最新の観てきた!クチコミ一覧

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ジョギリ婦人

ジョギリ婦人

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

「オレンジ」も真っ青
日本人にも暴力がこんなに身近になったのは嘆かわしい限りだが、なぜか笑わずにいられない。笑わないと見ている側の精神がおかしくなるからか?これから見る方々には、客席においてあるパンフの歌詞を開演前に読んでおくことをおススメする。歌詞が時々聞き取れない。鋏の「ジョギリ」音をもっと強調してほしかった。後半に歌がほとんどないのも残念。やはり最後はジョギリ婦人が勝利?を高らかに歌い上げてほしい。

「4 1/2」 「キッチンドライブ」

「4 1/2」 「キッチンドライブ」

劇団子供鉅人

ポコペン(大阪府)

2012/03/25 (日) ~ 2012/04/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

4 1/2
派手でにぎやかな側面に注目が集まりますが、このような小さなサイズの作品にこそ、子供鋸人のよさが凝縮されるのだと思います。四畳半の町屋に4人の男女。アットホームかつどこか歯車のずれた空間が、じんわりと広がっていきます。ラストの余韻は子供鋸人ならでは。素晴らしい作品です。おすすめです。作品は約90分。ワンドリンク付きなので、時間にゆとりを持って。かなり寒くなるので暖かい恰好を。ひざ掛けが用意されています。かけ放題。

Kon-Kon、昔話

Kon-Kon、昔話

世田谷シルク

pit北/区域(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

完成度高し
1月に観た「お伽草紙/戯曲」もそうでしたが、お伽話に一捻りを加えると本当に面白いですね。

ネタバレBOX

福岡公演の構成を受けてということで、先に落語をやってもいいですかという問がありましたが、私は拍手をしませんでした。落語は必要ないと思ったからですが、郭に行った狐が人気者になり、おじいさんに仕送りをするという何となく落語の郭噺的なエピソードもあったので、導入部としての落語も必要だったのかなと理解はしました。

それなら、卑屈な媚びるような入り方などしないで、さっさと始めればいいのにと思います。そして、どうせなら王子の狐をやってほしかったです。

さて本編は、狐の恩返し的な話と浦島太郎話が混じり合い、狐の仕送りのお金を使って現代風家屋にリフォームして年月が経ったと勘違いするなど、完成度の高いコンコン+昔話でした。

黒子を使った立体的でんぐり返りや海中遊泳、歌舞伎のような拍子木を使った付け打ちの古風な面と、ダンスパフォーマンスや顔の動きも含めたビデオ早送り的パフォーマンスなどの現代的な面が融合し楽しめました。
HERO

HERO

劇団伍季風 ~monsoon~

小劇場 楽園(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

まあまあ
ちょっと作者の力みすぎ的な部分がみられたけど、方向性はいいと思う。もう少し練り直す余地はある。

Vector(ご来場ありがとうございました!)

Vector(ご来場ありがとうございました!)

613

劇場HOPE(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

キレイでした
難しい言葉はわからないので(笑)最初から聞き飛ばしてましたが特に問題なく観られました。
役者さんの熱演にぐっとくる場面がちょこちょこあって、最後うるっとしました。

ネタバレBOX

クライマックスのいかにもクライマックス的な盛り上げ方が良かったです。
セットがスタイリッシュでキレイ。
白基調に照明が映えて美しかったです。

途中のシーンの切り替わりが格好よかった。
惜しむらくは少し役者さんの力の差がみえちゃったことですね。
上司の人よかった。
「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

劇団6番シード

Geki地下Liberty(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しめた
アフタートークで、主宰の松本氏のデビュー作だと。初演は10年前で、今回までに何度も再演されている作品だと。今回初めて観たがたしかに、面白い舞台だった。何度も再演されるのがわかる。イタ過ぎる女を演じた女優さんが面白く、そして上手だった。もちろん主役の宇田川さんもかなりの熱演だし、アナウンサー役(声だけの出演)の椎名さんも普段とは違ってしとやかな声が印象的だった。

テレビ “TELE-BI”

テレビ “TELE-BI”

お米は生きている

新宿眼科画廊(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

無題339(12-082)
19:00の回(晴)。今日は三丁目徒歩圏内というテーマ設定にしたので、こちらにしました。18:20会場着、もう受付は始まっていてすぐ中へ。ここに来るのは1ケ月ぶり。入って…雰囲気はなんだか「電子的」。すぐ右、男性がおひとり、案内をするでもなくちょっと高目の位置に座っている。案内の方は他にいらしゃるので、きっと役者さんだろうと推察。会場を横に使い、入口側の壁のほうが舞台、木製の段があり、モニターが3台、一番右のモニターのうえに大きめのスクリーン(映像はその向こうの壁にも映っている)、プロジェクターは客席側に矢倉を組んで設置されている。下手、PC2台と男性ひとり。上手、TV(?)に映像が映っていて、それをカメラがとらえているようです。これが、スクリーン、3台のモニターへ。映っているのはテレビの色パターン(?)。ぼやけた輪郭、チラつく画像、かかっている音楽は一定のテンポを繰り返す。客席は前方にモニター側同様、木製の段が作られてあり、丸いクッション。その後ろ、丸椅子。真ん中付近の丸椅子に座ります。客席側の壁は全面、鏡。 画廊のサイトで図面をみると確かに…、するとブルーシートがかかっていたのはピアノか。19:06開演〜20:21終演。とっても私的な感想で言いますと、面白かった。但し、一般的な「お芝居」とは随分違うし、当パンにもそうあります。

ネタバレBOX

Intro〜各chapter〜Outro、「海岸」「トゥ・ナイト・ザ・都内」「センセーション先生」のような章題。冒頭、灯台が映り、江ノ島に似ているなぁ、と思ったらその通りでした。役名=役者さんのお名前。3台のモニターにひとりずつ(同じ衣装で)映し出されたり、目の前のシーンがでたり、文字だったり。上手にいるときは照明を落とすなど。「たかしメモ」と称するものを求め、ちょっと先の未来からタイムトラベル。突如、デビルマンのエンディングテーマを口ずさむ。ちなみに、アニメの不動明自身は、デ「ビ」ルマンではなく、「デ」ビルマンというアクセントだったと思う。かつて流行った歌…これはテレビ(ニュースを除く)をみないからわからず。お話の展開はシュール(実はよくわからないコトバ)。
今までみたことがないもの…これが私の望む時間であり、それ故に、それだからこそ、面白かったのだと思います。
ジョギリ婦人

ジョギリ婦人

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★

ホラーミュージカル
スプラッターホラー風の内容にいかにもミュージカルらしい音楽で歌われる、不思議なテイストの作品でした。

幼い娘を亡くした若い夫婦が遺体の場所を聞き出そうと、証拠不十分で釈放された犯人を捕えて拷問する話に、大きなハサミを持って悪い人を殺しに来る「ジョギリ婦人」という架空の都市伝説が絡み、凄惨な殺人が連続する物語でした。全体的に怖い雰囲気が支配的でしたが、前半は笑える所もたくさんありました。

血が飛び散ったりと痛々しい表現が印象的ですが、心の奥に潜む鬼、憎しみによる負の連鎖、循環といった古典的なテーマが扱われていて、分かり易い内容でした。

音楽があまりホラー的でなくてのどかな曲調のもあり、内容とのギャップが楽しかったです。終盤シリアスな展開になるにつれて歌が少なくなるのが残念でした。キーボードの生演奏の伴奏による音楽がメリハリが効いていて、良かったです。

少々オーバー気味な演技が作品の雰囲気に合っていて、コミカルな味わいが感じられました。歌のレベルに差があったのがもったいなく感じました。

魚のいない水槽

魚のいない水槽

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★

ホラーじゃないけど怖かった
最初何の話しかわからないまま、不穏な空気だけがジワジワ膨らんでいって、中盤くらいからようやく話が見えました。
「人が不幸になる様」を目の当たりにしました。怖いなあ。

ノリとかやつあたりとか疑心暗鬼とか、誰でもやりそうなことありそうなことだから、よけいに怖い。自分も気をつけよう。
こわいこわいこわい。

台詞も舞台美術もすごくリアルで惹きこまれました。

ネタバレBOX

最初、みんな良い人に見えたのに、ちょっとずつ嫌な感じに見えてきたのも上手でした。
コポコポコポという効果音が効いていました。

会話がリアルで説明らしいものがないので、よく理解できないところもありました。
一番気になったのは「小林さん」(だったか?)
え、何があったの?と思ったのですが、私的に解明されないままでした。
別に良いのですが(笑)

リアルといえば、女の子の下着が上下バラバラだったのも、「そうそう、見せる予定の無い日はわざわざそろえないよね」と、思いました。
これも、本筋とは関係ないですね(笑)
囚われのカンタータ

囚われのカンタータ

銀幕遊学◎レプリカント

藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)

2012/03/24 (土) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

初演劇鑑賞
余韻がすごく残る。いまでもはっきり頭の中に残ってる。観にきていたお客さんが一度観て楽しかったから二回目を観にきましたという人が結構いてて、凄いなーと。後、なぜか途中で泣きそうになった。初演劇鑑賞だったのだが‥観るレベルが高すぎた気がする。演劇、よくわからないけども、面白い。

七人の白雪姫~同時上演 七人の桃太郎~【満員御礼の中、無事終演致しました!】

七人の白雪姫~同時上演 七人の桃太郎~【満員御礼の中、無事終演致しました!】

X-QUEST

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

カッコよさだけをみる芝居
期待が大きすぎたからかもしれませんが、ちょっと残念な感じでした。

私的にこの芝居を円グラフで表現しましたら、まん中にずずっと線を引いて右半分が全部「殺陣」、残りの半分を三等分して「ダンス」「個人技」「学芸会」と言った分布です。

正直、話は、いかにも的な題材を無理やりつなげた言葉遊びくらいにしか見えなかったのですが、(ぶっちゃけ面白くなかったのですが、)それを補う役者の魅力といいますか。イケメンそろえてましたし、女優陣も元気で可愛かった。
「カッコいい、だるまさんが転んだ」は本当にカッコよかったです。
しかし、何かというとすぐに殺陣場面になるのには、ちょっと飽きました。

とはいえ、カッコよさだけをみるならこれでいいのかもしれません。


個人的には「ひげ太夫」の林直子さんを拝見できたことが一番よかったです。

ネタバレBOX

「エデンの園のオデンの橋、一部と二部の橋渡し」という、林さんの使われ方は、ちょっとお気の毒な感じがしました。

あと、劇団員がうちわ受けやアドリブ的な台詞で笑いを取ろうとするのは、いただけませんでした。

みんなが声を合わせるシーンで明らかに口パクの人とか、大事な場面ですぐに台詞が出てこない人とか、ちょっと稽古不足を感じました。
ピーター・ブルックの魔笛

ピーター・ブルックの魔笛

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

喉に刺さった「あれっ?」っという小骨が、あっても…
そこはピーター・ブルックだ、っていうことにしておこう。

オペラ入門編……というわけではなく
オペラ・マニア向け……というわけでもない。

オペラっていうキーワードからの接近はどうかな、と思ってしまっている。

ネタバレBOX

つまり、これってどう観たらいいんだろうか、とフト思った。
確かに『魔笛』を上手い具合に90分という時間にまとめて、ストーリーとしてはよくわかる。
何より、まったく退屈させない。
ユーモアたっぷりだし。

だけど、オペラとして観るとどうなのかなという気持ちが少しある。
いや、オペラと銘打ってはないの…かな?
「ピーター・ブルックの」とは銘打ってある。
「ピーター・ブルックの」ってのは、ミソだなぁ。

そういうのですぐに思い出すのは、「川越シェフのキムチ」とかそんな感じのものだ。
まあ、キムチは横に置いておいて、ピーター・ブルックという人については、演劇素人の私には「凄い人みたい」程度のことしか知らない。
だけど、昨年は、SPACで『WHY WHY』を観た。

それは、大昔観た『マルキ・ド・サド演出〜略〜と暗殺』という映画にビックリした想い出があるからで、その舞台は観てみたいと思ったからにほかならない。
浮き足だって、調子に乗って静岡まで出かけてしまった。

で、前置きが長すぎたのだが、「どう観るか」なのだ。
もちろん「どう観るか」なんていうのは、本来バカな話で、「観たまんま」でいいのではあるのだが。

実際観たものは、とても若々しくって、軽やか。
90分はあっという間。
客いじりっぽい演出もあり、笑いも起きて楽しいものだった。
それは間違いない。

しかし、オペラという狭い枠から覗いていると、「歌」が気になってしまうのだ。
もう少しなんとかならなかったのか、という印象だ。

さいたま芸術劇場の大ホールというのは、思っていたよりも小さく(『ハムレット』行ったけど、全体を見たのは初めて)、生の歌声が気持ちよかったのだが、オペラのもの凄さというものがなかった。

いや、もの凄くなくていい。
オーケストラじゃなくたって、ピアノだって十分ではある。

だけど、例えば、夜の女王が歌う、ソプラノを活かした高音のパートの、「あれっ?」感は、ちょっと腰が砕けてしまった。
オペラファンでもないし、ましてやマニアでもないのだが、歌声のあの感じに「あれっ?」と思った人は多かったのではないだろうか(その日だけのことかもしれないのだが、そうだとしても、それはない)。

と、書いたが、そうでもなかったようなので、多くの観客は、いわゆる「演劇」の延長としての、「歌のシーン」として観たのかもしれない。
というより、あるがままを受け入れた…とか。

オペラに比べて歌がどうこう、ということではなく、そういう視点から観ればまた違った景色が見えるのは確かだと思うからだ。

結局、とても歯切れの悪い書き方をしているのは、そこんところが、喉に刺さった小骨のようで、どうもすっきりしてこない。

オペラをカジュアルにして、自分の手中に軽く納めてしまった、ピーター・ブルックという人は凄いな、と思う半面、多くの人が知っているモーツアルトの『魔笛』だから、その歌はやっばり比べてしまうのは当然で、そこでの「あれっ?」は、やっぱり気になってしまう。

『WHY WHY』でもそうだったが、オペラまでこんなに、シンプルしてしまうのは、なんてカッコいいのだろうと思う。
自信というか、余裕を感じてしまう。

なにはともあれ、結局のところ、さいたまに行っただけの価値はあったし、なによりピーター・ブルックという、ブランドに弱くなってる私(実はよく知らないけど、前観た『WHY WHY』が面白かったし、『マルキ・ド・サド演出〜略〜と暗殺』で驚いた)としては、星は甘くならざるを得ない。「あれっ?」という小骨があったとしても…だ。


そうそう、あのラスト、本来は大団円で、めでたしめでたしのシーンがあるはずなのだけど、あえてそれを「並ぶだけ」にして見せた、演出も好きではある。
観客側の、変な間を、ひょっとしたらピーター・ブルックは、幕の後ろでほくそ笑んでいるんじゃないかと思ったりしているからだ。

あ、あともうひとつ。「魔笛」が、マギー司郎の手品ぐらいの感じで、タミーノの手の中でずっと浮いているっていうのも、おちゃめな感じでよかった。

ピーター・ブルック、また来たらまた観るだろうな。
ミクニヤナイハラプロジェクト vol.6『幸福オンザ道路』

ミクニヤナイハラプロジェクト vol.6『幸福オンザ道路』

ミクニヤナイハラプロジェクト

横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/24 (土)公演終了

満足度★★★

畳み掛ける言葉と動き
ハイテンションに早口で喋り続ける台詞に加え、台詞とは関係なく踊ったり走り回ったりする、役者にとってはかなり負荷の掛かる演出で、70分程の上演時間にも関わらずボリューム感がありました。矢内原さんのミクニヤナイハラプロジェクトとしての公演を観るのは初めてでしたが、ニブロールの公演と同様のザックリした質感が魅力的でした。

台詞が聞き取りにくく、場面が断片的に時間を前後したり繰り返したりしながら展開するので、どういう物語だったのかあまり把握出来ていないのですが、朗読好きな男が道に倒れていた記憶を失った男を家に連れて帰り、同棲する女医やその同僚との会話から15年前の連続殺人事件との関わりが浮かび上がってくるというサスペンス的テイストの漂うもので、生と死のテーマが描かれていました。

会話体の台詞なのに演技が相手の存在してないかのように間を取らずにどんどん喋り通すスタイルが新鮮でした。1曲生歌がある以外は全く音楽も効果音も使われていないのに、とても迫力がありました。
ずっと体を酷使する演出なので、後半は少し勢いが衰えたように感じられ残念でした。

色褪せた木製のパネルを物語の展開とは無関係に役者達が並び替えてたり、奥の壁に立て掛けたりして空間を変えていく演出が興味深かったです。天井から吊られた工事用のランプとシャンデリアを振り子のように揺らすシーンが美しかったです。

柳家喬太郎 独演会

柳家喬太郎 独演会

福岡音楽文化協会

イムズホール(福岡県)

2012/03/18 (日) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

円熟と破格と
 落語狂で知られるコラムニストの堀井憲一郎は、『週刊文春』の長期連載「ずんずん調査」(昨年連載終了)の中で、柳家喬太郎を「2010年度 笑わせる落語家」の五位にランキングしている。

 「聞かせる落語家」
 1、立川談志 2、立川志の輔 3、立川談春 4、柳家さん喬 5、柳亭市馬
 「笑わせる落語家」
 1、柳家小三治 2、春風亭昇太 3、柳家権太楼 4、春風亭小朝 5、柳家喬太郎

 個人のランキングではあるが、年間四百席以上の落語を鑑賞してきている堀井氏の識見は、その落語に関する書籍を読めば至極妥当なものだと納得できる。立川志らくや柳家花緑らを押さえての5位、ご本人は面映ゆく思われているか、俺様ならば当たり前と感じているか、それは分からないが、少なくとも喬太郎師匠が、中堅の落語家の中では、安心して聴ける中の一人だという事実は動かせまい。
 口跡がはっきりしている落語家なら他にも何人もいるが、喬太郎師匠の場合、“ほどよい癖”があるのがいい。毒がかなり効いているのである。古典も新作もやるが、新作に古典の味わいがあるのがいい。人間観察が優れているが故だろう。そこには昭和の懐かしさと平成の新奇さが併存している。

ネタバレBOX

『子ほめ』(柳家喬太郎)
 「独演会」と銘打ってはいても、たいていは前座に二ツ目の噺家さんを連れてくるのが常である。ところが、のっけから喬太郎師匠が高座に上がったので、観客は一瞬、キョトンとしてしまう。
 師匠が開口一番、「前座でございます」。これでもう場内爆笑、お客さんの心を掴んでしまうのだから、巧いというか狡いというか。どういう意図なのか、今日は自分が先に上がってみようという気になったそうである。そうして始めたのが、まさしく「前座噺」の「子誉め」だから、人を食っている。
 意地の悪さを露悪的になりすぎない程度にさらりと見せるのが巧い。場合によっては思いっきりはっちゃけることもある喬太郎師匠ではあるが、今回はきっちり演じようという姿勢のようである。従って、『子ほめ』には特に大きな改変は無し。子どもの年を数えるのも、昔の数え年を現代の満年齢に置き換えることなく演じている。言葉もすらすらと、一切、「噛み」がなかった。

『佐々木政談』(柳家喬之進)
 「てっきり先に上がるものだと思っていたら……これ、前座潰しですか!?」で、喬之進さん、かえってお客さんの「同情を買う」作戦。と言うか、その手しか取りようがないよね(苦笑)。時代劇の話をマクラにして、「昔は偉いお奉行様が今してね、一番有名なのは大岡越前、本名、加藤剛。それから遠山の金さん、本名、松方弘樹。杉良太郎と答えた人は相当のご年配」と、これでようやく客席が暖まる。
 本編は「一休さん」のような、子どもが奉行を凹ませる頓知もの。喬之進さんにも調子が出てきて、語りは立て板に水、トチリも少ない。
 サゲも従来のものには特に明確な形での落ちを付けはしていないものを、子どもを近習に取り立てるという奉行の命令に、桶屋の父親が「しかしお前、桶屋はどうしたらいいんだ」と息子に聞くと、子どもは「よいよい、捨て置け(桶)」と奉行の言葉のマネをして落とす。これは歯切れのよい終わり方だった。
 
『白日の約束』(柳家喬太郎)
 喬之進さんの後を受けて、再登場。
 いきなり「あいつも分かってないねえ」と言うから、喬之進さんに何か落ち度があったのか、これからどんなキツイ説教が始まるのかと、観客が心配し始めたら、「遠山の金さんは中村梅之助ですよ」とこう来た。
 一部で拍手も起きたが、全体的にはあまりウケてはおらず、ああ、観客の年齢層、決して高くはないんだな、と少し寂しくなった。
 「白日」とは「ホワイトデー」のこと。喬太郎師匠の新作では代表作とされるものの一つである。自分が若い頃、いかにモテなかったかをネタにしてマクラに。これが滅法おもしろい。
 バレンタインデーに、同世代の立川談春、柳家花緑と三人会を開いたところ、その二人にはファンが押し寄せて、「談春さーん!」「家禄さーん!」と声がかかるが、自分は無視される。腐っていると、女性ファンの一人が、「喬太郎さーん、喬太郎さん“も”」。
 「だいたい、何ですか、あの“ゴディバ”ってのは。私らの世代には怪獣の名前にしか聞こえませんねえ。“ゴディバ対メカゴディバ”」。ここでいきなり野太い声に変わって吐き捨てるように言うから、もう抱腹絶倒である。
 本編は、今日がホワイトデーだったことをすっかり忘れていた男が、「OLキラー」とあだ名される同僚にアドバイスを受け、彼女へのプレゼントを用意する。ところが当の彼女はホワイトデーなどという下らないイベントは好きではなかった。彼女が祝いたかったのは、今日が赤穂浪士四十七士の討ち入りの日だからなのだった。
 サゲは、同僚から彼女へのプレゼントとして預かっていた「塩煎餅」が「赤穂の塩」で出来ていると知った男、「敵はやっぱり(OL)キラー(=吉良)だった」と天を仰ぐ地口落ち。
 イマドキのタカビー(死語?)な女を演じる時の、上から目線の仕草が特に笑いを誘っていた。

『花筏』(柳家喬太郎)
 相撲の噺なので、マクラは相撲ネタから。もっとも、師匠ご本人は相撲に全く興味がないとのこと。ついそのことを口にしたのはうっかりだろう、ちょっとお客さんが引いてしまった。すぐに柳亭市馬師匠の相撲好きの話題に移って、なんとか態勢を整える。市馬師匠、しょっちゅう大相撲を観戦しているので、テレビに映っているらしい。喬太郎師匠はそれを見てイタズラを仕掛ける。市馬師匠の携帯に電話を掛けるのだ。「画面で形態を取りだして慌ててる市馬師匠を見たら、掛けてるの、私ですから」。
 本編は、江戸弁と関西弁とを使い分けなければならない、結構な技術が必要になる大ネタだが、多少、舌の回り損ねがあったのみで、噺は流れる水のよう。
 病気療養中の関取・花筏に姿形がソックリだってんで、影武者にさせられた提灯屋の親父が、ただ座って飲み食いだけしていればいいだけのはずが、調子に乗ったせいで実際に相撲を一番、取らざるを得なくなった。死ぬ思いで取った相撲で、何と親父さん、運良く勝ってしまう。「さすが提灯屋、張るのが巧い」と順当な落ち。

  「天神で寄席の会」主催の出演は七年ぶりだそうだが、他の落語会で、福岡にはしょっちゅう来られている。
 次回は5月26日(土)に都久志会館にて。
" ... In The Attic "

" ... In The Attic "

まごころ18番勝負

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

傑作
傑作

「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

劇団6番シード

Geki地下Liberty(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★

コメントないですね
コメディで面白かったと思いますが。
栗生さんのイタい女がお気にいりになりました。
今回出演されていない小沢さんのお見送りつきでした。
------
アフタートークの松本さんのお話を私が勝手に解釈すると、5月の二人芝居×5はジム・ジャームッシュの「ミステリー・トレイン」のようになるかもしれません。

ヨーロッパ企画 イエティ「ブラッド&バター」

ヨーロッパ企画 イエティ「ブラッド&バター」

ヨーロッパ企画

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

安定した大人のコメディ♪
京都公演とかが多かった事もあり、
なかなか巡り合えなかったのですが念願の初観劇です(^^)

さすが人気の劇団だけあって、
役者さんも凄く落ち着いた演技♪

その時の流れで台詞を話ししている感じで見てる方も安心して
観れるので自然と笑いが起こります(^^)

役者さんの名前はほとんど知らないのですが一人ひとりが個性的♪
話の流れで変化球を投げ込んできて笑いを誘います
それは例えるなら普段、真面目な人がいきなり冗談を言って
そのギャップで段々と笑いを誘う♪

今の世の中の風刺⁈も含めたウィットに飛んだネタを盛り込んだ
大人のコメディの印象♪
それでいて少し下ネタも絡める♪
凄くお腹を抱えるほどの爆発的な笑いじゃなく
まったりとした雰囲気の笑いでしたが愉しい時間を過ごせました(^^)

これだけ安定したコメディをされると観た人は
次も気になってクセになるでしょうね⁈

私もクセになりそう…次回も観て観たいなぁ♪

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★

ポップでダーク
キュートでコミカルなビジュアルなのに全く気持ちよくない内容でゾクゾクした。あと公開ダメ出しは別の意味で面白かった。

Vector(ご来場ありがとうございました!)

Vector(ご来場ありがとうございました!)

613

劇場HOPE(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★

専門用語の解説が欲しかった
遺伝子治療の研究している技術者グループとそれを支えている企業。
企業倫理と研究成果、努力の道程と、それにまつわる者達の生死に対する考えとか丁寧に描いていたと思う。
理化学医療分野に関する専門用語が多々出てきたので、単純な用語でも補完する意味で解説が欲しかった。

ネタバレBOX

企業と研究の狭間、成果の見えそうで見えない使命感と達成感、命に関わる仕事だけど、実際には生身の人間とは接せず、データ等で生命に関わり、一般的には先生と呼ばれるそんな人達の話。

長年研究を重ねてきた遺伝子治療の成果がようやく完成し、発表を待つばかりだった。そんな中、研究チームにいた同僚の一人が退職してしまう。「一身上の都合」を信じ気持ちよく送り出す主人公。その直後、他社から自分達とほぼ同内容の研究成果の発表が世間一般に報道される。
元同僚は既にその会社に入職し、産業スパイだったと判明するが後の祭り。ギリギリとした時間が過ぎて行く。
一方、研究者の一人が余命一年余りの末期癌に侵され研究を退く事になり、その告知を同僚の主人公に告げる。
自分達が身近に接してきた遺伝子工学から得るもの失うもの、心境の変化を狭い舞台で何気ない雰囲気に見せ、繋げていき興味深かった。
多少、駆け足過ぎて説明の端折っている部分も多く、演者の数人台詞の聞き辛さもあり、ちょっとマイナス点も。
医療面か企業面、人間関係どっか一本に絞ってほしかったかも。

怒号場面が多くそれが過剰に見え、ちょっと煩くてくどく感じた。
また舞台上の端と端で会話をやり取りされると(個人的にだけど)観賞の視点が散漫に見えて前方席だと非常に見辛かった。
ステージ上で場面展開に挿入歌入りのBGMを多用していたけど、あの歌詞は彼女の心境を現していたのかな?

モリヤさん役のコメディアンヌぶりがもっと徹底していれば、とも思った。始まったばかりに見たので、後半の日に見ればもっと活気あるシーンになりそうな予感。
彼岸過迄

彼岸過迄

文教大学湘南校舎演劇部【劇団また旅】

湘南台文化センター市民シアター リハーサル室(神奈川県)

2012/03/10 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★

面白かったですね
原作読んでませんが^・・・
お話よくわかりました。
明治の終わり頃の話ですので、
こういった変わらない人間の感情を表現するのは面白かった。
けど、道化役=進行入れて、
時代説明や場面転換に笑いいれた方が良かったのでは?
と思いました。

ネタバレBOX

なぜそう感じたかと言いますと、
この前90歳超えるおばあちゃんと話した事ありまして。

たとえ人前で無くとも、
大きく伸びをすることがハシタナイ事でしたと聞きました。

この作品ではヒロインが男性を叱咤するじゃないですか。
それは上記の話知ってると、とてもとても凄いことなんですよね。
そういった凄さが足りなく感じたのが、少々残念であった。
暗転やBGM・SEなど、
いろいろと工夫が入り込む余地が多々あった様にも思えました。

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