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舞台「戦国BASARA」〜蒼紅共闘〜

舞台「戦国BASARA」〜蒼紅共闘〜

株式会社エンタテインメントプラス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/04/09 (金) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

アニメ的!
流石にゲームの世界だけあってアニメ的だが、しか~し!ワタクシはアニメが大好きなので大満足だった。殆どがアクションシーンの乱舞だがJAEの指導が功を奏したのか、ちゃんとさまになってるんだからお見事!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

昨今の戦国ブームったら、芝居でも映画でも目にしない日はないくらいなのだが、それでもそれらの火付け役になったのは「戦国BASARA」だと思う。さてはてゲームの世界の醍醐味を舞台だったならどんなショーになるんでしょ。(^0^)なんつって楽しみでいったわさ。

会場にはまだくちばしが黄色いような女子がわんさかで、そんな中に60~70歳くらいの紳士淑女も混ざってるわけ。「えっ!この人たちもゲームキャラが好きなんでしょか?」なんて激しく疑問を感じたワタクシは早速、その中のご婦人を捕まえてインスタントインタビューをしたら、「普通の戦国ものだと思って知らないで来た。」との事。な~~る、なるほど納得!(^0^)

さて舞台は、伊達政宗役の久保田悠来(青組さん)のライバルとして真田幸村役の細貝圭(赤組さん)が戦うのだけれど、両者とも天下を取るために協力し合って織田信長軍勢を倒すという筋。いあいあ、舞台上でこれだけの人数のキャラクターが揃うと圧巻ですわ。なかでも片倉小十郎の「背中は自分が守ります!」のクールなセリフに痺れる。

それにしても・・「AND ENDLESS」の西田大輔が脚本・演出・振り付けをしたのだけれど、彼の舞台を観たのは2007年、笹塚ファクトリー での「「ONLY SILVER FISH」「+ GOLD FISH」」 だった。あれから3年。こんな風に変わったんだね。商業演劇といわれる部類だけれど、だからこそ成功したのだろうと思う。

そして・・・約3時間を暴れまくって平然としてる彼ら。若いっていいね♪
テキナノイズ

テキナノイズ

舞台芸術の学校(P.A.I) 

吉祥寺シアター(東京都)

2010/04/15 (木) ~ 2010/04/15 (木)公演終了

満足度★★★★

幸あれ
この先を歩み出すのやら、走り出すのやら、転がり出すのやら、飛び出すのやら分からぬけれども。

丸ノ子ちゃんと電ノ子さん

丸ノ子ちゃんと電ノ子さん

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

ある女のとある童話。
童話というのは、
子供のためにあえてポップな部分を強調しているといいます。
でも、本当は、真実に近づけば近づくほどシビアなお話。
残酷であるから目をふさぎたくなるお話。

でも、それが現実だし、
きっと誰もがふきこさんなんでしょう。
素晴らしかったです。

さくら餅キャンディ♡

さくら餅キャンディ♡

はちみつシアター

劇場MOMO(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

素敵なエンターテイメントショー!
徹底したエンターテイメント。演劇というよりショーという感じだが、たっぷりと楽しませてもらった。最後に繰り広げられるダンスショーが素敵で、どちらかと言うと、そのダンスショーを見せるためにそれまでの芝居があるような感じもしないではないが、それもありだと思う。脚本演出の巣鴨五反田は徹底的に観客を楽しませようとしている。そのエンタメの中でもラストシーンのおはぎの台詞には涙があふれ出た。

そのおはぎ役の秋元佐和紀がかっこいい。エグゾイル役の田渕恭子、ようかん役の山川多恵も好演だった。

ヤナギダアキラ最期の日

ヤナギダアキラ最期の日

渡辺源四郎商店

アトリエ・グリーンパーク(青森県)

2010/04/11 (日) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

うまく投稿できませんが?
 期待以上の「深さ」を感じた。「生と死」をこんなふうに問われると、観客もまたしっかりと受け止めざるを得ない。もう一度観て、さらに考えてみたい。
 この重いテーマを、笑いと涙の渦の中でテクニカルに纏めた店主の力量には、ファンの一人として文句なく大拍手である。
 役者のみなさん、それぞれ持ち役を楽しんでのびのびと好演している。
特に、牧野慶一の存在感のある演技がのこった。

ドライビング エンゼルフィッシュ

ドライビング エンゼルフィッシュ

劇団6番シード

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/04/08 (木) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度

自分的には…
この手のものは苦手、入り込めない。音楽?も気に障る。
でも…連れはとても面白かったと大層なお気に入りでした。

丸ノ子ちゃんと電ノ子さん

丸ノ子ちゃんと電ノ子さん

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

素晴らしくエンターテイメント
初見でしたが毒あってとても好みでした。音も映像も振り付けも思い切っててピタリはまっていました。音が不快になる直前の心地よさ。とことんやっている強みを感じます。 終わり方が、はっきりさせないのが良かった。 コメディものは、型になってしまうのは避けられないのでしょうか。テンション上げるところに対しての切ないシーンが、本当に切なくなりたい。個性的、っぽい、だけにおわらないと良いな 

相対的浮世絵

相対的浮世絵

キューブ

J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)

2010/04/10 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了

満足度★★★★

作・演出が好きなので
【作】土田英生
【演出】G2
興味深い組み合わせ。
役所陣もいいねえ。

ネタバレBOX

15年の時を経て再会した、兄と弟。
戸惑いながら集まる同級生達。

明らかに幽霊なんだけど、そうとは認めさせない。
このやりとりで笑いを。(土田ワールドですね)

西岡徳馬さん、今回は出番が少なく、傍観者的な。

平岡祐太さんは初舞台だったんですね。
がんばっておられました。

舞台の「墓地の中の庭園」作り込んでました。
こういう舞台では安心できます。
伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪

伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪

Project Nyx

芝居砦・満天星(東京都)

2010/04/07 (水) ~ 2010/04/17 (土)公演終了

満足度★★★★★

ゴスロリとテラヤマの不思議な出会い
原作も元の舞台の雰囲気も知らない立場から観劇。エンタメアングラといった趣で観ていて素直に楽しい。
美術や服や髪の明確なビジュアルイメージに、本格的な歌や舞踏や人形遣いのパフォーマンスが違和感なく散りばめられ、ゴスロリ(と言い切っていいのかわからないが、他に適当な言葉を知らないので)とテラヤマを交配させた独特の甘美な異世界を徹底的に造り上げていた。
そういった雰囲気に特に思い入れのない自分でもかなり魅せられたので、こりゃ好きな人にはたまらないだろう。

印象深かったのは人形遣いの森田晋玄さん。操り人形と人形遣いの常識的な関係性を土足で掻き乱す場面が、美しくおぞましく、たまらなく魅力的だった。使っている人形が宇野亜喜良製だというのがまたいい。

学生席で、舞台の5分の1ぐらいが死角になってしまったのが残念だった。次回の吉祥寺シアターでは大丈夫かな・・・

ドライビング エンゼルフィッシュ

ドライビング エンゼルフィッシュ

劇団6番シード

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/04/08 (木) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★

コメディではない気がします
世論は「コメディじゃない」という意見が多いようですが、同調。

ジャンル分けしたらサスペンスになるのだろうか。ただし、「リアル」ではない登場人物の行動を「コメディ」というオブラートで包んでいるような。

私の周りで評判の劇団だったので楽しみにしていたのだが、正直さほどでもない。
色んな事に挑戦してる団体らしいので、次回に期待。

ジェノサイド

ジェノサイド

演劇サムライナンバーナイン

テアトルBONBON(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

ばか騒ぎの裏で
一件ナンセンスそうなばか騒ぎと、その裏で起こっている気味の悪い出来事とのギャップが印象的でした。衣装と音響もストーリーにぴったりマッチしてたと思います。

わが町

わが町

文学座

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2010/04/09 (金) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度

戯曲だけ読めば良かった(泣く)
昔から、文学座の芝居をあまり面白いと思った記憶はありませんが、それにしても、まさかここまで低落の極みとは思いませんでした。
古色蒼然の鼻白む演技を我慢して観ていたら、気分が悪くなりそうでした。
こんな芝居を子供に見せていたら、日本の演劇界に未来はないとさえ思います。
これは、由々しき大問題です。文学座の皆さん、老舗劇団在籍に胡坐をかいていないで、小劇場の精鋭劇団のワークショップでも受けてみたらと、本気で提言したい思いです。
ご高齢の戌井さんのご健在ぶりに敬意を表して、☆は一つですが、正直言えば評価外の舞台でした。
この劇団、才能ある役者さんも演出家も、このところ外部公演ばかりで、これでは、この劇団の未来はないと、心底危惧してしまいます。

ネタバレBOX

セットもほとんどなく、小道具は一切ない舞台。皆さん、ジェスチャーで、小道具がそこにあるかのような演技をされるものの、誰一人、その見えない小道具をあるように見せて下さる役者さんはいませんでした。その上、全員、役を演じている文学座の役者にしか見えない人だらけ。ただの一人も、その役の人物として舞台に存在してくれる人も、見当たりません。
特に、主役二人は、年月が過ぎても、年齢が変化した演技がまるでできなくて、これでは、養成所の研究生以下だと、呆れました。
結婚式の場面で、聖歌隊の一員として、素人さんが出演したり、子供なら誰でも良いとチョイスしたような、子役さんが登場しましたが、これは、文学座の皆さんの演技を引き立てるための要員かしらと、穿った見方までしたくなりました。
本当に、久しぶりに、心底、落胆し、怒り心頭の情けない観劇体験です。
もう、文学座、観たくないかも。
紙風船、芋虫、かみふうせん❤

紙風船、芋虫、かみふうせん❤

オクムラ宅

TARA(東京都)

2010/04/10 (土) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

2作品で
同じ台詞、キャストでも
演出違いでこんなにも印象がかわるのかと..
2作品セットで1つのものとしても観れるかな、と思いました
芋虫は乱歩がこんな作品を書いていたのですね
ただ、乱歩の世界観があまり感じられなかったのが残念でしたが
楽しませてもらいました
あと、スペースが狭かったため座布団はちょっとキツかったです

ユダ勘定

ユダ勘定

ウラダイコク

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2010/04/15 (木) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

おー
初日の緊張はありましたが、、

ネタバレBOX

いー感じに裏切られた。
しらみとり夫人/バーサよりよろしく

しらみとり夫人/バーサよりよろしく

百景社

atelier SENTIO(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

『しらみとり婦人』『バーサよりよろしく』2本立て
フェスティバルディレクターの山田です。
SENTIVAL!2010のトップバッター百景社の公演がはじまりました。
『しらみとり婦人』『バーサよりよろしく』の2演目同時上演です。
今から70年くらい前の戯曲が、百景社らしく、おかしく、それでいて
戯曲の本質をきちんと見せてくれる作品になっていたと思います。
みなさま、ぜひご来場ください。

おたふく・氷解

おたふく・氷解

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2010/04/13 (火) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

安定感有り。
特に目新しいところはないが、小劇場には珍しく?ベテラン俳優多数で安心して見ていられる。特に漁師のおじさんとか和尚さんは演技とは思えないほど自然な感じ。ただ、今時あんなにあからさまに怪しげな詐欺師はいるかしら?

薔薇とサムライ

薔薇とサムライ

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

2度目
RXは2度観ないとしっくりこない。今回は会場全体を見渡せる後列で観劇。華やかな作品を見るには後列がいいですね。やっぱり新感線は面白い!

丸ノ子ちゃんと電ノ子さん

丸ノ子ちゃんと電ノ子さん

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

だって世界ってそうじゃない?(^0^)
何?コノ世界観は?!「elePHANTMoon」の世界観に似てる。だけれどこっちはもっとポップでファンキーだ。まるで「不思議な国のアリス」に登場するカラーで分けられた一つの部屋に迷い込んだような感覚。不思議だけれど魅惑的な部屋。たぶん好みは割れると思う。

以下はネタばれBOXにて。。




ネタバレBOX

失踪した『ふきさん』は、パトロンとアメリカに渡りそこでパトロンを事故で喪ってしまう。絶望の底に落とされた『ふきさん』は同時に感情も失う。事故のトラウマだ。そして感情と精神を破壊されてしまった『ふきさん』は、どこか見えない場所に大きな傷ができそこから血が流れ続け徐々に干からびてしまうように髪と皮と肉だけになった人形のようだった。誰のせいでもない。だって世界ってそうじゃない?

そんな彼女を水山が介護する日々が続いていた。そんな中、『ふきさん』は電動式丸鋸を使用する恐ろしい「実験公演」を思いつき、実行し始める…。理由はバケモノのようになってしまった自分を人間に戻す為の必要不可欠な公演なのだと訴える。そんな理屈も解らない。だけど・・・だって世界ってそうじゃない?

『ふきさん』に関わった男3人は殴られ監禁されて犬のように鎖に繋がれる。彼らは『ふきさん』を人間に戻す為に彼女がワクワクするような話を聞かせなければならない。話がつまらないと罰として『ふきさん』自身の指を電ノコで一本ずつ切り落とさなければならない。どんな理屈か解らない。だけど・・・だって世界ってそうじゃない?

舞台はその光景を血シブキと共に壁に張り付く様を見せる。しかしそんな壮絶なクライマックスを見せられても『ふきさん』と登場人物の滑稽でコミカルな演技から、おどろおどろした陰鬱さはない。パレードのようだ。なんだか映画の中の特撮映像の出来損ないの怪物でも見せられているような気分になってしまう。その圧倒的な喪失感は不安定で姿を持たないにも拘らず強大なる重力にも似て人を圧するすべての動きを止めてしまうかのように・・。だって世界ってそうじゃない?

『ふきさん』は変わることを切望しながらも自分が変われないことを嫌というほど理解しているのだ。眠りと覚醒の狭間を行きつ戻りつしていた『ふきさん』は見えない部分に負の要素を押し込めて鼓笛隊のようにファンファーレするのだ。「だって世界ってそうじゃない?」

とにかく面白い!陰鬱な光景を見せつけられているのに、ポップでパラダイスな音楽は足でリズムをとってしまうほど。エキサイトな展開や明暗が混在する世界も全てひっくるめてパッションなのだ。だって世界ってそうじゃなーーーい?!(^0^)





Side Show

Side Show

フジテレビジョン

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/04/07 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度

2度は観ません
ともかく中心にいる数名の俳優さんたちに感動をもぎ取られる舞台でした。
声の出てない方、演技にハートが全く篭ってない方、自己愛中心の方。。。とても鼻に付く気分を害する程の演じ方・歌い方で、2度と観たいとは思いませんでした。役者さんが替わればもう一度観てもいいかも、程度です。
楽曲が素晴らしいと定評でしたが、せっかく双子状況なのにハモリが少なかったり、絶唱っぽい歌い上げる場面が多すぎて疲れ、期待はずれでした。
主演のお2人は本当に体が合体しているのかと錯覚するぐらい、背格好と息がぴったりあっていて、素晴らしかったですが、彼女たちの演技力・歌唱力も台無しな感じの舞台でした。もったいない!

夕焼けとベル

夕焼けとベル

カムヰヤッセン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/04/03 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了

満足度★★★

複雑な想い・・・
統一された時間の概念が崩壊しているメランコリックなイラストに終わる世界の続いていく話。と詠う紹介文、それに加えてファンシーなタイトルから時空が歪んで世界が反転する、時系列シャッフルのダークファンタジーを想像したのが誤算だったようだ。
家族という誰もが逃れられない奥行きのあるテーマや、描かれる人間ドラマのなりゆきにまったく非はないのだが世界、終わる、という言葉に対するイメージの乖離をなかなか埋められず、少々もどかしい気持ちになった。

ネタバレBOX

北陸地方のどこか。定期便の船でしか本土に行くことのできない孤島が舞台。
2つの家族の日常を交互に描き中盤、銀行強盗に失敗し、島に逃亡してきたテロリスト集団によって物語は加速する。

ここが海に囲まれていることを主張しているような、しかしそれがまるで義務であるかのように淡々と脈打つことを恐れない波の音が聞こえる複雑な形をした島。
その島の周りを取り囲むように配置された客席からは、島の住人のものと思わしき使い古された持ち物や、営みを垣間見る道具が見え隠れする。
暗転になりきらぬうちにのっけから、白装束の集団がまたぞろやってきて円陣をつくり全員揃うと奇声を発声しながら奇妙な宗教的儀式を執り行う。
この集団は人間の臓物を売ったりしていて、島の住人は彼らとは距離を置いているらしい。

主人公はこの奇妙な宗教家の教祖の息子、拓。
彼は父親の後を継ぎたくないから小学校を卒業したら島を出て本土に行きたいと思っていることを、クラスメイトの女の子、静香に話す。静香には知的障害者のお姉ちゃんがいて、お母さんはお姉ちゃんばかり構うから彼女は姉をとても嫌っているけど、島を出て行きたい、とは思っていない。

この島で生まれてこの島で死んでいくことに概ね満足しているように見える。
この島に暮らしているひとたちは現実と向き合いながら淡々と毎日をこなしている堅実な人びとでもある。しかし、自分が本当に居るべき場所がここではないとおもう者にとって島で暮らすことは苦痛でしかない。男の子の家のお姉さんふたりもやっぱりこの島を逃げ出したかった。一番上のお姉さんは東京に行くことが出来た。二番目のお姉さんは、男の子のお母さんでもある。

自分が父との近親相姦によって生まれた子供であることを悟りはじめる拓の心は、お姉さんをひとりにできないこと、島を出て行きたいことの狭間でゆれる。

一方、すべてを終わりにしたかった男の子の姉はテロリストとなって、力には力でしか対抗できないとの声明文を表明し、銀行強盗を起こし、すべてを終わらすために島へ戻ってくる・・・。

静香の家族らはテロリストの人質となり、怖いおもいをしたことで家族の絆を思い出し、これからは姉に少し優しくなろうとする静香の小さな成長がとても愛らしい。

同じ頃、男の子の姉は生家を訪れ妹を殺そうとする。しかしそれも未遂に終わり警察に連行されて再び島を出て行くことに…。
最後、勢いよく飛沫をあげて発進する定期便の船にゆられる男の子は生まれ故郷を振り返らずにまっすぐ前だけを向いて姿勢を正す。

閉鎖的な村社会、謎のカルト集団、近親相姦、時刻の異なる時計、何層にも塗りたくられた薄暗く紫色の淀んだ空のイラスト、島を出たい少年。等のキーワードは寺山修司の半自叙伝的映画、田園に死すと共通するものがあるがこちらの作品は、これらのものに対して誠実であろうとしており、また本当の気持ちを伝えるために、一字一句丁寧に話そうとしていた。

家族。という絶対的な組織には言わんとしていることは伝わるはずだ。きっと通じ合えると信じていたい気持ちと、血が繋がっているからある程度は妥協しなければならないという強制が上乗せされているのではないだろうか。
その微妙なさじ加減が家族ドラマの醍醐味だとすると、息子と父親の関係性の描き方は少々軟弱なようにおもえてしまった。
臓物をえぐりだして売ってお金にしている父親みたくなりたくないし、そんな父親の後を継ぎたくない、第一気色悪い、という息子の常識人らしい感性はいいのだが、命を粗末にする父親に、どうしてそんなことをするのか。は、何を言ってもどうせ分かってくれないことを承知のうえで、結論だけではなくきちんと問いただして対話する場面は省略しない方が説得力が増したのではないかとおもう。あと、臓物はどこの誰のモノなの?というのが気がかりだった。なんかこういうのって島の若い女が生け贄になってるイメージだから。

それから作品タイトルを意識したと思われるベル(というよりも鐘)の舞台美術は非常に凝ったつくりであったのだが、副次的な要因を絡めると、違った味わいが出たかもしれない。たとえばベルを鳴らす日課は父親と拓との約束ごとである、臓物が奉られた時には鳴らす回数が変わるので村人たちは感付く、
ベルは12歳までの男子にしか鳴らせない、など。なぜって夕刻に鳴らす、という行為が退屈な終わりなき世界を終わらす方法であると同時に、長津田が売りさばく臓物もろもろ死者の霊を、拓が清めているように私には見えたから…。

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