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ブルーアップル【終演しました!】

ブルーアップル【終演しました!】

X-QUEST

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつもと一味違う!!
スピードのある殺陣に、予想外のミュージカル仕立て!!いつものクエストとはまた一味違う面白さ!!“初日のまだ”はあるものの、加熱と加速でどんどん見応えが上がって来ると思います。

国語の時間

国語の時間

風琴工房

座・高円寺1(東京都)

2013/02/22 (金) ~ 2013/02/28 (木)公演終了

………
おはようございます。今朝も〔観たい〕はおやすみさせていただいて、早速、昨夜出会ったこの舞台から…『国語の時間』。最後列左端から拝見しました………たしかに。この舞台、終幕でしばらく…拍手ができずにいました。いまも、投稿タイトルをつけるところからどんづまっています。強いていえば、tabikujiraさんと同じ『評価することができない。』…となります。出演されている方々、作家さん、演出家さん、いずれも日本人でいらっしゃいますよね。この舞台、歴史そのものではないでしょうか。わたしたち日本人に、描ききれるのでしょうか…そう思ってしまいました。日本には、戦時中、支配してきた歴史があります。この舞台は、支配されてきたひとびとを描いています。世代は異なっても、いまのくらしのなかで、日常意識していなくても、私自身もその業を背負っているのだろうし、海をこえたところからは、そうみられているのでしょう。だからどうだといわれても、ただとまどうばかりで…。私も、『この事実は「わかった」、「わかったような気がする」などということは出来ない。』(あえてなぞらせていただきました)…とおもいます。たちすがたのちからとか、作・演の質とか、美術や音響・映像・照明の技術とか、そんなことはみるひとがみればいわずもがななので、ふれる必要もないと思います。ただ、この舞台、日本人が描いて、彼の地のひとびとにもつたわるのでしょうか。おなじく業を背負うさだめにあるひとりとして、…疑問におもいました。……ただそれだけでした……

ネタバレBOX

途中10分の休憩をはさむとしても、2時間50分。そして、事実を描いている舞台なので、極めて重い舞台です。展開は乱高下せずにフラットなまま最後まで重いことばがつづきます。舞台をはじめて御覧になる方々にはかなりこたえるのではないかと感じました。また、こうしたテーマはすでにドキュメンタリーなどで事実の映像として御覧になっておられると思います。昨夜客席におみえの方々のうち、終幕までおられた方々はセカンドコールをもとめていたように感じましたが、私の目の前の列に座っておられた方は幕があいて十数分で退席されていました。また、途中休憩で戻られなかった方もおられました。うけとめる方々によってことなる舞台かとおもいます…
ト音【終演。たくさんのご来場ありがとうございました!】

ト音【終演。たくさんのご来場ありがとうございました!】

劇団5454

劇場HOPE(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

すべてよし!
初見の劇団さんでしたので先入観なく観ることができました。
演出、照明、脚本と私はそのすべてが好きな内容でした。
演者によってばらつきがありましたが、もっとセリフ回しにテンポが出るともっとよかったのになぁと思いました。
初日ですので、これからどんどん良くなっていくのではないでしょうか。
とても楽しい時間をありがとうございました。
これからも期待しています!

後ろの正面だあれ!

後ろの正面だあれ!

椿組

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/05 (火)公演終了

満足度★★★★★


 この公演にも亜空間、亜時間が成立している。開演早々、雨音を背景に座敷童子と見まごうアマノウズメが、坐って黙ったまま小さく四角い物を長い間覗き込んでいる。

ネタバレBOX

 観客はこの時点で、長い間(ま)に込められた手管に掛かる。嫌でも応でも、想像力の総てを注ぎこまざるを得ないからである。結果、現実と異界の間に引きずり込まれる。それは、誰もが持つ幼少期の、神話的・御伽的時空の追体験だ。
 ここは、明日取り壊される家で、兄弟5人全員が集まることになっている。ところで、集まって来た兄弟が其処で発見したのは、古い写真だ。ウズメがずっと見ていた物である。観客にはウズメがずっと見え続けており、彼女の妖精的な世界は観客と共にある。亜時間・亜空間を追体験しているのであるから、当然だろう。
 一方、役者陣には、ウズメは見えない設定だ。無論、アメノウズメは日本書紀に登場する女神であるが、天の岩戸を開かせたことで、芸能の神としても祭られているのはご存じだろう。役者や演劇関係者は総て芸事に関わる者だから、ウズメは、芸能の神としても、初脚本、初演出の出し物を寿いでいると考えてよい。但し、この劇の中では、座敷童子の役も担っていると考えられる。
 何れにせよ、観客は特化された時空体験をしており、とても不思議なテイストなのだが、心地よい。友達と悪戯をし、遊び、喧嘩をしたりしつつも何時も一緒に楽しく過ごしたこのユートピアのような世界は、ウズメの過ごす時間としては非常に短いにも関わらず、子供達は大きくなり大人になってちりじりばらばらになってしまう。ウズメの寂しさはいかばかりであろうか? 何より、この充実し楽しく夢のような世界は、1964年のオリンピックを境に急激に変化して行く。日本列島改造計画が実行され、それまでの自然な河川敷や海岸は悉く失われ、しもた屋はみるみる消滅、代わりに高層ビルが林立するようになる。道路・ハイウェイの整備の名のもと、子供達の遊んだ道路が、空き地がどんどん無くなっていった。声高に叫ばれる文明批評など何一つ語られないこの作品の、鋭く激しく、根底的な批評が素晴らしい。
 また、いつも無駄を省いて本質を掴んだ舞台美術を作る加藤 ちかさん、センスの良さが光る振付のスズキ 拓郎くん、ラストの素晴らしい効果を盛り上げた諸子、自然な演技で臨んだ役者陣、シナリオ・演出も巧みである。座長の独特のリズムも、勘を得て良い。

Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ 劇王X~天下統一大会

Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ 劇王X~天下統一大会

日本劇作家協会東海支部

長久手市文化の家 風のホール(愛知県)

2013/02/09 (土) ~ 2013/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

「Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ 劇王X~天下統一大会」決勝プログラム観ました
 約二週間強…やっと、決勝プログラムに辿り着きました。。。もう興味ないかもしれませんが、全プログラム観劇のけじめを!(汗)
(並びは上演順です。詳細は各プログラムの感想をご覧ください)


〈 柴幸男(第4代劇王) 『つくりばなし』 〉
 Bプログラムよりも、演劇演劇した主張の強い空気に(私はあまり気づかなかったけど…)。結果、客席の笑いが少なくなってしまった…

〈 平塚直隆(第9代劇王 『イオン』 〉
 Aプログラムから、ラストを大幅に変更。わちゃわちゃとぶれてしまったかも…元の終わり方のほうが切なくて好き。

〈 鹿目由紀(劇帝) 『上中下』 〉
 Dプログラムに、細部を追加。身体表現がさらに鹿目ワールド離れ…なお、手島仁美さんは、「ここまでがユートピア」「大トラックメロウ」に引き続き、「あおきり一高い所が似合う女優」の地位を固めるw

〈 福田修志(九州地区代表) 『ノイジー』 〉
 Cプログラムと、変更なし。全くぶれる事のない安定した芝居に好感。
 なお、福田さんは投票の結果、観客投票1位となりました!


 投票では、私は一番不可解さの多かった平塚さんに一票、そして結果は…



 柴幸男さんが優勝、「劇天」となりました!
 
 これで、平塚さんが劇王、鹿目さんが劇帝、柴さんが劇天という、劇王体制が完成しました!

 各日程終演後の交流も劇王の楽しみ、今年もいろんな方にお会いできました。まさにお祭り(笑)
 今後も、劇王に期待します!

後ろの正面だあれ!

後ろの正面だあれ!

椿組

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/05 (火)公演終了

満足度★★★

初日観劇
育った家が道路工事の為、実家取り壊しの知らせを受け、成人した姉弟がそこへ帰省してくる場面から話が始まるが展開を理解するのに時間が掛かった。
冒頭全員が歌う童謡が何気に良い。
50代以降の方には子供時代の流行遊びや唄は懐かしく回想され易いのでは。
昭和ノスタルジアな優しい舞台だな、と思っていたらラストのあのシーンに椿組を見たって気がしたw。約95分。

ネタバレBOX

外波山さん演じる木場/新木場の自己紹介シーンに笑わせてもらったが、美根子のサインが原因で、ああなっちゃったのかな?あれが立ち退きのサインだったって訳ではない、と思うけど‥。もしそうだとしたら、立退料が2万円?ファンタジー作だからあんまり深く考えないようにする。
兄弟の末っ子双子のウズメちゃん、童子の佇まいが無垢。
ウズメちゃん、S39に亡くなったと台詞で聞いたような気がするが、それから姉達が成長しているとなると、昭和末期から平成初期の話だったのかな。成人(設定上20〜30代と思ったが)している割に、兄弟の会話のやり取り「天国ってどこにあるの?(だったかな)」等が、やや幼いような気がした。
夜光星ディスコルーム

夜光星ディスコルーム

エムキチビート

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/06 (水)公演終了

満足度★★

面白いか?
前回のサンモールでの公演が良かったので初日を拝見。


はっきり言えば、前回ほどのクオリティはありませんでした。立ち回りがあまり良くないのが時代劇としては残念でした。


ちょっとチケット代には満たない内容でした。次回に期待します。

ネタバレBOX

OPを期待していましたが、なんかチグハグしていた印象、稽古不足なのだったのでしょうか?もっと色々と合うと素晴らしいものだと思いますが、いかんせん動きがずれているので、発想負けを感じました。明日からもう少し頑張って欲しいです。
発情ジュリアス・シーザー

発情ジュリアス・シーザー

柿喰う客

青山円形劇場(東京都)

2013/02/21 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★

乗りきれず。
初めての柿喰う客。
しかし今回は肌に合わず。
原本を読んでいればまた違った面白さを感じることができたかも。

ブルーアップル【終演しました!】

ブルーアップル【終演しました!】

X-QUEST

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

盛り沢山
エクスクエストならではの殺陣とダンスはもちろん、今回はミュージカル調もあってちょっと驚きました。

コメディ、パロディ、シリアス、ファンタジー、SFなどなど、色んな要素を含んでいる上で社会派としてメッセージも織り込まれていて、エンタメ!って感じで楽しかったです!

台詞まわしや声量など気になるところもあったのですが、これからに期待で☆5つです。

小型

小型

3.14ch

d-倉庫(東京都)

2013/02/20 (水) ~ 2013/02/24 (日)公演終了

満足度★★★★

もんもん、むんむん、むらむら
うふふ。素敵でした。
このスッキリしない具合。なんかいい感じです。おもしろいっす。


いやらしい音がしてワタシったら首をのばし口を開けてポカーンて…
おっつ、イケナイ、イケナイ。



アンケート、感想は書く時間がなかったのですがDMとかいただきたいなと住所と名前を書いて出そう思ったのですが何処に誰に渡せばいいのかわからず仕舞い。少しアンケート用紙片手にうろちょろしていたのですが、結局出せずに帰ってきてしまいました。小心者で受付において帰ることも出来ず…とほほ。

つか版・忠臣蔵-スカイツリー篇 Returns-」

つか版・忠臣蔵-スカイツリー篇 Returns-」

劇団扉座

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2013/02/19 (火) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★

やっぱりすごかった
おそろしくパワフル

役者さん達がやっぱりすごい。魅力的すぎ。今回のお気に入りは吉良さん!

たのしかった♪

スペース合コン&スペース合コンBEYOND

スペース合コン&スペース合コンBEYOND

The Dusty Walls

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/02/16 (土) ~ 2013/02/25 (月)公演終了

宇宙での下心。
男A「『男が絶滅した未来の地球人、女6人がY染色体を求めて宇宙へ旅に』、なんて肉食系女子も進む所まで進みましたね」
男B「えっ、肉食系女子って、主に渋谷で男を刈る民族だろ~?槍とか持ってさ~」
男A「強い女のことをいいます」
男B「なんだ安心した。じゃあ、未来の地球は街中、和田アキ子だらけだろうな…」



男A「オープニングに流れた『STAR WARS』のパクりは、案外、よくできた映像でした」
男B「そこからの宇宙コメディは、爆笑だったね。航海日誌も担当する井上っていう乗組員、あいつ一体なんなんだ?」
男A「地球船が発見した、異星の男性乗組員でしたっけ」
男B「そうそう。詳しくは説明できないけどさ、井上コーヒーは、マズそうだな」
男A「どれだけ砂糖掛けるんだ、って話でしょう!」
男B「ちなみに俺、マクドナルドのプレミアムコーヒーは旨いけど、スタバのコーヒーって苦いしダメなのよ」
男A「缶コーヒーのbossしか飲まないから分からないです…」
男B「その比較でいけば、井上コーヒーの方が まだ旨いかも。その代わり、人体に与える効果は絶大でよ。唐沢寿明も、きっと言うぜ。『違いのわかる男……、あっはっはっは……あれ?、笑いが……あっはっは……』」
男A「井上コーヒー、毒キノコかっ!」


男B「合コンのシーン、男女の神秘性を感じたのは俺だけ?」
男A「いえ、確かに、二十歳超えの初異性に出会った時、人はああいう表情するのだと思いました」
男B「ブルドックの雄には同じ反応しねえよな」
男A「えっ?、まあ…」
男B「社会的な立場と、女(男)としての本能の葛藤は、普遍的なテーマかもしれないね」
男A「宇宙コメディでありながら、演劇の古典という…。純愛の世界っていうんですか。人類の普遍的なテーマですよね」
男B「でも、ダサい奴、2人いたろ。それに比べて、美人船長のドレス姿、見たか!俺も参加したかったな~♪」
男A「下心も人類の普遍的なテーマですか。」

『金色の龍』

『金色の龍』

イナセナ企画

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★

とあるアパートでの
人々(と虫たち)のちょっとした出来事を、一人何役かの演技を通してのぞき見している感じが楽しい。

ネタバレBOX

主宰の虫歯ダンス、このワンシーンでにファンになった(笑)。
獣のための倫理学

獣のための倫理学

十七戦地

LIFT(東京都)

2013/02/19 (火) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

脱帽
ワークショップの名を借りた推理劇、次々とあらわれる新たな材料と、参加者と事件の関係者との繋がり!芝居なので出来過ぎの部分もありますが、どんどん引き込まれていきました。真実へと導く台詞も事前にでていて、うまくねられた脚本、とても面白かったです。

ネタバレBOX

明らかにされていませんが、参加者の検事が事件と関わりがありそうなのが気になりました。
半神

半神

半神

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/02/28 (木)公演終了

満足度★★★★

美大生ならではの
独創的で若さとエネルギーにあふれた作品でした。メインの役者は客演でしたが、それ以外の役者もパンフレットを見ないと学生とわからないほどでした。特に美術と衣装はさすが美大といった、時間と手間ひまをかけたであろう力作で印象に残りました。

100万回生きたねこ

100万回生きたねこ

ホリプロ

はつかいち文化ホール・さくらぴあ(広島県)

2013/02/16 (土) ~ 2013/02/17 (日)公演終了

満足度★★★★

心地よい時間
森山未来さんのすごい身体能力をナマで観てました。
なんであんな動きができるのか不思議です。
心地の良い音楽に、ウトウトしてしまいましたが、
安らぎの時間でした。
ミュージカルは、歌が記憶に残るもの・・・と考えている私。
歌詞の紙を頂き、鼻歌ではなく今も口ずさむことができます。

ネタバレBOX

最終日に観劇したようで、カーテンコールで皆さんが歌って下さいました。
もしかすると、他の劇場でも歌っていたのかもしれませんが・・・。
あまりに音楽が心地よすぎて、途中の記憶がちょっとない(^_^;)
ダンサーチームのダンスもバレエに近い感じできれいでした。

舞台装置の傾斜が強くて、みなさんよく演技できるなぁ、と感心。
足が筋肉痛でパンパンになりそうです。
客席からは非常に見えやすかった!!
光速可変の定理

光速可変の定理

劇想からまわりえっちゃん

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/02/21 (木) ~ 2013/02/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

全てがすごい!
数回観ているこの劇団ですが、今までで一番よかったと思う!
いつもこの作品はいいと思う!と言ってもあくまで好みがでるけども...と付け加えたくなっていたが、これは本当にそんな言葉必要なくいい作品でした!!

アリサ役の女性が魅力溢れてよかったと思う。どの役もキャラが生きていてよかったけどもあのアリサの役を演じるのは並大抵なものじゃなかったと思う。
過去と未来で性格が真逆なのだが、見事に演じきっていてあの方はいつも綺麗で大人しいどころというか舞台に華を挿すようなポジションなのかと勝手に思っていたら、あんなキレキレでかっこよくもできるなんて素晴らしいです!
ラストのシーンは鳥肌がたちました!
もっと観ていたい!そう思えた作品でした!

OMOTENASHI’13

OMOTENASHI’13

FRANK AGE company

Geki地下Liberty(東京都)

2013/02/19 (火) ~ 2013/02/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

お見事!5点[花丸]満点
初見の劇団でまったく期待していなかったけれど、素晴らしい脚本でした。

ネタバレBOX

20年を経て笑いを産める作品は稀だと思います。夏祭のゲストのおもてなしをテーマに、頼りない役場職員、幼なじみのチンピラ、料理が出来ない料理人、元下宿人の外国人、老舗旅館の孫のドタバタがテンポ良く描かれ、最後の大オチまで良く練れていると思いました。

キャストの設定も魅力があり、背景もしっかりしているので、展開に説得力があり、時間を忘れて見入りました。ただ、荒瀬が野口にキレるシーンは唐突な印象がありました。野口の印象が、物腰柔らかな今時の気の弱い草食系男子で、自らの境遇に不満があるように見えなかったのが一因だと思います。
序盤から不満がある面を出すか、荒瀬の怒りが八つ当たりであるような流れがあれば分かりやすかったと思います。

演出は、最後の中西金の登場から、おもてなしがフラッシュで見えるのが秀逸でした。ゲストの登場として上手いと思いましたし、バックアタッカーズも面白かったです。舞台上の動きもスムーズで、大柄な役者さんが多いのに、舞台の狭さを感じさせないのが見事でした。民宿の古びた感じやチープな飾り付けも良かったです。

役者さんは演技派揃いで、個人技も良かったですが、チームとしても見事に調和がとれていました。志賀役は、安定した演技でヒゲメイクも面白かったです。元伝説の料理人で元アル中で前科者でホモのフリーターという複雑な役回りをさらりと演じていたのが見事でした。

マリネンコ役は舞台のスパイス役で、変な言い回しやとぼけた動きが楽しかったです。荒瀬役は、人情味のあるチンピラ役がぴったりでした。ただ、序盤で、野口と話す時と、志賀と話す時の差が大きすぎて違和感がありました。急にサラリーマンぽかったので、もう少しチンピラ風味を残して欲しかったです。その後は舞台のキーマンとして見事でした。特に山之内の曲がフォークだと突っ込んだ時は、すっきりしました。素晴らしいツッコミでした。

野口は誠実な感じが役場職員ぽかったです。噛みが目立ちましたが、先輩役者に囲まれて一生懸命な感じが良かったです。山之内は少ない台詞で上手くキャラを出していたと思います。歌も上手すぎないところが売れないバンドマンらしく、趣味に生きるお坊ちゃんらしくて良かったです。

前説と付き人役のバックアタッカーズも面白かったです。オイシい出方でし
たが、フラッシュの場面では主演陣を越える面白さでした。見事でした。ゲストの大林さんも、華やかで、高身長の役者さんと並んでも見栄えが良かったです。楽しんでいる様子が客席にも伝わりました。

とても楽しい舞台でしたが、上演中、寒風が背後から吹いてくるのが気になりました。上手く空気が循環すれば良かったのですが、極端な頭寒足熱だったのが残念です。とは言うものの、とても楽しめました。

獣のための倫理学

獣のための倫理学

十七戦地

LIFT(東京都)

2013/02/19 (火) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★

視点を変えることによって・・・
観劇直後と、しばらく経ってからの印象が変わった作品である。

ネタバレBOX

説明に、物語の大まかな展開が綴られているので完全な推理劇として観ることはできない。特に「ロール・プレイ・メソッド」の参加者たちによって提示される資料によって“桐原は犯人ではなかったのではないか”という方向への持っていき方は、皆さん仰るように出来過ぎ、無理矢理の感を抱かせる。それは大摘村通信(?)だったり桐原が村人たちと写った写真から導き出される方向性、結論に対して。また、ラストにつれて徐々に明らかになるが、35年も前に起こった事件(終わった事件)をワークショップにより検証しようとする、その参加者たちはよほどその種のテーマに関心がある者、又は何らかのかたちで事件に関係のある人物であろう事は容易に想像できる。私は観劇の冒頭、(説明書きをすっかり忘れていたので)半分推理劇の展開を期待し観客もそこに参加するようなワクワク感を感じたので、観終わった直後はしっくりこない印象のほうが強かった。ただその後、この作品の肝は何かと時折思い出してつらつら考え多少考えが変わってきた。脚本の柳井氏はこの作品について「出来過ぎ」との意見が出ることは十分に承知していたはずである。その上で彼が描きたかったのはロール・プレイの役割を演じることによって炙り出される登場人物たちの細かな心理描写だったのではないか、と考えた。そう思えば合点がいく。ブログを拝見していても役者一人一人の役作りへの真摯な姿勢が窺える。特に市川玲子役の関根信一さんは印象的だ。彼の醸し出す穏やかで内に秘めた力強さを感じさせる演技は芝居全体を柔らかく包んで緊張感のある舞台を引き締めている。いずれにしてもLIFTという極小空間、ロール・プレ・メソッドという設定に縛られながら、最後まで緩むことのない緊迫感を持続させ、観劇後も観客にこれだけ考えさせてくれる芝居を創り出してくれた柳井氏始め、役者さん達、スタッフの皆さんに感謝したいと思う。
壺を割った男

壺を割った男

舞台芸術集団 地下空港

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2013/02/20 (水) ~ 2013/02/26 (火)公演終了

満足度★★

ちょっとゴッタ煮的
役者の演技は卒がなく観ていて不快感はないが、さりとて何の感興も起こらない。

ネタバレBOX

入れ替わり立ち代りの前説は「嘘をついちゃダメ!」というテーマの振り出しだがもう少しネタを吟味するべきだ。つかみが弱い。観劇前は主人公が壷を割ってしまったことが、バレるかバレないかのスリルを何度も見せて観客をハラハラさせるストリーなのかと勝手に思い込んでいたのだがさにあらず。全体的に話があっちこっちに飛んで取り留めなく進む。各シーンがテーマに沿っているかといえばそうでもないし、“コメディ”と銘打ちながらほとんど笑えなかった。ラスト近く、主人公の元カノが、あんなに忌み嫌っていたのに、悲惨な少年時代の体験を聞いて急に翻意し主人公に心を寄り添わせるというのはあまりにも不自然だ。(それとも前半の彼女の態度も嘘であったのか。そうであれば私にはわからなかった。)役者でいえばパンチライイン少女役の田代絵麻は卒ない役者の中でもこなれいている感じで台詞回しは見事だったがあまりにも早すぎて何を言っているのかわからないところもあった。(特に歴史上の人物の名言を言って呪文をかけるシーン)それとチェロとヴァイオリンの生演奏はもう少しうまい使い方はできなかったのかと残念。役者の台詞に掛かって台詞が聞き取りづらいシーンがあった。携帯電話の着信音もいただけない。もうひとつ、黒装束の「コロス」が出てきた意味がわからなかった。

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