マザコンボンバイエ~星降る夜の願い事~
劇団マリーシア兄弟
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2013/01/26 (土) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かった
大学院生の一日を見ているようで、楽しめました。キャラクターがしっかりしていて、話の流れもスムーズでした。
ネタバレBOX
難を言えば、キャラの描き方にムラがあると思いました。全てのキャラの背景を描くことは難しいとしても、母親と息子の関係に焦点をあてたのに、母親の存在が希薄なキャラが多かったことが気になりました。
核となる学長親子の他は、プロレス好きとイケメン君のエピソードが少しだけで残念でした。他のキャラもエピソードがあると「男は皆マザコン」という結論の信憑性が増したと思います。
舞台は客席後方や通路も使い、立体的で良かったと思います。特に、今回は客席に余裕があり、見切れも少なかったので、効果的でした。ただ、観客が多くなると振り返るのが気まずかったりするので、混んできたら、客席の配置に一工夫あると良いと思います。
役者さんの演技は個性豊かで、学生らしさが良く出ていたと思います。ただ、セリフのテンポ、溜めが一定で、長ゼリフで集中が持ちませんでした。比較的早口で、滑舌が甘い役者さんが多いように感じたので、重要なセリフを立ててくれると助かります。特定の役の滑舌をイジるのであれば、他のキャラはよりハッキリしたセリフ回しを求められます。相応の技術がなければ逆効果だと思いました。
衣装は、白衣が理系学生らしくて良かったです。また、学長息子のサンダルがキャラも象徴しているようで、秀逸に感じました。小道具では、舞台中央の望遠鏡が天文部らしくて良かったのですが、ジャマな場面もありました。音響や照明も、もう少し使っても良いように思います。
今回は設定が全員大学院生で、学内の屋上のシチュエーションコメディのようでしたが、同世代の若者向けのようで、笑い所が分からない部分がありました。内容は大学でも良いのに院に設定したことからも、役者さんも年齢的にちょっと厳しいものがありました。次回作まで充電期間に入るとのことなので、一味違う大人の舞台を期待します。
終演後、出口の案内がなく、ちょっと困りました。面会を希望しない客としては、役者が出て来る前に退出したいので、スタッフさんに動線を確保して貰えると助かります。
楽しい舞台を拝見でき、大入り袋まで頂き、ありがとうございました。次回作にも期待しています。
BATON
BANANAQUEST
中野スタジオあくとれ(東京都)
2013/01/25 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
とても・・
面白く、楽しめた舞台でした。ボケとツッコミのような会話とか役者さん達の動きとか本当に面白かったです。それに感動する部分、考えさせられる部分もあり、盛り沢山の内容だったと思います。ただ、ちょっと前半が長いというか、ストーリーの主要部分に入るまでが長かったように感じました。役者さん達の演技も皆とても好感が持てました。シン役の役者さんは、声も雰囲気も役柄にピッタリで切なさを感じました。それと身体能力にも驚きで、素敵な役者さんだと思いました。とても良い舞台だったと思います。
テネシー・ウィリアムズ短編集
有機事務所 / 劇団有機座
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2013/01/26 (土) ~ 2013/01/28 (月)公演終了
満足度★★★
T.ウィリアムス
作品のセレクトの仕方と志の高さは良い。然し、T.ウィリアムスの生きたアメリカという国の特殊性、南部という地域の特殊性、カソリックとプロテスタントとの歴史的経緯、アメリカに渡ったピューリタンの特異性とWASPに象徴されるアメリカでのピューリタンの意味、更にキリスト教シオニズムとシオニスト「国家」イスラエルの関係及びイスラエルがグローバリゼーションに於いて果たした役割などまで含めて考えなければ、今回、選ばれた短編が、現代日本で、ウィリアムス本人が抱えていたような深刻な問題を個々の観客に提起することは、不可能だろう。
彼の作品世界では、植民者と被植民者の関係が、社会的弱者個人と社会的強者とに投影されて描かれるが、弱者は”狂気”という表現形式しか持ち合わせていないことに注意すべきである。その弱者を宝石のように際立たせたいなら、舞台上で演じられることの10倍程度の知識は不可欠、表現するための技術も考え抜かれ、身体化されたものが滲みでるようでなければなるまい。
一層の努力を期待する。
休んでいる暇もない
パセリス
シアターシャイン(東京都)
2013/01/26 (土) ~ 2013/01/28 (月)公演終了
満足度★★★
更に深みを
パセリス作品の暫く前までの特徴は、社会に対して取った距離感をそのまま保ちながら距離感を持つに至った原因に対して直接反射角を設けるのではなく、わざとずらしたり、屈折させるという方法を用いて描かれていたように思う。その微妙なずれや屈折が頗る新鮮だったのだが、今回、“働く”をテーマに作られ、オムニバス形式で上演された三作品は、より直裁、世の中へのサービス精神に満ちた作品になっている。
今後は、洋の東西を問わず古典や歴史も学びながら深みを増すと共に、自ら、真面目に向き合う自分を茶化すような方向性を併せ持つ広いと同時に深い、更に現代と歴史に棹差す劇団に育ってほしい。
【舞台版】絶体絶命都市 ー世界の終わりとボーイミーツガールー
劇団エリザベス
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2013/01/19 (土) ~ 2013/01/21 (月)公演終了
ごめんなさい 解らなかった。
カメラマン 少女 黒い服の男 ゲームを舞台化しているのでしょうか? ごめんなさい 起こる出来事に、つながりが解らなくて、唐突で、 ばらばらなシーンの連続に見えて、 物語を感じなかった、解らなかった。
ごめんなさい 感じたままを、書かせていただきました。
世界を終えるための、会議
タカハ劇団
駅前劇場(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
無題602(13-027)
19:30の回(曇)。19:08会場着、受付(全席指定席、「奥」と「手前」)。対面式の舞台で、奥3列、手前6列、パイプ椅子に座布団。みんな白、会場を横切って両端にいくと盛り上がった床。四角いブロックが階段状にかさなっているよう、上手にドア、白。19:15/19:29前説(場内アナウンス)。19:16男が一人舞台に、下手にあるオセロ盤へ、もうひとり、女性は上手に座り..という具合にどんどん現れ、白いブロックを抜き出し椅子に。みなさん首から携帯のようなものをぶらさげています。19:33舞台上のシートを撤去、19:35客席の照明が落ち「昔はよかったなぁ」開演〜20:53終演。
ネタバレBOX
全くの余談
『これからの「正義」の〜』。孫正義の「正義」かと思っていたくらいなので、その程度の者です。
「旧」と「新」との対立というのは、生命(や技術)が「進化」する過程では普通のことで「力」「耐性」「知恵(というものはどのくらいあったのか)」「運」が優っていれば、いっときは生き残れるが、環境(やユーザー)の変化であっけなく大絶滅してしまう。小さなものは大きくなり、やがて小さなものに逐斥される。
デジタルの世界の「意識」というのはSF的に面白いけど、本作とは違うだろうし「正しい」ものが生き残る理由なんて今まであったのだろうか?
ORANGE
劇団PEOPLE PURPLE
新神戸オリエンタル劇場(兵庫県)
2013/01/19 (土) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
この神戸の地でオレンジ
この神戸で、震災の物語 命を助ける仕事 大きな災害 助ける順位をつける 命に優先 倫理上 医療上 種としての優先 には、違いがあります倫理上と合えば問題は無いが、大きな災害の時 見捨てないといけない時が出ます、 多くの命を救った 多くの命が無くなった。 命がけでも非難される事になる 呼びかけて反応があるところを助ける、次へ行かせて下さい、見捨てるのか。 消防1600人の中 レスキュー オレンジは60人 あこがれる。 仲間が亡くなることもある。 消防の仕事を続ける事が出来なくなる人も、 何故消防士を続ける 保険にも入れない 出場手当て500円 何故消防士を続ける? 雪が降っている 18年 神戸で。
震災を実際に経験した人で、このお芝居を、観る事が出来ない人も居ると思います。思い出したくないと感じる事も。 ただ18年が経ちこれからも伝える事も必要と思います、大きな災害そのときを考えるために、小さな災害にも同じ命の選択を迫られる事もあるでしょう。その時にために、知らない世代に伝え考えてもら為に必要なお芝居でしょう。
次回公演が決まっております。
2013/3/28~4/7 本多劇場
2013/4/13 森ノ宮ピロティ
演劇集団 砂地 『Disk』
演劇集団 砂地
シアタートラム(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
観客も苦悩する
劇団・砂地の【Disk】を観劇。
今作はシタラートラムのネクスト・ジェネレーションで選ばれた今後期待される劇団の公演である。
自分が失った恋人の亡霊と対話し続ける男、亡くなった父の顔を思い出せない妹、そしてそのふたりを囲む友人達。
苦悩する人達の物語である。
常に自分のおかれた過去と対峙しながら、今をどのようにして生きて行けば良いか?という事を演出家は、投げかけている芝居ではないのだが、観ている我々は心苦しさを感じてしまう。観る世代によっての捉え方がまちまちだと思われる内容だが、誰もが避けては通れない己の心の襞に触れてくる内容というのは間違いないようだ。物語らしい物語がないのが今作を鑑賞するには難しいと感じるが、己の捉え方次第では幾らでも入り込める芝居でもある。
アメフラシザンザカ+坐ってはみたけれど
タテヨコ企画
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/02/03 (日)公演終了
満足度★★★
アメフラシ!
アメフラシザンザカを観させていただきました。
なかなか話はよくできてて、物語の結末が気になる作品。
初日なのか、役者さん達が台詞を噛む場面が多かったのが残念でした。
ネタバレBOX
場面が、現代と過去交互に変換させ、登場人物たちの過去や考え方がわかっていくのが面白い。
また、村独特の閉鎖社会?的な不気味さが出てたのもよかった。
新・新ハムレット2013
劇団キンダースペース
シアターX(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
こなれた現代語訳
とてもわかりやすくなっていたが、ハムレットの台詞が妙に青臭くに聞こえたのは私が年をとったせいだろうか(笑)客席までのびる花道のような舞台をつくったり、スロープや階段を使い、暗転がほとんどなかった舞台と演出が見事。ハムレット役の声が素晴らしかったが、狂気(のふり)と普通の差がほとんないように感じた。もう少しメリハリつけた方がいい気がする。
cafe de 6° 第一章 ~小さな幸せ~
劇団ドドドドドド
MODeL T(東京都)
2013/01/26 (土) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
無題601(13-026)
19:00の回(曇)。18:30受付、開場。当パンにドリンクメニュー、カフェオレをお願いして席へ。ここは2回目、作家4人によるリーディング公演がありました(11/9)。奥のキッチンが正面、手前にテーブルと椅子、女性がひとり、ひざ掛けをして本「人を動かす力」を読んでいる。カップ、携帯、カバーがかけられた文庫(マーカーがひかれている)が置かれています。このお店は営業時間12:00〜21:00、正面上にある丸い時計は止まっているのか、止めてあるのか。お勧めメニューなのでしょう、黒板に「季節の気まぐれごはん」「野菜たっぷりミネストローネ」…天井、真上に空調、ランプが一つ、洗濯バサミが何本も紐で吊ってある。19:01前説〜照明が一旦切り替わり外から男性がひとり、向かいの席に座り、開演〜20:01終演。カフェやバー、ライブハウス、(元)個人宅、商店街の一画、…いろんな場所がありました。芝居をするのであればその場所の機能を活かした、朗読であればその場所の雰囲気を活かした、演出を期待します。ということで1話に少し違和感、手前(客席)と奥(キッチン)、兄妹とカップル、地球人と異星人。この対比、見せ方が上手くいってないように感じました。2組4人が視野に入っていて、どちらかが静止していることなどどうも気になってしまいました。非日常の世界らしさが欲しいところ。朗読寄りの2話は好み。兄が指輪をしていたのは演出?店外にまだ16:00の回の案内がかかっていましたが終演後すぐに替えたほうがいいです。
祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹~
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/01/12 (土) ~ 2013/02/03 (日)公演終了
満足度★★★★
蜷川幸雄って、なんてイヤらしいんだろう(笑)
いい意味でも悪い意味でもね。
とにかく、キャラクターをはっきりさせる力とストーリーをわかりやすくする力は凄いと思う。
それを「いつもの」の手法で見せてしまう。
ネタバレBOX
もちろん同じ戯曲を元に行っているのだから、ストーリー自体は、KERAバージョンと同じなのだが、ポイントの絞り方を変えてきた。
場面展開が、場所や時間が変わるのだけど、それをわかりやすくするために、戯曲のト書きをスクリーンに映し出すという荒技を出して。
これって、「それをわからせるのが演出の仕事じゃないか」とか、「演出する者にとってはいかがなものか」という声が聞こえてきそうなのだが、やってしまう凄さがある。
「わかりやすく」するためには手段を選ばないというか、そんな感じだ。凄いよね。
だから、KERAバージョンでは完全に聞き取れていたかどうかが不明だった、コロスの台詞もすべて字幕で見せてしまうということぐらいは、なんてことはない。
確かに、長いコロスの台詞だったから、読めたほうがいいな、なんて思ってしまう。
キャラクターの造形もそうだ。
それぞれが衣装やメイクの力も借りて、くっきりとわかりやすくなっているのだ。
だから、ポイントが絞りやすくなってくる。
KERAバージョンとの大きな違いは、森田剛さん演じるトビーアスが、ぐぐっとクローズアップされ、主人公のごとく前に出てくるところだ。
KERAバージョンでは正直、トビーアスの陰は薄い。彼の祖母のほうが強烈だということもあるし、演じた役者のカラーのこともある。
しかし、蜷川バージョンのトビーアスは、KERAバージョンに比べ台詞も増え、見せ場も多い。彼の祖母もKERAバージョンに比べさらに際立っているのだが、それに負けずに立っている。さらにトビーアスといつも一緒にいる、満島真之介さんが演じるパブロも、KERAバージョンに比べるとくっきりしており、前に出てくる。森田剛さん演じるトビーアスはそれを超える。祖母やパブロがくっきりしているから、トビーアスもくっきりしているということもあるだろう。
染谷将太さん演じるヤンもKERAバージョンのヤンとは全然違う。背中が凍り付くような、恐いヤンだ。何かに取り憑かれたようで、次女との生活も夢見ている感じが見事だった。最初誰が演じているのかわからなかったほど役になり切っていたように見えた。
「クスリが毒になる」という点も、KERAバージョンよりもはっきりしていたし、メッセージがあったように思った。
また、蜷川さんの舞台ではよく花が使われるのだが、今回、エイモス家の庭にあるのは、エンジェルストランペット。この花は下を向いて咲き、毒があるという。象徴的な花だ。
「誰を観に来る客が一番多いのか」を理解しての演出ではないだろうかとも思う。
よく見るとポスターの写真でも三人姉妹よりもずっと前のほうにいて、大きい。だから見せ場をきちんと作った。
実際、彼は、「人寄せパンダ」以上の力も魅力もあるから、前に出す価値も十分にあるのだ。
彼以外のキャスティングもいいと思う。
森田剛さんは、『金閣寺』でも観たが、いじけキャラ、よく言えばナイーヴキャラがはまり役と言ってもいいだろう。さらに言えば、三姉妹の末娘への接し方の変化、弱い者に強く当たる、という表現が、自分が弱い者だからそうしてしまう、という感じが出ていてよかったのだ。
5章からぐいぐいくるのだが、彼をクローズアップさせるならば、もっと前からそうして欲しかったと思う。そうすれば、観客ももっと安心して楽しめたのではないだろうか。
蜷川さんの演出は、ワンパターン。最近のどの作品を観ても、ほとんど同じ技法の焼き回しの感がある。良い悪いは別にして。蜷川カラーがはっきりしている。
例えば、オリエンタルというかジャポニズムなテイスト。今回で言えば、コロスや町の住民たちの衣装を黒留袖など着物にして、さらに神棚や仏壇を背負わせるなどしていた。
例えば、本水を使う。
例えば、舞台に大きくバツの形にテープを貼る。
例えば、ラストで、舞台の外に出るように劇場の外に通じるドアを開ける。
例えば、別の舞台でも使った同じ音楽を使う。
例えば、とにかく客席の通路を数多く行き来させる。
例えば、セットを動かして出し入れする。
(今回はなかったけど、スローモーションな動き、特にラストで舞台から去るシーンで多い)
などなど、挙げただけでも、「いつも」の手法であり、今回も使われた。
すべてこれらの使い回しであり、必然性がどうとかいうことではないのだ。
……「必然性がない」とまでは、もちろん言い切れないけど。
とにかく「蜷川カラー」なのであり、毎月のように舞台を観に行っている人だけではなく、例えば、森田剛さんだけを観に来たような、普通の観客がびっくりしたり、面白がって欲しいと願っているのだろう。
彼らが、「面白い」と思ってくれれば、いいわけで、そのためには「わかりやすさ」は大切なキーワードとなる。
「びっくり」させたいのだろうなぁ、と思う。
蜷川カラーでグイグイ来る。だから「イヤらしいな」なんて思ってしまう(笑)。それは「凄い」と同義語でもある。
褒め言葉なのだ。
だから、蜷川幸雄という人は凄いと思うし、集客もできる。したがって、次々と公演を打てるのだ。これはほかの人がマネをしてもなかなかできることではないだろう。
今回、観て一番「蜷川幸雄って、イヤらしい人だな」と思ったのは、序幕が開けて1幕目とラストに「心の旅」の曲が流れる。「歌:KERA」と出して。
この曲はご存じ、チューリップの名曲を、かつてKERAいたバンドの有頂天がカバーしたものの一部だ。
舞台の最初と最後にこの曲を流して「ここから、ここまでは」「KERAの心(の旅)」の中なのだ、と言っているのだろう。
戯曲に対する蜷川幸雄さんのメッセージではないか、と思ったわけだ。
なんとイヤらしい人なんだろう(笑)。
ついでに曲で言えば、「ブラザーサン・シスタームーン」が印象に残った。
KERAバージョンは、どことなくユーモアがあった。パスカルズの音楽がそれをうまく盛り立てていたと思う。例えば、ドン・ガラスを演じる生瀬さんは、ユーモアを含んだ余裕があった。人の幅というか、上に立つ者の怖さというか。対する蜷川バージョンにはそれは感じられず、全体的にどこか生々しい。
だから、KERAバージョンでは、結構笑いが起こっていた。KERAバージョンで笑いが起こっていたのに、蜷川バージョンでは、観客がクスリともしない場面もあった。
この違いが舞台の印象を大きく分けたと言ってもよく、それが2人の演出の違いだろう。
この企画、面白かった。
ただし、次回同企画を行うときは、上演時間4時間超は勘弁してほしい。長くても2時間以内でお願いしたいところだ。
ツキシカナイ -
満月動物園
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2013/01/18 (金) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
命に対する捕らえ方が面白い。
面白い物語でした。 今回 死に対する捕らえ方が、前回 前々回より少し違っているように感じました。上手くいえませんが、柔らかくなった?
死神演じる 河上さん ぴったりですね。 疫病神:横田江美さん 愛神:西原希蓉美さん 面白いです。 ボタン演じる みずさんの優しい語り、 竜崎さん 一瀬さん の普通の素のような演技 アケビ演じる諏訪さんとその母つつじ演じる高島さん の 2代の未婚の母 今回役どころによって演技が強調していたり 普通であったり 個性が物語を見易くしております。最高に面白いお芝居でした。
ネタバレBOX
面白い物語でした。 今回 死に対する捕らえ方が、前回 前々回より少し違っているように感じました。上手くいえませんが、柔らかくなった? 受け入れがたい事を受け入れたような。
死神演じる 河上さん ぴったりですね。 疫病神:横田江美さん 愛神:西原希蓉美さん 面白いです。 ボタン演じる みずさんの優しい語り、 竜崎さん 一瀬さん の普通の素のような演技 アケビ演じる諏訪さんとその母つつじ演じる高島さん の 2代の未婚の母 今回役どころによって演技が強調していたり 普通であったり 個性が物語を見易くしております。最高に面白いお芝居でした。
前説 近藤ヒデジさん 主役が前説をするらしい、そこそこに客を暖めるのが目的 物まね 福山雅治さん“子供がまだ食べてなーい” アナゴさん ボビーオロゴンさん 渡部篤郎さん オール巨人さん(カリオストロの城)“あなたの心を盗んだんやねー”武田鉄矢 面白い!! 物語は突然始まる(すーっと芝居に移ります)
父の愛 狭い空間 天涯孤独 死神:立派な人間になれ 立派な魂になれ 狭く暗い空間 隙間から満月が見える。 生まれる前のことを私は観ていた 覚えている。 沢山の子供たちが、お母さんを選んだ お腹にいたこと 生まれる時 だから この子は私を選んだこの子に、幸せになってほしい、 死神“その望み買い取ります”
事故の後外でアザミとあった、アザミ“父さん残念やったね ありがとう生きていてくれて 死なずに” 死神がつっこむ“彼女を悲しませるな” ずっと見てだめだしをする 鉄にだけしか見えない。 アザミ“こんな時に何やけど”鉄:この後の言葉が怖い 死神:宝くじとか、アザミ:落ち着いて座って 死神:いらいらする、本題に入れ!! 子供が出来た。 父も喜んでいるよ。 捨てる神あれば 拾う神もある 死神:神は捨てない!!失礼な!!
パパ おトン 呼び方 死神:立派な大父さんになるように友達をつれてきた。 疫病神 困難は人を大きくしてくれる。
疫病神登場!! 歌いながら!!
恋(イト)しさと せつなさと 心強さと
いつも感じている あなたへと向かって
あやまちは 恐れずに 進むあなたを
涙は見せないで 見つめていたいよ
(歌う必然性? ありますよ!! 私は、横田江美さんのさんの歌声聴きたーい ファンの需用です。)
このとき 舞台後ろで、リズムを取って 体を軽く上下させている死神が、面白いです!!こんな細かな演技が大好きです!!
場面は変わる: 母つつじ と 娘あけび が話す 子供が出来た どうするの 生む 相手は知ってる? 知らない うれしいやろ 女の子うみ!!
場面は変わる:チッチッチッ・・・時計の音 母ボタン 娘(鉄の姉)ムクゲ ちゃんとしような ちゃんと そわそわ 息子がお嫁さんを連れてくる。 ムクゲ・・・ごめん父の事考えた。 しりとりをしよう マングース スルメイカ カメゴジラ ただいまー こちらがアザミさん 死神 疫病神 いい家だ 古いが大切に使っている。 母ボタン:いいんですかこんな人で!! あざみさん でかパイ 死神: でかパイライン ぺちゃぱい平原 上手く言ったが、聞こえているのは鉄にだけ。もったいない!!。
疫病神は赤ちゃんに生まれる 子供を育てられる人間になるように、災厄を持ってくる そして母を選び生まれる 愛に・・・・ 死神:そんなに言っているともう一人来るぞ!! 愛神が来たー。
愛神登場!! 歌いながら!!
道に倒れて誰かの名を 呼び続けたことがありますか
人ごとに言うほどたそがれは やさしい人好しじゃありません
別れの気分に味をしめて あなたは私の戸をたたいた
私は別れを忘れたくて あなたの目を見ずに戸を開けた
別れはいつもついて来る 幸せの後ろをついて来る
それが私のくせなのか いつも目覚めれば一人
あなたは憂いを身につけて 浮かれ街あたりで名を上げる
眠れない私はつれづれに わかれうた今夜も口ずさむ
(舞台背景に字幕が出ます 物語にはほぼ無関係な・・・ 歌う必然性? ありますよ!! 私は、西原希蓉美さんの歌声が聴きたーい ファンの需用です。) やはり 舞台後ろで、リズムを取って 体を軽く上下させている死神と疫病神が面白い、こんな細かな所が大好物です!!
愛神は、困難があればあるほど愛は盛り上がる 困難すぎて分かれたら? 次を探して燃え上がるんやーー それが愛やーー (愛神は熱い、どこか無茶 それが愛なのかも!!)
母つつじ と 娘あけび は、この町を出る最後の夜に観覧車にのる 花火が上がる。
前回公演 前々回公演と つながっております、ワクワクします。観覧車が倒れる 娘あけびは、お腹の子にだけ注意がいく 母の事は目に入らない、そこに居るはずだが、母もそれを望むだろう。 死神が現れる 望みをかなえる、この子を助けて 契約 そしてこの子を見守って 契約が追加
鉄は、血がつながっていない 知っている なんでわかったん、傷つける事したか、何でわかったんや 優しい母ボタン 鉄は、親戚の頭髪 ふさふさ 俺だけ・・・ それは隠し切れんわなあ 友達が消えた、そしてこの子をそだてた、 姉のむくげも知っている、急に来た。 むくげは、あずみを誘って 昔鉄と遊んだ、博物館跡へ行く エレベーターも動く 綺麗な夜景 そろそろ帰る エレベーターに乗る 故障?途中で止まる 携帯で鉄にメール 鉄は、今度は守る父の時とは違う、母ボタンに気付かれないように、何食わぬ顔で家を出る、走る。
鉄は、エレベーターを修理 ワイヤーが要る 肩身の時計が役にたつ 間一髪エレべーターが落ちる助かる、
鉄はアケビの子 友達のボタンが引き取った 観覧車が倒れたとき アケビが死神と約束 見守ってくれ、約束通り鉄を助けて見守りつづけた。形見の時計は、つつじ、アケビ つながれて、
アザミを助けた、鉄は修理をしようと、しかし出来ないまま。 疫病神はアケビを選んで、鉄に生まれた、自慢のデカパイは無いが、 愛神は、あずみを選んだ、通じるところがあったのか?
100万回生きたねこ
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/01/08 (火) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
暫定1位! 1シーンごとに絵画のような美しさ、独特の踊り、実に創造的な作品。
極端にパースが作られた舞台上に、ある時は歩く小さな家が、
ある時は海が、各シーンがまるでリトグラフのように絵画的。
その絵の様な舞台で演じられる、「ねこ」の森山未来さんと
「女の子」の満島ひかりさんの、独特のフォームの踊りが素晴らしい。
わざとらしくない ねこ の仕草、ちょっと曲げた
足がしっぽの動きを現していたりして、
ちいさな動きが実に ねこ らしいんです。
さまざまな人と共に居て100万回生きて100万回死んだねこを
描く1幕目。 私は特に藤木孝さんの歌と演技に感激しました。
休憩をはさんで2幕目は、その特別な「ねこ」に言い寄る
メスねこたち。そして彼女たちではなく、自分からは
寄って来ない「白いねこ」と、一緒に居ることにして、
初めて自分を「生きた」ねこ。
そして、物語は実に静かに穏やかに進みます。
まだ1月ではありますが、文句なく暫定1位決定です!
できれば 「100万回観たい!」 なんて、
気がきいたことを言いたいのですが、東京千秋楽でした。
ざんねん。
ネタバレBOX
ちなみに、パンフレットも良くて、特にキャストの「写真」の笑顔が
素晴らしい!
中でも満島さんのキュートな笑顔!これまでで一番です。
そしてそして藤木孝さんの笑顔!これまたかわいらしくって。
布製のねこのしっぽがついた「しおり」も、これまた気が利いてます!
新・新ハムレット2013
劇団キンダースペース
シアターX(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
長いが濃厚だった。
伺ったのが初日で、全体の直しが多かった感じも見受けられましたが、それでも面白かったと言える内容。時間は2時間35分はあったでしょうか。その長さは感じずに凝縮されていた気がします。以下
ネタバレBOX
舞台セットも空間を多様に使える感じになっていました。ハムレットのテンポや現王のリップノイズは要改善かなと気になりましたが、配役の雰囲気は十分に感じました。ポローニアスにホレイショーや、オフィーリアの影が客席からヌッと出てくるところなどは特に良かったです。劇場の空間をいっぱいに使った見せ方は好きで、甲冑の先王が出るのとかも面白かったけど、気付く人は少なめに思えました。また、やはり長いので寝てしまう方もちらほら見受けたのは残念。面白かったと思うのですが、分かりやすくしてもまだ難解であったのかもしれません。公演前は、コリッチの記載で劇場が間違っていたり不安もありましたが、観終わって満足です。
タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/02/05 (火)公演終了
満足度★★★★
全3幕、上演時間3時間55分(休憩含む)をたっぷり堪能
ハンス=ペーター・レーマンの演出は、スケールがあり、壮大で美しい。
ネタバレBOX
ご存じの方も多いとは思うが、あらすじはこんな感じだ。
禁断の地ヴェーヌスベルクで女神と愛欲にまみれて家庭を顧みなかったタンホイザーが、女神との生活を捨て自宅に帰る。
しかし、城で行われた歌合戦によって、タンホイザーがまだ快楽に気持ちが傾いていたこと、また、禁断の地ヴェーヌスベルクいたことを知られてしまう。それを知った騎士たちに「裏切り者」となじられて、切られそうになるが、タンホイザーの妻・エリーザベトが中に入り、領主がタンホイザーにローマに行って法王から罪の赦しを得ることを命令する。タンホイザーは、巡礼者に混じってローマへ向かう。
ローマから巡礼者たちが戻ってくるが、タンホイザーの姿はない。エリーザベトは、タンホイザーの罪が赦されるのであれば、命を捨てることを決意する。
タンホイザーは、身をやつしてローマから戻るが、法王の赦しは得られなかった。法王は、タンホイザーに、その罪が赦されることは、自分の持っている杖に緑の葉が生えるぐらいにないことだ、と言われた。
タンホイザーはやけになり、禁断の地ヴェーヌスベルクに戻ろうとするのだが、エリーザベトによってそれは妨げられる。エリーザベトは命を持ってタンホイザー救おうとしたのだ。タンホイザーはそれを知りこと切れる。
そこへ緑の葉が生えた法王の杖が持ってこられて、タンホイザーの罪が赦されたことが告げられる。
この舞台は、まず序曲で驚かされる。
それは、円筒形の大きなセットがスモークの中から次々と現れてくる。舞台の天井より高いぐらいのセット、3階席ぐらいの高さはあろう。
それが壮大な音楽とともに、舞台の奈落からそびえ立つように現れる様子は圧巻だ。もうこれだけで、シビレてしまった。
つまり、セットが登場するという、それだけで間が持つというより、感動してしまう。これからの舞台が期待できる序曲だ。
序曲から続くのは、禁断の地ヴェーヌスベルクを表現する、新国立劇場バレエ団によるバレエ。
男女のバレエ・ダンサーが艶めかしくも美しく踊る。
とても美しい。バレエの公演か? と思うほど。
タンホイザー役(スティー・アナセン)は手堅い。さすがだと思う。
ヴェーヌスベルクの女神(エレナ・ツィトコーワ)と、タンホイザーの妻・エリーザベト(ミーガン・ミラー)の歌は見事だ。声量も表現もたっぶりしていて、心地良い。
また、特に男性合唱が良い響きだ。
騎士団が現れて来る個所などは、舞台袖のオフの声が舞台の上に徐々に現れてくるという効果はなかなか。
牧童を演じた國光ともこさんは、一見華奢な体つきなのだが、素晴らしい歌声であった。
歌合戦のために騎士や貴族、その妻たちが、次々に舞台に現れてくる様も、豪華でわくわくさせる。
セットの使い方は意外とシンプル。映像や照明もいい。
全3幕、上演時間3時間55分(休憩含む)をたっぷり堪能した。
cafe de 6° 第一章 ~小さな幸せ~
劇団ドドドドドド
MODeL T(東京都)
2013/01/26 (土) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★
すみません
好みの問題だとは思うんだけど
ネタバレBOX
カフェでの公演だったからこそ成り立った感がある
コーヒーの香りや雰囲気があったからそこをカフェと認識できるものの芝居の中でカフェとして認識できるもの、またカフェである必要がよくわからなかった
外向きの芝居をしているのにそこまで吹っ切れてないから情報が中途半端に伝わってなんとも微妙。うけ狙いのところやけに前列両端の方たちだけ笑ってましたがごめんなさい、わかりませんでした
朗読だからこそ光っていたのが一名
相手との距離感やト書きのような説明のとこをきれいに使い分けていたので情報を整理しやすかった
朗読でないところをなら残念ながら好きな役者はいなかったです
演劇集団 砂地 『Disk』
演劇集団 砂地
シアタートラム(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★
理解できなかった。
たぶん、斬新的な芝居なで、高尚なのだろう。どうも哲学書を読まされているようで私には理解できなかった。
また、やたらと服を脱ぎ、なぜ下着姿になっているのかもわからなかった
「テヘランでロリータを読む」
時間堂
シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)
2013/01/19 (土) ~ 2013/01/28 (月)公演終了
満足度★★★★
ペルシャか
光と影の使い方が心に残った。舞台を四方からか組むスタイルでその形態へ特別なものではないが、なぜか不思議と惹かれるものがあった。うまく表現できないが
北千住は遠いところだと思ったが、上野から10分弱。食事をして帰ったが、11時すぎには帰宅できた。
ダイナミック ダンス! コンチェルト・バロッコ/テイク・ファイヴ/イン・ジ・アッパー・ルーム
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
リズミカルなトリプル・ビル
アメリカと縁深い振付家や作曲家が関わっている、物語のない抽象バレエ作品のトリプル・ビルで、エンターテインメント性に富んだプログラミングでした。
『コンチェルト・バロッコ』
バッハの『2つのヴァイオリンのための協奏曲』に振り付けた作品で、ソロとトゥッティの対比や、カノン状に進行する旋律線といった音楽構造が視覚化されていて爽快でした。
第1楽章はオーケストラとダンサーがお互い探りあっている感じもありましたが、次第に音と動きの一体感が増して行き、第3楽章のユニゾンの部分では心地良い緊迫感があって素晴らしかったです。
『テイク・ファイヴ』
昨年亡くなったデイヴ・ブルーベックのカルテットの曲に振り付けた作品で、ミュージカルみたいな雰囲気が楽しかったです。6つのパートからなっていて、冒頭に踊られる『テイク・ファイヴ』にちなんで、その他のパートも曲の原タイトルとは別に、数字を含んだタイトルが付けられ、その数の人数で踊るという構成が洒落ていました。
本島美和さんと厚地康雄さんのデュオに大人の色気が感じられて良かったです。
『イン・ジ・アッパー・ルーム』
ビッグシルエットのストライプのシャツとパンツや、赤いレオタードに白のスニーカーといった衣装を身に纏い、多量のスモークの中でエネルギッシュに踊る作品で、この作品が作られた80年代の雰囲気が色濃く出ていて、ダサ格好良い感じが新鮮でした。
まるでスポーツの様にひたすら踊り続ける、かなりの体力を要求される作品でしたが、終盤の畳み掛けるシーンまでスタミナが続かずミスが多かったのが残念でした。