
TARKIE~伝説の女たち~
ケイローズ株式会社
有楽町よみうりホール(東京都)
2025/03/24 (月) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ビッグバンドも入れてのミュージカルレビュー。植草克秀の演出する舞台は初めて観たが、この出来なら今後も楽しみだし、錦織一清とはまた違った線で行けそう。

Better Days
“STRAYDOG”
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
希望や苦悩を抱え、今を生きる等身大の若者を描いた青春群像劇。舞台は沖縄県伊平屋島という離島。そこで ひと夏(3日間)、島の同世代と過ごすことによって 少し成長していく少女たちの姿を清々しく描く。
東京と伊平屋島での暮らしの違い、例えば買い物や遊ぶ場所など その社会・文化などの違いを通して思考と志向の形成も描く。説明にある解答用紙を白紙で出す女子生徒の苦悩と島で暮らしている少女の希望が交差して生まれる友情。同時に、都会では味わえない雄大な自然や生命の(神秘的な)誕生を目の当たりにして、自分の悩みなど…。教師が教えられることは、授業での知識ぐらい。毎年島を訪れている理由は、学校だけでは教えられない大切なこと。
この公演は、「レモンズカンパニー」の復活を確認するかのようだ。子供たちに合った等身大の脚本(物語)で分かり易く、演出は、大人の役者が見守り支えるといった感じだ。稽古では色々な事があったと推察、それが物語の女子学生の成長に重なるよう。そして大人の役者は、引率の教師のような存在。劇中で奇妙なミュージシャンとしても登場し、子供たちの歌やダンスを客席袖から応援する姿が微笑ましい。少しネタバレするが、舞台美術は、夏らしく 左右に簾と中央奥に黒板。その黒板に日直:あかば│しげまつ と書かれている。勿論 演出の赤羽一馬さん と引率教諭の先輩役の重松隆志さんのこと。学校での教育を次世代を担う役者達の育成に重ね合わせる。その 初々しく元気溌剌とした演技/パフォーマンス、ぜひ劇場で。
(上演時間1時間25分 休憩なし) 【スカイ】

wowの熱
南極
新宿シアタートップス(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

煙に巻かれて百舌鳥の早贄
劇団肋骨蜜柑同好会
中野スタジオあくとれ(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
波打ち際の泡、錆が浮いた停留所の表示板、風に揺れるカーテン、空耳かと思う音色と空・・・様々な情景が浮かんでは消え次の情景に・・・映像のようにイマジネーションを掻き立てられる朗読劇
こんなに胸が苦しくなる直球の恋愛ものに出逢えたのは超久しぶりかも
若い方に響くところはあるに違いないけれど、包括的に味わい尽くす事ができるのは中高年の観客ではないかと
胸がしめつけられる初恋の感覚を今一度呼び起こしてみたい方は是非
絶妙なタイミングで差し込まれる生ギターの音色
ソファー席のみならず、どの座席(自由席)にも飲物を置けるテーブルなり台が用意されており、劇場とはまた違う ゆったりした空間で舞台の世界に没頭できるというのも素晴らしかったです(飲物の注文は任意)

人生は極楽よりも極楽的である
Dotoo!
駅前劇場(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

痕、婚、
温泉ドラゴン
ザ・ポケット(東京都)
2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2025/03/27 (木) 14:00
『痕、婚、』
痕と婚に恨を加わえ、「恨、痕、婚」ということにも出来るかと思う。韓国語だと恨はハン。誰も責められないなどと言うことでは済まされない。でもそれを変えて行くことを思い、前に進んで行くことを続けるしかない。素晴らしい上演だった。
去年10月に開いた『痕、婚、』の プレ企画 リーディング公演。『悼、灯、斉藤』の時に初めての試みとして開催した、リーディングの後に良かった点、わからなかった点を聴き手だった観客から挙げ、キャストの皆さんの意見も交えながら、創り手の原田ゆうさんと、やり取りして、改稿の参考にという試みの第2回目に参加して、発言した(と思うが)者として、戯曲を買ったので、どこに手を加え、どこをバッサリと切り取ったか確認しよう。
開演前に劇団員の方が受付に居られ、そのプレ企画のことを含め少し話をさせていただいたのだけど、えっ?友久役のあの人!と思い、終演後に確認したらやはりそうでした。まだこれで 3回目なので劇団員の方の顔、男前ばかりなので覚え切れてないので....。それにしても豪胆な 笑

夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
気になっていた「えのもとぐりむ」さんの脚本作品を初めて見ました。
ひと夏の淡い恋物語からその後…のお話。
脚本も良く、役者さんもリーディングなのにお芝居を見ているような臨場感があって作品を堪能する事ができました。
生歌、生演奏もとても効果的に入っていて贅沢な時間でした。

ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ
あまい洋々
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/03/13 (木) ~ 2025/03/16 (日)公演終了

「mariage」
おかしないえのまほうつかい
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
初日観劇。
オムニバス5編。この演目、どのような関連性で選択したのか判然としないが、自分の解釈では、大切なものは目に見えない、そして失ってから初めて気づくといった 人の「心」や「情」を紡ぐようだ。この団体の公演は初見、オムニバスではなく 中長編の公演も観てみたいと思わせる 力 がある。
5編は、「星の王子さま」「葉桜」「ペアリング」「プロポ-ズ」「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」で、役者は4人。場景は椅子等の物を使用するだけで、ほぼ素舞台。オムニバスであるが、全体を通じて 人生における悲劇と喜劇の間をさまよい歩く、そんな面白味も感じられる。同時に、何となくであるが 色々な情景・状況を通して役者の演技(力)をみる試演会のような気もした。なお、設定を変えるなど 現代風にアレンジするといった工夫は感じられない。例えば、岸田國士の「葉桜」(大正期の話)などは、今風の会話(テンポ)で早口だ。いやリアルな日常会話より早く、当時の時代感覚とは合わない。台詞を早く喋ってしまいたい気持の表れか?細かいことはあるが、脚本(物語性)の魅力を体現する力はあり、飽きさせないところが好い。
(上演時間1時間35分 休憩なし)

やなぎにツバメは
シス・カンパニー
紀伊國屋ホール(東京都)
2025/03/07 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

アオミドロ先生とメダカちゃん
演劇ユニット『Yup!!』
シアターココ(愛知県)
2025/03/22 (土) ~ 2025/03/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/03/22 (土) 19:00
いろんなミドリ先生が出てきて面白かったです。
古典を学ぶ理由、数学を学ぶ理由・・・
う~ん、そうだったんだ!!
自分もこんな先生に教わりたかった。
演出もよく練られていたし、
俳優さんたちもそれぞれ役になりきって
時間を感じず見ることができました。
楽しい時間をありがとうございました。

止まれない 12 人
テノヒラサイズ
ABCホール (大阪府)
2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初演を見てから、の久々の再演で楽しく見てきました。
内容はほぼ忘れてたけど、やっぱりよく出来てました。
前は円形劇場で、左右から見ていたのを思い出しました。
カーテンコールで「また演って」と声を掛けたのを思い出しました。
やっと叶いました😆

花染小の美ら姉
那覇文化芸術劇場なはーと、シアター・クリエイト
那覇文化芸術劇場なはーと・小劇場(沖縄県)
2025/03/09 (日) ~ 2025/03/09 (日)公演終了
実演鑑賞
ブレヒトの「ゼチュアンの善人」を題材に新たな沖縄芝居を上演する企画のリーディング試演会。「リーディング」なので、出演者は着席したまま。とはいえ、地謡もついていて、今にも動き出しそうな芝居だった。
舞台は遊郭で知られる渡地(わたんじ)村で、主人公は尾類(じゅり:遊女)のカミー小。

Better Days
“STRAYDOG”
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

痕、婚、
温泉ドラゴン
ザ・ポケット(東京都)
2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この素材を、今の段階で芝居にするのはものすごく難しい。
事件は百年前。もう誰も生きていない。時間を移せば、第二次大戦が始まった時に、ペルリ来航を。原爆で敗戦になったときに明治維新を素材にするようなモノ。しかも、この内容を市井劇にしようとしている。市井にいる観客は、直接時代、につながった経験がある。「いずれの御代か」わからぬ話ではない。たしかに今作は、シライケイタ、今までの会社社会モノとは違った力作で,熱が入っているのは、頑張ったね、と言いたいが、やはりこれはもう少し、坂手流の正論一本槍に(と言うと、坂手はこの話に正論以外はありません!と言うだろうが)突進するのではなく、そうでないところに芝居の面白さもある。演劇はそういうやわらかいメディアなのだからそこを踏まえて、テレビドラマや母物映画のような手法も恥ずかしがらずに取り入れないと、正論激突で両者負けになってしまう。
山崎薫という女優は、かつて俳小にかりだされてやった「殺し屋ジョー」で刮目して見たが、今回はホンが今ひとつだったと思う。一つだけ肝心な所で言えば,この家に入るところはギリギリ納得できたが、大詰め近く、夫の背後から(ここの「背後」も疑問。)懐剣を振り上げるところ。こういうところにリアリティを持たせるには、社会も付いてきてくれないと上手くない。
しかし、総体で言えば、シライケイタも、社会派の一翼として古川健に追いついてきた。世間の定型に頼るところがなくなれば、拮抗できる。その為にはこういう、真相、真実はよくわからぬSNSになじむ素材ではなく、人間の本質に迫れる素材から、問題に迫った方がいい。隣国との近親憎悪とはすさまじいモノで、現実アラブとユダヤのモノスゴサを日夜見ている。それを説くのだからのだから、百年前の材料で勝負している場合ではない。

朝日に願え 冬公演
朝劇三軒茶屋1年ロングラン公演
三軒茶屋orbit(東京都)
2025/03/19 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

Better Days
“STRAYDOG”
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

痕、婚、
温泉ドラゴン
ザ・ポケット(東京都)
2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2回目。
考えさせられた。
誰も幸せになれない世界で生きている。クリアの出来ないゲームを死ぬまでやらされている。だが考えた。

ガラスの動物園
滋企画
すみだパークシアター倉(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
『ガラスの動物園』についてはよく考えることがある。テネシー・ウィリアムズは何を描きたかったのか、果たして自分は何を観たかったのか?いろいろ妄想するのだが正解は見えない。それ故にまた観てしまう類。
今作は素晴らしかった。超満員の詰め掛けた観客。知ってる役者が結構観に来てた。何でこんなに人気あるの?と不思議に思う程。
一つは徹底的に戯曲を溶かした。10分の休憩込みで二幕2時間45分。そんなに長い話か?と思ったが徹底的に煮詰めている。もうこれ以上ない程考え尽くしやり尽くしている。ありとあらゆる方法論を探って行き着いたキャラクター。もうこれしか選択肢はない。納得のいく『ガラスの動物園』。しかもまた更に別のアプローチで観てみたいとも思わせる。行間の空白に広がる無限の可能性を垣間見せた。
母アマンダ、西田夏奈子さん。饒舌でヒステリックで強圧的、自己顕示欲の塊で常に自意識過剰の躁状態、病的に過去の栄光に縋り続ける。憎むべき侮蔑するべき母を西田夏奈子さんは愛すべき人物に仕立てた。名女優・望月優子のような人の痛みを知る弱き者に。アマンダの新しい息吹。
姉ローラ、原田つむぎさん。文句なし、これぞローラ。すっぴんの一幕、メイクした二幕。今作を観た若い奴にとって一生胸の奥底に貼り付く心の疵となろう。クライマックスの表情が物凄い。一幅の宗教画のよう。
主人公トム、佐藤滋氏。今回の趣向の一つに主人公が自分の心の中の情景を演劇として観客に見せているという額縁構造がある。その為、語り手として説明しながら照明や曲出しに合図を送る。この舞台が彼の心の中の光景だと伝える。MVPはそれを見事に担当した照明の岩城保氏だろう。クライマックスの照明は語り継がれる程。
主人公の勤める靴倉庫の同僚ジム、大石将弘氏。弁論部出身ということで石丸伸二っぽいアプローチ。成程そうきたか。
ユングの提唱した元型(アーキタイプ)。人類に共通する心の中にある記憶の象徴。各人の経験を越え人類が普遍的に備えているとされる感覚。今作がこれだけ繰り返し上演され繰り返し観劇される理由はそこに触れているからだと思う。誰か徹底的に論じて本にしてくれ。
曲で例えるとPearl Jamの「Off He Goes」みたいな感触。
是非観に行って頂きたい。