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団体所在地 応募数 割合
東京都 42 67.74%
神奈川県 4 6.45%
愛知県 3 4.84%
大阪府 3 4.84%
京都府 2 3.23%
北海道 1 1.61%
岩手県 1 1.61%
埼玉県 1 1.61%
長野県 1 1.61%
愛媛県 1 1.61%
福岡県 1 1.61%
熊本県 1 1.61%
沖縄県 1 1.61%
計62団体

審査員がそれぞれに10作品を推薦し、1作品につき1票ずつ票を投じました。票の入った作品について約3時間半に渡って議論を重ね、10作品を決定しました。

大川
応募にもいつも以上に決断がいるであろう難しい時期だったかと思いますが、蓋を開けてみたら60団体超とたくさんのご応募、本当にありがとうございます。しかも、その応募内容の多くが、強い意気込みや丁寧な思考をもって書かれた文章でしたので、ここから10作品を選ばなくてはならない難しさに頭を抱えながら、1つ1つ丁寧に応募書類と向き合ったつもりです。
加えて、全ての団体のWEBサイトにも目を通すようにしました。一部、SNSのみという団体もありましたが、これまでの活動を一望できないためWEBサイトはあった方がいいですし、WEBに過去の活動のアーカイブをしっかり載せていることは、今回のような未来の活動が審査対象となる時には、その応募内容への信頼に繋がります。

選考にあたっては、ご自身たちや社会についてどのような未来を描いているのか、そしてそれをどのようにして実現しようとしているのかということを最も重視しました。特に社会への視座が感じられ、それが芸術面でのビジョンと噛み合っていると感じられた応募内容には加点ポイントをつけました。
併せて、将来のビジョンや応募公演への意気込みの実現可能性を、団体の公式WEBサイトで手に入る情報や、応募内容の具体性・一貫性などから検討し、判断材料としました。これらをもとにまずは20作品弱に絞り込みました。
その作品たちも非常に多種多様でした。そこで、舞台芸術の中でのジャンルや作風、地域性のみならず、各応募団体が掲げる将来像や舞台芸術との向き合い方の違いも加味し、審査会で推薦する10作品を選びました。

審査は全体に僅差だったように思います。その中で選出された10団体には、活動に継続性が感じられ、その未来像に自分たちだけではない他者が介在し、活動の幅を広げていけることが期待できる方々が残ったと感じています。そして、惜しくもあと一歩だった方々も、そこにほとんど差はなかったように思います。
今回の審査で初めて知ることができた方々がたくさんいて、選考には残らなくても観てみたいと思える団体といくつも出会うことができました。この出会いがビッグバンのように新たな未来をつくり出してくれることを願ってやみません。
河野
今年は、応募62団体ほぼすべての団体の応募文のクオリティが高かったです(なぜだろう…)。いずれも自分たちの活動の言語化ができており「わかりやすい!」という全体の印象でした。けれども、言葉がまとまっていたぶん、突出したパワーで目を引く団体は少なかったです。そのなかで、応募内容が具体的で、齟齬がなく、やりたいことがイメージしやすいかに着目しました。あるいは、応募文で「観たいな」と(観客としての)心がときめくかどうかを。そこで15団体になりました。
審査会に推薦する10団体に絞り込むにあたって、ポイントはまず「継続的に活動できる団体か」でした。グランプリ作品には再演していただくという条件があるように、本賞は継続性を応援しているからです。
そのためには、応募文の3項目(①団体紹介、②公演の意気込み、③将来のビジョン)に繋がりがあるかを見ました。つまり「①私たちはこういう団体で、③将来はこういう姿になりたくて、だから②こういう公演をうちます」という流れに齟齬がないかをです。また参考として、団体のWEBやSNSなどを拝見し、実際の公演や評判などと大きなズレがないかも確認しました。その際、CoRich舞台芸術!に動画やリンク先を登録してある団体はとても見やすかったです。
──と、ここまでウンウン唸りながら推薦10団体に絞って審査会に臨んだのですが、結果的に第一次審査を通ったのはうち6団体でした。ほかの審査員の方々の選考ポイントも納得いくもので、最終的に審査通過した10団体のラインナップには心から納得しています。それにしても、まったく狙ったわけではないのですが、これほど開催地域がバラバラになったのは珍しいです。各地域でどのような活動をされているのか、楽しみにしています。
鈴木
今回のCoRich舞台芸術まつり!の第一次審査の対象は62団体。例年よりも応募総数は減りましたが、コロナ禍で公演実現の目処を立てることも困難な状況にあって、手をあげてくださった団体の方々の前向きな意欲に感謝したいと思います。
第一次審査では、それぞれの審査員が10の推薦団体を持ち寄り、話し合いを進めました。私の場合は、応募書類の中でも「本公演への意気込み」「将来のビジョン」を軸に、CoRich舞台芸術!に登録されている情報、団体の公式サイトも参照しつつ、推薦団体を絞り込みました。そのすべてが最終審査に進出したわけではありませんが、ジャンルにかかわらず、地域を拠点にそれぞれの個性を生かした活動を展開する集団が印象に残りました。コロナ禍の影響もあり、応募書類の「将来のビジョン」が団体の創作、表現の範疇に止まりがちであった一方で、常日頃から、いかに自分たちの活動をコミュニティの中に位置づけるかを考え、実践してきた経験が強みとして表れたのかもしれません。
 恐らく例年と同様だと推測されるが、応募団体と作品の傾向が非常に多彩であったことが嬉しかった。關はまず全体を6つのグループに分け、その中で比較し半分を評価対象とした。次に残った約30団体を、「広報」、「インパクト」、「核となる問題意識」の3つの視点から評価した。「広報」は応募作品ページ、CoRich舞台芸術!上の関連ページ、公式サイト、プロモーション動画等、広報の出来に対する評価、「インパクト」は衝撃という意味ではなく、社会や舞台芸術等に与え得る潜在的影響についての評価である。「核となる問題意識」は、活動や作品の中心的動機が明確かつユニークであるかどうかを評価した。
 議論の俎上に上がった団体/作品はいずれも、問題意識の視野が広範かつ明瞭であり、自らの目標や特徴をクリアに言語化できていた。加えて、その目標が実現可能であり、それに到達するためのアプローチ(作品創造の方法)が妥当であった。これらの基本的な条件を満たした上で、その中でも独自性が光る団体が選出されたと言える。
深沢
 惜しくも中止となった2020年以来2年ぶりの第一次審査である。この2年で「観劇」を取り巻く環境は大きく変わった。感染症対策の徹底にはじまり相次ぐ休演や代演。観たい作品があっても観にいくことを控える、他人に薦めることもはばかられる――これまであたりまえと信じて疑わなかった「観劇」が変わる様をまざまざと見せつけられている日々はいまも続いている。

 そんななか開催する今回の「CoRich舞台芸術まつり!」の意義は大きい。2年前と比べ「観劇」のハードルが高くなっているからだ。今後活動の継続が危ぶまれる事態に直面する団体もあるかもしれない。このような状況にもかかわらず60以上の応募が集まった。そのことにまず敬意を表したい。

 応募団体を総覧してみても、この2年の変化の影響が大なり小なり出ている点が目についた。中止を余儀なくされた作品の上演を企てていたり、オンラインコンテンツを充実させていたりする団体が少なくない。2年前と比べると持続可能性や地域に根ざした活動を謳う団体が増えたのも時勢を反映していると感じた。

 各審査員が選出した10団体の大半は票がバラけたため、3時間以上かけて精査していった。討議のなかから浮かび上がってきたのは、突き詰めれば「応募公演への意気込み」と「将来のビジョン」が生きた言葉で書かれていたかということによると思う。もはや面白い作品を上演さえすれば観客が集まるという訳にはいかない。しからばどんな手を打って集客し活動を継続させていくのか、という団体側のビジョンの明確さ、真摯な訴えかけが最終的な決め手となった。また観客に対する目配せ――どのようにすれば作品に興味を持ち劇場まで来てくれるか――を示している団体を私は特に強く推薦した。

 最終的に絞り込んだ10団体が無事に公演を実施し、本年こそ「CoRich舞台芸術まつり!」が最後まで遂行されることを願っている。今回の催しを通してひとりでも多くの方に「観劇」の魅力を伝えることができればと考えている。

それでは10作品の発表です。
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最終審査に進む10団体には
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※公演初日順。

最終10団体

透き間

透き間

サファリ・P(京都府)

★審査員より(關智子)
サファリ・Pはそのユニークさと視野の広さが高く評価できた。創作の基となるテクスト、そこから書かれる上演作品のテクスト、メンバー間の関係性、その後の創作全てが序列的になることなく並置され作品を構成するというのは、現代舞台芸術にはしばしば見られるものの、実践できている団体はまだ多いわけではない。加えて、視野の広さは応募団体の中でも群を抜いていた。取り上げたテクスト自体も興味深いが、そこからアルバニアとコソボ紛争を、山口茜の祖父と繋げることで自身に近付けるという、時間的、空間的な距離を主眼に入れていることが好評だった。舞台芸術という他者と共に行う芸術を創造する上で重要な問題意識であるため、作品への期待が高まった。

最終10団体

 “Na”

“Na”

PANCETTA(東京都)

★審査員より(河野桃子)
「舞台に必要なのは、ただそこに必死に生きている人がいること」。俳優の身体、生演奏、空間など、生身の表現である舞台の特徴と向き合う姿勢には、観劇への期待が高まります。応募文からも、生の感覚、生の思い、生の匂いが立ち昇る生々しさがありました。目指す姿勢を文章に落とし込んでおり、魅力的でした。さらに『喜劇』へのこだわりも一貫しており、やりたい表現の明確さも力強いです。自分のやりたいことに芯を通しながら、同時に舞台芸術の普及についての活動もおこなう視野の広さにも将来性を感じます。今回の公演がひとつの着実なステップになるよう応援しています。

最終10団体

オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち(東京都)

★審査員より(深沢祐一)
2019年に東京藝大出身の5人が結成したパフォーマンス集団。第2作となる本作はコロナ禍による2度の延期に見舞われました。ピアニストで作家の鎌田エリカさんの書き下ろしで、現代の女性が抱えるさまざまな問題を多角的に扱った内容とのこと。作品のアクチュアリティもさることながら、今回の上演に至るまでのブラッシュアップや観客に作品理解を促す場を提案するなど、高い志向性を感じる応募内容に期待は高まります。

最終10団体

不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

壱劇屋(大阪府)

★審査員より(河野桃子)
「CoRich舞台芸術まつり!」に何度も応募を続け、毎度、劇団としての強度を増していることを実感させる壱劇屋。応募文にも筋が一本通っており、実際に有言実行し積み上げている力強さがあります。オリジナリティを突き詰め、若手を育て、活動範囲を広げ、自分たちのファンと良い関係を築いている取り組みには、劇団としての信頼・魅力・将来性を感じます。応募作は『不思議の国のアリス』ということで、有名な人気作を壱劇屋ならではの無言劇と世界観でどのように仕上げるのか楽しみです。

最終10団体

ひび割れの鼓動-hidden world code-

ひび割れの鼓動-hidden world code-

OrganWorks(東京都)

★審査員より(深沢祐一)
「CoRich舞台芸術まつり!2020春」参加作品『HOMO』で、人類最後の日を予言的に描いた、平原慎太郎さん率いるカンパニーの新作。2021年末に神奈川で初演、以降各地に巡演しています。テキスト・ドラマターグにイキウメの前川知大さんを迎え、ゲストに外部の俳優とダンサーを招聘するなど、演劇とダンスの新たな交わりを目指し創作した点に注目しています。さらに持続的な活動に対する展望と気概を示した「将来のビジョン」に強く心を惹かれています。

最終10団体

マがあく

マがあく

シラカン(神奈川県)

★審査員より(關智子)
応募時を含め、広報全体にやや観念的な言葉が多いものの、目的が伝わる上に魅力を感じる文面だった。将来のヴィジョンについて、自団体の特徴を客観的に捉えた上で、具体的に実現可能な範囲で設定していることに好感が持てる。また、作品のテーマがコロナ禍を捉えたトピカルなものであった点も評価できた。コロナ禍をテーマにした団体は多かったが、シラカンはそこから社会や世間的ルールの疑問視という広がりを持たせ、主題を掘り下げられているであろうことが伺えた。問題意識の深さゆえに期待値が高い団体である。

最終10団体

甘い手

甘い手

万能グローブ ガラパゴスダイナモス(福岡県)

★審査員より(鈴木理映子)
近年の自信作をブラッシュアップして再演する今公演の企画意図、CoRich舞台芸術まつり!を始めとする演劇祭やコンクールに参加する理由など、応募書類に書き込まれた取り組みのすべてが、劇団結成時の理念「いまだに演劇に出会っていない人たちにこそ、演劇を楽しんでもらう」を出発点としていることが、しっかり伝わってきました。対象が広く、ともすれば具体的な戦略も見失いかねない大目標に正面から取り組む姿勢に、15年以上にわたり、福岡を拠点に良質なエンターテインメントを追求してきた自負も感じます。最終審査進出は11年ぶり。経験を積み重ねたうえでの「代表作」での勝負に、心して立ち会いたいと思います。

最終10団体

9人の迷える沖縄人

9人の迷える沖縄人

劇艶おとな団(沖縄県)

★審査員より(鈴木理映子)
沖縄に暮らす人々の「現在」に立脚しつつ、歴史を紐解き、現代の日本が抱え続ける矛盾、葛藤に切り込む。エントリー作品『9人の迷える沖縄人』の、直球かつ意欲的な企画に惹かれ、ぜひその場に立ち会いたいと思いました。アトリエ銘苅ベースを拠点に、県内外の団体と交流を重ね、あらためて沖縄の現代演劇をかたちづくり、発信していこうとする、その取組の一つとしてCoRich舞台芸術まつり!の利用があるのだとすれば、それはとても光栄なことでもあります。地域で暮らす「おとな」たちが発するエネルギー、説得力、そして艶っぽい(?)ほどのチャームに出会えることを期待しています。

最終10団体

残火

残火

廃墟文藝部(愛知県)

★審査員より(大川智史)
今回の第一次審査におけるダークホース的存在でした。審査員は誰も作品を見たことがなかったのですが、早々に多くの票を集めて、最終10作品に名を連ねました。
2014年から続けているという全作品の動画無料公開を、新たな観客と出会う機会と位置づけ、実際にファン層を広げてきたことからも、インターネットを活用した創客というビジョンが真摯なものだと考えました。
また、劇団結成10周年の節目の年に、「平成」という大きなテーマを掲げ、「新しい時代を切り開く傑作になる」と書ききった自信溢れる意気込みに好感を持ちました。

最終10団体

ふすまとぐち

ふすまとぐち

ホエイ(東京都)

★審査員より(大川智史)
東京で劇団を立ち上げ、活動を続けてきたホエイ。地域のリサーチをもとにいくつかの作品を創作してきたことや、地方を題材にした作品を主に東京で、方言を交えて数多く上演してきたことが特徴と言えると思います。
応募文からは、都市と地方の断絶や、地方が抱える課題を、創作上の問題意識に据え、創作のあり方を含めて、それに呼応するようなビジョンを掲げていると感じ、そこに団体の一貫した姿勢を見ました。
個人的には特に、創造の過程を大切にし、「人が集まり『混ざる』ことの意義や価値」を生み出し、コミュニティの中核を担おうという姿勢に強く惹かれました。

以上の10作品です!
次の最終審査では、審査員が実際に公演を見に行きます。

CoRichメンバーもクチコミをして
全国の舞台芸術ファンみんなで盛り上がろう!

最後まで候補に残っていた、大変惜しかった作品です。
“審査員注目の作品”として公表させていただきます。※初日順

〈シアター風姿花伝劇作家支援公演〉『風-the Wind-』 HANA'S MELANCHOLY (東京都)
ヘンテコ鳥と、さかいめの3人 劇団うりんこ(愛知県)
いきたひと yum yum cheese!(熊本県)
Le Petit Prince -わたしと小さな王子さま- THEATRE MOMENTS(東京都)

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