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TARKIE~伝説の女たち~

TARKIE~伝説の女たち~

ケイローズ株式会社

有楽町よみうりホール(東京都)

2025/03/24 (月) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ビッグバンドも入れてのミュージカルレビュー。植草克秀の演出する舞台は初めて観たが、この出来なら今後も楽しみだし、錦織一清とはまた違った線で行けそう。

Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

希望や苦悩を抱え、今を生きる等身大の若者を描いた青春群像劇。舞台は沖縄県伊平屋島という離島。そこで ひと夏(3日間)、島の同世代と過ごすことによって 少し成長していく少女たちの姿を清々しく描く。
東京と伊平屋島での暮らしの違い、例えば買い物や遊ぶ場所など その社会・文化などの違いを通して思考と志向の形成も描く。説明にある解答用紙を白紙で出す女子生徒の苦悩と島で暮らしている少女の希望が交差して生まれる友情。同時に、都会では味わえない雄大な自然や生命の(神秘的な)誕生を目の当たりにして、自分の悩みなど…。教師が教えられることは、授業での知識ぐらい。毎年島を訪れている理由は、学校だけでは教えられない大切なこと。

この公演は、「レモンズカンパニー」の復活を確認するかのようだ。子供たちに合った等身大の脚本(物語)で分かり易く、演出は、大人の役者が見守り支えるといった感じだ。稽古では色々な事があったと推察、それが物語の女子学生の成長に重なるよう。そして大人の役者は、引率の教師のような存在。劇中で奇妙なミュージシャンとしても登場し、子供たちの歌やダンスを客席袖から応援する姿が微笑ましい。少しネタバレするが、舞台美術は、夏らしく 左右に簾と中央奥に黒板。その黒板に日直:あかば│しげまつ と書かれている。勿論 演出の赤羽一馬さん と引率教諭の先輩役の重松隆志さんのこと。学校での教育を次世代を担う役者達の育成に重ね合わせる。その 初々しく元気溌剌とした演技/パフォーマンス、ぜひ劇場で。
(上演時間1時間25分 休憩なし) 【スカイ】

ネタバレBOX

公演は、夏季合宿を通して少女たちの心の成長、同時に「レモンズカンパニー」としての演技(力)成長、その2つを巧みに観(魅)せている。舞台美術や衣裳は、夏の雰囲気を漂わせている。

日常の暮らしを通して、東京と伊平屋島の違いを分かり易く描く。例えば、都会におけるボーリングやカラオケ、一方 離島における遊び場所は大自然(景色)。そして買い物にしてもコンビニが当たり前な都会、そん店はなく、たぶん萬屋(よろずや=ゼネラル・ストア)が島の唯一の店。都邑における利便性や環境の違いをさり気なく説明し、その中で、東京から来た少女の苦悩へ。

解答用紙を白紙で出す女子生徒、彼女は小学校の頃は学業優秀で母の期待も大きかった。しかし、母は家を出て行方知れず。今の状況を知ったら戻って叱責してくれるのではないか。一方、島で親しくなった少女の両親はスキンダイビングインストラクターだったが、今は亡い。そして卒業したら大阪の親戚の家から学校へ。広い世界を見てみたい、そんな希望を抱いている。2人の会話を通して、家庭や地域環境の重要さが浮き彫りになる。

2人の会話の最中にウミガメの産卵光景。スマホで撮影しようとするが、その光によって進む道を間違えてしまう。カメは、命(孵化)の誕生を見ることなく、生まれた子カメは自力で生きていく といった諭しに繋げる。
物語を楽しませる、それがダンスでありマイクでの歌唱。また漫才的な面白ネタや方言を挿入し笑わせる。その一生懸命な姿が、物語における少女の姿に重なる。
次回公演も楽しみにしております。
 wowの熱

wowの熱

南極

新宿シアタートップス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/28 (金) 19:00

135分。休憩なし。

煙に巻かれて百舌鳥の早贄

煙に巻かれて百舌鳥の早贄

劇団肋骨蜜柑同好会

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/28 (金) 15:00

125分。休憩なし。

夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

波打ち際の泡、錆が浮いた停留所の表示板、風に揺れるカーテン、空耳かと思う音色と空・・・様々な情景が浮かんでは消え次の情景に・・・映像のようにイマジネーションを掻き立てられる朗読劇
こんなに胸が苦しくなる直球の恋愛ものに出逢えたのは超久しぶりかも
若い方に響くところはあるに違いないけれど、包括的に味わい尽くす事ができるのは中高年の観客ではないかと
胸がしめつけられる初恋の感覚を今一度呼び起こしてみたい方は是非

絶妙なタイミングで差し込まれる生ギターの音色
ソファー席のみならず、どの座席(自由席)にも飲物を置けるテーブルなり台が用意されており、劇場とはまた違う ゆったりした空間で舞台の世界に没頭できるというのも素晴らしかったです(飲物の注文は任意)

人生は極楽よりも極楽的である

人生は極楽よりも極楽的である

Dotoo!

駅前劇場(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

昔の文豪って爛れてていいですよね(笑)

面白いけど個人的にはちょっと長いかなぁと思いました。

夏目漱石、似てますね。

痕、婚、

痕、婚、

温泉ドラゴン

ザ・ポケット(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/03/27 (木) 14:00

『痕、婚、』
痕と婚に恨を加わえ、「恨、痕、婚」ということにも出来るかと思う。韓国語だと恨はハン。誰も責められないなどと言うことでは済まされない。でもそれを変えて行くことを思い、前に進んで行くことを続けるしかない。素晴らしい上演だった。
去年10月に開いた『痕、婚、』の プレ企画 リーディング公演。『悼、灯、斉藤』の時に初めての試みとして開催した、リーディングの後に良かった点、わからなかった点を聴き手だった観客から挙げ、キャストの皆さんの意見も交えながら、創り手の原田ゆうさんと、やり取りして、改稿の参考にという試みの第2回目に参加して、発言した(と思うが)者として、戯曲を買ったので、どこに手を加え、どこをバッサリと切り取ったか確認しよう。
開演前に劇団員の方が受付に居られ、そのプレ企画のことを含め少し話をさせていただいたのだけど、えっ?友久役のあの人!と思い、終演後に確認したらやはりそうでした。まだこれで 3回目なので劇団員の方の顔、男前ばかりなので覚え切れてないので....。それにしても豪胆な 笑

夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

気になっていた「えのもとぐりむ」さんの脚本作品を初めて見ました。
ひと夏の淡い恋物語からその後…のお話。
脚本も良く、役者さんもリーディングなのにお芝居を見ているような臨場感があって作品を堪能する事ができました。
生歌、生演奏もとても効果的に入っていて贅沢な時間でした。

ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ

ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ

あまい洋々

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/03/13 (木) ~ 2025/03/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「不在=そこにないもの」への眼差しは外から見えるのか

ネタバレBOX

本作を観て、当事者演劇はやはり鑑賞者に安定したポジションを渡してはくれないのだと思い知った。本作には、それぞれに「ちぃちゃん」と異なる関係性を結び、それぞれ独自の当事者性を持つ登場人物が描かれているが、そのどの役柄も自分と同じ立場から「ちぃちゃん」の死を眺めてはくれない。観客は不在の「ちぃちゃん」を想像し、そこに自身の当事者性を投影する。それは中学校時代に途中で突然学校に来なくなったあの子かもしれないし、学校帰りに声をかけてくれたあの子かもしれない。それは決して誰にも見えない架空の関係性であり、本作はそういった記憶への意図しない漂流を押し進めてくる上演のパワーがあった。

「ちぃちゃん」を演じる結城真央さんの演技が印象的。所作や発言が唐突だったり、人との身体距離が妙に近かったり、プリーツを気にせず座ったり、その振る舞いが虐待サバイバーだからという説得力を持ってしても意識化されていないと演じられない小さな動作のひとつひとつが、たしかに記憶に「ちぃちゃん」がいたという実体を描き出している。不在への眼差しを観客と同一にするために、キーとなる演技を冗長な部分なくクリアに表現されており好感を持った。

全編通して小気味のいいギャグや歌のシーンが、本作の緩急をつけ、群像劇の終局に向けて集中線を引いている。それゆえに、俳優の演技の中での発話の滑舌と集中の持続力が気になった。この人数が出てくる劇構造上仕方ない部分ではあるが力みすぎた説明台詞が多い点と合わせて、今後の作品創作に期待したい。

(以下、ゆるいつぶやき)
ちょうど同時期に藤野知明監督のドキュンメンター長編『どうすればよかったか?』を鑑賞し、当事者が記憶を記述し表出することの圧倒的な力強さと、例えばこれをもって「やはり当事者に勝る表現はないのだ」と主張する根拠に使われてしまうと嫌だなという気持ちが交錯しました。当事者にしかできないことがあるのと同様、当事者以外だからこそできることもあるからです。本作の乙倉は映画監督を目指していますが、まさに当事者とは遠いところから「ちぃちゃん」を追いかけようとしており、劇中では何度も拒否されます。もし私が乙倉の友人だったら「そのへんで一旦やめといたら。それはあなたもつらいでしょ」と声を掛けるかもしれない。乙倉の理解されなさに気付いてケアしてくれる人が登場人物にいてくれたらな、とぼんやり考えたりしました。
「mariage」

「mariage」

おかしないえのまほうつかい

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日観劇。
オムニバス5編。この演目、どのような関連性で選択したのか判然としないが、自分の解釈では、大切なものは目に見えない、そして失ってから初めて気づくといった 人の「心」や「情」を紡ぐようだ。この団体の公演は初見、オムニバスではなく 中長編の公演も観てみたいと思わせる 力 がある。

5編は、「星の王子さま」「葉桜」「ペアリング」「プロポ-ズ」「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」で、役者は4人。場景は椅子等の物を使用するだけで、ほぼ素舞台。オムニバスであるが、全体を通じて 人生における悲劇と喜劇の間をさまよい歩く、そんな面白味も感じられる。同時に、何となくであるが 色々な情景・状況を通して役者の演技(力)をみる試演会のような気もした。なお、設定を変えるなど 現代風にアレンジするといった工夫は感じられない。例えば、岸田國士の「葉桜」(大正期の話)などは、今風の会話(テンポ)で早口だ。いやリアルな日常会話より早く、当時の時代感覚とは合わない。台詞を早く喋ってしまいたい気持の表れか?細かいことはあるが、脚本(物語性)の魅力を体現する力はあり、飽きさせないところが好い。
(上演時間1時間35分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、モンゴルのパオorゲル内のような感じ。床は円形の白幕 周りはそれを囲うような白幕。演目によって椅子などを搬入するが、基本は素舞台。衣裳は、映えるような赤・黒・青といった原色で、役者の表現力を強調するかのようだ。
日常にある何気ない温かさ 優しさ、それが無(亡)くなって初めて分かる その大切さ 愛しさ。

●「星の王子さま」(作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ )
王子さまは バラの美しさに惹かれ 献身的に尽くすが、バラの本心は解らない。バラがそこにいて芳しい香りで包み、晴れやかな気持ちにさせてくれた。バラの見え透いた謎かけに翻弄され本当の優しさを知ろうとしなかった。つまり バラの姿を見て、香りに酔いしれるだけでよかったのだ。

●「葉桜」(作:岸田國士)
お見合い相手の、自分への気持ちを掴みあぐねて 前に進めずにいる娘と、その娘を優しく見守りつつも心配のあまり、つい口を挟んでしまう母。そんな母と娘が織り成す柔らかな心の揺れを描いた会話劇。お見合いを通して、今後の二人の行く末を考える、そんな日常の一コマが描かれている。

●「ペアリング」(作:かわせゆうき)
物語というよりは、物語間を繋ぐような意味合いを持たせているような。この戯曲は、かわせゆうき氏のもので、この演目の中で唯一のオリジナル作品。何となく とぼけたユーモアと溢れる愛情のようなもの描いている。

●「プロポ-ズ」(作:アントン・チェーホフ)
チュブコーフの屋敷に 隣人のローモフが訪れる。正装であることを不思議がるチュブコーフに、ローモフは娘のナターリヤに結婚を申し込みに来たと告げる。チュブコーフは喜び ナターリヤを呼びに行く。しかし やがて2人の間で、両家の境界線にある土地の所有や夫々が飼っている猟犬の優劣等で言い争いが…。結婚すれば関係ないのに。

●「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」(作:関戸哲也)
走馬灯ってどんなんだっけ…目玉焼きは半熟が好みなのに、賞味期限は厳守して、カレーは箱書きの説明通りに作って等、些細なことしか思い出せない。あんなに一緒にいたのに、あなたが覚えてるのは そんなことだけ。駆け巡る日常の中に大切な思い出が…。

次回公演も楽しみにしております。
やなぎにツバメは

やなぎにツバメは

シス・カンパニー

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/03/07 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

26日観劇

アオミドロ先生とメダカちゃん

アオミドロ先生とメダカちゃん

演劇ユニット『Yup!!』

シアターココ(愛知県)

2025/03/22 (土) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/03/22 (土) 19:00

いろんなミドリ先生が出てきて面白かったです。
古典を学ぶ理由、数学を学ぶ理由・・・
う~ん、そうだったんだ!!
自分もこんな先生に教わりたかった。
演出もよく練られていたし、
俳優さんたちもそれぞれ役になりきって
時間を感じず見ることができました。
楽しい時間をありがとうございました。

止まれない 12 人

止まれない 12 人

テノヒラサイズ

ABCホール (大阪府)

2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初演を見てから、の久々の再演で楽しく見てきました。
内容はほぼ忘れてたけど、やっぱりよく出来てました。
前は円形劇場で、左右から見ていたのを思い出しました。
カーテンコールで「また演って」と声を掛けたのを思い出しました。
やっと叶いました😆

花染小の美ら姉

花染小の美ら姉

那覇文化芸術劇場なはーと、シアター・クリエイト

那覇文化芸術劇場なはーと・小劇場(沖縄県)

2025/03/09 (日) ~ 2025/03/09 (日)公演終了

実演鑑賞

ブレヒトの「ゼチュアンの善人」を題材に新たな沖縄芝居を上演する企画のリーディング試演会。「リーディング」なので、出演者は着席したまま。とはいえ、地謡もついていて、今にも動き出しそうな芝居だった。

舞台は遊郭で知られる渡地(わたんじ)村で、主人公は尾類(じゅり:遊女)のカミー小。

ネタバレBOX

大まかなストーリーは原作どおりだが、ヤギと共に糸満で暮らすという帰結や終幕でうたわれる星空の描写など、空間的な移動や視点の転換が盛り込まれていることにオリジナリティがあったように思う。本公演は25年12月とのこと。
Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

元気をもらえる内容でした。

ネタバレBOX

笑いを誘う箇所、歌と踊りで心躍る場面、しんみりとするところがあり、充実した内容に思えました。沖縄の合宿がとても楽しく感じました。
痕、婚、

痕、婚、

温泉ドラゴン

ザ・ポケット(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この素材を、今の段階で芝居にするのはものすごく難しい。
事件は百年前。もう誰も生きていない。時間を移せば、第二次大戦が始まった時に、ペルリ来航を。原爆で敗戦になったときに明治維新を素材にするようなモノ。しかも、この内容を市井劇にしようとしている。市井にいる観客は、直接時代、につながった経験がある。「いずれの御代か」わからぬ話ではない。たしかに今作は、シライケイタ、今までの会社社会モノとは違った力作で,熱が入っているのは、頑張ったね、と言いたいが、やはりこれはもう少し、坂手流の正論一本槍に(と言うと、坂手はこの話に正論以外はありません!と言うだろうが)突進するのではなく、そうでないところに芝居の面白さもある。演劇はそういうやわらかいメディアなのだからそこを踏まえて、テレビドラマや母物映画のような手法も恥ずかしがらずに取り入れないと、正論激突で両者負けになってしまう。
山崎薫という女優は、かつて俳小にかりだされてやった「殺し屋ジョー」で刮目して見たが、今回はホンが今ひとつだったと思う。一つだけ肝心な所で言えば,この家に入るところはギリギリ納得できたが、大詰め近く、夫の背後から(ここの「背後」も疑問。)懐剣を振り上げるところ。こういうところにリアリティを持たせるには、社会も付いてきてくれないと上手くない。
しかし、総体で言えば、シライケイタも、社会派の一翼として古川健に追いついてきた。世間の定型に頼るところがなくなれば、拮抗できる。その為にはこういう、真相、真実はよくわからぬSNSになじむ素材ではなく、人間の本質に迫れる素材から、問題に迫った方がいい。隣国との近親憎悪とはすさまじいモノで、現実アラブとユダヤのモノスゴサを日夜見ている。それを説くのだからのだから、百年前の材料で勝負している場合ではない。 

朝日に願え 冬公演

朝日に願え 冬公演

朝劇三軒茶屋1年ロングラン公演

三軒茶屋orbit(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

重めなテーマを丁寧に演じられて、ラストまで釘づけ。良かったです。

Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

元気な女優さんたち。ダンスもきれっきれ。楽しかったです。

痕、婚、

痕、婚、

温泉ドラゴン

ザ・ポケット(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回目。
考えさせられた。
誰も幸せになれない世界で生きている。クリアの出来ないゲームを死ぬまでやらされている。だが考えた。

ネタバレBOX

カメラが入っていて収録日だったせいもあるのか、山﨑将平氏のちょろっとしたトチリが多かった。

山﨑薫さんの目的が謎で何故恋人を殺した男と結婚するのか新聞記者にも観客にも判らない。籍を入れてきたお祝いの席にてその真意は明かされる。「皆さんがヨンゼフを殺したということを認めて下さい。」
籍に入って日本人にならないことには法律が自分を守ってくれないことが結婚する理由だった。
「私はずっとここで暮らします。私を見る度にヨンゼフを殺したことを思い出して下さい。」
加害者達に求めているのは贖罪や謝罪ではなく、ずっと続く罪の意識。それに日本人はうんざりする。そんなことが一体何になるのか?もう終わった話じゃないか。いつまでそんな話を持ち出されるんだ?

無惨にリンチされて殺された名もなき朝鮮人。だが彼の存在をなかったことにさせない。決してさせない。それが彼女の復讐だ。

朝鮮人大虐殺、南京大虐殺、従軍慰安婦、全てがなかったことにされていく。何故か?ない方が気分がいいからだ。それだけの理由で歴史から消されていく事実。幾らでも書き換えが効く。気分のいい歴史に。

現実問題、イスラエルやトランプ、プーチンなど見ていると人類は過去の教訓なんか簡単に忘れてしまう生物だとよく判る。また当り前のように同じことが繰り返される。だから忘れないように何度でも過去の愚行の戒めが必要なのだろう。自虐史観とされた戦後教育。それを否定して敗戦前に戻るのではなく、アウフヘーベンした高度な価値観に辿り着かなくてはならない。と思いつつも国の経済状態が悪くなると皆戦争を望むのも真理。そしてこんな世の中にこれを叩き付けなくてはならなかった作家の叫びもまた真実。
ガラスの動物園

ガラスの動物園

滋企画

すみだパークシアター倉(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ガラスの動物園』についてはよく考えることがある。テネシー・ウィリアムズは何を描きたかったのか、果たして自分は何を観たかったのか?いろいろ妄想するのだが正解は見えない。それ故にまた観てしまう類。
今作は素晴らしかった。超満員の詰め掛けた観客。知ってる役者が結構観に来てた。何でこんなに人気あるの?と不思議に思う程。
一つは徹底的に戯曲を溶かした。10分の休憩込みで二幕2時間45分。そんなに長い話か?と思ったが徹底的に煮詰めている。もうこれ以上ない程考え尽くしやり尽くしている。ありとあらゆる方法論を探って行き着いたキャラクター。もうこれしか選択肢はない。納得のいく『ガラスの動物園』。しかもまた更に別のアプローチで観てみたいとも思わせる。行間の空白に広がる無限の可能性を垣間見せた。

母アマンダ、西田夏奈子さん。饒舌でヒステリックで強圧的、自己顕示欲の塊で常に自意識過剰の躁状態、病的に過去の栄光に縋り続ける。憎むべき侮蔑するべき母を西田夏奈子さんは愛すべき人物に仕立てた。名女優・望月優子のような人の痛みを知る弱き者に。アマンダの新しい息吹。

姉ローラ、原田つむぎさん。文句なし、これぞローラ。すっぴんの一幕、メイクした二幕。今作を観た若い奴にとって一生胸の奥底に貼り付く心の疵となろう。クライマックスの表情が物凄い。一幅の宗教画のよう。

主人公トム、佐藤滋氏。今回の趣向の一つに主人公が自分の心の中の情景を演劇として観客に見せているという額縁構造がある。その為、語り手として説明しながら照明や曲出しに合図を送る。この舞台が彼の心の中の光景だと伝える。MVPはそれを見事に担当した照明の岩城保氏だろう。クライマックスの照明は語り継がれる程。

主人公の勤める靴倉庫の同僚ジム、大石将弘氏。弁論部出身ということで石丸伸二っぽいアプローチ。成程そうきたか。

ユングの提唱した元型(アーキタイプ)。人類に共通する心の中にある記憶の象徴。各人の経験を越え人類が普遍的に備えているとされる感覚。今作がこれだけ繰り返し上演され繰り返し観劇される理由はそこに触れているからだと思う。誰か徹底的に論じて本にしてくれ。
曲で例えるとPearl Jamの「Off He Goes」みたいな感触。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

巧いのはローラを跛も引かず、一見普通の女性に描く演出。今までの他の作品では脚に器具を装着したり、彼女が普通ではないことを強調していた。今作では全くそんなことはしない。ただ第二幕、ジムが訪れてからは脚を引きずる描写に変わる。家族の中の生活では誰もそんなこと気にしてやいないという演出。他者が訪れると現実が介入し始める。

トムが電気代を払わなかった為、家が停電に。ここからは蝋燭一つで舞台を照らすことに。(シーリングライトとフットライトはうっすら点いている)。計算し尽くした技術に裏打ちされた表現、光と影。これに照らされたローラの表情ときたら。「ガムを一つ頂こうかしら。」

そしてトムが家を出た後、寄り添うアマンダとローラの姿。この描写は大きい。

ほんの少し不満を感じたとすればクライマックス、ジムとローラのシーンがちょっと冗長か。夢みたいに展開してガクンと落ちる、あの感覚が欲しかった。まるで曲の構成のように仕掛けて欲しかった。あとジムがもっと俗物の方がリアルかも知れない。だが今作が一つの達成地点だと思う。

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