ある苅屋くんの人生
怪傑パンダース
ザ・ポケット(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
人生とは
作家の書いたシナリオ通りに演じているにすぎない。観ていてそうかもしれないと思わなくもない。でも、仮に作家がいたとすればそれは『自分』という作家が『自分』という登場人物に向けて『人生』を書いているにすぎないのではないかと。自分の人生は自分で決めるもの。幸せも不幸せも含めそれが『自分』という人間の人生。しっかり前を向いて歩かなくてはと思いました。そして緑川睦さんの苅屋くんはミーハーなところもありながら、愛する人は運命の人は一人だけという一途な青年を素敵に演じられてました(o^^o)
ライト家族
劇団ガバメンツ
APOCシアター(東京都)
2013/06/21 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
ライト兄弟と、その家族。
どこまでが史実に基づいているのかわかりませんが、楽しめたし、たくさん笑いました。また東京に来てほしいです。役者さんは皆魅力的でした。
ネタバレBOX
演劇で、フリップボード?のあんな使い方、初めて見た。実に面白い演出方法。
ライト家族の家訓「欲しいものがあったら、これ(紙)に描いて、(自分達で)作りなさい。」の台詞はとってもよかった。
きれいなお空を眺めていたのに
こゆび侍
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
久々、好きなタイプの芝居
こゆび侍は、たぶん「はちみつ」から拝見しているのですが、今でも思い出すだにぞっと戦慄が走る、まるで、3・11の原発事故を予知したかのような芝居から、どうも、自分の好みからかけ離れてしまって、今回も観ようか観まいか、かなり躊躇しました。
でも、息子と御縁が深い役者さんも出演されているし、何より、こゆびの佐藤みゆきさんを拝見したくて、伺いました。
結果、オーライでした。
また戦慄が走るSF的なストーリーかと思いましたが、ちゃんと、現実世界に根ざしたお話でした。
同じ動作を繰り返す中での感情の変化を表出するには、佐藤みゆきさんの演技力は、他を圧倒しているといつも感じます。
ネタバレBOX
最近のこゆび侍の芝居は、何だかいつも人(擬人化した虫も含め)が殺されてばかりでしたので、今回の作品は、とにかく、誰も殺されなくて、ほっとしました。
いつぞや観た外国の世紀末芝居や、松田正隆さんの作品を彷彿とする場面もかなりありましたが、その中にも、成島さんの世界が構築されていたのが、嬉しく感じました。
サルマークを集めて、砂漠を緑にしようとしている女子高生二人の関係性や、引きこもりの息子がいる夫婦が、何とか食事だけは家族揃ってしようとする場面などに、表面的には、SF的な世界を描きながら、バーチャルだけでは解決しない、リアルな人間関係の絆がさりげなく描かれて、秀逸だと感じました。
虐めは、人間が存在する限り、皆無にするのは不可能だと思いますが、この芝居に出てきたような「美じめ」的な手法でなら、ある意味、かなりましな方法だと容認できる気もしました。
体操着に、装飾を施して、恥をかかせる「美じめ」は、被害者さえ、受け止め方を変えれば、笑ってちゃらにできそうな悪戯に思えましたから。
最終場面で、新谷夫妻が、延々と、チョキを出し続けて、ジャンケンが終わらないシーンは、作者の意図が見えていても、まんまと、あの秀逸さにノックダウンさせられました。夫婦役の、日暮さんと佐藤さんの演技力に負うところ大のシーンですから、キャスティングの成功が、作品をより良く見せたお手本のような気がします。
ライダーになれなかった人のための
カムヰヤッセン
スタジオ空洞(東京都)
2013/06/14 (金) ~ 2013/06/24 (月)公演終了
マリオン
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
今までなかった青☆組
舞台美術もすてきだったし、5人のアンサンブルもすばらしかった、90分でした。
ライダーになれなかった人のための
カムヰヤッセン
スタジオ空洞(東京都)
2013/06/14 (金) ~ 2013/06/24 (月)公演終了
満足度★★★★
おもしろかった
男の子ばかり集まると、こんな感じになるのね~って感じで面白かった。
一人ずつ役者が増えて、夫々の立場・性格が明らかになって、集められた目的が分かって・・・。
私の席にあったチラシには当日パンフレットが入ってなかったので、キャラクターや人間関係は全く分からないまま観ましたが、充分楽しめました。
個性的な登場人物達の中、それまでおとなしく一番普通に見えていた脚本家の暴走っぷり、笑うしかないオチのつけ方も見事。
ネタバレBOX
「『大人』になればいろんな事が自由にできる」と信じていた子供の頃。年齢を重ねても何者にもなれず、自分の自由になることなんてほんの僅かと分かっているから、チクチク刺さる言葉が・・・。
OFFICE WARS ~金に綺麗も汚いもあるのか~
Unit Blueju
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/06/20 (木) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
Bパターン観ました
多少無理なところはあるけれど、艶っぽくて中々に楽しいミュージカル。しかしこのラストはどうだろ?う~ん、確かにその通りですが、身も蓋もないなー。興醒めで家路に就きました。
Shut up, Play!!~喋るな、遊べ!!~2013ver.
オリジナルテンポ
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2013/06/21 (金) ~ 2013/06/22 (土)公演終了
満足度★★
楽しい音楽的パフォーマンス
黄色いレインコートを着た5人が映像や身体動作や日用品を用いて音楽を奏でるパフォーマンスで、様々なアイディアが楽しかったです。
パフォーマー達が渋谷の雑踏の中から劇場にやって来る様子をライブカメラで追う導入で始まり、自転車の様々な部分を叩いてリズムを奏でたり、段ボール箱に映像を投影してバチで叩くのと同期して映像を変化させたりと、楽器ではないもので音楽を演奏するユーモラスなパフォーマンスが続きました。
スナック菓子をかじったり、カップ麺をすすったり、洗面器に顔を浸けてブクブクと息を吐いたりと、日常的な動作で音楽を奏でるパフォーマンスは最初はインパクトがあるものの、何分間も持続させる程の魅力は感じられませんでした。
冒頭と最後で人間関係が逆転する、スーツケースを用いた表現が洒落ていて良かったです。
アイディアやテクニカルな面は良かったのですが、それぞれのパフォーマンスが独立していて1本の舞台作品としての連続性や強度が感じられませんでした。オーヴァーなアクションを用いた分かりやすい演出で、想像していたよりも子供向けなテイストだったのが残念でした。
ある苅屋くんの人生
怪傑パンダース
ザ・ポケット(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
前説は観ていないが本編は楽しめるスタイリッシュな舞台
冒頭、「この世は舞台、ひとはみな役者」シェイクスピアの有名な科白が引用される。
オープニング、上手から下手へ移動するグループと下手から上手へ移動するグループが、段差を設けられた舞台上をスローモーションで移動。式場の階段を結婚式を終えたばかりの新婚カップルが降りてくる。この時の照明センスが抜群で舞台効果を高めている。当初、やや暗めで移動する人物像がシルエットのように浮かび上がるか上がらぬかの微妙な明度だったが、カップルが階段を降り切る辺りでぱっと明るくなり、新郎新婦の友人たちが、普通の動作に戻って、クラッカーを鳴らす。
ネタバレBOX
この刹那、リストラをされたことに恨みを持った暴漢が大きな刃物を持って登場、新郎の友人を刺そうと向かってくる。友人は、腕を切られたが、手洗いから戻って来た新郎が、友人を助けに入り、胸を刺されて病院へ搬送されたものの死んでしまう。
冒頭シェイクスピアの引用にあっように、人生がシナリオ化されていると言う前提で物語が展してゆくが、これは、霊界で霊の生殺与奪を管理している会社の意向によってである。然し、人生はホントにシナリオに書かれていることだけで進んで行くのだろうか? 意思の介在する余地は無いのか、といった当然の疑問が湧く人も多かろう。
新郎、拓也は亡くなってしまった。新婦、は、失意の底に沈む。彼女は、自分も飛び降りて、彼の下へ行こう、と高いビルの屋上に上がり、飛び降りようとした刹那、強風に煽られて我に返り、自殺を思いとどまった。だが、そこへ、拓也を殺させた冥界のエージェントが現れ、自殺を思いとどまった彼女を無理やり屋上から突き落としてしまう。彼女も結局は絶命。冥界へ旅立つが。
一旦、冥界へ魂が到着してしまうと24時間以内に現世へ戻らなければ魂は消滅してしまう。そこで、生まれ変わりの為の手助けをしてくれる人物を探し、次のシナリオを急いで見付ける必要があるのだ。拓也は、幸いこの人物を素早く見付け、次のステップに進もうとするが。その途上、「自殺」という形でエージェント達に殺された彼女に再会する。だが、それも束の間、会社の利益を守ろうとするスタッフ達に捕まり拓也はプロデューサーに、新妻は、生まれ変わりサポートに捕まってしまう。
一方、新郎新婦の友人達も、式終了後、無念の死を遂げた拓也の妻を慰めようと結婚後住むはずであった新居へと向かうが、途上、待ち合わせに遅れた、オカルト好き不思議友達は、トンデモナイ情報を持ち込んできた。新婦が後追い自殺を試みたというのである。偶々、彼女は、占い師に不思議な小箱を貰っていた。その小箱を貰った時に、占い師の「悪いことがあったら云々」という占いは当たっていた。日本で最優秀と言われる大学の院を優秀な成績で卒業した新郎友人も、早速、地べたに数式を書いて所謂オカルトと言われる事象の現実性を計算、また、ニュートンが万有引力を発見した時に人々が、彼の業績を何と呼んだかの歴史的な事実を指摘し、分からない事象は、現実に在り得ると結論する。結果、友人達は謎の箱を開けてみるが、中には何も入っていなかった。だが、占い師が、現れた。ホログラムような投影像かと思うと、実態だと言う。何れにせよ、彼女の後ろ盾を得て、幽体離脱を果たした友人4人も、冥界へ旅立つこととなった。
冥界では、天主は、数多くの星で仕事をしている為見付からないと思っていたのに査察に目をつけられているとの情報も入ったばかりではなく、闖入者が現れたり、と異常な事態に戦々恐々である。既に天主の命を受けた査察サイドの密偵や捜査官が潜入しているとみて良さそうだ。死者の魂を管理するプロデューサー、監督、スタッフ、魂のお助け屋、ガードマンら対新婚夫婦及び友人と彼らをサポートする査察官らの戦いが展開される。勝利するのは、どちらか、 占い師の正体は 新婚カップルはどうなるのか 捕まった者達は大丈夫なのか、罠は仕掛けられていないのか等々畳みかけるような展開が続く。
石田剛太のスペース☆コブラ
男肉 du Soleil
シアター711(東京都)
2013/06/20 (木) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
特殊な需要(失礼)とは思うが
楽しかったのも事実です(^^)
朧みたく何時いかなるシーンも撮影OKということで、
まぁ観客の慣れた方々は写メどころか動画は撮るわ呟くわ・・・。
凄かった・・・。
ネタバレBOX
アレだけ動けばそりゃー全身タイツでのレディーよりは水着が正解ですよね、
でーサービスか?やたらとキメポーズしていたのが楽しかった(^^)。
ちなみにこの公演には3つの席種(男肉飛び散る席、一般席、絶対安全席)といのがあって一般席にて観劇でしたが。最前列の男肉飛び散る席は役者さんが乗り込んでもきました。
ちなみに石田さんに団長から送られたサイコガンはヨーロッパ企画の芝居で使用される事あるのかなぁ・・使って欲しいかな(^^)=よく出来ていましたしー
ラストの赤フンの団長もインパクト凄かったっす
ある苅屋くんの人生
怪傑パンダース
ザ・ポケット(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
かっこよくて面白かったが・・・
総合すると星は3つかなって
ネタバレBOX
あの世でのシナリオで人生が流れていくという設定は良いのだが、
それでそのシステムから外れて現世の権力者が基盤揺るがす可能性のある人物=主人公のシナリオ改定するとは・・・現世とあの世の繋がりが不透明だし、シナリオ会社が冥界の主の手を離れて暴走中って→どれだけの期間を黙認していたのか?結構長い気もしたが説明無く消化不良です。将来奥さんの助けで総理大臣になるなら、せめて政治基盤継ぐような説明台詞を結婚式の時に伏線で入れてみたりして欲しかった。
ボックスを上手に使ったタイトルの見せ方や前説やらパンフレットの売り方やら、結構資金のかかったであろう照明装置などは見栄えよろしかったったす。
「愛」の一言で御都合主義的にハッピーエンドはいただけなかった。
現世とシナリオ会社の繋がりは明確にして欲しかったし。
株式会社と社長さんが明言していたんだから、
他にも有限会社や合資会社などの会社乱立とかの設定あっても・・ねぇ。
エージェントが直接現世の人間に手を下したり、
会社があの世の人間使ってシナリオ守るとか。
世界の境界とかが不鮮明で消化できなかったなぁ・・・。
殺意が死んだ夜
ビビプロ
小劇場 楽園(東京都)
2013/05/29 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
単なるサスペンスでない
最後のドンデンで一挙に深みを増した。人間一皮剥けば何を考えているか分からないという不気味さを最後に出したのは流石。 出だし役者の登場シーンが中々効果的だ。狭い出吐け口から出て来た役者達は、衣装掛けに引っ掛かった衣装を1つづつ取ってテーブルの周囲を回る。その時、衣装を互いに投げ合ったりもするのだが、スモークが焚かれる中、テンションの高い歩きぶりだけで緊張感を維持しているのは、役者達の力量の高さからだろうか。
ネタバレBOX
一瞬の暗転後、舞台は、一組の男女に変わる。ここは、弁護士事務所だ。カップルは二男夫婦である。其々が、持って来た荷物を下ろすが、女の荷物は非常に多い。それを荷物の少ない夫が、助けてやっていないのも、若干、不自然な感じを抱かせる。妻は、夫の泊ったホテルに同宿していなかったということを示してもいるのだろう。何れにせよ、敢えて夫婦に距離を感じさせる出だしである。
兄弟5人は、亡くなった父の遺産相続に関する協議の為に、こうして弁護士 立会いの下、事務所で話し合いをする為に集まった。然し、問題は、少し複雑である。父の死亡原因が、事故、他殺の両面から洗われている点、また、遺産については、死後遺書が発見された点、その額などについてである。
三々五々集まって来た兄弟は、それぞれ、独自の生活パターンを持ち、今では兄弟であるということ以外、共通点は殆ど無い。二男の妻が、三男の元恋女であったと言う点が、奇妙な関係ではある、が。
協議開始に際し、五男だけが、大幅に遅刻して、欠席のまま、議事が進行してゆくが、遺産総額は、50億円。その総てを二男が相続することになっていた。
サスペンスであるから、無論、情報は小出しである。従って、観客は、新たな情報が出てくる度に前提条件の変更乃至は判断の変更を迫られるので、観飽きることが無い。ちゃんと組み立てられたサスペンスの醍醐味である。
最後の最後にどんでん返しが設えられているが、最後のドンデンで舞台がぐっと締まるようなドンデンだ。サスペンスファンには、既に既知のパターンかも知れないが、期待して良かろう。何れにせよ、作家は、最後のドンデンで、この作品を単なるサスペンスで終わらないものにしている。サスペンスの涯に見えてきたものは? 舞台を観て確かめて欲しい。
テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)
劇団 東京フェスティバル
駅前劇場(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/24 (月)公演終了
満足度★★★★
傑作!観るべし!
素晴らしい脚本に、この役者陣とは、まさに鬼に金棒!
観劇初心者から観劇上級者まで、オススメできる芝居!
次から次へと興味を惹かれる展開に、グイグイ惹き込まれる!
当作品は2010年に続き、2回目の観劇。
私は基本的に同じ作品を同じ劇団では観ないのだが、
この作品については、また観たい!と思える。
大いに笑えて、考えさせられる良作!
上演時間100分。
ネタバレBOX
今回は2回目の観劇とあって、個人的に新鮮味にはやや欠けたが、
知っていても惹き込まれてしまう凄さがあった!
TVの選挙特番の開始までを裏側からみた作品。
役者陣の息がぴったり合っていて、観ていて非常に楽しい!
全員客演とは思えない。
8人の出演陣全員が主役級の見せ場があり、セリフにムダがない。
観ていて爽快である。
この作品は観た方が良いので、細かなネタばれはしない。
朝倉伸二さんのことを「アナゴさんに似ている」というセリフは、ツボ(笑)。
主宰のきたむらけんじさんの前説は楽しいし、空調に対する気遣いは、very good!
場所により熱くなりそうな座席には扇子、寒くなりそうな座席にはブランケットを配布する準備まで!
更に座席は足を伸ばせる程、前列との間隔が空いており、goog!
座席前から3列は移動式の座席であったが、可能であれば座席は偶数列と奇数列で交互に半分ずつずらした方が更に良いと思える。
観え方が良くなるからである。
それにしても、楽しめる公演であった!
この劇団の作品は、本当に満足度が高いものばかりだ!
次回公演も楽しみ!
不思議の国のアリスより
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★
『Madman Moody Mood』観劇
難解でした。
ネタバレBOX
薬物摘発捜査の際に夫が警察官に撃たれて死んだのは、カバンから拳銃を取り出そうとしたと誤解されたからですが、そのような動きをしたのは感情の起伏が無くなった夫が何も考えずに普通に行動しただけのことで、そもそも薬物によって精神に異常をきたした夫の脳の一部を除去する違法手術を認めてしまった自分に原因があったということに脳外科医である妻が気付いて後悔するというサスペンスを軸に、不思議の国のアリスの作者や妄想のアリスなどが出てくる難解な作品でした。
薄笑いのアリスはアリスっぽかったです。
警察官は何も悪くないのに、手を動かして喋り倒すパフォーマンスの後、精神的に追いつめられて自殺を図りました。あのパフォーマンスを一晩中やると精神が異常に高揚してしまうのか、喋りのスピード感など役者さんの力量には目を見張りました。
不思議の国のアリス自体が単に眠って見た夢の世界の話などではなく、強烈な刺激を受けることによってしか見ることのできない一段階上の妄想の世界の話だということでしょうか。
「The Door2」~Farewell~
劇団たいしゅう小説家
萬劇場(東京都)
2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
劇作家女子会!
劇作家女子会×時間堂presents
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/06/13 (木) ~ 2013/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
異なる色を醸す4作品
4人の作家の作品に、異なる色とクオリティがあって。
見飽きることがない。
でも、女性の想いが描かれていくという点では
束ねもあって・・・。
単なる短編集とは、また一味異なる公演のテイストを
楽しんでしまいました。
ネタバレBOX
どうやら当番制らしいのですが、
演劇人らしく、メンバーからの前説があって・・・。
適度な緊張感の中、舞台が始まります。
・黒川陽子「彼女たち」
公演の冒頭と最後の2シーンを使って・・・。
美容師と客の二人芝居。
前半に、一人の男を巡る二人の感覚が発覚して
後半には休憩室での二人の会話が描かれていきます。
互いに男を自らの手のひらに載せていない事実と、
相手に奪われたくない見栄が
それぞれの話を膨らませていく。
相手の言葉に揺らいだり、
相手を揺らがせるための言葉に紡ぎこんだ嘘が
自らに刺さりこんでいったり・・・。
年齢を重ねているから見えているものと
年齢を重ねているがゆえに抗えないもの。
若いがゆえに見えているものと、
若いがゆえにつかみきれないもの。
一人の男を巡るボクシングのような時間の面白さは、
やがて、どちらも勝者になりえない結末へと導かれて。
その共感部分に至るまでの攻防から
さらなる踏み出しが用意されていて・・・。
二人の女性の距離感や感情が、
一シーンごとにしっかりと作りこまれていて、
それぞれの心情の変化がだまにならずに
観る側に伝わってくる。
ひとつの台詞や一本の電話ごとの心風景が
二人の距離や空気からよりあからさまになっていく。
その仕掛けとそれを支える役者それぞれの
異なる色の力量にがっつりとつかまれました。
・オノマリコ「Compassion」
冒頭、観る側の取り込みがうまい。
二人の会話がどこかかみ合わないままに、
次第にシチュエーションが組み上げてられていく。
最初はかかわりすら拒絶していた男が、
次第に女へとのめりこんでいく、
そのワンステップごとに、本当に見応えがあって・・・。
不思議な物語ではあるのですよ。
始まってからしばらくは男と女の関係は水と油で、
そこには接点も感じられない。
にも関わらず、セパレート状態になったドレッシングを
ゆっくりゆするように、
少しずつ、エッジが交じり合い、
最初は厄介払いの如く渡されていた現金のニュアンスが変わり
単純男のポジションが混濁し、
抱えていた現金が流出していく。
全体から見れば、そんな馬鹿なと思うような話なのですが、
一つずつの会話に揺れる男の想いを
観る側が否定することができない。
で、受け入れると、そこからの踏み出しも、
同じように受け入れうることに思えて・・・。
常に違和感がありつつ、アラームの音が聞こえる気がしつつ、
でも、その歪みに抗うことができない・・・。
そして、気が付けば、男女それぞれの
表層とは異なる姿があって、
その更なる歩みと、会話の行き先を追い求めている。
まあ、誰でも演じ得る舞台ではないと思うし
役者たちのそれぞれに、
観る側の印象を少しずつ崩していく精度と切先があり、
その歩みを維持していく持久力があるからこそ
観る側もその違和感から目を背けることなく
目が乾くほどに舞台をみつめつづけてしまったとは思うのですが・・・。
観終わって、役者たちの演技の地力に驚愕しつつ、
そのフィールドを描き上げた作家の作劇筋にも感心。
全体の構造もさることながら、
一つずつのシーンに観る側を閉じ込める
台詞を描き続け
、途切れることなく舞台にシチュエーションを生み出していった
作り手の力量に
舌を巻いたことでした。
・モスクワカヌ「バースデイ」
一番上演時間の短い、どちらかといえば掌編に近い作品なのですが、
底知れぬ深さを持った作品でした。
構造も単純で、
夫の帰りを待つ妻が、
レシピにしたがってケーキを焼いている姿なのですが・・・・
どちらかといえば、感情を排した
レシピの読み上、げが、
女性の想いの抑制と重なり、
バターとマーガリンの置き換えが、
女性の不安や揺らぎを背負って、
次第にケーキ作りから女性の内心の風景へと
舞台を置き換えていくそこまででも、決して凡庸な作品ではなく、
ワンアイデアで女性の想いを観る側に開く秀作ではあるのですが
でも、この作品、そこからの更なる踏み込みがあって・・・。
女性は、想いに捉われ、
ケーキを、込められた暗喩をそのままに、
オーブンに入れっぱなしにして
黒こげにしてしまう。
その黒く焦げたケーキが、
女性の内心の観る側を凌駕するようなありようとなって・・・・。
そのリアリティをもった強烈な印象に
観終わってからもしばらくドキドキしてしまいました。
・坂本鈴「親指姫」
着想にしても、その物語への落とし込みにしても、
観る側が自然に共感できるユニークさがあって、
しかもプロットがとてもしっかりしているので、
観る側がその分、物語の筋書きにダイレクトにのめり込んでいける。
キャラクターの設定にしても、
そのパフォーマンスにしても、
観る側は何気なく受け取ってしまうのですが、
その一つずつには、
只流してしまうのではなく、
観る側の深いところに眠っていた感覚を呼び覚まされたり、
くすっとさせられたり、
恣意的なベタさに寧ろ惹き込まれたりと、
観る側をシーンごと、セリフごとに揺さぶる
色とりどりの仕掛けが紡ぎ込まれていて・・・。
シラノ・ド・ベルジュラックの如き哀愁をちゃんと抱えて、
でも、POPな感じや、軽質さや、スピード感に惹き込まれ、
舞台にはグルーブ感すら生まれて。
でも、それらを一過性のものとして霧散させない作品としての奥行きも、
きちんと作りこまれていて。
その結末が、ちゃんと観る側を満たしてくれる。
主人公の二人には、
それぞれに観る側を味方につけるだけの
ロールの作りこみがあって。
同級生の女子を演じた3人も、
役者としてのキャパの広さを観る側に印象付けるお芝居。
男子にも、しっかりとリアリティと戯画感のバランスをもっと
舞台上での存在感があって。
また、作品のアウトラインを観る側に描いていく
安定したナレーターの存在も、
作品の疾走感を素敵にしっかりと支えて。
ピュアで、ちょっぴり色香があって、
ドキドキ感も、薄っぺらさもあって・・・。
なによりも、ベタな言い方で申し訳ないのですが、
この作品、ノリがよくておもしろい。
なにか、抗う術もなく、見事に取り込まれてしまいました。
*** *** ***
4人の女子劇作家の方たちそれぞれに、
従前に拝見した作品の印象もありつつ、
どの作品にも、作り手とチャレンジのようなものを感じて・・。
時間的にはそれほど長い上演時間ではなかったのですが、
なにかものすごく心地の良いボリュームを感じた
短編集でしたでした。
ある苅屋くんの人生
怪傑パンダース
ザ・ポケット(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
あっち方面かあ
あっち方面から離れた作品も考えたらと思いました。
ネタバレBOX
人生はシナリオに書かれた通りに進むのかと思っていたら、冥界の盟主は魂の自由を謳っていて束縛することを禁止しているそうで、結局シナリオ通りに強制的に進めていた会社は冥界警察に摘発されてしまいました。
ということは、人生にはシナリオは無いのかと思うと、ラストで苅屋君の頭上にシナリオが落ちてきました。シナリオはあるけど無視できるということらしいですが、新婚旅行に行って飛行機事故で死ぬという最後のページを読んで飛行機を避けるのはちょっとずるいし、その後は何も書かれていないわけですから、やはり人生にはシナリオは無いと考えて良いのかもしれません。
オカルト好きや黄色い髪の人が登場していました。この作者は降臨なども好きなようですが、こっち方面から離れた作品も考えたらと思いました。
ところで、前説で若手二人が結果的には端役の先輩俳優からスリッパで思いっ切り頭を叩かれていましたが、完全にボケとツッコミの範疇を逸脱しています。そんなパワハラ被害に遭う人生は嫌だー、そんなシナリオこそ無視して破り捨ててほしいと思いました。
マリオン
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
今までとはちょっと違った雰囲気
いくつかの時間軸に、いくつかの物語が展開されていく構成、役の演じ分け、見事でした! シーンの転換も巧く分けられてはいたのですが、少し解りにくかったところがあったのと、舞台設定の全体像のイメージがぼんやりとしか想像できなかったのに観る側の力不足を感じました。
ある苅屋くんの人生
怪傑パンダース
ザ・ポケット(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
面白かったけど・・・
ストーリーの展開は面白いかったし、箱(ボックス)を使った舞台道具も効果的でした。
出演者もエネルギッシュなのに、この舞台に歌は必要だったのでしょうか・・・?
Sta,24 SHIKIBI
EVENT-STATION.
王寺町地域交流センター(奈良県)
2013/06/14 (金) ~ 2013/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
最後に選んだ幸せのための選択
九兵衛がいなくなり 強い戦士を作るため 誰も間違っていない でも正しくない。
後はお前が決めろ 返り血の赤で染まった髪
里が生き残る 人が生き残る為の掟 そして最後に選んだ幸せのための選択 面白かった。
ネタバレBOX
死鬼火は里 死鬼火は戦士の名 三味線の音 遊郭 九兵衛と2人 ガキが出来たら迷いがある 寒太郎が出来て 死鬼火は傭兵 9才になったら 鬼の肉を食わす 食わなければ良い 俺たちで守れば良い 俺は黒鬼 里を裏切れない牙お前を拾った・・・・夢か この3年老けたな 鬼の血のせいでお前は若い 私は血抜きをした 死鬼火の肉を喰わさん事も出来ただろう 子の鼓動 命が惜しくなった オレ自身の居場所がなくなった 九兵衛 死鬼火は家族だ みな分かっている 誰も追ってこなかっただろう 牙は裏切った スガマサが切られた 逃げる時に切った 捜索も帰ってこなかった。 仲間殺しだ 奴はまたたぎの使い手 お前しか出来ない。 その手を見れば分かる。
トラを殺した、毛皮 買った毛皮? キリガシマ 香殿にあげれば、 かたじけない ノノ最強 無理してないか、
九兵衛が帰ってきた、// 鬼の間に来るとは、思わなんだ、あれから1ヶ月 春だな赤木様 よく戻った 帰って来たくなかったろう 正直な奴 ナナは元気か よく生きていた みな心配していた。 逃げたのは掟破り 命を取る所 スガマサは、牙に切られた わしが見た 死鬼火の肉をすべて食べれば 九十九鬼になりたかったのか 九兵衛すまね 頼む 仇を打ってくれ ガヤガヤガヤ ノノが来た 殴る 九兵衛:牙を切れるのか? 愛弟子 家族 けじめ 皆が九兵衛が殺して事になっている、里で血抜きをすればよい。 九兵衛がここに来るかも。ノノはナナの手紙を読む ナナを幸せにしているのか分からない 幸せだってさ 私の気持ちも知らずに ナナは村を出ようといった ノノにしか迷惑をかけれないから、ナナのために私の前から消えろ 私ら色鬼で、牙を立つ わらび 牙 九兵衛 なりまさを逃がす そろそろ完成 食べごろ 何を知っているスガマサの子 肉を食って死んだ子は 鬼に食わせる 赤鬼 げんどうが食わした。 牙を殺しちまった、死鬼火の鬼を殺すつもりだった 九兵衛 ナナの所へ帰れ カキュウ殿結界の里へ 血を抜ける 里は死鬼火 里があって 掟 人 抗うしかなかった 子は強くないとどうなる 陣に切られる 赤鬼 その剣は、牙の、 九兵衛がいなくなり 強い戦士を作るため 多くの肉を食わせた 鬼は腹をすかせた、鬼はこの奥 後はお前が決めろ 誰も間違っていない でも正しくない。 うおーーー 終わった 返り血の赤で染まった髪 赤鬼だ 長だ 皆達者でな 九兵衛。 里が生き残る 人が生き残る為の掟 そして最後に選んだ幸せのための選択 面白かった。