
自己オマージュ=シャウクロス
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2015/01/15 (木) ~ 2015/01/22 (木)公演終了
満足度★★★★
あることよりあるべきを見ろ
第二次大戦中、4人だけになってしまった日本軍の部隊が接収しようとした村はやけに協力的で…な状況から始まる物語。
事前情報通りに笑いも多いが、次第に変容。
占領とは、捕虜とは、虐殺とは、さらにそれらひっくるめて戦争とは、そしてどうしたら戦争が終わるのかなどをサラリと語るんだもの。
変に深刻ぶったりいかにも大事そうに語るよりずっと響く。
村の「占領コーディネーター」や「援軍」のラインナップや強さなんかも愉快だったなぁ。(どういう発想をしているんだか…(笑))
あと、百眼女優陣のよく通る特徴的な声に改めて感心。

空白の色はなにいろか?
鳥公園
STスポット(神奈川県)
2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
鳥公園2度目
小品ながら濃縮された時間。不条理感たっぷりなのに散漫にならない、従って何か、表で繰り広げられる「現象」を背後から支える物語なり、理論なりが「有りそう」と感じさせる舞台・・が以前見た舞台を考え合わせて言える表現か。撹乱、脱線、といった要素が少なからず生じてくるが、知的に感じる。鋭利な切り口を、俳優らがしっかりその形象によって見せているのも、凄い事であるかも知れない。とも感じる。STスポットの箱に合わせて作られたとみえる装置、その使い方も面白し。

やぶのなか
メイシアタープロデュース
吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)
2015/01/23 (金) ~ 2015/01/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
「やぶのなか」、まさに名作でした♪
sunday play 日本の名作#3「やぶのなか」、まさに名作でした♪
この作品、迷宮入りの事件を「藪の中」というようになった語源だそうで、存在感のある内容でした。
残念ながら、芥川龍之介の原作は全く存じ上げませんが、何も知らなくてもとっても楽しめました。
そして、最初からあっけにとられたのが、舞台美術・装置。プロジェクターや鏡によって、怪しい世界観が表現されていて、とっても圧巻です。
今回観劇させていただいたの、モノローグ(独白)版。キャストも演出も異なるダイアローグ(対話)版もあるようで、こちらも気になります。
追伸、私は凄く楽しめましたが、結末は「藪の中」。起承転結があって、ハッピーエンドでないと…、という人にも十分楽しめると思いますが…、もしかしたら…。

韓国現代戯曲ドラマリーディングⅦ
日韓演劇交流センター
シアタートラム(東京都)
2015/01/15 (木) ~ 2015/01/18 (日)公演終了
満足度★★★★
リーディングの可能性・「韓国現代」の発見
3戯曲中2作品を観劇。予定1本、急遽時間が出来てもう1本。いずれもどっぷり「家族」の物語だった。『五重奏』は久しぶりに顔を揃えた異母四人姉妹と老いた父の奏でるアンサンブル、到底美しいとは言い難いその、「情」の雫が決して潤す事のない無味乾燥な砂漠のような家、家族、関係が描かれる。近親者ゆえにぶつかり吐き出される感情が渦を作りドラマティックな帰着を予感するが、次の瞬間現実がさほど甘くない事を思い知らされる。『アリバイ年代記』は主人公である男(次男)の現在の語りによって、教師であった父の過去と、彼自身の歩みの節目となる出来事が語られていく。一見淡白な台詞の中にジュンとくる潤いがあった。一方、場面の「強烈な背景」として現代史上の各シーンが浮かび上がる。まず父の生まれは日本の大阪。植民地時代。朝鮮へ渡り、戦乱。米国傀儡、独裁時代、民主化闘争。そこには兄の姿も。映像が傑出で、戯曲に盛り込まれた固有名詞、歌曲、歴史的場面が能う限りの丁寧さで映像また音として流れ、資料収集の苦労が想像された。タイトルにある「アリバイ」は父の生き方の事で、劇中2度語られる。一度目は前半、息子の口から肯定的な意味で、二度目は父自身の口から、否定的意味を帯びて。アリバイに生きた人生という軸が通る事により、父の姿とその背景である歴史との分ち難い二つが鮮明な輪郭を残した。
この企画は昨年から観て二度目。現代韓国を知る、という事にはなるが、かの文化・風俗・歴史を通して、実はそれらではなく、固有性を突き抜けた普遍的な「人間」を再発見する体験を提供する。刺激的な企画だが、残念ながら開催地は日韓交互で、次は2年後らしい。

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
座・高円寺1(東京都)
2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
「死刑執行人」を通して見えたもの
鑑賞後、一夜明けて心にのこったのは死刑執行の是非ではなく、自分が関わることの出来る人生の課題についてこれからどう向かい合っていくか?どう考えていくか?ちゃんと考えていこう、という前向きな気持ちだった。国という枠組み、時代によってかわる正義、人が人を裁くということ、親から子へと受け継がれていくもの、死の意味、そして生きるということの意味、などなど。
随所に散りばめられた現代の風刺ともとれる注意喚起がピリリとして、その痛みが心地よくもあった。
劇そのものの出来は初日のぎこちなさもあり、★3.5かな?というところだが、最終的にのこしていただいたもの、良いきっかけを頂いたことへの感謝の気持ちで+1.5の★5とさせていただく。作っている方々は死刑反対団体ではないだろうから、おそらく様々な思いを込めていることが考えられ、少しでもそれらを受け取ることが出来たなら幸いである。千秋楽にもう一度観に行く予定なので、どう完成されているかが今から楽しみだ。

キネマ狂想曲
シノハラステージング
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2015/01/20 (火) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかくテンションとパッションでした。
内容の前に、バリアフリーの本気度に驚きました。
客席に盲導犬が居て、前説では、盲導犬に対する接し方に触れていて、その気遣いに触れて嬉しくなりました。
また、視覚障害者に対して、より理解を深めて欲しいということから、セットの説明をしていました。終演後、盲導犬が戸惑っていると、主宰の篠原さんがテキパキと誘導を始めました。
単にお客さんが一人でも多く入れば良いと思っているんじゃなくて、本当に親切な人なんだなと思います。
話の内容は今までの他の作品と比べても内容が薄い感じがしました。
なのに夢中で観てしまいました。
薄い内容でも、あそこまでストーリーが盛り上がるんだと驚きました。それは役者さんの熱意とか、言葉の使い方とか、演出の力なんでしょうね。
職人技を観じました。
U15って書いてあったから、どんな過激なシーンがあるかと思ったら、そこはどうって事なかったです。
ただ、シノハラステージングさんの作風を考えると、あの太股はかなりエロいかな。
身体的特徴を言葉でなじるのも、シノハラステージングさんにとっては冒険だったのかも知れません。
PTA会長さんもされているそうですから、そういう立場もあるんでしょうか。
そして、作&演出の篠原さんに「有り得ない話に説得力を持たせるにはどうしたら良いんですか?」と質問したら変な顔をされました。
このストーリーはかなりムチャを感じたので、そう質問したのですが、よくよく伺ってみると、姉弟設定意外は篠原さんの実体験がベースだとか!
あんなに穏やかそうな方なのに、どんな生き方をしているのか不思議でなりません。

Father with No Name 続 夕陽の父子たち
ピストンズ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/01/23 (金) ~ 2015/01/26 (月)公演終了

魂になるらしい
ゆるふ酒
キッド・アイラック・アートホール 5Fギャラリー(東京都)
2015/01/22 (木) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
無題1368(15-016)
19:00の回(晴)。18:32会場着、5Fの会場内で受付、入って左(道路側)が客席(2列)。
左右の壁際に椅子(3脚ずつ)、上着、風呂敷包、帽子など。右奥の席に女性がおひとり。場内には暖房が入っていないようで、座ってから10分ほどしてコートを着なおしました。19:00前説(吉田さん)、開演~20:10終演。3人の役者さんによる生と死、繋がってゆく世代のお話(らしい)。
吉田さんのプロフィールに「ttu」の演出助手とあり、どんな方かなと思い、観に来ました。
この会場では「COoMOoNO」、1Fでは「k.a.n.a(ダンス)」「多摩美(卒業制作)」「d’UOMO ex machina(演劇)」「tea for two(演劇)」...始まりは「氷中の星(木村愛子さんのダンス)」...などを観ましたが、いずれも個性的な作品で、そういった意味では本作、期待通り。
複雑なお話ではないものの、当パン表紙にある「生きているよりも死んでいる方が楽かもなぁとか思うよ」というメッセージになかなか近づけませんでした。
考えてみますと、役者さんたちとは数世代違うので「彼らの今」と「私の今」をそのまま比べてみても意味がなさそうで、といっても、とっかかりはないし。
また、生きているから感じる胸の痛み、そのぽっかり空いてしまった穴をどうやってふさげばよいのか。2つの物語が次の世代の誕生につながっていますが、最後のオチ(再生?)にはかなり違和感。それは完全に閉ざされた時空を意味すると思ったからです。
会場は3人でちょうど良い広さ。とにかく普通の劇場に比べ「寒い」ので、ツイッター以外でも、予約の返信メール、自身のサイトなど...お知らせすべきではないかと思います。一部ですが、(声が大きすぎて)聞き取りにくいセリフがありました。役者さんたちの個性とは合わないのかもしれませんが、もっとメリハリ(や毒気)があってもいいのにと思いました。登ってゆくか堕ちてゆくか。

義務ナジウム
公益社団法人日本劇団協議会
劇場MOMO(東京都)
2015/01/23 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
なるほどのタイトル
「オコモリ」って何だ?それが部外者の疑問を解く形で、次第に観客に明らかになっていく。このとんでもない因習をめぐっての、登場人物の一人一人の距離感の違いが面白い。全否定するするわけにもいかないから、ああいう結末は説得力がある。
ワンツーワークスの舞台らしい演出と熊本弁がなじんでいた。難を言えば女優陣と男優陣に力量の差が見えたところだろうか。

新春名作狂言の会
茂山千五郎家
新宿文化センター(東京都)
2015/01/23 (金) ~ 2015/01/23 (金)公演終了
満足度★★★★
-
上演時間2時間、休憩1回。トーク、水掛聟、しびり、小傘。こんな大会場で狂言が開催されるとはたいしたもの。トークの中で和泉流と大蔵流で小舞を同時上演して違いを見せる企画は面白かった。狂言は三作とも楽しいもので大ホールに大勢入ったのはうなずける。

空白の色はなにいろか?
鳥公園
STスポット(神奈川県)
2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
座・高円寺1(東京都)
2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
刑務官ー父から子へ
現在の刑務官のシーンが印象的でした。
その職業は、一般に開放されているとはいえ、どこの国でも、いつの時代も世襲が多いようだ。
麻痺してしまうのだろうか、今現実に死刑執行をする刑務官が存在しているんは事実だ。
それとは別によく映画で見られる刑務官の悪態ぶりはないのであろうか、その辺も突っ込んでほしかった。

全公演完売!「RUN」
劇団お座敷コブラ
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2015/01/22 (木) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★
内容が
とにかく残念でした。
不必要なギャグのオンパレードが逆にストーリーをわかりにくくしているのでは?
演出に疑問を多々感じました。
舞台上が広く役者の方々が上手く空間を使いきれていないのも残念でした。

悲しみよ、消えないでくれ
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★
じりじりと
初、モダンスイマーズ観劇でした。動かない時間のようにじりじりとイライラと、でも少しずつ変わっていってる。それぞれ人の気持ちなんて…自分の気持ちさへ…なのに。あとからずっしり感じますね。あぁ

【無事終幕!】 12縁起短篇集 【連日満員御礼!】
JOHNNY TIME
エビス駅前バー(東京都)
2015/01/22 (木) ~ 2015/01/28 (水)公演終了
満足度★★★★
肩の力をぬいて
エビス駅前バー での観劇始め。
このバーが 閉店する、かも という事で 署名などもしたのだが 前説でも、何も言われなかったから 当分大丈夫と信じてますが心配ではあります。今の段階の状況を知りたかったです。
毎度ながら 開演までの 観客の気分の乗せ方 うまいです。
ただのバーが ただのバーのままで じわじわと異空間に変化していく、その中に自分も入っていくあの感覚は 体感したらやみつき
エビス駅前バーがなくなったら困る
ジョニーさんの芝居もやっぱり此処でやってほしい
楽しみました。
ありがとう。

子どもの頃から
演劇企画集団LondonPANDA
小劇場 楽園(東京都)
2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★
家族って一筋縄ではいかないんだよなぁ。
初めて拝見する劇団です。
作品、演出、出演者のバランスが良く、
手堅い印象をうけました。
家族だから許せること、家族だから許せないこと。
近いからこそ複雑な感情に囚われるのだと思う。
最終的には女は怖い、知らぬは男ばかりなり という感じでしょうか。

ジョン・ヘンリック・ドン・ペンバートンの最小限な景色
多摩美術大学卒業制作展 めっけ!
Geki地下Liberty(東京都)
2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
これぞ短編演劇のすばらしさだった、35分
小道具が、イスとトランクバックにシンプルな衣装で使い回しが意外に早く、ジェットコースター的だったけど、これぞ短編演劇の世界観に感じた、35分でした。

ミクちゃん、お風呂の時間です。
劇団青い鳥
小劇場B1(東京都)
2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
年代層によって印象が違うかも…
観る年代層によって受け止め方に濃淡がある公演だと思う。アフタートークでも話していたが、「みなしごハッチ」(両親が亡くなっている)の劇団員も数人いるとのこと。そう言えば、キャストの年齢層も高いような…。しかし、髭(ひげ)ダンスのようなコミカルな動作での登場に、年齢のわりには、お茶目(失礼)な印象を受けた。

【無事終幕!】 12縁起短篇集 【連日満員御礼!】
JOHNNY TIME
エビス駅前バー(東京都)
2015/01/22 (木) ~ 2015/01/28 (水)公演終了

軽い重箱
殿様ランチ
新宿眼科画廊(東京都)
2015/01/11 (日) ~ 2015/01/21 (水)公演終了
満足度★★★★
Aチーム
1編目(「あいつの身代わり」)、投影される背景がBチームの1編目と同じなので「もしや?」と思ったら案の定対を成すもので「なるほど…」と。
それどころか他の2編(「人の金」「失われた記憶」)もそれぞれにBチームとリンクしていて、一方だけでも面白いが両方観るとより楽しめるシカケに感心。
ちなみに「あいつの身代わり」では原典の主人公名が出てくるのに対して「恥じれ」では出てこないので、Bチームが先で正解だったかな?とも思ったり。