線のほとりに舞う花を 公演情報 線のほとりに舞う花を」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-13件 / 13件中
  • 社会派!?
    とても重たいテーマを非常に丁寧に作られていました。クオリティ高し。

  • 満足度★★★★★

    話も演出も舞台もハイクオリティ
    人種差別、弾圧、戦争…重い題材を美しくうたいあげた良質な舞台。話もお涙頂戴に流れておらず素直に感動できる。

    舞台セットや衣装も話に合っていて「総合芸術」として高く評価できる。演技力も十分で、次も観たいと思わせる、満足の公演だった。

    ネタバレBOX

    「お疲れ様です」のセリフに笑ってしまった。
  • 満足度★★★★

    叙情的な音楽劇
    物語は境界線の向こうとこっちで離れ離れになった姉妹を軸に、手紙によって繋がれ育まれた心理を表現していたように思う。歌は勿論のこと、衣装や舞台セット、そして全ての情景が叙情的に感じてとても美しかった。
    また物語の進行役を勤める牛が彼の記憶の中で語り継ぐような構成になっており、それも斬新だった。全体を通して好みの舞台だった。

  • 満足度★★★

    壮大な音楽劇
    後半ドンドンと広がっていくスケールの大きな物語には脱帽。全編アカペラで歌いつくす役者さんの歌唱力も絶品でした。ただ、どうなんだろ?もうちょっと大きいハコでやった方が良さが出たかも…って事は、ないかな??王子小劇場に馴染んでなかったってわけじゃないんですが。でもそんな中、あまり広くないアクティングエリアをそう感じさせない演出・俳優陣も見事でした。

  • 満足度★★★★★

    世界観がいい!
    舞台美術、衣装、楽器、音楽、照明、そして演出、この舞台が作り出されてる其々の要素が、独特でセンス良く作り上げられている。

    無情な話だけど、ジメジメ・ドロドロする事は無く悲しい童話的な感じだった。

  • 満足度★★★★

    物語の運び方に洗練が
    演劇かミュージカルかを分類すると
    ミュージカルの領域なのかなという
    感触もある。

    でも、構造というか物語の運び方は
    一般的な演劇側にあるような気がする。

    いずれにしても
    それぞれの表現の特徴の良い部分をしたたかに取り込んで。
    歌える役者たちの力に物語がしっかりと膨らんで。
    広がりを持った作品に仕上がっておりました。

    ネタバレBOX

    冒頭からいきなり掴まれる。
    牛たちの群れの描写に
    その場所の風がきっちりと吹き抜けて・・・。

    史実や現実をそのまま取り入れているわけではなさそうだし
    いろんな国のことを想像できても
    そのどの国ともどこか違うのですが
    でも、それゆえに、
    何処の場所にでもありうるような
    リアリティとともに
    物語が舞台上に現出します。

    音楽劇というか
    ミュージカルに近い肌合いを持った舞台で
    歌や音から広がるイメージが
    舞台の屋台骨を支え、色を広げていく。
    しっかりと歌える役者がいるから
    醸しえる空気があることを実感する。

    ただ、物語を運ぶのは音楽ではなく
    あくまでも演劇的な表現や構成でなされていきます。
    音楽というかメロディーや歌詞は
    シーンのイメージを膨らませる彩る要素であって
    音楽自体が物語を流していくことはない。
    そのことが
    多くの日本語のミュージカルが良くも悪くも持つ
    匂いのようなものから作品を解放していきます。
    音楽からやってくるイメージが語られるべきことと混在するのではなく
    物語が語られるなかで、
    音楽の余韻が物語を染めていくような感覚。
    シーンを組み上げるなかで
    音楽のフォーマットで物語がぼやけることなく
    登場人物の現わし方や、物語に編み込まれた様々な機微が
    音楽と混在するのではなく
    音楽が醸し出す場の色に力を与えられて、しっかりと伝わってくる。

    音楽に物語の精度が縛られることなく
    一方で音楽がそれぞれのシーンを
    豊かに広げていきます。
    また、音楽にとどまらず動きの構成などにも
    多くの秀逸があって。
    身体での表現には、また別の力があることを実感。

    終わってみれば
    本当に素直に
    物語の描いた一つのジェネレーションに刻まれた時間の質感に
    浸潤されておりました。

    この劇団が、明らかに一つの素敵な武器を手に入れたことを
    実感した作品でありました。





  • 201104171400
    201104171400@王子小劇場

  • 満足度★★★

    大河ドラマ
    透明感溢れる空気感に包まれ、魅力的な役者さんたちにより進められるストーリーや音楽を楽しむことができました。
    登場人物に感情移入をさせることなく、一つの土地を主役にしながら、そこで繰り広げられる人間たちのドラマを淡々と描き出されていたので、人間の愚行をかえって効果的に浮き立たせていたと思います。ラストは出来過ぎかとも思いますが、救いのある話にしていたのは脚本家の希望なんでしょうかね。

  • 満足度★★★

    小さな光り
    大地で育まれてきた沢山の生命。その大地に見えない線の為に引き裂かれる生命。今でも繰り返される現状に考えさせられる。

  • 満足度★★★★

    その線にみるもの
    前説をご自身でされた長田さんがお持ちの雰囲気を素直に作品として仕上げ、それを生音の楽器と声で現しているような気がしました。劇場を横に使っていてたしかに長い。最初の方(多謝)のコメントに従い奥の方へ移動して正解でした。どこかの国のこと、それは歴史の中でどの国にもあったことなんでしょう。アコースティックな雰囲気、自然の中の風が感じられるようでした。最後、お話のまとめ方について...以下、ネタバレ。

    ネタバレBOX

    あなたがた/わたしたち、をめぐって長い歴史において、幾度も幾度もこの作品のようなことは繰り返され、今もそれがなくなったわけではありません。永い時を経て二人がまた出会うことができる、という結末はひとつの選択。

    ここから先は、まったく個人的な思いです。ここ最近、遺伝子のことについて自然科学系の本を何冊か読みました。「ナチス」による差別の話にも言及されていました。そんな堅苦しいものでなくても「アンネの日記」、アウシュビッツの手記などでも触れることができます。どれも「取り返しがつかない」ことばかり。民族と国境。「クロッシング(北朝鮮)」「サラの鍵(仏)。」この2つの映画もおなじ素材を扱っています。前者に救いはなく、後者では最後に小さな「光」がみえます。どちらも恐ろしいばかりの悲しみを内包しています。観劇中、このことが思い出されました。※「サラの鍵」は、昨年、東京国際映画祭で上映されましたが2012正月公開のようです。本公演を気に入った方にもお勧めだと思います。
  • 満足度★★★★

    戦争の悲劇、そして新たな出会い!
    抽象的な話になるのかなと予想していましたが、意外と具体的な筋立てでした。

    乱歩にも出ていた和田真季乃さん良かったです!!

    ネタバレBOX

    最初一人二人と登場し、上顎と下顎を横にずらすようにモグモグし始め、足で土を蹴り、こりゃ牛さんの話になってしまうのかな。

    ロビーからは、まもなく芝居が始まりまーすの大声が…。役者さんに知らせる風なのか、テント小屋の外を歩いている通行人に知らせる風を装っているのか、移動民による移動芝居という雰囲気を醸し出していました。

    戦車が通り牛が殺されるはヨーロッパか、収容所もヨーロッパ、国境線を越えるは朝鮮半島か東西ドイツか、国境線を越えた先で言葉が通じにくいは難民を表現しているのか…。

    抽象的に戦争や民族問題を扱っているのかと思っていると、密かな恋愛があり、時が経過した後に孫の働きによって国境を隔てて別れ別れになった姉妹が再開することになって…、これは『ナツひとり』だって思いました。手紙が届かなかったところ、ま、こちらは出さなかったのですけど…。

    演奏はジェンベという打楽器と指ではじく小さな鉄琴のようなもので、音楽は役者による美しいハーモニーで表現されていました。

    飼い主の再開の喜びを確認して旅立つ墓の中の牛さんは、元移動民の魂の象徴ですね。
  • 満足度★★★

    今度は音楽劇でした
    いつも公演の度、変化球を魅せて下さるてがみ座の舞台、今回は、音楽劇でした。ミュージカルではなく。

    相変わらず、長田さんの生み出す物語世界は惹き付けるものが多く、感心します。

    こういう状況下で観ると、天災で多くの命や家や土地が失われる中、人間同士の争いによって、命を失うことの愚かさをより痛切に感じてしまいます。

    昔読んだ、アゴタクリフトフの小説を彷彿として観劇していたら、当パンに、長田さん御自身が、影響を受けたと書いていらして、驚きました。

    ただ、この作品、私の個人的好みからすれば、別の演出で観たかった気がしています。

    大ファンの大西さんの手の仕草が絶品演技で、またしても感嘆ものでした。

    ネタバレBOX

    演出の前嶋さんの思考動物は拝見したことがないのですが、もしかしたら、この演出は、前嶋さんらしさが如実に出ている作品なのかもしれません。

    牛を殊更見た目で表現することなく、演技や仕草で象徴的に演じる手法に反対はないのですが、この演出とそれに付随する演技方法から考えると、もっと全体的に、抽象的な舞台の一貫性がほしかった気がしました。

    寓話風な芝居なのに、急に、現実的な果物や野菜などが登場し、統一感のない感じがしてしまいました。

    双子の姉妹役のお二人、マルタの孫娘を演じた女優さんの3人の演技が印象的。中でも、マルタ役の大西さんの、豆の鞘を剥く手つきが絶品で、彼女の演じる「わが町」をいつか拝見したくなりました。

    双子の姉妹の、お互いに届けられなかった往復書簡が、最後に無事、宛先に届く結末に安堵する、清涼感あるラストが素敵でした。

    てがみ座だけに、実際届かずとも、お互いの心に届いていた手紙が二人の心の支えだったのだなと、感涙するラストです。

    説明過多にならない長田さんにしては、母親に、姉妹の助命の手助けを申し出る際の兵士の台詞だけが、やや説明的に過ぎる感じを受けました。
  • 満足度★★★★

    ミュージカル♪
    イッツフォーリーズの面々がキャストだけあって歌で魅了する。そして秘密基地みたいなセット。王子劇場がちょっとした絵本の中のような風景になっていた。鑑賞に適した座席は入口奥から中央にかけて。奥の方で大半が演じられているので入口近くに座ると首が痛くなる。笑

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    国境線のほとり、土地の記憶を伝える音楽劇
    一つの幸福な家族があった。しかし戦争によって民族は虐殺され、家族は引き離され、残された双子の姉妹は生きる為に国境の渡し屋として地雷や兵隊、狼を避けて案内する仕事を始める。その報酬で生計を立てていたが、妹・マルタは線(国境線)の向こうには桃源郷があると信じ線を越えて渡って行く。

    一方でもう一人の姉:オルガは戦禍が通り過ぎるのをこの地で静かに待っていた。線の向こうに働きに行ったマルタは職場で亡命者であることがバレて、様々な差別を受け、その運命は囚人となって刑務所に入れられてしまう。桃源郷と信じて疑わなかった心もいつしか絶望し萎えてしまうのであった。

    しかし離れ離れになった姉妹はお互いに手紙で励まし合い手紙によって希望を見出す。

    物語の主軸はマルタの生命力が強調された舞台だった。どんなにどん底になっても生きていくという営みを決して諦めない。そういった力強さに観客は魅了され、涙していた。

    かつて、この地でそんな物語があったのだ。と遠い昔を懐かしむように牛たちが語り手として物語のナビゲーター役を担う。それはユーラシア大陸を彷彿とさせる壮大なイメージでその中に取り込まれた音楽劇はファンタジー性も強かった。
    良く練りこまれた物語を抽象的に演出したり身体表現によって描写していた。素敵な音楽劇だった。

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