線のほとりに舞う花を 公演情報 てがみ座「線のほとりに舞う花を」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    その線にみるもの
    前説をご自身でされた長田さんがお持ちの雰囲気を素直に作品として仕上げ、それを生音の楽器と声で現しているような気がしました。劇場を横に使っていてたしかに長い。最初の方(多謝)のコメントに従い奥の方へ移動して正解でした。どこかの国のこと、それは歴史の中でどの国にもあったことなんでしょう。アコースティックな雰囲気、自然の中の風が感じられるようでした。最後、お話のまとめ方について...以下、ネタバレ。

    ネタバレBOX

    あなたがた/わたしたち、をめぐって長い歴史において、幾度も幾度もこの作品のようなことは繰り返され、今もそれがなくなったわけではありません。永い時を経て二人がまた出会うことができる、という結末はひとつの選択。

    ここから先は、まったく個人的な思いです。ここ最近、遺伝子のことについて自然科学系の本を何冊か読みました。「ナチス」による差別の話にも言及されていました。そんな堅苦しいものでなくても「アンネの日記」、アウシュビッツの手記などでも触れることができます。どれも「取り返しがつかない」ことばかり。民族と国境。「クロッシング(北朝鮮)」「サラの鍵(仏)。」この2つの映画もおなじ素材を扱っています。前者に救いはなく、後者では最後に小さな「光」がみえます。どちらも恐ろしいばかりの悲しみを内包しています。観劇中、このことが思い出されました。※「サラの鍵」は、昨年、東京国際映画祭で上映されましたが2012正月公開のようです。本公演を気に入った方にもお勧めだと思います。

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    2011/04/17 03:06

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