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恋、ほのか ~何年後かのI love you~

恋、ほのか ~何年後かのI love you~

Knocturn

六行会ホール(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★

思春期の恋
保木本真也(コメディユニット磯川家)の本だけあって、笑いが満載だった。プラットホームのセットがリアルで素晴らしい。美術:福島奈央花。また、芝居の中に組み込まれている映像(関口裕二)も素敵だ。物語の舞台は駅で始まり駅で終わる。駅の風景が田舎町の長閑な場面を想像できて、そこも温かみ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

小さい頃からずっと一緒で幼馴染の純(渡辺大輔)と智子(岩井七世)はお互い、ずっと好き合っているのに、素直にそれを言うことが出来ない。素直になれないことから、お互いにすれ違い、好きでもない相手と付き合ってしまう。それでもお互いにお互いを大切におもいながらも現況を切なく思ってしまう。

こうして二人はくっついたり、離れたりしながらを繰り返し、煮え切らない思いだけが増幅し、想いだけがつのる。その恋は一見、ほのかな恋のように思えそうだが、実際はそうではない。お互いに肝心なところで意地になって素直になれないばかりに、最終的には智子は医者と結婚してしまうのだ。自分の気持ちに未消化のまま。だから、大人になって何年後かの「好き」を告白したとしても、気持ちが空回りして一緒になることはない。

それは甘酸っぱく、もどかしく、いじらしくも切なく甘い初恋ラブコメなのだが、最初にボタンの掛け違いがあると、中々、素直になれない感情ってあるよね。素直になれないって、凄く損しちゃうわけだけれど、大人になれない精神がそうさせるのだとしたら、やはり幼稚な感情のまま発展しない二人は結ばれないよな・・なんて感じてた。

千恵役の川面千晶のキャラクターが絶妙!実に素敵だ。
初恋ラブコメよりコメディの部分がイカシテル!

暴れン坊の棒、大いに暴れるの巻

暴れン坊の棒、大いに暴れるの巻

LIVEROCK

ラ・グロット(東京都)

2011/09/02 (金) ~ 2011/09/04 (日)公演終了

満足度★★★

荒削りで実験的な公演
この会場は初めてで、入ってみると、いびつな5角形。
入口のそばには、一段高いところがあり、奥に向かって階段が付いていて、
下に降りることができる。もとは倉庫か何かだったのか?
(↓ここに会場の写真があります。)
http://www.la-grotte.com/1f/

11の小さい話に分かれていて、関連性の濃いもの、薄いもの、
少し前の話と関連しているものなどさまざまだが、
何しろ実験的で、暗くしてライトを使うもの、
まくしたてたり、静かに魅せたり・・・
何より驚いたのは、例の階段が可動式だったことで、
これが動きながら役者もアクション的演技をすると結構な迫力!

ということで、荒削りで、好みは大きく分かれると思うが、
期待は持てる劇団と思った。

で、好みは分かれるところで、
こういう実験的試みは、個人的には面白かった。
これはプラス1P。

でも、ギャグがあまり受けなくて、しかも、
一番つまらない「ニューートントン…」というやつが、
最後までしつこく繰り返されたのは、いかがかと思った。
で、これはマイナス1Pで、結果3Pとしました。

おしまいのとき

おしまいのとき

ポツドール

ザ・スズナリ(東京都)

2011/09/08 (木) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★

ぐったりした
初ポツドール。140分くらい。観劇後の疲労感がはんぱなかった。こんな疲れたのは初めてだった。

ネタバレBOX

子供を水事故で亡くした夫婦(橋本家)と、同じマンションに住む隣人夫婦(今井)、クーラー整備業作業員と、その身ごもった彼女。

橋本妻(篠原友希子)のナレーションがところどころに入る。第一部「不幸」第二部「復活」ということで、彼女の「再生」の物語にもみえるが、タイトルのとおり「おわりのとき」でもある。むしろどこからが「おわりのとき」だったのかすらわからないくらい。でも、ラストのご飯モリモリ食べるとこで「再生」のような気もしてきた。

ほかの人物たちも、どこからが「おわりのとき」だったのか。すでに終わっていたのか。

前方客席で整備員(菅原)に部屋(舞台2階)が若干見えにくかったが、その彼女(新田めぐみ)の、髪からつま先までの表現(メイクや衣装、体型、発言、演技すべて)が、上手いなと感じた。
悩殺ハムレット

悩殺ハムレット

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒的
今回は古典ということで、
物語の骨組みがすでに観る側にあることから
個々のシーンに役者たちが醸し出すニュアンスの鮮やかさが
あっという間に観る側を凌駕してくれて・・・。

そこから一気に疾走する
圧倒的に豊かで鮮やかな舞台でありました。

ネタバレBOX

シェークスピア戯曲のもつ面白さが
あらかじめ用意されているということで
作り手は物語の骨格を組み上げる手番に力を削がれることなく
戯曲を読み解き、個々のシーンが担うニュアンスの表現を
ぞくっとくるような感性で作り上げていく。

品格に包まれて置かれるのではなく
ダイレクトに伝わってくる台詞の意図、
抜き身のような今様の言葉から
あけすけに、ダイレクトに伝わってきます。
個々のキャラクターたちが背負うロールのニュアンス。
それは言葉にとどまらず、身体の表現や
刹那の表情の誇張や
舞台全体に作られる空気として伝わってくる。

もちろん、物語の構成としてのロールの軽重はあるのですが、
場面を創るということに関して
軽いロールを振られた役者がみあたらないのが凄い。
戯曲に描かれた役柄の大きさや色に縛られることなく、
ひとつずつのキャラクターの刹那が
観る側にがっつりと入り込んでくる。

禍々しいだけではない父の亡霊が纏う華、、
悪に染まりきらず揺らぐ(褒め言葉)クローディスの内心、
エロいという言葉を背負いうる母、
そして、ひたすら重厚に悩むのではなく、
リアリティを持った苦悩の質感を醸し出すハムレット。
清純なだけはなくちゃらいだけでもない無邪気さを持ったオフェーリア。
絶妙な思慮の深度とまっとうな感覚を感じさせるレアーティーズ。
宮廷内のたくらみの匂いを編み上げるボローニアス。
ホレイシオの作りだす実直さと悲劇の現場の疲弊感。

彼らと遜色ないというか、時には競い合うように
ローゼンクランツやギルデンスターンそれぞれの
人物像や男っぽさが、役者の美しさに阻害されることなく
むしろ切れというか味方となって浮かび上がってくる。
マーセラスとか墓掘りから滲み出してくるにび色の印象に
役者の震えが来るような表現力と舞台への献身を感じる。
バナードーが組み上げる冒頭のトーンの確かさが舞台の安定を生み
オズリックの作りだすトーンが、
坩堝のような思惑の先に定まった惨劇を
ぞくっとくるほどしなやかに形骸化させて・・・。
イングランド使節が一瞬で観る側に渡す悲劇の外側の質感の軽さが
物語の片端の枠組みとして機能していく。
                              
そして、終盤でのフォーティンブラスの物語の受け取り。
そこには、もう、言葉になしえないようなテイストとともに
浮かび上がるある感覚が編み上げられていて。

戯曲に編みこまれた、
登場人物たちの肌触りが
古典の枠組みに縛られない、
戯曲の意訳とニュアンスの描写力の具現として
役者たちの秀逸な演技から溢れだしてくるとき、
役者それぞれのときはなられたような演技の広がりの先に
不滅の名作の骨組みと舞台を満たす感覚の実存感が
一つに重なる。
それは、作り手がきっともくろんでいるがごとく、
役者を見せる舞台として
圧倒的に観る側を取り込んでいくのです。

これ、かなうことなら、是非にもう一度見たい舞台。
かなうか?

ジャンクパイレーツ

ジャンクパイレーツ

YANKEE STADIUM 20XX

シアターサンモール(東京都)

2011/07/16 (土) ~ 2011/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

超A級エンターテイメント
アクションコメディをベースに歌やダンス、パロディ、さらに家族愛まで盛り込んで、休憩込み195分を2時間程度にしか感じさせないのはのが見事。
ただ、欲を言えば前半でもう少し父の失墜を描いて欲しかった。

11のささやかな嘘

11のささやかな嘘

ジェットラグ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2011/07/15 (金) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

プロデュース公演の醍醐味を満喫
いかにもアン山田な脚本をいかにも古川貴義な演出で多彩な顔ぶれが演ずるというプロデュース公演の醍醐味を満喫。
また、結末を知った上でもう一度観るとまた別の味わいもありそうながら、リピートする余裕のなきぞ哀しき。

輪廻くん

輪廻くん

スペースボンド

駅前劇場(東京都)

2011/09/14 (水) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★

ガチ!!
作、演出、そしてキャストの組み合わせが面白そうだったので、なんとな~くチケットをとったのですが・・

駅前劇場の客席は 95%以上は女性客 高橋一生くんファンなのでしょう・・


演技力が要求される演目、一生くんはよかったですねぇ~ !!
そして田辺日太くんも 初めて?観た役者さんですが、いい雰囲気持ってますよね~ 。。

序盤は きょとん とした客席も だんだん舞台上に釘付けになっていく。 そそんな空気が漂っておりましたよ。

変化に富んだ構成は 練られているな~!! と感じました。

笑いもそこそこあり 上演時間 1時間20分 よーく考えられた作品でした。。


ネタバレBOX

ステージはスケルトンの壁一面にホワイトペンで なにやら絵がいっぱい書いてあるというもの。

裏でスタンバイしているキャストが見えるという演出でした。

死んでも、死んでも 次から次へとほかの肉体に宿って 輪廻転生を繰り返していく男を 高橋一生くんと田辺日太さんが 一人の魂をもつ男を演じ分けます。

ほとんどは 一人芝居の形式ですすみますが ノゾエ征爾くんが 声や姿で微妙に絡んできます。

一人芝居形式なんだけど 落語の高座をイメージしたり もじもじくん(トンネルズですけど) のような動きを取り入れたり と 十分楽しめました。

『広島に原爆を落とす日』

『広島に原爆を落とす日』

ポムカンパニー

遊空間がざびぃ(東京都)

2011/07/15 (金) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

ワカり易くかつ面白い
概要を知るのみで原作未読、他団体による公演も観ていず、本作が初めてだったがワカり易くかつ面白く、オリジナル部分のアイデアとそれがもたらす効果やこの会場を活かした演出も◎。

熱闘!臥龍小学校!!

熱闘!臥龍小学校!!

爆裂団

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★

まあまあ面白かった
タイトルのように小学校が舞台。
結局、一言で言えば「番長争い」なのだが、
色々の要素のある、多様な舞台であった。

初めのダンスシーンは、振りも歌もイマイチだったので、
ちょっと心配になったのだが、
それは開演直後の緊張からだったようで、
その後は順調に推移・・・。

初めはゆる~いコメディのような進行で、
まあこういうのもたまには良いのかな?
特に緩いものが好きな方には…という印象。

しかし、低学年の女の子がさらわれる辺りから、
何となくシリアスな表情に変わり、
アクションドラマに変容?

で、それで終わるのかと思ったら、
最後はまたコメディ調になった。

まあ、雰囲気が変化していくことはよくあるし、
それ自体は構わないのだが、何か繋ぎ合わせたような感じがあって、
少々ぎこちなかったし、相乗効果でなく
むしろマイナス効果になっていた気がした。

例えば、アクションをメインにするなら、
それまでの緩い部分がちょっと長いのではないか?
この辺のバランスや移行方法を考えて行けば、
もっと良くなると思う。

それと、アクション部分は「死闘」「殺し合い」のような雰囲気で、
台詞にもそれを思わせるものが出てくるのだが、
その後の、教師たちの台詞は、
それらを「暖かく見守っていた」というもので、
なんか、観ている方がガクッとくるし、
まあ、矛盾と言えば矛盾ですよね。

また、ギャグの「校長先生ネタ」も、
初めは面白かったが、3回も出てきて、ほとんど同じで、
しかも3回目が「死闘」の後だったので、これも力が抜けました…。
ギャグなら、変えて行った方が面白いのでは?

それから、何より思ったのは、この話、
小学生でなくて、中・高生にした方が自然だったのでは?
やっぱり番長やら恋愛がそれらしくなってくるのは中高生だろうし、
役者にトウの立っている人も多くて(笑)。
(それを逆にネタにした「膝歩き」は面白かったが…)

まあそういう課題を抱えてもいるので、
3Pと4Pのあいだくらいですが、
熱演でもあったので、端数切上で4Pとしました。

大山デブコの犯罪

大山デブコの犯罪

快楽のまばたき

タイニイアリス(東京都)

2011/09/15 (木) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめたが・・・暑かった
会場に入ると、いつものタイニイアリスとは配置が異なり、
90度右に回転させたとでも言うか、
入口を入ると、その向きで座席があり、その奥に舞台がある。
したがって、座席も舞台も、普段よりは横に細長くなっている。

開演前から、すでにセーラー服姿の女優さんが、
はやり歌をメドレーで歌っている。
(樋口舞さんで本業は歌の方のよう…声楽の訓練を受けた方という印象)
また、それと関係なく、場末の劇場で流れるような音楽も、
(一部ライブで?)演奏されている。
さらには、客席右側に、ギターを持った男性や、
派手なメイクの女優さんも座っていて、
雰囲気を作り上げている。
ただ、舞台には幕がかかっていて、
開演前は中の様子は分からない。

開演後の筋や、表現について、言葉で説明するのは困難で、
また、筋を説明する必要もないと思うが、
寺山作品の独特の雰囲気はしっかり出ていたと思う。

残念なのは、タイトルロールのデブコ役を、
たしかにぽっちゃりタイプの女性が演じていたのだが、
(デブコにしては痩せている方かも?)
少ない台詞の台詞回しなどでの存在感が希薄だったこと。
もっと強く台詞を言って良いのでは?
ただ、途中でアコーディオン演奏なども披露していて、
それは素晴らしかったが。

音楽はやはり打楽器などはライブのようで、終わり近く、
ちんどん屋のように楽隊が登場するのだが、
曲の終わりの方、ちょっと録音とずれていたのですよね・・・
でも、打楽器のライブは空気の振動も伝わってきて、
その臨場感は良いものである。

なお、演劇をそれほど観ていなかった、多分十数年前、
別の劇場、別の劇団で、この作品を観たことはあるが、
もちろん、それぞれドロドロ感はあるものの、
今回は全く違った演出であった。

ということで、演劇自体は他の出演者も中々良くて、
興味深く観ることができたが、
開場時点から室内は蒸し暑く、しかも満席になって、
最前列前に補助席も出たほど。

狭くて椅子の小さいこの劇場で、
終演まで蒸し暑い状態(終始扇子を利用されている方が何人も)
というのは、正直つらい。
本当はスタッフに室温などの配慮がほしかったところ。
4Pと5Pの中間くらいだが、
この辺が残念だったので4Pとしました。

OKICHI

OKICHI

アブラクサス

劇場MOMO(東京都)

2011/09/15 (木) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★

今一つ情感が伝わらなくて・…残念
お吉の控えめな性格から落ちてゆく様はそれなりに感じ取れたが、髪結い等の店をはじめてからはいやにけんかっ早くかみつきが強調され、気丈な部分と懸命さが伝わらなかった。挿入の舞いの時間がやや長かった事とBGMの活用と照明に難あり。最後の河原では床に河原の照明など工夫があればもっと効果的ではなかっただろうか。サムライの台詞に武士らしさがなく、高圧的な言葉も上滑り、かみかみの部分もあって興ざめしてしまった。下女役のせりふ回しは現代的でこの時代に合わなかったように思う。しかし最初の能面の舞いはイントロ的にはこれからの舞台に期待を持たせる上で非常に良。かった

宮澤賢治/夢の島から 飴屋法水『じ め ん』/ロメオ・カステルッチ『わたくしという現象』

宮澤賢治/夢の島から 飴屋法水『じ め ん』/ロメオ・カステルッチ『わたくしという現象』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

都立夢の島公園内 多目的コロシアム(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/17 (土)公演終了

満足度★★★★★

強烈なアクチュアリティ
2人の演出家による、宮沢賢治のテキストに触発された作品のダブルビル公演で、屋外ならではの演出が素晴らしい公演でした。

『わたくしという現象』(構成・演出/ロメオ・カステルッチ)
入口で畳1枚より大きい白い旗を受け取り、それを手に持ちながら不穏なBGMが流れる中を行列になって会場へ進むときから既に独特の世界観が広がり、会場に整然と並べられた膨大な椅子に1人だけ座っているというビジュアルに圧倒されました。超常現象のような冒頭シーンから引き込まれ、白い服を着た70人以上のアンサンブルの静かな佇まいが美しかったです。観客参加のシーンもあり、まるで宗教儀式のような厳かさがありました。人と自然が溶け合うような最後のシーンが印象的でした。
台詞がない無言劇で象徴的な作品でしたが、おそらくレクイエムの典礼文を用いていた音楽と美しい照明によって、天国のような世界が描かれ、30分にも満たない短い作品ながら強烈なインパクトを残す作品でした。

『じ め ん』(構成・演出/飴屋法水)
ゴミで埋め立てられ、水爆実験で被爆した第五福竜丸が展示してあるという夢の島のコンテクストを活かした、放射線や命、死、未来について考えさせられる作品で、悲観的な未来が描かれる中に微かな希望も感じさせる印象深いでした。
『2001年宇宙の旅』(2001年は主役の小山田米呂くんの生まれた年)、『猿の惑星』(米呂くんの父親、小山田圭吾さんのソロユニット「コーネリアス」の名の由来になった作品)、そして日本SFの代表作(題名を記すとネタバレになるので伏せます)とSFの名作が巧みに織り間込まれていて素晴らしかったです。ガムランの生演奏が神秘的な雰囲気を生み出していました。星空や虫の音も作品の世界観に取り込まれマッチしていました。子供達の行列や飴屋さんのでんぐり返りが孤独と希望を同時に感じさせて美しかったです。
たくさんあった印象的な台詞が音響のバランスが悪くて聞き取りにくかったのが残念でしたが、それを差し引いても余りある魅力のある作品でした。

両作品ともいわゆる演劇とは異なるタイプの作品ですが、舞台上での絵空事が描かれているのではなく、現実世界と繋がる強烈なアクチュアリティがあり、むしろあまり演劇を観ない人に観て欲しく思いました。

夢みた景色の描き方 flag.1 ~青い春が止まらない~

夢みた景色の描き方 flag.1 ~青い春が止まらない~

モエプロ

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2011/09/15 (木) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★

「萌え」が好きな方にはおすすめします。
高校を卒業してそこそこ経つので、「う~ん、自分が高校の頃って何してたっけな~」と思いつつ見ていました。

こういった感じの演劇は初めてなので、何て言ったらいいかわからないのですが…。

ギャルゲーは一度もやったことがないので、それと比べてどうか?という比較は自分の中ではできないです。でも「萌え」が好きな方にはおすすめします。

どん底スナイパー

どん底スナイパー

モダンスイマーズ

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2011/09/12 (月) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★

加速度的に(役者)エントロピーが増大していく
勝手な印象なのだが、(最近見始めたということもあり)モダンスイマーズの舞台は、日常が舞台であり、どうしようもない人たちのヘヴィな様子を描いている、と思っていた。
しかし、今回は、古山憲太郎さんが脚本・演出ということで、それとは違っていた

ネタバレBOX

古山憲太郎さんが役者ということからかもしれないが、役者にかかる負荷が大きかったような気がする。
負荷と言っても、それは役者にとっての、楽しみでもあるのではないかとも思った。
具体的に言うと、1人が演じる役があまりにも多いのだ。

しかも、1人が何役かやるときには、同じシーンに同じ俳優が演じる別の役が出ることは、普通はあまりないと思うのだが、それがこの舞台では平気にあるのだ。
例えば、学校の先生と小学生の女児を三田村周三さん(!)が演じて、小学校の教室のシーンを構成するという、むちゃな感じなのだ。
ただし、これは小学校というシーンでは同じなのだが、一緒に登場するわけではない。

しかし、後半に行くに従い、それがどんどん加速度的に重なっていき、ラスト近くでは、同じ役者が演じる何役もが、同時に舞台の上にいたりする。
さらに、小学生と現在の大人は、同じ役者が演じるのだが、例えば、大人のシーンに登場する、小学生のときのクラスメイトを演じていた役者が、そこでは別の役だったりするので、帽子程度の衣装替え(?)はあるにしても、とにかく大変なことになっていくのだ。
そんな、まるで役者的なエントロピーが増大していく感じが楽しいのだ。

別の役を丁寧に、別の役として演じている人もいたが、微妙な差だけで、演じている役者もいるのだが、観ているほうには、あまり混乱は起きない。
それは演出ということもあろうが、役者の力を知っている、あるいは信じているからこそ、任せてしまったのだとも言えると思う。

そんな役者がフル回転する舞台であり、それがこの舞台の醍醐味でもあろう。
フル回転していても、膨大な汗をかいたり、息を切らせたり、なんてことがないところが、スマートで、さすがモダンスイマーズと言える。

今回の古山憲太郎さんのモダンスイマーズが成功したのならば、これからも、ちょっと趣向の変わった、新しいモダンスイマーズが観られるのではないだろうか。

ストーリーは、メルヘン的、少年マンガ的で、ラストは甘い大団円だったから、そういう意味でも、新しいモダンスイマーズとも言えるのではないだろうか。

フライヤーの顔の絵は、古山憲太郎さんの手によるもので、小学生のときに描いたものらしい。その原画は、他の作品とともに客席に続く廊下に展示してある。
罪

アル☆カンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/09/11 (日) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★

言葉の前にあるものの強さと弱さ
キリスト教圏の家族は、アイラブユーという言葉で左脳的に踏み固めた地盤のうえに成り立っている。日本の家族はそうではない。それは言葉の前にある。だから弱い。否、だからこそ強いのか。
見終わってそんなことを考えた。
すごいと思ったのはテーマ性とストーリー性の配分の加減。日本の家族問題というのはある種普遍的なテーマだが、それを充分踏まえつつ、そこに依存せず、この家族に特殊的な「罪の意識」に起因する「この家族の事情」をストーリーのエンジンにしている。
そうだからこそ、この芝居はああいうふうに終われるのだと思うし、よくある「近代家族もの」から一線を画すことに成功しているのだと思う。

under-ground

under-ground

空の驛舎

ウイングフィールド(大阪府)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★

刺激的かつ、脳を使うお芝居
初日を観てきました。
試演会はやはりあくまでも、試演でしかなかった。
完成された、より進化したものが、そこにありました。

とても刺激的で、とても思考させられる、そんなお芝居でした。
表現方法が非常におもしろく、芝居世界に引き込んでいく力があります。

個人的には・・・後半部分が、難な感じ。
いっそ前半部分だけでもいいと思うくらいですが、このお芝居はその後半がなければきっとだめなのだろうとも思ったり。
前半の精錬された鋭さが、とても刺激的でした。

最後の最後のほうでは・・・このお芝居の軸を見失ってしまって。
観終わって一晩たった今も、まだ見失ったまま。
一番に伝えたいこと、芯がわからなくなってしまって・・・しばらくは観てきたものに対して思考にふけってしまう。
そんなお芝居でした。

間違いなく言えることは・・・。一見の価値あり!!です。ぜひ。

ネタバレBOX

まだ思考にふけっているので・・・後からまだ書くと思いますm(__)m
悩殺ハムレット

悩殺ハムレット

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

マヂ、パネェ〜、ハムレット!
マヂ、パネェ〜、ハムレット!

マヂ、ハムレットだったんじゃね。
ていうかぁ、女優たち、カッコよすぎっしょ。
マヂ、リスペクトじゃね。
台詞、原典の翻訳、超カッコウィ〜。
からの〜、思わず、笑っちゃう系の、シビレた感じぃ〜の〜。

だったわけで、面白くって、もの凄く楽しい舞台だった。

ネタバレBOX

いつもの、と言えば、いつもの柿喰う客ではあるのだけど、ビートに乗った台詞と動きが、ホスト的なチャライ感じに、ド・ストレート。
物語を強い力で、グイグイと前へ引っ張っていき、観客は笑いながらそれに気持ち良く乗っかっていくという感じだ。

「キング」って台詞が、なんだかストリート・ギャングのキングとか、ホストクラブのナンバーワンの名称のように響く。
つまり、デンマーク王を巡るあれこれが、ストリート・ギャングのドンの椅子や、ホストクラブ「デンマーク」のナンバーワンホストを巡るような感じに聞こえ、それが素敵すぎるのだ。

女優が全員イキイキして、輝いている。
舞台から発せられるテンションの高さは、幕開けから終演まで凄いことになっていた。ポテンシャルも完成度も高い。見事!

ハムレットの台詞は、聞き覚えのあるものもいくつかあるのだが、その中で特に印象的、象徴的なものは、うま具合に残してあり、それらが、こうなるのか! という驚きと、楽しさが満載であった。

台詞のあまり多くない、七味まゆみさん演じるノルウェーの王子、フォーティンブラスだが、ラストで、いい緊張感の中、素晴らしい台詞が聞けて、なるほど、このために、万全の配役として、彼女をこの役にしたんだと思わず納得した。
このラストの台詞は、抗争の後の幕引きとして見事であり、本当に素晴らしいものであった。

ハムレットを演じた深谷由梨香さんも、ぐいぐい物語を牽引していたし、それを受けて立つ、クローディアスのコロさんもカッコいい。マーセラスを演じていた岡田あがささんは、全面に出るシーンは少ないものの、その得意な表情は周囲とは異質なオーラを放っていた。そして、長身でスリムなレアティーズ(葛西幸菜さん)や、ローゼンクランツ(葛木英さん)とギルデンスターン(大杉亜依里さん)たちのなんてカッコいいことか。いちいち様になっている。
ガートルード(右手愛美さん)の「私はエロい」の台詞のタイミングのよさ、しなやかさ、オフィーリア(新良エツ子さん)のキャラにも笑った。

もちろんほかの女優たちもいいわけで、つまり、光輝く女優たちの姿とオーラを存分に味わう舞台だったと言っていい。

001とあったので、さらに女体シェイクスピアは続くものと思っていたが、どうやら、次回は『マクベス』ということだ。たぶん全作品を女体シェイクスピアとして上演してくれるのではないかと思う。
スタートがこのレベルなので、次回以降も期待せざるを得ない。

PPTで、中屋敷法仁さんが、「今回の公演は、演出とか戯曲ではなく、俳優のためにすべてを行った」と、「台詞は俳優によって、どうにでも表現できる」だから「これからは翻訳なんていらなくなる」と言っていたのが、印象に残った。初日のせいか、妙にテンションの高いしゃべりも(笑)。
INDEPENDENT:2ndSeasonSelection / JAPAN TOUR in 仙台

INDEPENDENT:2ndSeasonSelection / JAPAN TOUR in 仙台

インディペンデントシアタープロデュース

仙台市市民活動サポートセンター 市民活動シアター(宮城県)

2011/08/19 (金) ~ 2011/08/20 (土)公演終了

満足度★★★★

ひろがり
瀧原弘子さん×生田恵さん「はなして」が強く心に残りました。その他の作品も、全て完成度が高く、とても楽しみました。

父が燃える日

父が燃える日

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2011/09/14 (水) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

家族間のやりとりの懐かしさ
とても面白かったです!
2時間ちょっとがあっという間でした。

最近はどこもかしこも家庭劇ばかりで、また家族の話かーと思っていましたが、普通のホームドラマにならず、押し付けがましい美談でもなく、すんなり入ってこれました。

もう実家を出てから長くなりますが、兄弟のやり取りをみているうちに、あぁ家族のやりとりってこうだったなぁ、とか、お姉ちゃんはうちとそっくりなくらいわがままだなあとか、状況がまったく違っても不思議なくらいのめり込めました。

ひとえに、脚本はもとより、俳優の方々と演出家の方が、とても丁寧にそれぞれの登場人物を作り上げていったのだろうなと思います。

ちょぼくれ花咲男

ちょぼくれ花咲男

文月堂

サンモールスタジオ(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★

気分爽快!!!
時代劇って良いな…そう素直に思わせてくれたお芝居でした。そりゃあ史実と見比べたらあり得ない展開あるかもですよ?でもそこはフィクションですから!2時間強の上演時間でも「長い」と感じなかったのが素晴らしかった!!!誰かに「観た方がいいよ」と薦めたくなる舞台です☆

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