最新の観てきた!クチコミ一覧

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しあわせの詩

しあわせの詩

One on One

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしいの一言。
知人に紹介されて観劇。
値段も去ることなが、歌唱力、ダンス力などは小劇場のレベルではない。
音楽もとても心に残るものがある。
作演出音楽を担当している浅井さやかという方は才能溢れる人なのだろう。
一番びっくりしたのは、当劇団のHPを見ていたら過去の作品におぼんろの高橋倫平が(同姓同名がいない限り本人なんだと思う。)レギュラーで出演していた事である。どういう縁かは知らないが、高橋倫平が出ているこの劇団の舞台も見てみたいと思ってしまった。

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★

青春1ページ
3方向からみたら、また違う楽しみがあったのだろうと思う。
序盤に3年の女生徒が「携帯を使わないでください」と言われたのに対して「メモしてるの」といいながらゲームをしていたのが見えたのには思わずニヤっとしまった。
人のあげあしを取り合うことがここまで笑いに変化させるとはさすがですね。
その一回の文化祭のことを考える人間と
今後の学校の事を考える人間。大人になりつつある高校生たちの
簡単ではない、青春の1ページを見た。

Modern Dance Performance~ロンド・カノン形式による創作~

Modern Dance Performance~ロンド・カノン形式による創作~

日本大学藝術学部演劇学科

日本大学藝術学部 江古田キャンパス(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/19 (土)公演終了

満足度★★★★★

無題861(13-300)
13:00の回(やや曇)。12:15受付(整理番号札あり)、12:30開場、此処は2回目(2012/11)、また5列目に座ります。3年生の舞台総合実習IVD(洋舞)、12:55前説(110分、15分休憩あり)、13:02開演〜14:02、14:18〜15:15終演。14演目、どれもたいへん良かったです。振付(表情、表現、様式)、照明、BGM。2人による「100万回のいいわけ(キラキラ衣装)」、「薔薇く(結構ハード)」、「還る(シルエットが鳥肌が立つくらい綺麗)」…
みていて素直に感動できる作品ばかり、ダンサーも爽やか。

※会場を出て見えてきたのは翼を拡げた「サモトラケのニケ」、前来た時は大雨だったのですぐ駅に向かった、だから気がつかなかった。本物をみる機会はないと思うけどこっちも感動した。

唐版 滝の白糸

唐版 滝の白糸

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/10/08 (火) ~ 2013/10/29 (火)公演終了

満足度★★★

あの女に魅せられたのか……
最上階の横の席から見下ろす形で、隣のお客さんと協力(笑)して譲り合いながら身を乗り出し見切れと戦う。
ありがちな席だったが、観劇には十分だった。
自分の心の中で感じて、世界を作るべきアングラ芝居なのだろうか。

ネタバレBOX

やはり怒りと悲哀、人間らしさといったものを感じる舞台だった。
流石に演出は見ごたえがあるし美しかったと思う。
印象に残っているのはお甲の登場シーン。これは圧巻だった。
重要なシーンだと思うのでここまでになるのは当然なのかとも思ったが……
運送屋の持ってきたクローゼット(?)が不気味に空き、中にはハンガー。鳥の声。そしてドン! という音が聞こえんばかりにクローゼットの上に堂々とした立ち姿で現れるお甲。衝撃だった。
そして小人レスラー達が自分達の影を見つめて喋るシーンも何だか悲しく、そして温かくなった。
なんと言っても最終盤、太夫がアームに乗って舞台を飛び回りながら手首から血を噴き出し、それをアリダが追いかけるシーン。
狂気ではあるしどんなシーンかと問われても分かりはしないのだけど、その血からは熱さを感じた。

途中の運送屋コンビのお笑いシーンはこれも流石プロ、テンポが良く笑えて面白かった。
音響はクラシックの選曲が意外と無難な印象。
セツナイカラダ'91

セツナイカラダ'91

Tricobo×ハイブリットハイジ座

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2013/10/15 (火) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

余りぺダンチックになる必要はない
第一部は、欺瞞社会の生みだすホラー。第二部は、奇妙奇天烈を衒ったマトモ。

ネタバレBOX

 中学の同級生4人は、ルームシェアをして生活している。タケちゃん、アキホ、カスミ、エリの4人だ。アキホとカスミはカップル。タケちゃんは盗癖があり、カスミから脅されている。一方、アキホは、エリと肉体関係を持ったことがある。ところで、スマホに配信されたニュースに矢張り中学の同級生、セイコが、インドで飛び降り自殺を遂げた、というニュースが配信されていた。セイコはタケちゃんに好意を寄せていたのだが、カスミは、これを利用してタケちゃんにセイコを呼び出させ、顔に大きな傷をつけさせた。以降、彼女は物凄く大きなマスクをつけて登校していた。そのことを含めて、彼女は皆のからかいの対象とされ続けた。つまり、陰惨な苛めがずっと続いていたのである。その原因の決定的なものを作った同級生は、総てここにいた。
 セイコの自殺記事が出て以降、この部屋には怪奇現象が起こる。突然、電器が消える。何かが落ちる。窓の外を制服を着て後ろ姿のセイコが音も無く過る等々である。
 セイコのことなどすっかり忘れていた彼らだったが、いつの間にか現とも幻とも判断できなくなるほど追い詰められて初めて、自分達が、面白半分にセイコを苛めていたことに気付き始めている。この中で、直接セイコ苛めに関係していないのは、アキホだけだ。彼は、いくら酔っ払っていたとはいえ、この2カ月だけで2回もタケちゃんに財布の金を抜き取られている。而も、本人は酔っ払って何処かで落とした、か使ってしまったのを忘れた位にしか思っていないようなのだ。他の3人はある意味でグルだ。犯罪情報を共有しているからである。
 今作で注意して置かなければならない点は、犯罪情報を共有している3人が、支点としているのは、常に苛め、からかいの対象であるということである。最初はセイコ。次は、アキホ。而も、アキホの現在の彼女は、カスミ。おまけにエリが誘ったとはいえ、かつてアキホはエリと肉体関係を持っていた。
身体二元論を持ちだすならば、悪とはいえ、精神的犯罪には、タケ、カスミ、エリが関わっており、肉体レベルでは、一夫一婦制の破戒である男1人に2人の女という非倫理的な問題が露呈する。而も、肉体の非倫理性に対して優位にあるのは、精神という形の悪なのである。更に言うならば、作家は、これらの苛めの埒外に傍観者としてい続けたが故に、苛めの卑劣を知っており、その卑劣の告発をする為に、このような作品をものしたのではないか。一定の正義漢を感じると同時に傍観者であったことの罪を己に問うまでには至っていないようにも思うのだ。その原因は、欺瞞社会をそれとして認識しつつ己をその構成者の一人と規定し、ラディカルな外部者になろうとしていない点にある。ここから先、本気で演劇に関わっていこうと思うなら、根源的であると同時に本質的なラディカリズムについては考えて見てほしい。

第二部ハイブリッドハイジ座
 主人公を演じた身体能力の高い役者、奇妙奇天烈を衒った作り方はしているが、案外正常だ。その分、深層分析をする必要があるだろう。(追記後送)
 体にコーラ臭の沁みついた男、彼を恋する女。

【終演しました!ありがとうございました!】DOLL

【終演しました!ありがとうございました!】DOLL

キレイゴト。

サブテレニアン(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

少女たちの思春期
 思春期の女の子達5人は、高校1年で寄宿制の学校に入ったルームメイト。如月 小春が、実際に起こった集団入水事件を基に書いた本作は、未だ、世界と向き合うには幼い、期待と不安にないまぜになった少女たちの不安定で幽き在り様を呈示した。

ネタバレBOX

 蝶よ花よと育てられ、思春期ともなれば、異性への興味や好奇心も湧く一方、同時に不安も抱えなければならない少女達は、自衛の為にも、微妙な距離を世界に対して持つことを宿命づけられる。それは本能に近いものかも知れないし、社会的なものかも知れない。寧ろ、実際には、それらが分かちがたく結びつき、身体的な変化が追い打ちを掛ける、ということでもあろうか? 何れにせよ、実際問題、体験が不足している分、既知の体験をベースにせざるを得ず、その狭いことにも気付かぬまま、自分をガードしてくれる距離が同時に自分の可能性を阻んでいることには臆して気付かぬまま、不安定なメンタリティーを共有できるルームメイトの共同性に殉じた物語ということができよう。
 唯、この物語は、恐らく思春期の少女達は誰でも通り過ぎる過程なのだ。そして、このメンタリティーが、常に、個々の少女のそれに共通するものであるが故にこそ、人気のある作品なのであろう。
男達が良く言う“箸を落としても笑いたがる”云々の少女達の不安定感とは、このようなものである。
 有名な作品なのであらすじなど内容については、述べない。今作に関しては、演じている女優も演出家も若い女性なので、ちょっと前まで、主人公と同じような体験を持っていた女性達である分、実感の籠った瑞々しい舞台であった。空間的にも、小さな小屋で、親密感が共有でき中々迫るものがある。
『ムサシ』ロンドン・NYバージョン

『ムサシ』ロンドン・NYバージョン

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2013/09/27 (金) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろかった~♪
作品中に一貫して流れるテーマは「恨みの連鎖を断ち切る」、「命の尊さ」について。
休憩込みで3時間超えの作品です。役者さんたちはほぼ出ずっぱりで、早い掛け合い、長台詞と負荷が相当にかかるのではないかと思われます。
ですが、中だるみのないテンポのよい展開。終始笑いが絶えません。
練られた脚本に芸達者で化物級(褒め言葉です)の役者さんたちが奏でるお芝居を堪能しました。
観終わった後素直に、「おもしろかったなぁ~」と思える作品でした。

エビス朗読の会 終了

エビス朗読の会 終了

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

しんみり&ほんわか
B。
金曜夜だったからかもしれないが、なんだかとってもいい心持ちになれた。

前半は、話の展開でしんみりするところがあるのだが不思議にほんわかしてしまうのが不思議だ。

後半は、朗読というより芝居だった。感情表現がぐっときた。

生演奏とバーの雰囲気、いい気持ちだった。ちょっと贅沢な感じもした。

ネタバレBOX

前半の話なんだか「くすりゆびきり2」?

話としては出来過ぎかもしれないけど、彼女ずるさというか感謝の表現なのかわからないけど、出会いのプレゼントの話や香水の話、そして恋愛結婚の話が重なってくる。

しかし香水はもしあの場面まで考えて、あの時しかつけていなかったとすると複雑な感じがする。

後半は、いい芝居だった。正直話自体は深くないけど、2人のやりとりが会話劇みたいだった。人物像が2人ともいいなあ、と思ってしまった。
表情も素敵で。


強いて希望を言うと、
前半もっと彼女のセリフが欲しかった。
前半朗読がもう少しゆっくりで間があってもいいかも。
照明が暗いところがあった。
Two Moons

Two Moons

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

元気が足りない
登場人物がすくないと、わさわさしている感じがなくて、落ち着いて観ることができますよね。
ただちょっと寂しい感じがなくもなかったですが。もっともっと元気な芝居が観たかったです。

ダイアログのとき、棒立ちで台詞を言ってるのが目立ったかと。サブシチュエーションっていうんですかね?台詞以外のものを持ち込まないと。
台詞に描かれた情報量しかないと、シーンが膨らまないような気が。

マルスフィクション

マルスフィクション

.comet <ドットコメット>

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/21 (月)公演終了

満足度★★★

遠い世界のおはなしでした
いちばん前で観たんですが、鼓膜破れるかと思いました。

放送時の、説明とか、理屈とか、そういうのが小難しくてよくわかりませんでした。

ネタバレBOX

なんかちょっとむかつく話でした。自分たちの都合しか考えてないっていう。
騙されて火星に行ってしまって苦労しているだろう人たちの立場は?

騙してる人たちを守るために、騙し続けるってのは、詭弁に思えるんですが。どうなんだろう。
みんな、変な人にしか見えなかったよ。

いい仕事があるって女性を騙して、むりやり従軍慰安婦にさせられたっていう昔の話を連想しました。騙した広報を守るために、多数の女性を不幸に陥れ続けるみたいなもの、というか。そしてそれが正当化されていっていう。

Show the BLACK

Show the BLACK

大川興業

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

暗闇。
本当に真っ暗闇でした。始まる前は怖くてドキドキでしたが面白かったです。

ブリキの茶袱台

ブリキの茶袱台

office HOMME / team Genius bibi

Geki地下Liberty(東京都)

2013/10/15 (火) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

【Bチーム】観劇
深華さんは国分佐智子さんに似てらっしゃいました。

ネタバレBOX

女子寮の明日華の部屋に闖入してきた家族に恵まれなかった人たちが団欒を体験して大団円という話。ブリキの卓袱台とは、子供の頃10歳の弟からもらってドールハウスに飾っていたおもちゃの卓袱台のことでした。

ここまで書くといい話のようですが、電気屋は変態、管理人は勝手に部屋に入り込む下心ありありのつきまといストーカーで、全体に下品でした。弟にしたって目付きが変だし、あれじゃ下着泥棒かストーカーです。

そんな中、明日華役の深華さんは可憐、警官役の柴小聖さんは細くて可愛かったです。下品が感染らなければと切に願います。

後半、ヤクザの兄貴が喋りだした頃から急に説教臭くなり、古臭い人情コメディの様相を呈しました。ご飯を食べる団欒シーンも、一緒にテーブルを囲んだら家族だなんて、ちょっと白々しかったです。

おもちゃ会社の女子寮に正社員じゃ無い派遣社員の社員が住んでいるのは謎でした。
アンドロイド版『三人姉妹』

アンドロイド版『三人姉妹』

青年団

新国立劇場 中劇場(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/19 (土)公演終了

満足度★★★★★

いや、おもしろかった。
おもしろい演劇だった。
平田オリザに◎。
井上が最初に舞台に出てきた時の演技が素晴らしかった。

マルスフィクション

マルスフィクション

.comet <ドットコメット>

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/21 (月)公演終了

満足度★★★★

火星放浪記
エリーさんは有森也実さんに似てらっしゃいました。

ネタバレBOX

火星からの中継が嘘という内部告発発言は音声が途切れたりする手法でごまかせましたが、最終的にはハーレーダビッドソンのツーリングが映り込んだことでバレてしまいました。しかし、先ずは話題になったことで政府からの追求を免れ、次に検証番組でもう一度盛り上げ、さらにこれからも毎年追跡検証番組を作ることで移住喚起を図るという移民局のしたたかさはお見事でした。

移民局が最初に打ち上げたロケットは不備があって飛行士を降ろしてとりあえず飛ばすだけ飛ばして失敗したということでしたが、その後のロケットで移住希望者は火星に行っているわけですから、火星における何がしかの日常生活の情報が例えばドットマルスのドメインを持つ移住者からインターネットを通して地球の人にあまねく届いていても良さそうなものなのに、その気配が全く感じられなかったのは腑に落ちませんでした。もし政府が火星からの情報発信を統制しているとしたら、その事自体が移住を躊躇させる要因になり、宣伝番組を作る以前の問題のように思えます。

この番組に携わっていた人たちは皆ストレスを抱えていました。その中でも目一杯働いて休日を南の島で過ごすのが生き甲斐の女性が、本件の騒動で南の島に左遷させられることになった途端、秘密を守ることで溜まっていたストレスが一気に無くなり、南の島へ行く必要が無くなったというオチは素晴らしかったです。
未来を忘れる

未来を忘れる

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★★

文学座アトリエからパンチの効いた問題作誕生。
めちゃくちゃ刺激的で面白かった!!未来の物語(?)を追ってドキドキ、キてる抽象舞台で堂々はじける俳優の演技もスリリング。疑問が次々と浮かび、心揺さぶられた。上村演出はグロすぎず怖すぎず、ど真ん中から挑発する。バランス良くて上品。俳優が可愛らしく優しく見える。題材が題材ゆえ途中退出した客もチラホラ(文学座のお客様ですし)。松井周戯曲を丸めず立体化できた証拠かと。約2時間25分(休憩10分込み)。

ネタバレBOX

隣国からミサイルが撃ち込まれ、標的になった原発が爆発し、大震災が頻発する近未来の日本。それを過去の出来事として想像することは、今生きることの助けになると思います。
ケンジ先生

ケンジ先生

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/09/20 (金) ~ 2013/09/25 (水)公演終了

満足度★★★

理想の先生とは? ダブルキャストのミックスキャストを連続観劇。
先生がいなくなった未来。
旧型アンドロイド先生が教えてくれた、理想の先生とは?

笑って泣けるキャラメルボックステイスト。
圧倒的な安定感。
今回は上演時間90分、と短かめで少し物足らない感じも…。

完全ダブルキャストで、多くの劇団員が出演。
せっかくの劇団公演なのですから、是非あまり偏りなく多くの方に出演してほしいと毎回思ってます。
また、この日はたまたま2回ともミックスキャストの日でしたが、本来の組み合わせで観たかった気もします。

Show the BLACK

Show the BLACK

大川興業

ザ・スズナリ(東京都)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

「災害ユートピア」が暗闇に潜んでいる
暗闇の中、劇場に響き渡るのは、役者の放つ声のみ である。
姿形が見えぬなら、音響プレイヤーをステージに置き、それを流せばいいのではないか、という人もいるだろう。

その疑問は的を得ており、たとえば映画館のスクリーンを照らす映写機が故障していた場合、作品の音声だけでもチケット代1800円 支払う観客は皆無である。もし、字幕版『アバター』を音声だけで聴けば、臨場感のある英会話にすぎない。

だが、このような【?】を頭上に浮かべる紳士淑女は、「暗闇演劇」を一度も観劇しておらず、ネオン街の生活に溺れてしまっていることを察する。
今すぐ、ネオンの小さな発光体をリサイタル店に出すか、秋葉原で高環境性能のLEDを購入し、付け替えるべきだろう。

「暗闇演劇」の特徴は、都会から一つの「別空間」として劇場を分離する点にある。これが、世に云う「怪談噺」の雰囲気作り だが、やはり見知らぬ人同志が肩を寄せ合い、「別空間」を共有するのは日常生活を送るなかで そうはない。私は、東日本大震災で海外メディアが「支援物資に並ぶ日本人」を賞賛した記事と結び付けたく思う。
「災害ユートピア」と呼ばれる、大規模な自然災害後に出現する人と人が共生の精神の下、供に助け合う集団現象の一つの現れ である。震災後、仮設住宅での家庭内暴力などは問題になったものの、「社会動乱」(自然災害含む)を機に内閣へ非常事態権の付与を可能とした改正憲法案を読むと、自然災害を もう一つの顔=「災害ユートピア」のアプローチで考える観察眼も必要ではないか。

観客(他者)の存在を感じるのは「笑い声」…。あるいは、「笑い声」を発することでしか、自らの存在を示すことはできない。
おそらく10年目を迎えた「暗闇演劇」のレビュー史のうち、観客の相互関係を紐解いた文書は 他にあり得ないだろう。


密室で起こるサスペンスだとか、笑いだとか、疑心だとか、団結だとか、そういった糸を辿ってゆく感覚は いつの日かの少年である。
この演劇を、スポットライトを当てた上で行ったとしても、私は「すぐ消してください」と切望するに違いない。


※ネタバレ



街から灯りを消せば、電力と 煩わしい毎日は排水管の底へ沈む。しかし、一人きりになれ、とは言わない。
「蝋燭」の周りに、見ず知らずの人々が集まり、供に同じ空間を共有する…。それこそが、中世ヨーロッパの共同体であって、日本の落語文化であって、社会的には「災害ユートピア」へ繋がるのだと思う。
私たちは劇場を出た時、旅に疲れ癒されたヒッチハッカーである。


ネタバレBOX

もちろん、2時間 ずうっと暗闇だったわけではなく、「蝋燭」程度のライトアップにより圧倒的身体美を見せつけられたシーンも あったのだが。
中野の処女がイクッ

中野の処女がイクッ

月刊「根本宗子」

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/18 (金)公演終了

満足度★★★

まとまらない
ん~。なんか気色悪さを感じました。普段は隠してるけど見せられると共感せざるを得ない感情をつつく、みたいな意図はあったと思うので、この舞台で「気色悪い」はある意味褒め言葉だと思うのですが、それとは別に「すわりの悪さ」のような感触が残りました。それが何だったのかうまく言葉にできなくて。頭の中でまとまったら追記します…。

未来を忘れる

未来を忘れる

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★★

何が起こるかわかりません!
突拍子もない発想は、今後の世界を予測できないからだろう。
生き残っていくためには、手段は選ばない。
そして、生命力のあるものの象徴がゴキブリ。
ゴキブリが人間の体内に侵入住みつき支配する。未来の人間はこれを良しとしていたが、ゴキブリには当然のごとく人間のような知性はないし、何かを感じ取ることは不可能。生きている意味失うことに人間はきづく。
過去に学習したはずが、未来になっても学習できていないこと=未来を忘れるということであろう!
ゴキブリ薬を注射した男女が宿した子供はブリ男(ぶりお)と命名!
人間がゴキブリの卵を産み落とす場面印象的。
役者陣はさすが文学座と思わせる、ハッキリとした言葉と日常会話そのもののスピードは実に自然で素晴らしかった!

中野の処女がイクッ

中野の処女がイクッ

月刊「根本宗子」

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/18 (金)公演終了

満足度★★★★

女性の、、、
女性特有のいや~な感じを、女性である作者が自己批評的に描き、それを女性の役者が演じている。
(勿論、男性には男性特有のいや~な感じがあるのも自明なことで、差別的に言っているのではありません、悪しからず。)
最後の方では、ちょっとテーマが変わってくる。
そこからの方が物語としては面白かった。

ただオールラストが私には茶化して終わったように思えたので、
満足度としては★3ですが、その点は不問に付せば★4。
(ネタバレの最後に、オールラスト部の意味について、過剰な深読みを試みました。おそらく誤読ですが。)

ネタバレBOX

まず、女性特有のいや~な感じについて。
私が男性だからだろうか、「女性ってそういうところあるよな」とは思ったものの、「うえ~」となるほど、嫌な感じは自分の中に生じなかった。

それは、私がもっといや~な目に現実であっているから、これくらいのことでは感じなくなっているのか、それともその逆で、男性だから、女性同士の微細な毒まじりのやり取りが感受しきれていないのか、、、。

いずれにせよ、日常の中に見え隠れする女性のいや~な部分という意味ではとてもよく描けていたと思う。

問題は、最後の方で、テーマがグッと変わってくる部分から。
女性同士の人間関係のテーマから、大きな事象を前にすると問題の本質がすり替わってしまうというテーマにシフトする。

まず、〈じゅん〉の財布が盗まれ、ゴミ箱から発見されたものの、誰の仕業かわからずにいる。そして、〈もなか〉がやったのではないかという噂になる。それも、何の根拠もなく、リーダーヅラされるのが嫌だったり、彼の元カノが〈もなか〉だという嫉妬からきているものだったり。だが、実際は〈イブ〉の仕業だったとわかる。それでも、〈イブ〉は一切悪びれる様子もない。親からの仕送りもありお金には困っていなく、単に面白そうだったからやったという。それも、その金を火で燃やしてしまったと。その様子に、なけなしの家賃6万5千円をとられ、その上、離婚して別れて住んでいる父からもらった大切な財布さえ汚くされてしまったた〈じゅん〉はブチギレる。
〈もなか〉も〈まゆり〉も一緒に〈イブ〉を責める。
その瞬間、青森で震度7の大地震が起きる。イブの実家は青森だという。
それまで、〈じゅん〉と一緒に〈イブ〉を責めていた〈もなか〉も〈まゆり〉も、状況が状況だからと〈イブ〉に優しくし、それでも責める〈じゅん〉をむしろ非難する。
「こんな状況なんだから、そんな小さなことくらいで〈イブ〉を責めないで。人の痛みがわからないの?」というように。

それまでの、女性の人間関係などはとても丁寧に描かれていたのに、この話の展開の部分は、異常にテンポが速く、描き方が雑だなと思った。
〈イブ〉には本当に何の理由もなかったのか?理由なき犯罪と言われるものの多くは、広い視野で見れば、何らかの理由は見つかるものだ。より広い視野で見た時、家族関係や同棲している彼との関係など、何かしらのストレスか何かがそのような行動を引き起こしたのか、、、など、、、深読みすれば、そうも考えられるが、そのように臭わすものは何もない。テンポも速すぎて、色々考える暇もない。

それでも、この問題提起はとても素晴らしい。

このように、別の問題が起きたらそれまでの責任を全く無かったことにするというのは、一般的な人間関係でも、政治的な問題でもよくあることだ。

特に政治では、原発事故が起これば、それまで原発推進(黙認)をしてきた責任などなかったことになる。戦争だってそうだ。戦争万歳と言い、侵略していた加害性は無視され、戦後に被害者としての姿だけが残る。あの責任はどうなったのか、、、国も、国民も。

作者に社会批評性があって書かれたことかはわからないが、いずれにせよ、私にはそう感じられた。震災が問題提起のきっかけだという点も、そのように感じさせる要因となっている。

ただ、この場面は足早であり、更にその次に別の展開となる。

実はその財布をひろってくれた〈ドミニク〉(メイド喫茶に来るお客)が現れ、彼は「〈じゅん〉ちゃんは僕のこと好きでしょ?」となる。(〈ドミニク〉は震災には全く動じていない。)財布の中に〈ドミニク〉と一緒に撮ったチェキ(インスタントカメラで撮った写真)が大量に入っていたからわかったという。そこで〈じゅん〉はその気持ちを認め、「その写真でオナニーをしていた」などと〈ドミニク〉に気持ちを打ち明けて幕。(キスしたんだっけ?ラストシーンなのに覚えていない)
中野の処女とは〈じゅん〉のことなのだろう。

ラストシーンの意味がわからなかった。
ラストの前に、とても複雑な罪の問題が提起され、それをスカすように、それまでのテーマと関係ない恋愛の話でオチがつく。

意味があるとすれば、そこで初めてタイトルの意味がわかるということ。前の方でオタクをバカにしていた場面があり、その差別意識をここでひっくり返していること、、、でも、これだけでは筋がまとまらない。

私なりに、過剰に深読みし、理屈づけてみる。

〈じゅん〉は皆の前では、一緒になってオタクをバカにしていた、もしくはそのような発言を黙認していたにもかかわらず、実際は好きだった。
これは、本音を隠して集団に合わせ、本当は好きな相手をさえ、皆と一緒になってバカにする(黙認する)という人間の本質を問いただしているともとれる。それは女性の集団性というだけに留まらず、人間全般の集団性(特に日本には強い)を問うている。ファシズムの問題を。
そすだとすれば、前のシーンの問題提起と重なる。

または、皆が震災で右往左往する中で、価値観が一変していくが、オタクという一つの価値観をしっかり持っている〈ドミニク〉だけが、まったく変わらない日常を送っている。
この解釈でも前の問題提起と繋がる。

だがこれは、私の過剰な深読みだろうな。

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