俳優のしあわせ
経済とH
ザ・ポケット(東京都)
2011/04/20 (水) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★
Making of...
本日は中野。指定席ということで少し余裕...のはずが、前から2列目。それはいいんだけど、ここは平地。3列目から階段状になっている。つまり、前に背(or 座高)の高い人がいらっしゃると視界の大部分が遮断されるということだ。来た、ちょっと背が高いぞ..と思案していると前説が始まった。なんとここで粗筋について説明。いいのか? あー、あとから来たお客さんのために繰り返していますが…でも「何も起こりません」みたいなことを話している。劇団の練習、本番30日前が始まる。以下ネタバレ。
ネタバレBOX
劇団が初日を迎えるまでのさまざまな困難を乗り越えて(ばかりではないけど)ゆく物語。練習風景をみたことがないのですが、随所に笑い、葛藤、諦め、妬み、希望などが織り込まれていて大変楽しいお芝居でした。宝塚みたいだったと思っていたら「元宝塚」の方でした...上手いはずです。カメラが入っていたのでDVDになるのでしょうか?ある時間を切り取ったお話。でも、人生は続くんですよね。
ふみ
LiveUpCapsules
BAR COREDO(東京都)
2011/03/04 (金) ~ 2011/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ふみ=文字で書き記してあるものの称
先日、文芸作品のお芝居をみたのでこちらも。
ここは会社から歩いて行けるので、という理由で観劇。入場するとそこは落ち着いた雰囲気のバーだった。思いっきり戸惑うが、舞台はもうひとつの部屋のほうだった。仕切りなおして、入ってみるとそこは明治だった。先ほどは戦後の洋風、こちらは戦前の洋風。入口からみて左右に座席。正面には楽器。明治の羊羹…ではなく洋館のようなたたずまい。着物姿の役者さんが集まって物語は始まる。以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
左右に分かれた座席の場合、ポジショニングが難しい。基本的には、右から左へ流れるような道線にしている。回転寿司と同じであるが、芝居が始まってみないことにはわかりようがない。とにかく雰囲気抜群。時代の喧騒、壮士たち。実は、鉄幹も晶子もその作品はもちろん、時代背景などもよく知らず、ほとんど教科書の中の人物。お芝居は舞台中央だけではなく、客席の四隅に陣取る役者から檄や野次が飛んでくる。なんだかそんな時代らしい演出。しばし快い時間に浸りました。
R10-07B
Project ONE&ONLY
小劇場 楽園(東京都)
2011/04/16 (土) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
そういえばSFが好きだったんだ
今日は下北沢。雨がやみません。ここも2度目。入ると柱をはさんで正面と左側に座席が。スタッフの方が奥のほうがみやすいと教えてくれたので正面奥に座る。座ってみるとたしか以前もこの席だったかも。ちょうど'抜け穴'の正面だったのでよかった。舞台には上から半透明なシートがかかっているところがあり、難しそうな数式が書いてあるし、みようによっては迷路のよう。不思議な雰囲気のまま物語は始まる、暗転。 以下、ネタバレ
ネタバレBOX
4人が寝ている、のではなく気を失っている。最初、「GANTZ」「CUBE」みたいなお話かなと思いました(ちなみにどちらも好き)が、そうではありませんでした。最初の4人のうち最後に目覚めた人が「なにか黒いもの」をみた...というところで「リバーワールド(P.J.ファーマー)」かも...だって一人だけ「みた」というから。などと妄想は拡がるばかり。何かヒントがないものか、まるで自分もその中の一人になって謎を解こうとしているようでした。役者さんたち(熱演)もそのキャラクターもよかったです。訳が分からないまま終わると、大概「面白くなかった」という評価になるのではありますが、SFの場合、別にはっきりしたものがなくてもOKだということがわかりました(今頃自覚)。不思議な話が不思議なままでもいいのでした。So it goes(これはヴォネガットから)
ちょうどよい広さ、役者さんが常に全員いるのではなく、話の進行によってうまい具合に増えたり減ったり。ラストは「トゥルーマン・ショー」のようにも。
途中、女優さんの右太ももの「番号」が見えてしまいました。これは順番にみせることになっているので本当は見ちゃいけなかったんですね。意図的にチラリと見せていると思い、この謎を解けということか...などと勝手に妄想してしまいました(恥)
4/20追記 朝
朝起きたら閃きました。もしかして「百億の昼と千億の夜(光瀬龍)」みたいな?箱を持っているのは惑星開発委員会のメンバーで、最後に残ったのは阿修羅王。どうですか?
ガレージのダンデライオン(無事千秋楽終えました!ご来場ありがとうございました!)
東京カンカンブラザーズ
サンモールスタジオ(東京都)
2011/04/15 (金) ~ 2011/04/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
たんぽぽのお酒を
仕事の予定が変更となり1日あいたのでどうしようか考えていて、最初に目に入ってきたのがこの公演。サンモールスタジオへはよく行くし、19:00はちょっと厳しいけどなんとかなりそう。開場時間を少し過ぎたもののまだ席は比較的自由に選べました。普段は1番前でみていますが、今日は3列目通路側に。お客さんがたくさんいらしてスタッフの方も大変そう(でも、一生懸命さが好f印象)。開演時間が押したことについてのお詫びがあり、いよいよ物語が始まる。それはそれは暖かい時間でした。以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
お話についてはすでに多くの方が書いていらっしゃるとおり。細かい設定などはどうでしょうか。それはいくらなんでも…、という気持ちが大きくなるのかなと思っていました。このようなことは映画をみているとしばしば感じるものです。他の方々のご意見を読んでいると、そうか…と気付くこともままあり、つくづく自分はさらっとしかみていないんだなあと思うのです。で、どうなのか。それを含めて「よかった」と思えればいいし、だめだったらしかたがありません。ここがこうだったらよかったのにということもあるでしょう。これは、よりよいもの、もっとお客さんに喜んでもらえるようなものを創るための養分でしょうか。よいお芝居をみせてもらったお礼に、もっと大きくならなくちゃ、と期待を込めて。
本公演、あらめて「みてよかった」と思っています。精一杯突っ張っている女の子役も好演。なかなか終ってからアンケートに書くことができない(言葉が出てこない)ので、いつも終演後はすぐに失礼することにしています。ロビー、階段、出口に役者のみなさんがいらっしゃいました。
「たんぽぽのお酒」は。R.ブラッドベリの作品。Dandelion Wine。「火星年代記」「万華鏡」位しか読んでいませんが、本は持っています。何年も何年も、そのままで。なんか今年の夏には読めそうな予感。
女生徒
鳥公園
神楽坂 フラスコ(東京都)
2011/04/15 (金) ~ 2011/04/18 (月)公演終了
聞くこと
神楽坂には何回か来ましたが、ここは初めての場所。奥のほうに畳敷きの舞台があり、手前には木の座席。とてもよい雰囲気(スタッフの方も)。男女1名ずつ、それぞれ女生徒を演じる...のだけど、やはり原作が書かれた当時の雰囲気までは無理だったかも、以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
その昔、NHKラジオで尾崎翠「第七官界彷徨」や石川啄木「ビロード」などを聴きました。その声はまだ耳に残っています。それと比べるのは正しくないのかもしれませんが、もう一歩という気がしました。メガネと衣装しかないのですから、耳を通じて伝えることをもっと工夫し、それに照明などで効果的な場面に仕上げるならばより印象深い作品になったのではないかな、と思いました。
☆☆
平成戦後少女
lovepunk
座・高円寺2(東京都)
2011/04/16 (土) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
わたしが還るところは
前夜の寝不足で少しウトウトしてしまいましたが、面白くなかったからではありません。個人的にはSFでいう「時間もの」「パラレルワールドもの」が好きなので、だいぶ楽しめました。でも、お芝居全体としてみた場合ですが、以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
ここ「高円寺2」は2回目。ももいろぞうさんの「THE 真っ赤な真っ赤な物語」をみたのが3/12(土)、地震で帰宅できず会社に泊り込んだ。さすがに時間をずらせての公演。前説での避難誘導等の案内は親切な内容だった。
さて、本作品。主人公、ガイド役の若くして亡くなった少女、孫娘。この3人の設定はいいとして、他の役柄はどのような位置付けなんでしょう。きっと現代(孫娘)を象徴する役目を担っていて、エピソードが積み上がるごとに、「年老いた自分」と「若い自分」との間で揺らめく「私の人生」に対する答が徐々に焦点を合せてくる、ということなのかなあ、と思いながら、結末ではそう、そうだよね、と納得。このあたりよい演技でした。携帯が手放せない。親から、学校からいつもいい子でいなさいと言われる。普通でいることが自分を守ることになる。性についても決して望むようなありようではない。であればこそ、安直だと言われようが、主人公=少女としての戸惑いを共有し、全員がハッピーなカタチでエンディングのシーンに登場できるような展開にして欲しかった。
☆☆☆
線のほとりに舞う花を
てがみ座
王子小劇場(東京都)
2011/04/12 (火) ~ 2011/04/18 (月)公演終了
満足度★★★★
その線にみるもの
前説をご自身でされた長田さんがお持ちの雰囲気を素直に作品として仕上げ、それを生音の楽器と声で現しているような気がしました。劇場を横に使っていてたしかに長い。最初の方(多謝)のコメントに従い奥の方へ移動して正解でした。どこかの国のこと、それは歴史の中でどの国にもあったことなんでしょう。アコースティックな雰囲気、自然の中の風が感じられるようでした。最後、お話のまとめ方について...以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
あなたがた/わたしたち、をめぐって長い歴史において、幾度も幾度もこの作品のようなことは繰り返され、今もそれがなくなったわけではありません。永い時を経て二人がまた出会うことができる、という結末はひとつの選択。
ここから先は、まったく個人的な思いです。ここ最近、遺伝子のことについて自然科学系の本を何冊か読みました。「ナチス」による差別の話にも言及されていました。そんな堅苦しいものでなくても「アンネの日記」、アウシュビッツの手記などでも触れることができます。どれも「取り返しがつかない」ことばかり。民族と国境。「クロッシング(北朝鮮)」「サラの鍵(仏)。」この2つの映画もおなじ素材を扱っています。前者に救いはなく、後者では最後に小さな「光」がみえます。どちらも恐ろしいばかりの悲しみを内包しています。観劇中、このことが思い出されました。※「サラの鍵」は、昨年、東京国際映画祭で上映されましたが2012正月公開のようです。本公演を気に入った方にもお勧めだと思います。
裸の女を持つ男
クロムモリブデン
シアタートラム(東京都)
2011/04/16 (土) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
んーーー
どうもみていてどこが面白いのか、最後までわかりませんでした。後ろの席の方などよく笑っていらっしゃったので、作品がどうというより私自身の問題なのかもしれません。ということで 以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
そういった前提で...。記憶も新しい「あの事件」を2つ組合わせたもの...でいいんですよね?なので内容に斬新さや目新しさ、独自性が感じられず、本人にはみえる「車掌さん」みたいな人物の描写にも深みがなく(心の闇の表象?)、死体を始末しに来る人物は猟奇的な部分をみせているのだろうけど、よくわかりませんでした。ハンドルを握ってのパフォーマンスはお話の本筋と関係あるようにはみえず、終始作品全体に対するちぐはぐ感が消えませんでした。パロディに徹しているのでもなく、登場人物の意外性もなく、あともうひとつ、ふたつも捻ったものがあればと思いました。
☆
WAR3
劇団EOE
千本桜ホール(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
てんこ盛り おかわり
1日おいて再度鑑賞、重複の書き込み(暴挙)。時間に余裕をもって移動できたので駅前の商店街を散策、開場まで外で待つ。今回は奥の席にする。待っていると役者のみなさんが出ていらっしゃいました。今日はこちらも心得ていてどんなことなのかみることにしました。「お姉さん」になぜ前回と違うところに座ったのかイジられるが、居座る。すでにこの段階でそれぞれのキャラが出ているんですね。「3人組」は縦横無尽に動き回り、こんどは客席の「お姉さん」と会話。部長が怒る。本編はもちろん楽しくみました。これだけのセリフを発しながら呼吸が乱れている様子もなく、滝のような汗を流しながら、それは涙にもなる。指先にまで意識が浸透している。あ~、本当によかった...以下、ネタバレ(というかほとんど余談です)。
ネタバレBOX
同じ芝居を複数回みることって多いのでしょうか?私の場合ですと、できるだけ
みたことがない劇団のお芝居に行くことにしているので、滅多にありません。男性版/女性版、配役シャッフルのような芝居では初めから2回予約しますが、同一配役の場合、みてから「これはもう一度ぉぉぉ!」という思いで予約が間に合えば予約、ダメなら当日券でみます。今回、他の公演を予定していましたが、急遽変更、中1日おいての千本桜ホール再訪となりました。そもそもどうして「WAR3」をみることにしたのか。私の場合、座席にある「チラシ」から選ぶことが多いです。家に帰って、日程順に並べて、重なった場合には「チラシ」の雰囲気で決めます。※あらすじとかはほとんど読みません。でも本公演は、実のところチラシでもなく、某「●ンフェテイ」てお安いチケットを扱っていたので、申し込みをしました。世の中なにが縁を結んでくれるのかわかりません...安さにひかれて行きついた場所でみたものは...前回書いた通りです。
一度耳にしたら忘れない高速ビームばりのセリフ、俊敏な体のキレ、3Dもビックリ客席後方までとび出てくる「お姉さん」。みなさん、セリフと表情がぴったり合っていてきっと何回みても新鮮なんだと思います。唯一残念だったのは、1,2作目をみていないこと。1作目からみていたら楽しさ倍増だったのでしょうね。8月が待ち遠しいです。
『つふつふ』『剥落のプリマヴェーラ』
獣珍
Geki地下Liberty(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
言葉で伝えるということ
今晩のお題(剥落のプリマヴェーラ)はとても難しいです。台詞が多いので台詞で伝えるということを重視しているのだと思います。でも平面的な「コトバ」を聞かされるだけで、耳には届きますがそれが体内で結ばれることはありませんでした。構造的なところによるのか、しばらくの間、声が反響して聞き取りにくかったです。以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
いつものことですが、事前に確認していないのでお話のあらすじなど理解しないまま観ています。でも、普通、大よそのところはわかってきます。ところが本作については、あとで「説明」を読んでみても、仮想社会ということだけはあっていましたが登場人物たちがなぜこの「場所」に現れるのか、その本質的なところは最後までわかりませんでした。もしかしたら、「様式」を楽しむ劇なんでしょうか。「0と1」に示される世界観がみえませんでした。「マトリックス」「サロゲート」みたいなもの?文字として書かれた台詞を言葉にしているだけみたいで、繰り返す必要や、分断する意味もわかりませんでした。実は画家が何かを生み出していたのか...お客さんは多かったと思うので劇団として支持されているのだろうと思います。でも、単調でやたら大きい声、等質にパターン化された動作。もっともっと各人に個性(役割)を持たせ、社会のありようを表現させたほうがよかったのでは?
☆☆
薬指の標本
ハコイリ企画
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2011/02/25 (金) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
静謐
また今頃ですみません。
小説の舞台化となると、既読/未読、2つの客層があることになり、私は後者。なかに入ってみて、結構広いと感じながら席につく。舞台の広さとセットされているものとが、少し不釣合いに感じつつ物語がはじまる。 以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
思い出の品を標本にする…のは、わかったけど、全編通して非常にゆったりとしたペース。原作もそうなのかな。終始気になったのは、どうも空間を生かし切れていないこと。全体の半分くらいでしょうか使っていたのは。なので、せっかくの演技が拡散してしまい、台詞に反響も残響もなく耳の奥まで届かない。広く使おうという意図からか、無駄な動きにみえてしまう場面があった。「とても個人的な物語」が新宿眼科画廊で演じられたように、もっとお客さんと近くなれる劇場のほうがあっていると思いました。あと、終わってからスタッフの方にはお伝えしましたが、舞台上に置かれていたフォトスタンドに天井の照明が当たっていて、それが客席に反射するので観にくかったです。観る側からの舞台確認もお願いします。
WAR3
劇団EOE
千本桜ホール(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鋼の意志
ここは初めて、事前にストリートビューで周辺の様子を確認。仕事がちょっとバタつくもののなんとか到着。あれっ?舞台にはすでに10人くらいがスタンバイ、体を慣らしているようです。ここでやんなくても...しかしなんだかヘン、突然、前説。テンション高くないですか!? えっ?始まるの? 以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
箱根駅伝をリレーじゃなくて全員一緒にフルスピードで駆け抜けているよう。山登りの5区であろうと全員大声で叫びながら風をまいて走る、走る。こんなスタイルのお芝居は初めて。舞台上には何もないけど役者さん一人一人がパワー全開。ほとばしる躍動感。いったいどれだけ体力気力知力があるんだ。効果音もうまく使い、臨場感あふれる舞台でした。波長がぴったりあいました。バレーボールという集団スポーツを素材に、よきライバル、いい加減な先輩3人組(?)、大人の愛、と(そして汗も)てんこ盛りだったけどもっといけます。8月の公演行きますよ。
15 Minutes Made TOUR
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
Dポップ
今回で2回目。ちょうど6つのおいしさが楽しめる。長編ではなく、中編でもなく、短編か、ショート・ショートみたい。それだけに難しいところがあるんでしょうけど、楽しくみせていただきました。はじめは「劇団競泳水着」を観たくて予約。なぜかと…「りんごりらっぱんつ」がよかったからです(今村さんと細野さんとのラストシーンも)。で、ストーンズの曲にのって今村さん登場、前説、以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
①初っ端、ヘンなお二人が現れギャグでスタート。しょーもないギャグの連発から一気に上昇。愉快爽快痛快、いい、とってもいい。②そうです、注文したのはこの味です。③んーーーー、最近入り口を見つけられないことが多い。④目線のもってゆき方が上手。⑤ごめんなさい、たぶん、リフレインがあわないんだと思います。⑥遅まきながら、中盤になって「そうか…」と気付いたものの、それまでイメージしていたものを引きずってしまい、消化不良。それにしても、佐藤みゆきさん。「劣る人」も観ましたが、また違った雰囲気でよかったです。
アンソロジーのような企画で、ひとつでも面白いものがみつかればいいし、それが各劇団の本公演や、役者さんの出演作品につながっていく…なんて、いい、とってもいい。
『シトラスちゃんは太陽の緑』
移動する羊
池袋GEKIBA(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
大河ファンタジーですか?
3/20に予約。ということは、劇団スクランブル「other side」申込の後だった。偶然、両作品に竹内もみさん、中根道治さん出演。どちらもよかった(まったくの主観です)。「物語の前、渦中、そしてアフターストーリー」「エピソード公演」とあるのだが(観終わってから気付きました)、ダイジェスト版なのか、シリーズ物の一部なのか。観ている最中、わかりませんでした。いったい何が何して大変なのか…。魔界のようなところにいて、不思議な力が使えて、仲間がいて。んーと、あとはよく思い出せない。きっと、この世界の「ルール」「マメ知識」があって、それがわかっていないと「どうしてこうなるんだろう」という意識ばかりが先行して、お話のなかに入っていけないんだと思います。本筋はすっきり、枝振りは賑やかに、でお願いします。
墓場、女子高生
ENBUゼミナール
笹塚ファクトリー(東京都)
2011/04/09 (土) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
地蔵様が欠けた
「さくら」に続いての観劇。今回、4作品あったのですね、全部観たかった。演技にはもっともっと磨きをかけていただくとして、お客さんの前で演じきる経験、ひとつひとつが大切なんだろうな、と思ったりしました。これから好天の日が続くこともあれば、暗雲垂れ込めることもあるでしょう。でも、役を演じきることでいつもよいお芝居を観せていただきたい、という願いとともに、以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
入場するとそこは墓場だった…よくできていますね。これが夏だったら季節的にもよかったのに。この人ホントにこうじゃないの…と思わせる役者さん、なんだか地(固い)が残っている役者さん。ちょっとバラつきがあったようにみえました。どうみてもキミは女子高生じゃないだろう…は、想像力で補完しつつ小ネタに笑ってしまいました。マックの袋からおにぎり、これはイカンよ。両隣の方と一緒に大笑いしてしまった。※素麺(?)を食べるシーン、箸使いが気になりました。お客さんに観てもらうのだから箸の使い方も美しく。また、ポテトチップを箸で食べるのを初めて見ました。気になったのでネットで検索。「ポテトング」なる商品まであるとは、勉強になりました。山車の装飾のようにいろいろ背中にしょっているのは大変だったと思いましたが、もっと動きを滑らかにするとそれらしさがでたと思います(墓石の間をヒラリヒラリと)。動きというと、地蔵様に蹴りが入って一部が欠けてしまいましたね。まさかシナリオ通りとは思いませんが、このメンバーならやりそう…。復活シーン、そこからでてくるのに苦労しているんだろうけど、それがまたいい味。微妙なトモダチ関係もあって(女子学生ものってこういった場面多いような)、全体として楽しかったです。
で、最後のシーン(吊られているところ)。ここはダメでした。自殺したことはわかっている。それをこの作品で「具体的に」示す必要があったとは思えない。毎年、3万人以上が自殺。そのうち縊首によるものが2万人という記事を読んだことがある。すべてダメと言うつもりはない。実際、先日観た芝居では違和感はなかった。みせる必然性があったからこのシーンがあるんだろうけど、理解できない。取り巻いている女子高生たちの感性…って。
最後に、受付が開演1時間前で整理券なし。30分前受付/開場なら並んだ順でいいけど自由席なんだし、再考しては?
ヤン・リーピンのクラナゾ
TBS
Bunkamuraオーチャードホール(東京都)
2011/04/05 (火) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
ポタラ宮
2009年9月、上野の森美術館「聖地チベット ポタラ宮と天空の遺産」展へ。
(映像資料)「五体投地」や「マニ車」の様子、国宝級の展示物。一方で、開催に対する政治的な抗議などもありました。今回、観ようか少し迷いました。でも、ちょうど1年前「千手観音 My 夢 Dream」を観ていて、その再演が'諸般の事情'で中止になったこともあり、観てみないことには、と思い、チケットを購入しました。3階席でしたがとても観やすい位置。
会場に入ると舞台上には大きなマニ車が7つ。色彩鮮やかな衣装、照明、リズム。これだけの人数でありながらひとつの動きとして躍動感あふれる舞。ヤン・リーピンのソロは厳しいチベットの自然のなかでも神々しさと慈愛に満ち溢れる舞。
4/4-10と期間は短かったですが、やはり観に行ってみるものだと思いました。
8人の女
トレモロ
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
細胞分裂
のようなダンス(緩急つけた動き)が私の周波数にピッタリあって、これを観ただけでもかなりの収穫。洋ものらしさがよく出ていたと思います。
以下、ネタバレ(雑)
ネタバレBOX
本日初日。少々セリフにぎこちなさがありましたが、みなさん好演。気品ある女性(ご婦人方)...ところが話が進むにつれ、ドロドロした心情が表面に現れてくる。そのあたりの移り変わりや、配役紹介のシーン(鎌田さん)が好きです。役者のみなさん初めての方ばかりでしたが、よくキャラクターがでていましたし、結末は、おっとそう来たか!というかんじでした。せっかくなので、最後はみなさん揃って挨拶、があってもよかったのにと思いました。
カミクイ
風ノ環~かぜのわ~
TACCS1179(東京都)
2011/04/06 (水) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
昔と今のお話
こまかい部分は別として、よくある素材を活かした舞台だったかと。
舞台中央に据えられた「樹」は重量感もあり、照明によって表現していた木漏れ陽も綺麗でした。
以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
いくつか注文させていただくと。
①剣...はもう少し本物らしさがほしい。今日は折れちゃいましたし。
②アインザッツを揃える、というか古代人と現代人とが同じセリフを言うのは効果的だと思いますが、出だし、トーン、一言一言がきちんと揃っていて初めて観る側に悠久の時を超えた想いが伝わるのではないかと。なぜって二人は同じ心で話しているのだから。
③現代の人々が今風なのは当然として、古代の人々、もっと神秘の闇のような真っ黒な髪の色にしてほしかった。
毒見<全日程終了致しました。ありがとうございました!!〉
味わい堂々
OFF OFFシアター(東京都)
2011/04/05 (火) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
畳み掛けるように
かみながらの前説に、大丈夫かと思いつつ物語は始まる。ともだち7+友達2の9人。お互いがお互いを測りながら、正の場合には、お金で現状維持、負の場合は、断絶/ゲームアウトすることでその関係を修正してゆく。先日観た「女子高(高校時代→10年後)」とはまた違った面白さ。
以下、ネタバレ(駄)。
ネタバレBOX
畳が4つ。始まってしばらくすると突然の畳返し。敵か…ではなく、数人で慎重に支えながら畳面を客席に向け、そこに映像が映るのだがとてもお子様向けではない…シュールだ。突然暗くなって聞こえてくるドクンドクンという音も心臓によくない。
なんだかみんな嫌なヤツ。自分の都合でともだちを振り回し、ともだちの都合で振り回される。誰に共感すればいいんだ。ザクザクと10人集めたら全員誰かに当てはまるというものではないにしても、100人集めたら結構いるんじゃないか。
基本、1畳1世帯らしい。それぞれが並行して会話が始まったりする。バラバラに、同期して、繋がりながら。ここのところは話しの内容と台詞とタイミングがポイントで、もう少し滑らかに展開すると美しかったのでは。
ラスト、ともだちであることを絶つためにはその相手を抹殺することさえ厭わない…。ともだちでなくなると自分が何者なのかさえ分からなくなる。アイデンティティーも外注か。記憶から遠ざかる。だから目の前を通り過ぎる者が誰だったか思い出さない。どうでもいいことだから。牢獄の1人を除いて。
これは、最後のシーンまではその1人の記憶の中の物語だった(または、ようにもみえる)、ということであってますでしょうか。という前提でみて、①看守に語りかけるのはいつものこと(看守も慣れた様子か)②監獄の中は意外と過ごしやすい(という台詞から)③刑の内容がわからない(死刑、有期刑…)、普段の戯言ではなく、もっと(文字通り)劇的に締めくくったほうが落差を感じてよかったのではないかと、思いました。
個人的には好きな作品。
東京の空に
オーストラ・マコンドー
王子小劇場(東京都)
2011/04/02 (土) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
ふと前をみると
おっと、始まるのか…と顔を上げるとお二人がいらしてびっくり。そういえば、後藤さんは「ホテルロンドン」、神戸さんは「くちびるぱんつ」どちらもこの劇場でした。本編のよさはもちろん、その後の「おまけ」が強烈だったので、そのお二人が揃っているということは「×2」で済むハズがない、などと考えているうちに前説が始まりました。居酒屋店員の身なりでとても普段着とはいえないのに、お二人は本編とはちがう特別なゲストなのかな、と思いながら聞き入っていました(恥)。
以下、ネタバレ。
ネタバレBOX
さて、開場時間になり中に入ると、何やら白い線が。バスケのコートじゃあないし、と思いつつ席についてよくみると、それはワンルームマンションの間取り。たしか2階という設定。なので各部屋ともつくりは同じだけど、窓のブラインドは違っている。家具や調度類はなく、雑然と床においてあるものからそれぞれの生活が見えてくる。3人の住人、近所付き合いはもちろん挨拶すらしたこともない様子。話しはバラバラに展開、胸の内に抱えているものに対して、居酒屋、刑事、空き巣狙い、ピザ屋、先輩がからんでくる。
居酒屋ではお二人がまた場を凍りつかせる。いやいや、ここは笑ってもいいところなんだよねと自問しながら噴き出す…まったくもってこの個性。神戸さん、はしごをよじ登っても大いに突っ込んでいましたね。
後藤さん、居酒屋シーンでは前説にでていた「大きな魚」を焼いたり、文字通り板一枚だけのカウンターで呑む「男前」…上段高く掲げ…水芸ですね。そういえば、岡田さんも観葉植物(鉢)に顔をめり込ませたり、ゴミ置き場で撃沈したり、みなさん体当たり。
梅舟さんは、とてもフレッシュなかんじ。空き巣に侵入されること以外は、普通に会社勤めをしているように見えました。先輩の部屋に世話になり、同郷の知人と出会う。ありがちだけど爽やかな場面。
先輩の部屋のシーン。ちゃぶ台と布団。脚立は階段?。一つだけもってきた「(何かが描かれている)絵」、この絵は客席から見えないように配置したほうがよかったと思います。真っ白なところを眺めて…ちょっと無理が。マンションの人は1人住まい、ここは2人。でも2人の話し(だけ)は低温状態で進む。梅舟さんが泊りにきてから動きがでてきたけど、結局、亜矢乃さんはその場を去ってゆく。3人一緒に眠る場面がそれ(2人の間のこと)を暗示していたのでしょうか。「こうだから、ああなんだよ」みたいなものがよく分かりませんでした。
場面のところどころに「雨」のシーンがあります。そのときはいつもTVモニターに砂嵐が映っていたのか、私の席からはよく見えませんでした。同じように、ちゃぶ台を囲む場面でも見えないところがありました。
ラストは、3人がそれぞれの1歩を踏み出すところでしめくくり。
本気で想いを伝え、相手への扉を開け、自分を解き放つ。舞い散る桜の花びらも美しく物語は終わりました。
長いブランクを経てしばらく前からまた芝居を観るようになりました。事前に劇団や役者の方のことなど見たりせず、時間があえばいろいろなところへ行くようにしています。なので役者さんのお名前などもなかなか覚えられず、今回も、開場まで外で待つ間、チラとチラシをみて亜矢乃さんがでていらっしゃるのを知りました。「ナチュラルウーマン」「檻の中の懲りない女たち」「ハバカリ」、本作が4つ目。後藤さん、神戸さんは前述の通り。もうお一人、岡田さん…観たんだけど…どこで観たのか。帰って調べたら「露出狂」でした。
場所は、ここ王子小劇場。