最新の観てきた!クチコミ一覧

102921-102940件 / 189734件中
シャッター

シャッター

MIKANCHIagency

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

青春ドラマ
「地雷を踏んだらサヨウナラ」は見たことがありませんでしたが、こういう話ですと重苦しくなりがちですが、タイゾー役の久家さんのキャラクターなんでしょうか、重くなりすぎず、爽やか青春モノと言った感じで楽しめました。他の出演者の方々の芝居や歌、ダンスも充実していて、これで2000円は安すぎます。

それより何より、舞台挨拶に登場された作・演出のキョウさんがお若いことに一番驚きました!

ある一人の変態から

ある一人の変態から

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/18 (火)公演終了

満足度★★★★

けっこうリアルなHIV感染にまつわる話
絡み合うカップル等の群像劇って云えましょうか?
なんかアルアル話も加えて上手に舞台を見せていた1時間50分

ネタバレBOX

昼メロのドロドロもののダイジェストみたいな印象を受けました

オープニングの猿を襲うシーンはインパクト強かった~

登場人物たちの日常が何かリアルで生々しかった(表現が上手っす)
(またその人間関係の関わり方とかが絶妙で巧かった)
売れない画家夫婦の仲の良さや、
妊娠に纏わる話で感情大きく揺さぶられました。
(脚本家の人を見る視線が暖かいからかしら?)

舞台では珍しい本物の肉切り包丁登場は緊張感ハンパなかったです。

最近では珍しくアンケート記入の要請が用紙が無かったですわ
(ご意見ご感想あればホームページからのメールにして欲しいそうです)

売れない画家=田端俊博の売れるためにとろうとする行動と、思い止まる心の成長&妻=百合の妊娠~流産までの流れの中で語られる夫の暖かい労わりとか思いやりの表現が良かったです。またその反動で自殺しようとするHIV感染で自暴自棄になったプロディーサーを助けるシーンへの繋がりも巧みであったデス(妊婦の10人に一人が4ヶ月目までの安定期前に流産するとかの知識はリアルでした)五体満足で生きているだけで奇跡に思えるという引っ張りも納得です。(奇形とは体内での器官とかでもあるんだよなぁ・・と古い知識が掘り起こされました=ふた昔前位に人体の奇形症例集めた本が出た時にも五体正常で生まれる事は奇跡に思えるんだよなぁとも思い出しました)
狐雨の花嫁

狐雨の花嫁

株式会社Legs&Loins

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

色々ともったいない
Aチームを観劇。約二時間弱。休憩なし。

会場に一歩踏み入れると、そこはもう神の国ヤマトでした。
舞台装置は本当に素敵。
衣装もこだわりが光りました。
特に狐達の白や銀を基調とした衣装は綺麗でした。
音楽(音響ではない)も、選曲がとても合っていました。

が、しかし。
ちょっと殺陣に比重を置きすぎました。
「恋愛活劇」との謳い文句でしたが、恋愛要素の割合はめっちゃ少ないです。
その殺陣ですが、TVや大劇場ではありませんので、実際には相手に触れていないのがバレバレな訳です。その殺陣に、あの効果音は合わないです。で、斬る効果音が片手で数えられるくらいしかなく、それが延々大音量で流れるので、すごくチープに感じてしまいました。
そしてアドリブパート!
キタキが狸軍の城へ赴くシーンでのアドリブパートで、観劇への集中が途切れてしまい、再び本編に戻っても、私の集中は切れたまま。最後まで再び集中スイッチが入ることはありませんでした。
アドリブパート自体は、ネタの面白さは置いておいて、無茶振りしたり、された人が反旗を翻して無茶振り返したりと楽しめたのですが…
全編に渡る笑い総じて、しつこい、くどい、かな。私には。

最後に。申し訳ないが、姫はもっと姫であって欲しい。
狐の一族から姫を奪われるくらいなら、と狐が全滅するかもしれない戦いを決意させる程の姫らしさが欲しい。
そういう意味では、狐の将軍の妻は良かったです。

本編とは関係ありませんが、当日パンフレットのこの形態は初めて見ました。
観客に持ち帰ってもらう工夫でしょう。アンケートをWebで集めるのも初めてです。回収率は紙と比べてどうなのでしょう?

色々書きましたが、あの空間に創り出された世界観(美術、役者含め)は本当に素晴らしかったです。

売春捜査官

売春捜査官

劇団EOE

都内某所(東京都)

2014/02/17 (月) ~ 2014/02/17 (月)公演終了

満足度★★★

気持ち昨年より進化していた

昨年の「売春ー」よりは、だだすべりシーンが減っていたが、相変わらずグダグダ。

ただ、今後も応援したくなる劇団ではある。

ネタバレBOX

浜辺の一番泣けるシーンが多少割愛されていたのは、残念。
アザミ

アザミ

弘前劇場

ザ・スズナリ(東京都)

2014/02/13 (木) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★

複雑な関係!
愛人かつ仕事のパートナーであった女学生をめぐって、作家の大学准教授とその女学生と結婚を約束した男子学生の複雑な心理戦から事件が起こります。そして最後にどんでん返しがあります。
大学准教授で作家役のテレビでも馴染みのある村田雄浩さんの苦悩ぶりに弘前劇場のキャストが怪しく演じます。とても深く見ごたえ十分でした。

ネタバレBOX

ストーカーだった男子学生のあの冷静さはなかなか理解しがたい。
対照的に49歳の准教授の取り乱しようはどちらが大人かわからなくなるほど。
狐雨の花嫁

狐雨の花嫁

株式会社Legs&Loins

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★

特に盛り上がらず・・
【B】キャスト観劇。
煌びやかな舞台。

ネタバレBOX

けして結ばれぬ運命の男女にとほほな結末。
新説・とりかへばや物語

新説・とりかへばや物語

カムヰヤッセン

ウイングフィールド(大阪府)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです!!!
役者、演出等々諸々、いろんな意味で面白い♪どんどんどんどん前のめりになりながら見入ってる自分がいました。ここまで前のめりに観る舞台はひっっっさしぶりかもです♪

Rock'n role-playing

Rock'n role-playing

おぼんろ

南青山MANDALA (東京都)

2014/02/16 (日) ~ 2014/02/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

堪能しました!
初めにお断りしますが、私は音楽派の人間です。小説や絵画等、音のないものでも私がそこに「音楽の風が流れている」と感じたものはすべて、私にとって「愛すべき音楽」なのです。
戯曲についても同様のこと。
そして「音楽性」の高い戯曲であればあるほどBGM的な音楽は耳に入らない。自分の中で鳴っている音楽にかき消されてしまうから。
耳に入るのはミュージカルのように音楽自体が強く主張しているか、戯曲がBGMに負けているか。
さて、この公演、ミュージシャンである父の背中を見て育った子がアクターとして父と正面から向き合う、という、この上なく興味深いもの。
結果、非常に満足です!!
双方がちゃんと向き合い、ぶつかり合い、融け合い混ざりあってひとつの世界を構築していた。
どちらが主役、ではなく、ぶつかる音は対等の力でぶつからなければ不協和音にしかならない。そして倍音効果。鳴らしていない音が、確かにそこで鳴っていた!
得も言われぬ美しさに体が震えました。
子は親の影響なしには存在し得ない。
末原拓馬は音楽の子です。
表現体は変わってもDNAは受け継がれる。
彼は今後も全身全霊で音楽を奏で続けるに違いない。

甚だ主観的な感想でした。

狐雨の花嫁

狐雨の花嫁

株式会社Legs&Loins

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高です!
今回は初めての劇団さんでした。正直期待満々でした。がそれ以上です。時間があっという間にすぎて素敵な時間をありがとうございました。次回作も楽しみにしています。

作品№8

作品№8

OM-2

日暮里サニーホール(東京都)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/15 (土)公演終了

満足度★★★

難解。
率直な感想でいってしまえば「わからなかった」の一言でしかありません。
ただまぁそれで良いんだろうな、とも思います。
苦手な人は苦手でしょう。私はまぁ、割と大丈夫な性質です。

皆様がすでに書かれているように、安い言葉で言えば「体感型アトラクション」でした。

ネタバレBOX

舞台中央に「集合」させられて「一方向」にむかって「突き進め」られる――。
演出の一部として利用された感は否めないですが……感じ方はそれぞれかなぁとも思います。

1点あるとすれば、私の勉強不足なのかもしれませんが、
「オイディプス」と「資本」の繋がりが良く分からなくて苦しかったです。

そういうことを考えていたら(いるから)ダメなのよーといわれてしまうかもしれませんが。。。難しいですね。
かぞく {チケットプレセント応募受付中}

かぞく {チケットプレセント応募受付中}

演劇ユニットハイブリッド

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★

擬制の終焉
 家族と言う擬制の背後と言うより地下に在る蠢きを視覚化した舞台。敢えて、図式的に分かったことになっており、体制側に取り込まれたことになっている表層に拘る形を採りながら、巧みな設定によってそれを逆転させ、アイロニカルな視座が、観客の心に残るように設えられている点が秀逸。

ネタバレBOX

  ところで、生存競争理論が、正しいなら、劇中で描かれているマイナスな世界こそ真実だろう。皮相的に聞こえるかも知れないが、頗るシンプルに下意識が、日常的な意識の反転であると仮定するなら、精神のプロトタイプを示すであろう幼児期と父権制下の父、即ち社会との対置に於いて抑圧、被抑圧の関係を取るだろうが、父権制そのものが解体された現在、社会的単位の最小のものとして、父、母、子一人を呈示せざるを得ない。だが、そういった擬制も既に解体しているとすれば、“のんべんだらり”とした日常は、無論、見せ掛けに過ぎず、本当の形は、生存競争の論理、弱肉強食であるのは、論を俟たないからである。
La saison du fruit de la passion  -ラ・セゾン・デュ・フリュイ・ドュ・ラ・パッション-

La saison du fruit de la passion -ラ・セゾン・デュ・フリュイ・ドュ・ラ・パッション-

セッションハウス

神楽坂セッションハウス(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/15 (土)公演終了

満足度★★★★

無題1003(14-042)
19:30の回(曇)。19:00受付、開場。舞台上に6着の衣装が大の字に。19:32前説(90分、2〜3演目の間に10分の休憩あり)、19:35開演〜20:12、休憩、20:22〜21:10終演。

①「花の詩」は、2013/8にスペース・ゼロで観た演目、今回はファイナルバージョンということでした。②「bridge」丸い月のような照明からスタート、陰影が印象的③「Project D」のHolidaysは、「show window(2011/10)」「しゃべる女(2013/2)」に続いての3作目、コミカルでカラフルなパフォーマンスとおとぼけ寸劇の組み合わせ④「3DK」男性(お一人、すみません、お名前わからず)の方演技が大きく大胆、迫力がありました。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高傑作、確かに。
こりっちにログインがしばらく出来ず、口コミ投稿が遅れました。すいません。

設定は非常識で滅茶苦茶、でもお話がしっかり骨太に通ってきっちり泣かせる構成。下ネタ不謹慎ネタを含む爆弾をぶっこみまくる作風は相変わらずにもかかわらず、お話自体の精度もどんどんあがっていて、本当に吹原さんは才能のある作者だと思います。どろどろした現代社会へのメッセージ性を込めつつも直接的ではなく、お話自体はベタな青春ドラマのような、人情ドラマのような手堅いまとまりを見せる。この際立ったストーリーテリングの才能は、繰り出される毒々しいネタの弾幕の中でも、ひときわ観客にとって安心感を与えるものです。
何度か観てちょっと思ったのは、吹原さんの作家としての才能が輝いている分、役者は技術が高いものの個性はそれほど強く押し出されていないという点です。印象に残る役者さんが毎回違うというか、いないというか・・。その意味で、PMC野郎というか、吹原さんの最高傑作のような、そんな印象を受けました。
同じく自分が良く観ている劇団は、やはり書く話書く話設定が非常識なのですが役者の個性を凄く強く押し出してくる作風なので、この時代のコメディとして色々比較してみるのも面白いです。コメディ劇団豊作の時代ですね。
しかし、人生の勝ち組って何なんでしょうね。

「r 」

「r 」

日本演劇連盟

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★

おいおいおい
前もって言っておくと、自分は木下伸哉のファンです。ですが、今回の作品は微妙でした。キャラクターが全然好きになれなかった。ジェシカ嬢は、いくらなんでも無理やりすぎるし、芝居がうるさい。そして今回、話のつくりが雑。会場は受けていましたけど、観ていてまさかここで終わるのかと呆然としてしまいました。話が平坦すぎる。前の野球の話や、港の話みたいなドラマが無い。あえてコント色を強めるために盛り上がりを避けたということなのかもしれないが、90分それに耐えるのは厳しい。

下でも書かれている通り、木下「コント演劇」はトリックスターのさじ加減を誤ると・・・やばい。コントでアクセントになるキャラクターでも90分それは観たくない。強烈キャラを出したいなら、PMC野郎みたいに、話自体をしっかり書くか、話としての盛り上がりを大きく持ってきてエンタメとして成立させないと見切れないです。

個々の役者は好演していたと思う。完成度が高い役者も多く、ひとえに台本の問題だ。非常にそれが残念。後、気になったのが、店員女子役の位置づけ、演技力は普通だと思ったが・・。前に見たときも思ったが、顔がいわゆるブス顔で、それがあんまり作品に生きていなかったというか、この子の位置づけはなんだったんだろう。演出のイメージと言えばそれまでだが、演技も普通だし、もう少し綺麗な女優さんを使うという選択肢はなかったのだろうか。

葦田さん、錦織さん、って書いている人に少し共感するのは、エンタメとして、やっぱりヒーロー・ヒロインポジションがほしい。イケメンなのに、美人なのになんて残念なんだ、っていうキャラ性が凄く貴重だった。そして、華やかさ・ショー的な要素が必要だと思う。前回のダンサーズもそうですが、やっぱりミュージカルシーンやダンスシーンが結構な清涼剤だったように思います。声がデカイ割にテンションがえらく低く感じたのは、この華やかさが足りないせいかなって思いました。

さらば箱舟

さらば箱舟

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2014/02/06 (木) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★

没30年記念認定事業?
認定するのは当然観劇前だろうが、認定した人(団体)はこれを観たら認定を取り消したくなったのではないだろうか。なぜか寺山に申し訳ない気持ちになる。この劇団はずっと音楽に同じ人を起用しているが、観劇前のこの人の音楽は寺山ワールドに合わないだろうという予想は残念ながら的中してしまったた。あの音楽ならない方がいい。舞城作品を観てあまり期待はしていなかったが期待しなくて正解。

テン・カウント・ゴング

テン・カウント・ゴング

ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース

シアター711(東京都)

2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
ロッキー観て、生卵飲んで走り出す程度にボクシングが好きである。という訳で今回はボイスドラマを2回聴いての観劇。やっぱり予習はイイ。理解度が上がる気がします。定番のボクシングドラマとアイドルビジネスの融合は大いに楽しめました。グッときましたね。

燃ゆる

燃ゆる

ノアノオモチャバコ

「劇」小劇場(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★

舞台美術とシナリオがイマイチしっくり噛み合わない
 舞台上には煙突が何本もにょきにょき生えている。総て、煉瓦造りの体裁である。殆どの煙突の天辺は、蓋で塞がれ、椅子として用いられている。寧ろ、最初から、この村のイマージュに合わせて、椅子にこんなデザインを施していると解した方が正解だろう。何れにせよ、“揺れる火”国内トップシェアを誇る村の火の精錬に纏わる話である。

ネタバレBOX

 そも、我々、現在を生きる知性を持つ生き物にとって伝統とは何であろうか? また、革新とは何であろうか? そのことを、神話にも採られた“火”の利用について問うた作品である。“もののけひめ”以前であれば、その慧眼は、それを評価しなかった評論家の汚点として残ったであろう内実を秘めているが、描き方は、やや間接的に過ぎたか。コミットの仕方をもう少し考えれば、更に良い作品になろう。コミットを過不足なく成功させる為に情報収集と適確な分析力を更に高めて頂きたい。
 人身御供の非人間性も、もっときっちり見据えて、ドラマチックに表現しえていたらとは思う。
Girls, be a mother【アンケート即日公開】

Girls, be a mother【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

社会派エンターテイメント
啓蒙的な社会派の作品であるが、エンターテイメントとしても実に面白い。お見事!

- かさない -

- かさない -

COoMOoNO

キッドアイラックアートホール5階(東京都)

2014/01/31 (金) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
リアルなセットの中での観劇は、いわゆる覗き見公演のよう。日常的でありながら、ちょっとつかみどころのない世界でしたが、ぼんやりと楽しめました。

星ガール

星ガール

多少婦人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/02/13 (木) ~ 2014/02/17 (月)公演終了

満足度★★★★

ストレス
 舞台美術のセンスの良さに驚かされた。誰でも宇宙船内部だと分かるし、全体的に白を基調にした壁なので清潔感があるのだ。椅子などは有色だが全体とマッチしているので落ち着いた雰囲気である。照明は、適確で上手いと感じたし、音響は、如何にも女性のポップな感覚が表現されていて好みである。また、男性の書く理論に走りがちなSFではなくて、人間関係調整の物語を、途轍もなく長い宇宙航行の宇宙船内という逃げ場のない空間設定に置かれた人間達の物語とした所に、この作品の斬新さ、面白さがあると同時にリアリティーもあるのだ。

ネタバレBOX

  どういうことかと言えば、同じ面子が朝から晩まで、面付き合わせていなければならないので、退屈する。その度合いは、苛めをゲーム化して陰湿化するのではなく、心理的楽しみとする所迄進んでいる、といった具合だ。
目的の星、クルカ星に辿りついたクルーは、現地で資源探査と採掘に関わっていた地球人、油井を収容して帰途に就くが、油井はクルーの異様な精神的安定に疑問を抱く。通常、狭い空間に長時間閉じ込められるような状況で、人間は、精神のバランスを崩し、ストレスの為に、殺伐とした精神状況に陥るものだからである。彼は、船内でクルーを観察、或る事に気付く。それは18時から20時の間にクルー全員に配られる薬についてであった。処方している医師、向井は、皆の食事の準備などもしているのだが、毎日、必ず、自分がクルーの所へ出向いて薬を服用させていた。然し、ある日、処方が若干遅れたことがあった。その際現れた、クルー個々の異変は、矢張り、薬の副作用を疑わせるに充分なものであった。油井は、向井に問い詰める。そして分かったことは、クルー全員が国家プロジェクトのモルモットにされていたこと、薬の服用が、航行中のアクシデントなどによって予定より長引いた為、副作用が出やすくなっていること。薬効は、欲求の抑制にあること等であった。つまり、食欲、自己主張、性欲などを抑える効果があったのである。油井は、薬を飲み続ければ、副作用が増大すると考え、この薬を隠してしまいクルー各々に異変が生じる。薬を欲しがるクルーとの問答中、一旦身を隠した油井は、一日分の薬だけを持って皆の前に現れ、争奪中に総ての薬を飲んで、生きる意志を失くしてしまうが。緊急処置によって、大したことにはならず、無事、帰還を目指すことになる。
 薬によって、抑えられていた欲求のうち睡眠に関しては、余り積極的な表現が無かったように思うが、長期に亘る閉塞状況を問題にしている点と、薬を用いて、ストレス解消を図ろうとする発想については、かなりリアルに感じた。治験の際に通常採られるプラセボなどに関しては、この船で、治験が行われていることを示唆する表現はあるものの、つまり、他の船のデータを政府は持っているので、比較はできるというレベルより、厳密な科学的思考の為には、入れておいた方が良い。


このページのQRコードです。

拡大