最新の観てきた!クチコミ一覧

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是でいいのだ

是でいいのだ

小田尚稔の演劇

SCOOL(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

とにかく繊細で、真面目で、でも踏み込む大胆さもある、愚直なほどに。
入場時の案内からはじまり、そう感じさせるほど丁寧に重ねられていくシーン達だった。三鷹SCOOLでは、一列目の観客は手を伸ばせば俳優に触れられるほどの近さ。舞台上への照明によって観客の顔もよく見える。

ネタバレBOX

東日本大震災が起きた当日のできごとを、東京に暮らす人々の視点からモノローグ形式で繋いでいく。同じ東京とはいえ、出会ったことがなかった人々の別々の物語が、別々に語られることによって織り合わされていく。語り部となる4名の登場人物だけでなく、ステージ奥の卓(ミラーボールの回転なども手動で担当)との数度のコミュニケーションにより、「いろんなことの境界がさまざまな方法で無くなっていく」という感覚をじっくりと肌に馴染ませられた。

誰もが、さびしく、不器用で、うまくいっていないけれども、「是でいいのだ」という言葉がすんなりと入ってくる。

余談ですが、過去上演も観たことがありました。数度目の上演でありながら、繊細さと丁寧さを増しながら「是でいいのだ」という切実さも強さも増すように感じられたことには、再演を重ねることへの意義を見いだすことができました。
HOMO

HOMO

OrganWorks

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2020/03/06 (金) ~ 2020/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

絶滅する人類の三日間、を踊った。
客席と地続きのステージは薄暗く、人の気配が漂い、緊張感に包まれる開場時。そして“人類”という大きなテーマ。一歩足を踏み入れた時から作品にかける思いが伝わるほど、劇場内には静かな熱量が漂っており、それはダンス公演だからこそかもしれないと感じた。それはつまり、この場が身体表現の空間であることを実感することでもあった。

演劇のように配役(カテゴリー分け)が当日パンフレットに書かれており、詩が綴られている。読み飛ばしてから観はじめたらもったいないとも思える情報が、さりげなく手渡されていた。

ネタバレBOX

踊り、というよりも、動く、傾く、重なる、蠢く、という印象。身体表現というよりも、身体の集合体をつくっているよう。表情の筋肉ひとつひとつ、喉の奥から落ちてくる声。それは一人の人のものではなく、複数名が重なり合い、「ヒト(HOMO)」となっていく。また、美術はDNAのようにも見える。空間全体も作品を通しても、詩的というのがいいのか、文学的というのがいいのか、もはや考古学的というのがいいのか。「2001年宇宙の旅」のような壮大さは、時として人類の歴史と同じく観るものを呆然とさせてしまう瞬間がある。プラネタリウムにいるような感覚に近いかもしれない。そのあまりの大きさに、興奮する人もいれば、力が抜けていく人もいるだろうし、余裕の有無によってはもしかしたら窮屈さや落ち着かなささえ感じるかもしれない。ただ、目を凝らせばそこには、生々しさと無機質さの同居がある。

この公演により、カンパニー主宰である平原慎太郎さんの作品に合うダンサーの特性が際立ち、広がったのではないだろうか。とくに出番も多かった渡辺はるかさんは、人類と新人類にかかる橋のように、新鮮さとのびやかさがあった。これから、このカンパニーが伸びていく未来の枝葉を見ているような瞬間もあった。作品としては完成度を追求しているのだろうけれど、カンパニーとしていろんな可能性がありそうだと感じられるのは、プロデュース公演とは違う面白さだった。

人類(ホモ・サピエンス)の旅を描いた「HOMO」。あえて抜いたのだろうが「サピエンス」とはラテン語で『賢い』。では、賢くない人とはなんだろう……言葉による物語とはちがう、身体と空間による物語を堪能した。
是でいいのだ

是でいいのだ

小田尚稔の演劇

SCOOL(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

観劇したのは3月11日の夜でした。三鷹の駅前にはまだ、会社帰り学校帰りの人たちが多く行き交っていて、そんな中、原発に反対する市民団体がろうそくを灯し、3.11の犠牲者を悼むひと時を持っているのを見かけ、「今日がその日だった」こと、9年前のさまざまな出来事を思い出しました。

「3月のあの日」の東京にいた(いる)5人の男女の、それぞれの経験(語り)を並べ、重ねる『是でいいのだ』は、そうした個人的な体験を反芻させ、言葉にさせる「扉」のような作品であったのかもしれません。

就活生、夫に離婚をつきつけられた女、離婚を切り出したものの寂しさに耐えられない男、大学5年生、仕事に悩む書店員。いろいろと中途半端な彼らの、ナチュラルな語りに滲む迷いは、確かに身に覚えがあるもので、彼らが置かれた状況(=大きな揺れや混乱を体験しながらも「被災地」のそれとは距離がある)もまた、3.11後のさまざまな「当事者」をめぐる議論を思い起こさせるものでした。5人の中では特に、離婚の瀬戸際にいる女を演じた濱野ゆき子さんが魅力的でした。

5人のキャラクターは確かに異なり、その話の内容は、場所や固有名詞などを交えたとても具体的なものです。ただ、互いに距離を縮めたり、重なったり、離れたりする物語展開、場面構成によって「誰がいつどこで何をしたのか」はかえって曖昧にされ、物語世界、そこでの人物の配置が明確な像を結ぶことはありません。さらに作中には敢えて時代を混乱させるような錯誤も用意されていたようです(あれ?と思って見ていましたが、後に山﨑健太さんのレビューで得心しました。https://artscape.jp/report/review/10161214_1735.html)。登場人物たちはやがて、とりあえずの救いとしての「是でいいのだ」にたどり着きますが、物語はそこで閉じられてはいないでしょう。「是」は、皆に同じでも、いつも同じでもないはずですから。

ネタバレBOX

いわゆる「現代口語」的な一人語りのリズムはノリやすく、入り込みやすい一方で、引用されているカントやフランクルの言葉はそれほど粒立って聞こえず、存在感が薄いようにも感じました。チラシなどにも引用はあり、哲学のテキストを題材にしているというイメージが強くあったので、これは意外にも思えました。

また、ここに出てくる人物が皆「若者」であるということについても、考えさせられました。ある意味未分化の、社会的に何者でもない存在であること、そのリアリティが作劇の核でもあり、むしろその後を想像させる面白さがあるとはわかりつつ、ここにもし中高年の登場人物がいたら、どのような劇になっていたのだろうと…あれから9年が経ち、中年になった私は考えずにはいられません。
ゆうめいの座標軸

ゆうめいの座標軸

ゆうめい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

満足度★★★★

『弟兄』。作品として素晴らしかったとともに、この演劇について話すのは難しい。

というのも……

ネタバレBOX

『弟兄』は、作品の呈としては「作・演出・主演の子どもの頃のいじめ体験を加害者の名前を実名で上演して、さらには本人達に怒られたので伏せ字にしたが上演は続けている」というもの。どこまでがフィクションかはわからないのでもちろん全部つくりものの可能性もあるし、すべて現実の可能性もある。

……という状況のなかで、観客はおそらく、観劇しながら自身の加害性や被害性を垣間みることになるだろう。

それとは別に、もし、これがすべて事実だと仮定すると、そこには『演劇の暴力性』がうまれる。この上演そのものが、かつて子どもだった加害者へのひとつの加害であり、それを楽しんでいる観客はその『演劇の暴力性』をうみだす共犯者たりえる。(もちろんあくまで仮定の話ではあるが、ゆうめいはその可能性を残して上演をしている)

また、(大幅な改定をせずに)再演をしつづけることによって、物語本来の切実性は薄れ、観客個々人のもっている作品の情報は多くなってくる。「作品を見ている」という前提が強くなるほどに、小劇場の客席から動きづらく発言もしづらい観客は「演劇の暴力を浴びている」という状態になる。つまり、再演をするほどに作品の意義や価値が変わってくる演劇ではないかと感じた。

作品としてのクオリティが高いことは、過去上演の成果や、今回公演のさまざまな感想からもわかるし、私もおおむね同意ですので細かなことは割愛させてください。脚本の構成、照明や音響や美術などをふくむ演出の仕掛け、フィクションとのバランス、俳優の表現力など、どれも魅力的でした。そして、「演劇ってなんだっけ」「表現ってなんだっけ」「芸術ってなんだっけ」という問いドキュメンタリーシアターとしても独自の芯が通っているからこそうまれる力強さがあります。

批判が多いほど、上演意義の深い作品だと思いました。
まほろばの景 2020【三重公演中止】

まほろばの景 2020【三重公演中止】

烏丸ストロークロック

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2020/02/16 (日) ~ 2020/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★

なぜ山に登るのか。山とは何なのか。
東日本大震災を物語に横たわるひとつの土台として、さまざまな人々の生きづらさが交差する。

ネタバレBOX

ひとりの男は、山に登りながら、過去へと下っていくのだが、もしかしたら過去を振り返るのは「登る」という作業なのかもしれない……と思うほど、上も下も、右も左も、奥も手前も、時間もわからなくなっていく。観客の感覚を曖昧にまぜこぜにさせ、現実か幻想かわからない世界に誘うのは、杉山至氏の美術や、声や生演奏や風をもちいた演出、顔の見えづらい照明などによる。ひとつひとつ時間を刻んでいるのだという印象を受ける。

主人公を演じる小濱昭博さんを中心に、ひとつひとつ丁寧に積み上げてきたエピソードが、水のなかで舞う小菅紘史さんにより重さをともないながらも解き放たれるシーンは圧巻。

そのシーンをひとつの頂点として、六根清浄の浄化と生々しさが、“身体”という舞台表現によってそこに存在する。作品として精錬されていることと劇場空間に黒い余白があるために、その広大さを実感として見いだすか、夢うつつのような浮遊感を感じるかは、人によるかもしれないが……

2018年から上演されてきた作品ではあるけれども、何度も再演されることこそが、まるで登山のよう。この先もし形を変えようと「まほろばの景」が続くことが、わたしたちの誰もが背負った、まほろばへの旅なのかもしれない。
黒い砂礫

黒い砂礫

オレンヂスタ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2020/03/14 (土) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

女性登山家によるK2無酸素登頂の顛末、周囲の人々の心模様を描きながら、彼女の挑戦の根底にあった思いをあぶり出す意欲的なエンターテインメント作品。ドラマティックで緊張感を途切らすことのない場面展開、演出で、特に段差をつかったシンプルなセット、白線、俳優の演技のみで山の厳しさを表現した終盤には見応えがありました。
また、主人公のサポート役をつとめる登山家役の松竹亭ごみ箱さんの奥行きのある存在感も印象に残っています。

主人公のモデルとなった登山家は男性で、がむしゃらで無謀ともいえる挑戦がしばしば批判された人物です。この作品ではそれを女性に置き換え、現代社会における女性のあり方への問いを山への挑戦と重ねて見せていました。

大学の登山サークルでの飲み会や訓練シーンのホモソーシャル感、マネジメント会社の社長が体現する(感動)搾取の構造などは、登山という特殊なテーマを背負ってはいるものの、現代女性の前に立ちはだかる壁としてもビビッドに機能していたと思います(一般の企業などでも、歴史があり規模も大きい組織ならそうした意識は残っているかもしれません)。また、田舎に住む妹をはじめ、立場や考えの異なる女性の登場人物を複数配したことも、より視野を高くする試みとして好感を持ちました。


ネタバレBOX

とはいえ、壁の大きさと、周囲の期待に応えようというプレッシャーの大きさ、それをも覚悟したうえでの挑戦への熱意が、最終的に払われた犠牲(胎児も含めた遭難死)やそれを引き起こした無謀さをすべて許容するほどなのかというと、現実においても劇中においても、疑問を拭い去るほどではなかったかもしれません。

当日パンフレットには、多くの資料を漁りつつ書かれた戯曲であること、そして「演出の都合上、ルートや装備など数々の省略を行っています」との断りもありました。山のリアルを描くのではなく、「山を見つめた人々」を描きたいという想いは十分納得できるものですし、そうした省略のセンスこそが、演劇の、この作品の面白さでもあるでしょう。ただ、その一方で、もし、もう一歩踏み込んだ取材、ディテールの多角的な検討、あるいはドラマターグの起用があれば、より効果的に、確信犯的にフィクションの力を発動させることもでき、彼女の生き様に共感できるような仕掛けをつくる可能性もあったのではないかという気もしています。
『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』国内ツアー

『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』国内ツアー

チェルフィッチュ

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2014/12/12 (金) ~ 2014/12/21 (日)公演終了

メル・リルルの花火

メル・リルルの花火

おぼんろ

新宿FACE(東京都)

2020/04/17 (金) ~ 2020/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

メル・リルルの花火千秋楽。
こう言う形でも上演してくれたことに感謝します。ここ何年か、観劇体質になっているので何の予定もない日々は耐え難く、体調崩したりしていたのでしたがメルリルが始まってから取り戻せました。YouTubeを始めとして、いろんなところでお芝居の配信はありますが、上演予定通りに毎日(休演日もありました)予定通りの時間に開演されるのがとても良かったです。自宅の座席に座って観劇することができました。自宅なのでお茶やらお菓子やらをお供にできると言うおまけ付き。自分だけの空間をクルパジムン仕様にできるのも楽しかったです。
上演後のメイキング映像を見ていたら、サテライト上演も見たくなったし、もちろん劇場で語り部さんや幽霊さんたちともお会いしたいです。ぜひ劇場での再演を希望します。

ネタバレBOX

一見ラジオドラマではあったのですが、ラジオドラマとはいきません。ラジオ放送初期のラジオドラマに生放送があったかもしれませんが、あくまでもみんな同じ場所にいて効果音とかやる人がいてと言う形かと思います。メイキングを見たのですが今回は効果音も自前でした。足音、倒れる音、など自分でやっていたようです。そうですよね。目の前にいない人に効果音は出せないですよね。送信受信のネット環境や機械操作の腕前(?)の差か、時々音量が不安定になったり聞き取りにくかったりしました。台本もラジオドラマとしては無理があったのではないかと思われるところもありました。今回がおぼんろ初参加という方がいらしたら、感想を聞いてみたいです。
ゆうめいの座標軸

ゆうめいの座標軸

ゆうめい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

もう、凄い今更の感想なんですけど、
ずっと観たかったゆうめい、
ようやく観ました。
3本予約したけど、2本しか観れず、
もっと観たくてWS公演も観ました。
「弟兄」が良かった。

あと余談ですが 劇団の方達が
感じが良かったですww
(結構大事)

『シェリングフォード・ホームズの論理的推論~第三楽章a study in crimson~』

『シェリングフォード・ホームズの論理的推論~第三楽章a study in crimson~』

黒雪構想

APOCシアター(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★

《雰囲気が良く出ていた》という表現になるだろうか。

そもそも劇場がAPOCシアターだというのを分かっており、
そんなにド派手な事は出来ないと思っていたので、
むしろ登場人物達の衣装やセットなどから作り出す雰囲気は、
想像以上に良く作り込まれていた気がした。

ただ志が高そうな分、残念ながら登場人物達の動きが制限されていて、
右から出てきて、左から出てきて…という平面の動きは、
立体的な作品と言うより平面の画面をずっと観ていてみたいな感じで、
残念ながら臨場感みたいな感じは味わえなかった。

何となく血の通っていない無機質な感じが淡々と続く様な、
だからこそ冒頭の《雰囲気が良く出ていた》になるのだが、
全員が《何となくこんな感じですよね》と進んでいる様に見えた。

事前の期待値は十分に満たしていて、楽しめた作品ではありました。

月の谷 赤い石

月の谷 赤い石

秦組

d-倉庫(東京都)

2019/02/06 (水) ~ 2019/02/17 (日)公演終了

満足度★★★★

『月の谷』→『赤い石』の順で観劇

秦組さんは『らん』で拝見した時に、その華やかだけじゃない泥臭さ、
人間の汗の臭いや、自然界の埃の舞う様な空気感とかを感じれましたが、
この2作品でも同様の味わいがありました。

主演というか前に出る人だけじゃなく、脇役とも言えるベテランの方々も、
見事にその味を出していて多くの魅せ場を見る事が出来ました。

大男と戦う新垣里沙さんが普通に吹っ飛ばされるところとか、
片方の作品ではホンのチョイ役で出ている贅沢さとかも味わえて満足度は高かったです。

劇場がd倉庫の為に、客席の中央の通路から出てくる場面などを含め、
少し動きに制約があったのが作品のスケール的には残念でしたが、
ある意味であの規模感だからこそ味わえる臨場感は見応えタップリでした。

楽しめる2作品でした。

BLACK SMITH【開催見送り】

BLACK SMITH【開催見送り】

壱劇屋

大阪ビジネスパーク円形ホール(大阪府)

2020/04/24 (金) ~ 2020/04/26 (日)公演終了

開催見送りは残念ですが今の状況では致し方ない事だと思います★「命を一番大事に」という劇団の英断に敬意を表しますm(_ _)m
一日も早く事態が終息してこの作品が安心して観れる日が来る事を願って止みませんm(_ _)m

舞台「オトナインデッドリースクール」

舞台「オトナインデッドリースクール」

松扇アリス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/08 (火)公演終了

満足度★★★

デッドリーシリーズの外伝的な存在。

学校が役所に場面を移し、登場人物達もそれに合わせての立場(職業)変更。
個人的にはあまりに幼い役者さんも多い最近のアリスさんの公演の中で、
これだけ落ち着いたメンバーがしっかりと魅せてくれるのは安心して観られてとても楽しめた。

プロ歌手で歌唱指導もされてるSetsukoさんを中心としたアカペラなどの歌の面でも、
これまでに無いクオリティでとても楽しめる作品だった。
企画もの的な側面もあったとは言え、十分に楽しく拝見出来た。

アリスインデッドリースクール 楽園

アリスインデッドリースクール 楽園

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

アリスインプロジェクトさんの代表作と言って良い作品。

今回は遠藤瑠香さんと石川凜果さんのW主演。
八坂さんと長橋さんの日替わりゲスト回で、両チーム観劇。
栗生みなさんが流石の存在感でした。

石川凜果さんが元々持つキャラじゃなさそうなだけに本人も大変そうでしたが、
その相手を務めた遠藤瑠香さんの頑張りには素直に拍手を送り(贈り)たいです。
言葉に言葉を重ねて怒涛のセリフ回し、座組と作品を引っ張っていたと思います。

Paranoia Papers

Paranoia Papers

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2017/05/31 (水) ~ 2017/06/06 (火)公演終了

満足度★★★

両方の章を観劇。
なんとも禍々しい、剥き出しの舞台を観た感じ。
作品自体が媚薬の様な、妙な薬を気化させて劇場中に散布してるんじゃないかと思うほど、
途中から頭がトランス状態と言うか、軽く感覚を痙攣させられてるみたいな気分で観てました。

人が確かにそこにいるのに人形の様な扱い、無機質な物の様にそこに有る、演出などを含めて、
両章で6時間くらいの、非日常を味わえました。

ただ好きか?と問われると好んで観たいテイストではなく爽快感を味わえる訳でもないので、
この雰囲気の作品は本当にたまに観るくらいが丁度良いと思います。

共骨

共骨

オフィス上の空

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

松澤くれはさんの作品はいつも魅力がある。
気持ちを惹かれるテーマが一本通っていて、必ず心に触れ引っ掛かるものがある。

新垣里沙さんや佃井皆美さんや岩井七世さんなどのメインどころの女優陣、
そして谷口さんなどの俳優陣も魅力も実力もタップリ。
高橋明日香さんなど器用な役者も非常に多く、そして贅沢に使われていた。
劇場も広く照明の使い方やセットの意外な使い方も興味深かった。

それだけに勿体ない…惜しい気がしてしまった作品。

もっとやれたのではないか(期間とかではなく、内面に踏み込めたのではないか、の意味)とか、
そんな気がしてならなかった…。

個人的には、母を私が29歳の時に亡くしており、共鳴する部分も少なくなかった。
テーマもグッと惹かれたし、他ではなかなか味わえない独特の空間と空気感はお見事だった。

期待値が高過ぎたのかも知れないけど、今一歩の気持ちが残ってしまった…

トゥーランドット[新制作]

トゥーランドット[新制作]

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2019/07/18 (木) ~ 2019/07/22 (月)公演終了

レディ・ア・ゴーゴー!! 2018

レディ・ア・ゴーゴー!! 2018

LIVEDOG

新宿村LIVE(東京都)

2018/02/17 (土) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度

【TeamMacaron】サイドを拝見。

2019年バージョンも観ましたが、本当に申し訳ないですがこの作品の楽しみ方が私には分からないのです…
キャッチコピーの「WOMANは愛と覚悟でLADYになる」も「…ん?」って思ってしまったし、
「限界までゴーゴー!!」もそうですが、かなり無理してテンションを高めにしてるのも分かるのですが、
どうにも感情の起伏が良く分からずでした…

申し訳ないのですが、私の好みではありませんでした。

最後の1フィート

最後の1フィート

犀の穴プロデュース

犀の穴(東京都)

2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

チャレンジングな作品だと感心しました。
観劇後の後味はとても良いモノでした。

パンフレットなどにもある通り、短編の映画を観ている様な気持ちになりました。
あの劇場に必要最小限のセットなのに、役者さん達の力で、なんと言うか背景が見える様でした。

客席にいてもいつの間にか物語の中に入り込んでいる様な、そんな錯覚を覚えた瞬間もありました。
恐らく良い意味で長編向きではなく、ピリッとした味のある短編の連作と言う感じは緩急もあり楽しめました。

黒女

黒女

赤い猫

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2020/03/18 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★

いやぁ〜凄かった…

あの狭い下北沢亭を逆に利用して、もはや客席も巻き込まれてのホラー劇場でした。
主演の高橋茉琴さんの身体が乗っ取られたかの様な怪演。
声も表情もオドロオドロしく、鬼気迫る迫真の演技はエネルギーに溢れてました。

実際にあった怪事件?をモチーフによくあそこまでの張り詰めた緊張感ある作品を作れたモノでした。
お見事でした…たった1度だけでも観終わったらヘロヘロになったので、
アレを毎公演やってた演者さん達はお見事の一言でした。

少しだけ短編でしたので3点満点の3点にします。

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