ハナミズキの観てきた!クチコミ一覧

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天守物語

天守物語

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇場を制した段階で勝負あり!
劇場に一歩入った瞬間、聳え立つ天守閣、手前の白色L字動線(90度より間違いなく少し鋭角)、見事な舞台セットに圧倒され!・・更に照明、衣装、音楽(和洋折中コーラス込み)も良く、特にその中で、心揺さぶる和楽(龍笛・篠笛、琴、和太鼓)更に、お祭り型円舞により、血が湧きたち肉が踊らされました・・正にジャパニーズ・エンターテイメント、圧巻でした。
”主役鷹匠役の甘浦さん"の大抜擢、”妖艶なあずみさん”、”鷹役の中村さん"の為に用意されたL字動線を颯爽と飛び駆け回る勇美な鷹もカッコ良かった。”岩田さん・大竹さん・井俣さん・堀池さん”は、皆さん適役でした。贅沢を言えば、もっと悲恋的なものを折り込んで戴きたかったのです・・が、時間的な制約か?”毛利さん”の”あずみさん”に対する遠慮なのか?・・そういえば・・”毛利さん”の描く恋愛描写/場面って・・苦手なのか?経験不足なのか?元々の素養が・・?、本作も”少年社中”らしくて、大満足に終わりましたです。
終演後、恒例の劇場からの留意事項、周辺住宅街への影響を配慮する為、役者さんの見送り御容赦願いの告知があり、珍しく吉祥寺シアター1Fホールに人が溢れ出ていない状態でした。”少年社中さん”はマナーを含め劇場さんの評判も良い劇団さん、なのかなと思いました。その中、物販コーナーに遠慮気味に唯一井俣さんが出ておられ・・前作「ネバーランド」のDVD購入した際、声をかけて戴き+握手をさせて戴きました。基本役者さんとは会話を含め、(のめり込まない様)あえて交流をしない事を心がけていますが、今回は握手をさせて戴きました。(モダンスイマーズ自称“名も無き役者Fさん”に次ぐ2人目です。)次回作、一年後との事ですが、期待して待ってます。

キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

伺いました。
「あなたのひとみにうつらない」以来の2作目・・今年4月”ズッキュン娘”の「2番目でもいいの」の演出を見て久々のチョイス。同様に大人数の捌きが手際よく、殆どのキャラがホント”キラキラ”と立ってるとても面白い作品でした。&ここの劇場は舞台が客席より一段下がって、尚且つ客席勾配がついて・・舞台上に平台を上手く配し客先目線を上げて、中腰以下の場面は全て台上で、も流石です。。(以前舞台手前で中腰以下の独白が多い舞台を・・)
【足元】靴の下に黒の地下足袋!?加えて正座した際に裏が白でトーンダウン・・はたまた遠方より駆け付けた“引き籠り性のキョーコさん”靴も履かず、穴あきの靴下から親指を出しての登場(爆)・・この違いはナンナン・・細か過ぎました。m(_ _)m\( ̄ー ̄;)

鎌塚氏、放り投げる

鎌塚氏、放り投げる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2011/05/12 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

極上のコメディー
湖に浮かぶ城・羽島邸で繰り広げられる極上のコメディー。非日常的な貴族の世界(生活)を「執事」という献身的な職業を通じ垣間見る事が出来、場面転換(舞台装置)・照明・衣装等もすばらしく、そしてタップリの笑いを戴き大変満足しました。完璧なる執事になることを誓って自分を律し、現実とのギャップに葛藤しながら、最後に肩の力を抜く事も必要と目覚め・・・。久々にタイトルと本編のズレが無く、最終場の最後にそのタイトルが納得出来る、見事なお芝居を観させて戴きました。
三宅さん(初観)、片桐さん、ともさかさん(「黴菌」に次ぎ二作目でした。)、は言うに及ばず、大河内さん、佐藤さん(初観)の夫婦役も品があり、倉持さん劇団に所属の玉置さん(初観)もピリ辛な役を演じ、そして広岡さんはやはり最高に面白く、大満足のキャスティングでした。

珍しい凡人

珍しい凡人

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2011/05/04 (水) ~ 2011/05/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

渾身作!あぁ~最高に面白かった!
キャスティングを含めた個々の役柄設定が鮮明で、古川さん拘りの脚本・演出に感服です。役者では、ザンヨウコさんの存在感が際立ってました。
さてと、久々に兄貴に会いに行こう。。

ネタバレBOX

<欲張りな本>日常会話の中で、淡々とさりげなく家族・兄弟・教育・陪審員制度・風評(噂話の一人歩き)被害・就労(ニート)・ストーカー・エイズ・ゲイ・搾取ビジネス・NPOのあり方等々、世相の難題を贅沢に織り込み、忘れかけていた問題をも再提起し、一見散らかしっぱなしにも見えますが、ともすると、平凡な日常生活に難問がいつ入り込んで来てもおかしくない(既に一つや二つは抱え込んでいる)程、多様化し、複雑化した社会(時代)で生きている事を実感させられ、色々考えさせられました。
<姉妹・兄弟 関係のコントラスト>姉妹は女子故、主観的に本音(感情論)をぶつけ合い口喧嘩しあいながらも無職の妹に夫に内緒で大金を貸し・・、兄弟は男子故、客観的に互いを意識しながらなかなか本音でぶつからず、父親に愛された弟(兄の嫉妬心の根源)が挫折しながら独り身で廃屋寸前の母屋を守り、父親に認められようとした兄が学校の先生となり家族を持ち新居を造り、世間では成功者の様に思われるが・・、最後に30-40代になって兄弟の本音を語り合い、最終場へ・・。
<最終場>エピローグで、基となる家族・兄弟のあり方を問うて来た。その中で最後にトラウマを背負った服部洵子が忍び寄り・・“まさか”の展開と思いきや、両方の家の分岐路に立った儘、何も起こらず・・終幕。個人的には、洵子が兄健一ではなく、挫折感を乗り越えた、弟健二の下へ向かったと、思いたいです。。
弁護士バイロン

弁護士バイロン

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

待望の初観!秀作でした。
やっと拝観出来ました。
前回、「(初)遊空間がざびぃ」さんの前を何回も通り過ごしてしまい、開演時間15分後位に辿り着き、(予約済でしたが)結果満席でSOLD OUT!とぼとぼと帰った分の万感の思いもありましたが、評判通り、の劇団さんで大満足、秀作でした。法律事務所の引越しの最中、新人さんの教育を兼ねて他の登場人物(フリーライター、ビルの清掃員さん、豆腐屋さん他)を捲き込みながら模擬裁判を行なう事となり・・題材に、かの「熱海殺人事件」を選び・・、笑いもあり、後半の事件を再現する場面の緊迫感もあり、役者“鈴木さん”の控えめさ加減にも好感が持て、筋の通った観応えのある作品でした。
<・・拝観切欠・・>
少し前に“戸田さん”を、とある劇団(団員さんがやたら多い分 集客力は、あるが、時に前説を含め不得意?と思われる<圧倒的コメディー>も上演される劇団)の番外編公演(本作は○)で拝観、バタ足+早台詞が聴き取り難いものの、なにげに一生懸命さに好感が持てた役者さん・・の印象、後に退団されたと知り暫くして「東京都鈴木区」への参加を偶然知り、劇団の評判を聴き拝観の機会を窺っていたところ、他団体公演で“鈴木さん”の演出作「アメノクサリ(ELEGY KING STORE)」を観て更に期待が増し、今回の本公演へ・・、もっと早く他の作品も観に伺っていれば・・。加えて本作品で役者“長治さん”を再認識、とてもユニークな存在の役者さんで、複数の作品拝観の記憶が甦った次第。他の役者さんも個性豊かで次回本公演半年後がとても待ち遠しい限りです。
<拝観後・・>実は、前回観逃した際、スタッフの方が下り坂を駆け足で追いかけて来られ、なんとか席を用意しますので、と好意でおっしゃって戴いたのですが、公演の途中で席の準備と入場では迷惑がかかってしまうので、(本位に反し)丁重にお断りしてしまいました。今回、終演後一旦帰路に着きかけましたが、下り坂の途中ファミレスに立ち寄り、暫くして意を決し連れ合いさんに待ってもらい、一人劇場まで戻り前回追いかけて来られたスタッフさんから台本(CD)を購入させて戴き、何となくの“もやもや感”が消え心晴れやかに帰路に着けました、とさ。。
<ハナミズキさんのコメント>
役者さん、テンポ、そして脚本・演出も良く面白かった。☆5

殿(しんがり)はいつも殿(との)

殿(しんがり)はいつも殿(との)

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

伺いました。。
シアターKASSI以来・・”前説&余興コーナー”部門を合わせ2冠達成おめでとうございます。過去から宇宙への壮大な一大スペクタクル・・まさに”HARAKIRIネバーエンディングストーリー・・”短編を総動員で全力で・・ってゆうのがイイですね~。余韻はDVDで堪能させて戴きました。。

ゴドーを待ちながら

ゴドーを待ちながら

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/04/15 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

黄昏時に・・何を待つ。誰と。
時代・世相が変わっても誕生と死は繰り返えされ、気がつけば・・、ごっこ遊び~靴・帽子遊び~夫婦の様な会話遊び~静寂・怒号~歌・ダンス~権力・脅威・異端・格差との遭遇と押えられない好奇心~時を経て~権威・脅威との再会そして克服(経験と成長)、落差(栄華と衰退)を目の当たりにして出てきた余裕(脅威のトラウマの克服は?)、而して、皆、母なる大地に横たわれば・・。何かがやって来るのを待つのも、待ち続けるかどうかを決めるのも人生、最後に同じ道を歩んだのか、別の道を選んだのかは・・。世相風刺を織り込んだ黄昏時のお芝居と解釈しましたが、橋爪さん石倉さん名コンビの好演、石井さん「ラッキー」の鬼気迫る長台詞、いやぁ~、良かった。不条理な・・展開故、思わぬところで前の台詞が繋がる可能性もあり一言も聞き逃せない中、2幕2時間半強、珍しく集中できました。時代・世相がどうであれ、如何に心豊かな老後を送るべきか、老いは経験を積む楽しさがある事を知っている60代の尊敬すべき凄すぎる先輩諸氏(演者)には負けられないという気持ちにもなりました。それと、相棒さえいれば何とかなるのかも・・。
モナカ興業と森さんに関しては、「理解Understanding」1作品を拝観させて戴きましたが、芝居のインパクトはあったものの、ん~Under抜きのスタンディングリーディング劇?と思える様なシンプル過ぎる演出は、正直いって下名素人故「理解、不能?」でした、が・・、今回は、大ベテランさんを、お相手に大変なお仕事をされたと感服致しました。
<ハナモズクさんのコメント>
ベテランの役者さん個々の演技力が凄いと思った。
只待つことの退屈さ、如何にその時間を大切に過ごし心のバランスを取るか、自分の気の持ちようで、変えられるものと感じました。[理解できなかったので、☆2]

国民の映画

国民の映画

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/03/07 (月) ~ 2011/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

観劇前の予習のお勧め
国民のプロパガンダ用とはいえ一時期栄華を極めた独映画の史上劇、戦時中に国民の文化を操ろうとする国家と、媚を売りながらも尊厳を守ろうとする文化人との武力無き戦、政府要人同士の軋轢、登場しない「あの方」の恐怖の存在感、ユダヤ人殲滅政策・・等々、やっぱり、満を持した三谷作品は凄く、パルコ劇場は安心して観られました。
小日向さんが右足を庇っておられる様に感じ、怪我でもされたのかな?と思ってましたが、演じるパウル・ヨーゼフ・ゲッベルス宣伝大臣が幼少の頃に右下腿部に小児麻痺を患い、歩行がやや不自由であった事を後で知り、勉強不足を痛感した次第で、大変反省しております。照明も良かったし、ミージカルスターの歌の競演も観(聞き)ごたえがありました。

欲望という名の電車

欲望という名の電車

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/04/12 (火) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

混乱・笑い・暴力が織成すダークファンタジー!
小田島さんの批評家さんの叱責をものともしない斬新な翻訳(普通の会話のやり取りでも、すれ違い、受け取り方の違い等々で十分笑える場面もあり、力量のなせる業と感服)、松尾さんの綿密な演出(プリミティブな混乱、笑い、暴力/シャツ・衣類、シーツ、裸電球、扇風機、飲料等々小物の扱い方迄、繊細)、秋山さんの妖艶で危うい狂気のブランチ(最高!≦「まほろば」)、池内さんの野卑で下品で子供ぽくワイルドな、なりきりスタンレー(「コースト・オブ・ユートピア」「ザ・キャラクター」今回と3作拝見させて戴き、遅まきながら良い役者さんと痛感。)、鈴木さんの愛すべき2頭の猛獣の間で困惑する献身的なステラ(お初ですが、さすが文学座)等、主演お三方の精魂尽き果てた熱演、脇を固めるオクイさん村杉さん猫背さんの好演、映像・音響・照明全てが一級品でした。あっという間のワクワクな3時間でした。
欲を言えば、ニューオリンズっぽく、も少しジャズが欲しかったです。
追伸、身近な席に本田劇場「桃天紅」の楽日を終えて間がない中、生「平田敦子」さんの、ふ(失礼。)とってもチャ~ミングな、ご尊顔も拝する事が出来、さらにテンションが上がった一日となりました。
<ハナモズクさんコメント>
面白いお芝居でした。人それぞれが、関わっていく中で、心のバランスを取るのが如何に難しいか、という事を痛感しました。

PerformenVI~Paradiso~

PerformenVI~Paradiso~

電動夏子安置システム

吉祥寺シアター(東京都)

2011/05/07 (土) ~ 2011/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮観なエンターティメント!【A】
<秀作・秀劇団>総勢37名、約2時間20分間略フルスロットル+ノンストップ劇、緊張の舞台裏(惨状?)は、裏方さんを含め想像を絶する状況と推察され、頭が下がります。
本筋は威厳があり・重々しく・淡々と進行し、サイドストーリーの場面では、主に仕込みとスピード感でガンガンと攻め立て、渡辺さんがメインの場面では、間とタメが絶妙で大爆笑と相成りました。劇団関係者さんは、制作会議・稽古・作本編編集等全ての工程で苦行を物ともせず、楽しみながら作り上げ、高い意識で達成感を持たれた上、本番に望まれたものと推測されます。劇場への入場時から終演後のお見送り迄、気配りがなされた極上のエンターテイメントでした。大満足。
<例えて・・>初観ですが、非常にチームワークが良くて欲張りな劇団さんと感じました。例えて言えばお値打ちで豪華な「幕の内弁当屋さん?」“作り手”の板さんは、お客さんに満足して戴く為、あれもこれもと過剰サービス的に惣菜を付けまくり、主食にも拘りがあり、原価割れしても粋に感じながら暖簾を守って(観せ付けて?)いるし、盛り付け班の作業も効率が良くて活気があり、売子さんも元気良く声高らかに、いつも即完売!と、いった具合で、未だ膨れ上がったホッペの中で租借しきれない状態が続いてます。
<キャラ>役者さんでは、こだわりの渡辺さんがダントツの輝きを放ち、新野さん、なしおさん、岩田さん(声も)、志賀さん、が続いて面白く、他には、濃いキャラっぽく見えた澤村さんが目に付きました。笑いの3要素は、良い台本に加え役者さんの①経験(場数:含む稽古)、②キャラクター、③アドリブ対応力、かと個人的に思っておりますが、強烈なインパクトを感じた渡辺さんは存在感、キャラクターも申し分無く、更に稽古好きな為、今後の御活躍を期待します。又、猿田さんの軽快な動き、(前出演作と違った)穏やかな演技も観る事が出来、大変良かったです。

『ナツヤスミ語辞典』

『ナツヤスミ語辞典』

演劇集団キャラメルボックス

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/11 (木)公演終了

満足度★★★★★

「キャラ箱の 中敷詰める 柿尽くし」かな
「かき(柿)氷 キャラツブ乗せて いと旨し」
“柿さん’s”の特徴 リズムのある台詞回しでのリフレイン攻撃に加え、ついにBGM(リズム低音)との融合による“ビートの利いた芝居”を確立させてしまった感ありで、略全編リズムに乗って観る芝居って!最初はとてもチャレンジングで大変であったと思料される分、もの凄さを感じます。
個人的にはサブリミナル効果のある“最終ウエポン村上さん”の不意打ち攻撃が好物で、本作「ポップコーン」の台詞(正確には台詞の後 文脈の繋がりが全く無い、只の突拍子に発する奇声です。)が頭に残り、観劇後、気が着いたら行き付けのスーパーでポップコーンを なぜに2袋 無意識の内に買ってしまってました。(あな、恐ろしや!)又、長台詞の台詞回しは、古くはなりますが“4代目 柳亭痴楽師匠”「七・五調」の新作落語「痴楽綴方狂室」を彷彿させるもがあります。
“柿さん’s”は未だ日が浅く初観は、「露出狂」で、“深谷さん”“熊川さん(範中遊泳)”に注目、インパクト面では“七味さん”“あがささん(劇団零式?)”でしたが、今回、特質すべきは間違いなく“深谷さん”滑舌も良く、女性で無理なく あれ程声の通る役者さんは稀で、表情・表現も豊か、全編全力で演じきり役者である事をとても楽しんでおられる姿は、好感が持てます。
<客席ウォッチング>
開演直前“村上姉さん(ホチキス)”と“片桐さん(箱庭)”が来られプライベートでの仲の良さも垣間見えました。仮に御二方が、“柿さん’s”の舞台に上がったとしたら・・??
<追伸>
天下を往く“水戸黄門様TV版”の如くマンネリ傾向故、一旦卒業しましたが、22年前の作品(成井さん27才時)は、斬新でさすがに“本”は良かった。原作の枝葉を大胆にシンプルに切取り、内に育まれた原木を無垢(予見不可能)な姿で取り出す、天才“中屋敷さん”を以ってして熟慮の結果「真正面からぶつかる」・・にせざるを得なくさせてしまった。。正に“アナザーフェイス”間違いなくとても面白い作品でした。機会があり、時間巻き戻しネタでなければ久々に“キャラメルさん”観に行こっと。。
「【佳作】正統派 かき(柿)乱だされて 新機軸」

雨

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2011/06/09 (木) ~ 2011/06/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

観に行って本当良かった。
迷いましたが、“永作さん”“市亀さん”に導かれ、結果、行って本当に良かったと思えた秀作でした。
“永作さん”は今回も文句なし完璧!“市亀さん” 前観作「狭き門より入れ(PARCO)」の近未来へのナビゲーター役も良かったですが、今回の時代劇は適役で、特に第二の犯行の後、俯きかげんで、小刻みに震えながらの2ステップ毎の早送り逃げ足の場面(歌舞伎・引き込み六法の陰バージョン)と、第三犯行時の一人二役(独演)場面が印象に残りました。
本作を観ながら九州の、とある盆地で入り口の温泉地を利用し、役人を接待付けにし、不毛の土地故、年貢の取立てを抑え込む様 誘導し、奥地の肥沃な農地を見せる事なく比較的安定した生活を維持し続けた地方の事を思い出しました。その昔、年貢の取立てをかわす為、各地で命がけの「知略戦」が行われ、それに巻き込まれた民の生き抜く力強さに勇気付けられ、又、分不相応な事は、心底控えた方が良いとの教訓・・。。
<中劇場での・・>
台詞の通りも良く、難易度の高い中劇場で栗山さんの演出、それに答えたスタッフ、舞台展開もワクワクもので劇場関係者の連携・総合力を観せ付けられました。他の中劇場を含め下名が今迄に観た中で、一番(中劇場を制したとの印象)の作品となりました。
<井上作品の拘り>
「ブンとフン」「青葉繁れる」「モッキンポット氏の後始末」・・作家として大ファンになり、後に放送作家での活躍を知り、劇作家作品(芝居)へと興味が 移り・・年を重ね慣れもあり、お決まりのコミカルに歌って踊っても、歌詞が判りづらく、くどく感じる様になり、昔の様に何度でも同じ芝居に通う事も・・もう卒業してもいい頃なかぁ~と思いつつ、役者さん、演出家さんの好みでたまに観るパターンへと・・そして昨年の東京裁判渾身の3部作へ。。本作「雨」は井上さんの故郷を愛する気持ちが十二分に伝わり、台詞も、歌詞も方言をその儘使われてましたが(勿論方言は殆ど理解できませんでしたが)、全く気にならなかったです。特に最後の”市亀さん”を看取った際の永作さんの台詞・・何を言ったのか全く判らず・・気にはなりましたが、判らなくても、十分伝わって来ました。台詞や歌詞に拘っている様では、まだまだ修行が足らず、一生懸命「聞く姿勢」そして「観る姿勢」を養い、全てを体感する事が大切であると思いました。”喜左衛門”本人確認の際の下ネタ“印籠もどき”のくだりは、容認します。
<朗報!>
2012年4月新国立劇場「まほろば」再演決定!作:蓬莱さん、演出:栗山さん、メインキャスト“秋山さん”、“中村さん”。「焼肉ドラゴン」等、他の再演物は全く興味が湧かなかったのですが、本作は観逃す訳には行きません。

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

帝国劇場(東京都)

2011/04/12 (火) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動をありがとう!【☆20】
<“帝劇開場100周年記念公演”>
観客、演者さん、劇場のスタッフの皆さん他、熱気&活気があり、舞台・音響・照明・衣装等々、威厳と重みを感じる至高の舞台でした。着座で4回、スタンディングオベーションで3回、計「神7(セブン)」の領域でした。まさかでしたが、本当に、涙とハナミズが滝の様に溢れ、みっとも無い状態になってしまいました。【☆5×2】です。「別所さん」「今さん」の2トップは双璧、別所さんは良い意味で大先輩山口さんの“pp”の歌唱法を旨く継承され、聴き応えがありました。「笹本さん」「新妻さん」は勿論、「三波さん」に加え子役の皆さん方も凄く良い演技をされてました。あたり前の事なのでしょうが、全ての台詞が音符上に乗っかった、正に『ザ・ミュージカル』を久々に堪能しました。
<この国の行く末は・・。>
人間不振に陥り荒んだ心根を持たざるを得なかった『悲惨な人々(レ・ミゼラブルの意)』を代表する主人公が、“無償の愛”に目覚め“生き直し”最後は聖人となって天に召されるという、ナポレオン1世没落後の1815年からルイ・フィリップ王迄の18年間の物語(ふぅ~ん)。然而、いつの時代も“無償の愛”で人々を導く救世主は現れず、共産圏・自由圏が崩壊し、そして今、搾取民族の知略・戦略で待った無しの疑心暗鬼なグローバルなんちゃらの“勝ちor負け(Yes or No)”2極しか無い世界に捲き込まれ・・最後に本音と建前をモットーに『世界で唯一完成された社会主義国家』を形成したこの国が崩壊する(あっもう崩壊してんのか?)・・大企業(見せかけの大樹)、政治家(霞ヶ関のパシリ)を盾にせず、表に出て来てなんとか・・出てくる訳けないか(一昔前、表に引きずり出されかけたが、賢いので、出されない方法を会得した方々=この国の文化・歴史の象徴、約540万人の組織の顔なき上層部の面々)・・いつの世も個々人で、耐え凌ぎ、自分自身で家族を守るきゃ~ない。そして心にゆとりがある人、心に乾きを感じる人等々、皆でお芝居を観に行って、怒り・驚き・ときめき・共感し・泣き・笑い“無償の愛”の美談に涙する・・自分が出来ない事を擬似体感し、時に感動を得、それを明日への糧としながら心豊かな実生活を営む・・皆がそうすれば、この国の行く末は・・。。(飛躍した上、短絡的すぎました。反省(^ω^)ゞ)
<ハナモズクさんのコメント>
『満点!!☆5個×2』さすが~プロの役者さん、脚本も演出も最高に良かったです、自分自身の心の葛藤を他人(牧師さん)との関わりの中で変え、無償の愛に生きる姿を観て感動しました。

ラジオスターの悲劇

ラジオスターの悲劇

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2013/05/08 (水) ~ 2013/05/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

流石の・・15周年。
久々の観劇、十八番の“井俣さんのほとばしる汗”を含め・・、十二分に楽しませて戴きました。
今回の見どころ主役の日替わりキャスティング・・、一見無謀な気もしましたが、この設定ならではと、納得(企画の勝利)。但し、稽古が大変だったのでは・・。。[+才能豊かな“中野裕太“さんこれを機会にもっと舞台に出られては・・。。]
お芝居としては、ともすると“不安多自慰”に陥りそうなところを、旨く持ちこたえたのでは・・の印象。。然而終演直後、おもわず知人に「少年社中」観たよ!の(優越感)メールを配信。。
3か月後の中野MOMOもさる事ながら、その先の紀伊国屋ホール迄、がんばりゃ~て(なも)!
<☆明細>
[☆3.5] 基礎点(期待の大きさの裏返し)
[☆0.5] 観そこなった前作「モマ・・」DVDをゲット
[☆1.0] 終演後、お見送りに出られてた“大竹さん”のとても元気そうな御尊顔を拝する事が出来た事。舞台復帰、待ってま~す。
+α(収穫):同道した演劇初観君が演劇に興味を示し、ホットした事。
<ハナタレ君3号コメント>
おもってたより面白かったよ~。。

ネタバレBOX

<突っ込みどころ>
“井俣さん”それ「フック船長」じゃん、と思わず突っ込みを入れたくなりました。ネバーランドの不死輪廻はドラマチックでしたが・・、さすがに3度目はない事を・・切に・・。。
<印象に残った台詞>
“ラジオスター中野さん”の「あきらめなければ、夢はかなえられる、絶対に!」も良いですが、「もっと話しときゃ~良かった・・」かな・・、我身を振り返ると、これが多く、しみじみと心に響きました。。
<キャラに例えたなら>
①今の自分:ナマケモノ
②なりたいキャラ:王様or偽勇者
<共感(便乗子育て論)>
双子ちゃんには、不思議な繋がりがあり、良くも悪くもお互い離れた環境で生活する事も成長の過程で必要で・・“本音・建前”姉妹を引き離す場面に・・思わず共感。コミカルな手段は笑えました。。(因みにハナタレ君3号は、双子の片割れです。)
姫が愛したダニ小僧 【ご来場ありがとうございました】

姫が愛したダニ小僧 【ご来場ありがとうございました】

青春事情

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

「いじられ客」で初舞台となりました。
『雨模様』さんのおっつしゃる、パチンコ屋でバイトしてお笑いを目指しているという役者さん(湯浅さん?違っていたらすみません。)に舞台に上げられ、強烈にいじられた客の一人と相なりました。ひろひと大王様の作品ですと多分間違いなく「オリジナル」にもあったのでしょう。。舞台に上げられ役者さんの気持ちが大変良く判りました。「あの時こう演じれば良かった!」とか「どうしてアドリブが出来なかったのか!」とか「なぜコインを持ち去り会場内を逃げ回らなかったのか!」とか自分にダメ出しで、とても反省した記憶があります。
2時間40分のお芝居には大満足で、できれば再演を期待してます。役者も皆さん大変個性的で、特に湘南アクターズの貫井さんが印象に残りました。

デンキ島〜松田リカ篇〜

デンキ島〜松田リカ篇〜

モダンスイマーズ

あうるすぽっと(東京都)

2011/03/09 (水) ~ 2011/03/16 (水)公演終了

満足度★★★★★

大変な時にご苦労様でした。
大変な時に観劇させて戴き感謝しております。
若手の高橋さん、山崎さんも光ってましたし、作・演出期待の才能の持ち主梨澤さんもちゃっかり役者として出ておられ、かっこ良い松永さんも観れましたし、古山さんがなにげに渋すぎではありましたが、流石、蓬莱さんといえるとても良い作品でした。
(私も最初は去年10月に公演された、西原理恵子さん原作('97年)、森岡利行さん作・演出の「ぼくんち」、と同類の作品なのかなぁ~と思いながら拝見しておりましたが、途中から物語の展開の面白さ、奥行き感等々、間違いなく蓬莱さんのオリジナル作品と確信した次第でございます。)

廃墟

廃墟

時間堂

シアターKASSAI(東京都)

2011/03/30 (水) ~ 2011/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽日、間に合った!
「廃墟の下は素人作りの防空壕、いつ底が抜けてもおかしくない」
唯一、おとっあんだけが、せっせと埋戻ししてますが、その内崩れ去ったら、住む所までも無くし、ルンペンさんと犬小屋に寝る事になりますぞ・・・。

<「担う時代」~「時代を担う」>
生き抜く為の日常を支えているのは、闇取引と女達のヤリクリ、真っ当な仕事がない、男達は、存在感を消した昼間と違い夜になって酒の力も借りながら、
空論(理想論)を振りかざす、挙句に・・・。
時代を超えても、いつの時代も変わっていないこの国の明日は・・・。
(だいじょうぶ「十把一絡げ」→「十人十色」→「一人十色」→「○・・○」この難解な時代を生き抜く、更に進化した期待の若者がいるでは、ないか!)
闇買いを拒否し餓死を選んだ、山口判事と旧制東京高校亀尾教授に合掌。

<時間>
演目が急遽変更し、約1ヶ月で本当に良くぞここまで・・・。[猿田さん逃げ出さずに/酒巻さんと百花さん要チェック]
楽日で一番美味しいところを戴き、得した気分になりました。
スタッフさんを含め芝居への取組の謙虚さに脱帽。次回、吉田さん新作伺います。その前に、KAATへ行こ!

シングルマザーズ

シングルマザーズ

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2011/02/20 (日) ~ 2011/03/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

大変良い作品でした。
実は観る前はあまり期待をしていませんでしたが、大変良い作品でした。 個性豊かな演者5人をエピソードを織り交ぜながら一人一人丁寧(存在感、台詞回し等)に表現し、更に登場しない人物の存在感も十二分に伝わり(計10人規模の芝居感)、観終わった後に、個々のその後の人生がとても気になりました。
重たい社会問題・政治問題を良質の笑いを織り交ぜながら、明るく協力しあって困難に立ち向かう姿を観させていただき、活力を与えられ、又、考えさせられる作品でもありました。
初めて拝見しましたが、洞察力・観察力・取材力・舞台・照明、全てに於いて二兎社、永井さん恐るべしでした。
役者さん5人の演技は「言うに及ばず」で、枝元さん、玄覺さん次の出演作
もとても気になります。

うわつら

うわつら

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/03/25 (金) ~ 2011/03/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

恐れ入りました。
大変難しい問題を、ユーモアとペーソスを散りばめ、淡々とシュールに演じきった秀作。
本筋のあらすじを語れば2~3行で済むお話を、良くぞ約2時間全く飽きさせずに、場面展開の切替も見事に、一気に演じきられた。やぁ~お見事、恐れ入りました。
押したり引いたり、膨らませたり、ぶれない人物設定、枝葉の展開も非常に気になる憎い脚本・演出、そして、演技。大変勉強になりました。

ネタバレBOX

<気になる事(焦らされた)ベスト5>
●伸吾君の病状・闘病生活はどんなだったか・・・
(主人公より、重病で先に逝く可能性がある事は予見できたが・・)
何度も確認するチャンスがあったのに、敢えて最後まで、触れなかった
●主人公の恋愛関係・・
主人公と義理の妹圭子さんとの関係は?
夏目さんは、主人公に好意を持っている様に見受けられたが、実際どん
な関係であったのか・・・
●後藤(ゴトー)先生の診療所の日常・・・
●既婚者春川(インタビュアー)さんに対する、秋田(カメラマン)さんの横恋
慕の展開は・・・
●主人公PC内の消去される運命の「EROファイル」の中身
(+1)
●自分自身、死ぬ前に、最後に何を食べるのか・・・
<印象に残る場面>
●主人公臨終前の「逝く」お話に対する圭子さんの周りの人に対する「ごめん
なさい」発言
●主人公の小学校終業予鈴に合せた鼻歌
●主人公「羨ましいなぁ~」発言の場面
鷗外の怪談

鷗外の怪談

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

伺いました。
”二つの顔をもったヤヌスのような作家で、一筋縄ではゆかない”と評された森鴎外・・その実弁護側、政府側双方から意見を求められる板挟みの立場であったとは・・”金田さん”と”若松さん”無二の親友との激論&”大方さん”と”水崎さん”の嫁姑のバトル等々、見どころ満載のお芝居でした。・・”金田さん”&”若松さん”を久しぶりに舞台で拝観・・大満足。”水崎さん”はお初でしたが、久々に観た”舞台映えする”女優さんでした。。

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