最新の観てきた!クチコミ一覧

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-SORA-

-SORA-

PEACE

d-倉庫(東京都)

2012/03/01 (木) ~ 2012/03/05 (月)公演終了

満足度★★★

うーん。
PEACEはパワフルなパフォーマンスを通して笑顔で繋がりみんなで幸せになろうというコンセプトがストレートに伝わってくるとても素敵な劇団なのですが、今回はその良さが活かせるだけの準備が不足していたかなという印象。
シェルターで隔離されて育った子供達が空を見る、という希望溢れる物語ですが目の前の状況が過去なのか現在なのかの区別が容易に付かなかったり、地に足の着いていない演技にヒヤヒヤしてしまったり・・・。

今まではそれを超えて余りある好感度の高い表現で魅せてくれたのですが、公演も3回を超えたので、これからは自分達が信じる表現を観客に伝えるための精度をもっと高めていってほしいなと、劇団のファンとして僭越ながら思うのです。

それにしてもPEACEはイケメンのレベルの高さが異常。ジャニーズやD-BOYSにいてもおかしくない男の子がゴロゴロいます。それなのに和田亮一くんの演出は安易なイケメン芝居に走ることなく、ダンスする笑顔の彼らを実に爽やかに魅せてくれて、こちらも自然と笑顔。旗揚げに強く感じたこの真っ直ぐ感が好きなので、次回楽しみにしてますね。

クロイツェル・ソナタ

クロイツェル・ソナタ

丸顔

表参道GROUND(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/15 (木)公演終了

満足度★★★★

満足です!
初見でしたがとても満足できました!!
またこのようなお芝居があれば鑑賞したいです!!

ハッピーハッピーブサイク

ハッピーハッピーブサイク

20歳の国

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

びっくりしました。
劇場に入ると若者達がワイワイと、カラオケをしながら叫びあっているものですから、うわ!こりゃいかんと、もう始まる前からそのノリについていけない僕はソワソワとなり、帰りたくなってしまいました。

いったい何の意図があってあれをしていたのかは知りませんが、その後のお芝居とはまったく関係のない素の状態で、むしろ後の役柄を台無しにするくらいに『これが俺だぜ。どうだいこんな俺は?』感まる出しの素っ裸状態で、見たくもない若さ故の恥部を、股間に顔を押し付けられながら見せられたような気分になってしまいました。

なにしろお互いに『バカヤロー』だのどうだの罵り合い、マイクを使って大音量で叫び、下ネタをいやらしい顔をしながらしているものですから、ふと昔の自分を見ているようで、さらには下手くそな歌を聞かされ続けたせいで、三半規管やらなにやらがおかしくなってしまった僕の意識は遠のきかけたくらいでした。

って、ええ、ちょっと言い過ぎですね。
すいません。

ちょい盛りました。

さて、そんなマイナス百点の状態から見始めたわけですが、いやいやこれがですね、びっくりするくらいに良かったものですからそれこそ心底びっくりしました。

ネタバレBOX

脚本・演出の方、これを書き上げた時、そしてリハで通しを観た時、『やべ、俺、これすげぇの作っちまったよまじで』くらい思ったんじゃないでしょうか。

第三者である自分から言わせてもらえば・・・

それ正解です。

すげぇ良かったです、マジで。

カズ役の人、劇中はそのまんまとてもイケメンでした。
ユリカ役の人はとても可愛かったですね。

そしてヨシヒデ・・・が竜史さんなんですね。
とても良かったです。

緻密に作られたストーリーと笑える会話。

ここ最近観た作品の中で一番に良かったです。

テディベア・シンドローム(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

テディベア・シンドローム(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

劇団MAHOROBA+α

荻窪小劇場(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

最後が特に・・・
良かったです。

ネタバレBOX

コロスですか?彼の声がとても良くて、高笑いがまた良かったです。

けれど最初のじゃんけん。
じゃんけんで配役を決めるって・・・

本当ですかあれ?
まぁ本当であれウソであれ、まったくもって必要のない演出でしたね。

まさにこれから舞台が始まる、とワクワクしているところにあれじゃあ、役に対する思い入れも何もあったもんじゃないんだなと、なんだか冷や水を浴びせられたような気分になりました。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

おかあさんに幸せあれ
天使と悪魔というより2匹とも小悪魔的な猫ちゃん2匹。
自ら悪い方へと考えを勧めていくおかさんん。
大なり小なり、同じような事が主婦にはあるのかもしれません。
大仰に評価する事は出来ませんが、
男による母親の演技や猫の存在に柔らかく見れるお話しでした。
見る人によって痛みが強いかもしれないけど、
私にはファンタジーコメディに近い作品として見れたかもしれません。
TBの方には色々感想書いておりますが
疲れてて時折ボーッと2回ほどしたので、評価はナシとさせて下さい。
今後も楽しみでね。

【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

タカハ劇団

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/02/21 (火) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

衝撃
サスペンスフルな作品でありながら、随所に笑いをちりばめる見事な脚本。タイトルの「ブスサーカス」からは想像もできない展開。ラストのダンスが良い意味で気持ち悪く、記憶に残る舞台です。

ものがたりの書き物

ものがたりの書き物

劇団ソノノチ

アトリエ劇研(京都府)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

走馬灯
暗転をほとんど使用せず、スイッチもなく転換していきます。ぼんやりと移ろっていく、まるでお盆の走馬灯のようです。言葉の距離がじんわりと暖かな空間を広げていきます。役者、音楽、照明、美術、作演、スタッフ、観客。それぞれが信頼しているから、素敵な空間が産出されたのでしょう。素晴らしかったです。観たことが自慢できる作品。

グランドルール

グランドルール

劇団KEYBOARD

ひつじ座(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

目の付け所は面白いんだけど・・・
はたしてこれを芝居でやる必要があったのか?といった感じ。
芝居というよりラジオの公開生放送って感じでした。
せっかく劇場に来ているんだから、劇場で見られる芝居でしかできないことが見たかった。

ネタバレBOX

ラジオ番組、「山中のながながし夜をひとり噛むねん」。
そこに3週連続でゲストが「やってくる。
細切れに時間移動しながらラジオをやっていくといった感じ。
中身はドタバタのシチュエーションコメディーだが、基本的にONAIRの最中を見せているって感じ。
これって、ラジオでよくね?
アイドル小林夏鈴は泣き出したり、逃げ出す。
芸人シャンメリーは喋りまくり、変な芝居を始める。
小説家宮沢光央はなんかドSだ。
それをうまくさばいていく山中。
テンポはよく、笑えるんだが・・・。
これってラジオでよくね?つーか、ラジオの方が面白くね?

希望としてはこの「かむねん」をそのままインターネットラジオで公開して欲しいです。すると、何が起こっているかわかる自分としては、ニヤニヤできるかも・・・。
White

White

Gin’s Bar+アクターズ仙台

Quarter Studio(クォータースタジオ)(宮城県)

2012/03/17 (土) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

再演はあり?
設定内容からすると状況に応じて細かい部分の脚本を変えながら、これからも再演していくものなのでしょう。
県外公演も視野に入れているかもしれない。

つぶやきと叫び in仙台

つぶやきと叫び in仙台

TheatreGroup“OCT/PASS”

仙台文学館(宮城県)

2012/03/17 (土) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

決してつぶやきではない
和合さんの怒りや悲しみが演者をつうじて心を揺さぶる。

クロイツェル・ソナタ

クロイツェル・ソナタ

丸顔

表参道GROUND(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/15 (木)公演終了

満足度★★★★

二人芝居というよりは
一人芝居×2、という感じで、二人の演技での鬩ぎあい、見応え充分でした。

ご多分にもれず、ふつう。

ご多分にもれず、ふつう。

モモンガ・コンプレックス

STスポット(神奈川県)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/21 (水)公演終了

満足度★★★★

タンサーと舞台美術の相乗効果
舞台美術という建前が
確信犯的に使われていてとんでもなく面白かったです。

ダンサーたちの秀逸さを楽しみながらも、
オブジェ的な舞台美術に強く心を惹かれる。

無機質を装うことで滲みだしてくる
すてきにどこか曖昧で、
人間臭い生々しさにも
やられてしまいました。

ネタバレBOX

STスポットの素舞台、
3人のダンサー達のパフォーマンスの描き出すものには
まがいものではない切れと
圧倒的な豊かさがあって・・・。

コンテンポラリーダンスのメソッドをしっかりと持って
作り手独特のウイットと広がりのある表現に
まずは目を奪われる。

で、舞台美術の皆様も、
オブジェっぽく形を作っていく。
最初は当日パンフレットのクレジットどおり、
体を使った舞台美術くらいの気持ちで眺めている。

でも、そのオブジェたちが
ダンサーたちの動きに対して
だんだん無機質に見えなくなってくるのです。
冒頭に観る側の頭に置かれた、
美術であるという前提を乗り越えて
眼前に広がる個性のようなものが
次第に沁み出し観る側に流れこんでくる・・・。

ダンサーたちの編みあげるイメージが
舞台を満たせば満たすほど
舞台美術諸氏から引き出されてくるものがある。
それが、ダンサーの動きとして定義されていないことで
観る側には多層的な印象が現れる・・・。
こう、上手く表現できないのですが、
ダンサーたちと舞台美術の
それぞれが相乗効果となって、
互いが互いをさらに浮かびあがらせるのです。
舞台美術と称するものが
観る側の視野を遮ることも、
ダンサーたちの動線を阻害することも
あるいはひとつのニュアンスにマージしていくことも
これまでに観たことのないような
豊かさを引き出していく。

気が付けば、
作り手がしたたかに差し込む
舞台美術たちの舞台の外側での素の質感にも導かれて、
観る側の視野は
舞台の編み上げられたイメージの
もう一歩外側にまで広げられていて。
ダンサー達の動きと同じくらいに・・・、
いや、それ以上に舞台美術の皆様の
それぞれの個性が観る側に入り込んでくる。

これ、おもしろい・・・。

ダンサー達の表現のクオリティが際立っているからこそ、
見えてくるものだとは思うのです。
でも、同時に舞台美術の皆様それぞれの
素材を引き出す力が
仕組みに内包されていて、
彼ら一人ずつの個性が素敵に目に入ってくる。
終わってみれば
むしろ、ダンサー達が彼女たちが表現するものを
時には逆転して
オブジェであるべき
舞台美術の皆様の印象の方が強く鮮やかに残ってしまうほど・・・。
それらを見栄えにして、
ニュアンスの塊に仕立て上げる
作り手の慧眼と構成力の秀逸さに舌を巻く。

ほんと、幾重にも惹かれるものを持ったパフォーマンスだったし、、
この作り手だからこその、
さらなる広がりの可能性を持ったメソッドのお披露目のようにも
感じたことでした。
パーマ屋スミレ

パーマ屋スミレ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/03/05 (月) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

不覚にも…泣いてしまった
炭鉱にすがりついて生きる貧しい労働者、コリアンと国籍変更したコリアンと日本人と。炭鉱事故、一酸化炭素中毒で廃人になる人。会社との抗争。第二組合の結成。仲間割れ。そして、閉山。・・・こんな<不幸>と<ドラマ>満載の、<いかにも>なセッティングで、泣くもんか!・・・と劇場のシートで、固く決意していたのですが・・・結局、泣いちゃいました。ラストのシーン。・・・ずるい!というか、これが演劇のパワー。・・・「パーマ屋スミレ」というタイトルの意味が、ラストシーンでズシーンときました。

HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞

HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり良い!
あっという間に過ぎた2時間でした。他の方も書いている通りメイドさんたちのハモり方は半端ではなく、また役者さんたちの通る声のすがすがしいこと。気合いの入った演技もグッときます。ストーリーも最後に向かってかなり緊張する場面が連続しますが最後にほんわかできてホッとして楽しい気持ちになれました。チラシの説明がなるほどとわかりました。アルシェもこじんまりしていて一体感が好きです。メガバックス3回目ですが次回も楽しみにしています。

オレたちにゃ時間はない!

オレたちにゃ時間はない!

演劇部隊Chatter Gang

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★

言葉遊びも余りに多いと
うーん,面白くないわけじゃないんですよ。ただ,古い感が漂っています。言葉遊びやダジャレが多すぎたのも一因。あまりに多いと観客は飽きてしまいます。展開に工夫してるのはわかりますが,これにも途中から慣れてしまうし。犯人の稚拙な手口や催眠術?もっと違った面白さがあったような気がします。

ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

劇団霞座

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2012/03/01 (木) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

消化、そして昇華。
題材が夢野久作の奇書ということで、学生劇団がどのように舞台化するのか、果たしてクオリティはどうなのかとかなり楽しみにしていました。

結果、期待を遥かに超えて。 あの変質狂的な論文や散文の部分がものの見事に消化され、気の狂いそうなほどの堂々巡り感も「演劇として」実に力強く、退廃的な美しさで見事に舞台として昇華されていました。

この霞座という劇団の、自分達の信じる演劇を真摯に創り上げる姿勢と、醸し出すフェティッシュ感は結構私好み。公演後に一橋純平くんが所属したこともあり、注目していきたい劇団の一つになりました。

ネタバレBOX

素敵だったのは、芸術的な演出。脳髄を思わせる青と黒の線がオブジェに床にと散りばめられた美術は勿論、照明も音楽も美しく耽美的で、学生演劇とは思えないほど洗練されたフェティッシュな空間。

そして、演技。これは若林博士を演じた一橋くんが秀逸。
男性は、主人公・正木博士・若林博士の3名が登場するのですが、奥行きの深さを感じ、立体的に役を演じることが出来ていたのは彼一人。
(他のお二人も確りした実力を持ち、それぞれの狂気を力強く演じてはいたのですが、まだまだ若さの方が前面に出ていてしまって、役に近づくというよりは役を自分自身に引き寄せていた感あり。)

その一橋くんの武器は、纏う空気(オーラ)を操れる力。
最初に纏うオーラはただの博士のものではなく、かといってマッドサイエンティストでもなく。しかし徐々にそのオーラを変化させ、狂気を露にしたかと思うと、ラストではそれが錯覚だったのかとハッとさせられるような冷めた空気を纏っている。
そして、表情・・・特に目の演技が素晴らしく、また、立ち尽くす後姿からでさえその暗鬱とした表情が見えるかのような全身の演技も凄みを以っていて。こんな風に一つの芝居の中で別ステージの精神を演じられる役者さんはなかなかいません。
彼の演技には地下アトリエ以来注目してきましたが、今回その才能の底知れない可能性をまざまざと見せつけられました。これから彼がどのように役者として成長し、どのようなお芝居を見せてくれるのかとても楽しみです。
HELP!-『ハツカネズミと人間』より

HELP!-『ハツカネズミと人間』より

ユニット TOGETHER AGAIN

劇場MOMO(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

バランスのとれた良い舞台
 作品自体、如何にもアメリカらしい特性を漂わせることに成功しているのは、演出の巧みさだろう。露骨なレイシズムや、蛮行を平気で行うような力の正義、その情況下で、苦労を強いられるマイノリティーの有り様が、俳優陣の自然で、気配りの効いた演技によって昇華されていた。
 随分、久しぶりの公演ということであったが、ブランクは、感じさせない。これからまた、年1本のペースで活動を再開する予定だと言う。期待している。

掏摸―スリ―

掏摸―スリ―

サイバー∴サイコロジック

OFF OFFシアター(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

入り方がちょっと
 導入部、余りにぺダンチックでダサい。これで純文学と言うのは、文学的認識が浅いのではないだろうか。それに、主人公は、ちっとも悪ではない。寧ろ、それに徹することができずに悩む所が、余りにもありきたりで、そのことが、観客の失意をかったのではないか。悪らしい悪は、一人居た。だが、それはフライアーで言われている父ではない。掏りの演技も未熟であった。にも拘わらず、主人公の顔が、中盤から終盤になってどんどん良くなっていった点、良い役者になる可能性はある。個々の俳優のこれからに期待する。

『一方向』 -真壁茂夫×韓国人俳優-

『一方向』 -真壁茂夫×韓国人俳優-

OM-2

d-倉庫(東京都)

2012/03/19 (月) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

解釈
 もう少しラディカルな作品に仕上がっているのかと思っていたが、演出家のアフタートークを聞く限りにおいては、それほど、意識的では無いように感じた。無論演出をつけていないかに見せ掛けて、実は、人間とは、意味を見付けだそうと試みる動物であることを、個々の観客に認識させる為の罠であるかも知れないのだが。
 基本的に科白は、一切なし。叫び、歌、効果音、ギター曲、有名な終戦時の放送などが音の総てである。それでいて、意味は、かなり明らかに思えた。「一方向」のタイトル通り、俳優は一つの例外を除いて、一方向から反対側へ動いたし、そのことは、単純に、時間の流れを想像させた。その分、俳優陣の持つ身体性、基礎力の高さは良く伝わってきた。これらの要素を通して、観客は勝手に解釈すれば良いのである。それが、演出家からのメッセージであろう。

お嬢さんお手上げだ

お嬢さんお手上げだ

ココロ・コーポレーション

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

とてもあったかい
地に足がついた感じが良かったです。

ネタバレBOX

50代の漫画家の許に、若い頃愛して別れた女性の娘が漫画家を志してやってきて、近所の酒飲み友だちを巻き込んで起こった一夏の騒動。

最初、劇中劇「恋に乾杯」、ローマの休日のローマをパリに置き換えたような話で始まった時には、ジュリーが20代の絵描きの役を演るんかいなと痛くなりましたが、暗転後に日本の酒屋の店先になっていて、それはそれで驚きました。

昭和50年代かあ、確かに案内にそう書いてありますね。始まるときは何も考えていなかったので、ダイヤル式電話を見て現在ではないと気付き、今でもあんな酒屋さんは残っているとは思いますが、店主の応対の仕方はなるほど距離規制があって安泰だった頃の様子だなあと思いました。今年は午年という台詞がありましたが、1978年(昭和53年)だったとはすぐには分かりませんよね。今分かりました。

主役の沢田研二さんですが、スランプに陥った漫画家あらま先生を演じていて、前作の誰かを見守っている風の役柄よりも感情移入できて良かったです。

娘は実の子ではありませんでしたが、またいつでも来ればいいじゃないかにホッコリし、一夏の騒動を漫画「お嬢さんお手上げだ」にすることでスランプ脱出、メデタシメデタシ、子は鎹と申しますが、別れた女性とよりが戻るに至っては出来過ぎーと思いました。

次回作はぜひ政治物、小沢一郎物語をお願いします。

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