温もりがあり、タクとリンのパンツ部分には、フィルムボーンで膨らみや動きがあり、タクとリンらしさが良く出ていてました。ベビーカーの裏側には、拓馬さんのメッセージが、書いてあったりと、遊び心も良かった。
    拓馬さんの父上の曲も素敵で、元気に歩いていこう!でも無理しないで、休んでいいんだよと言っているような優しさを感じました。もっと、聞きたかったです。
    やっぱり大好きな作品なので、又、再演して下さいね♪

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