線のほとりに舞う花を 公演情報 てがみ座「線のほとりに舞う花を」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    今度は音楽劇でした
    いつも公演の度、変化球を魅せて下さるてがみ座の舞台、今回は、音楽劇でした。ミュージカルではなく。

    相変わらず、長田さんの生み出す物語世界は惹き付けるものが多く、感心します。

    こういう状況下で観ると、天災で多くの命や家や土地が失われる中、人間同士の争いによって、命を失うことの愚かさをより痛切に感じてしまいます。

    昔読んだ、アゴタクリフトフの小説を彷彿として観劇していたら、当パンに、長田さん御自身が、影響を受けたと書いていらして、驚きました。

    ただ、この作品、私の個人的好みからすれば、別の演出で観たかった気がしています。

    大ファンの大西さんの手の仕草が絶品演技で、またしても感嘆ものでした。

    ネタバレBOX

    演出の前嶋さんの思考動物は拝見したことがないのですが、もしかしたら、この演出は、前嶋さんらしさが如実に出ている作品なのかもしれません。

    牛を殊更見た目で表現することなく、演技や仕草で象徴的に演じる手法に反対はないのですが、この演出とそれに付随する演技方法から考えると、もっと全体的に、抽象的な舞台の一貫性がほしかった気がしました。

    寓話風な芝居なのに、急に、現実的な果物や野菜などが登場し、統一感のない感じがしてしまいました。

    双子の姉妹役のお二人、マルタの孫娘を演じた女優さんの3人の演技が印象的。中でも、マルタ役の大西さんの、豆の鞘を剥く手つきが絶品で、彼女の演じる「わが町」をいつか拝見したくなりました。

    双子の姉妹の、お互いに届けられなかった往復書簡が、最後に無事、宛先に届く結末に安堵する、清涼感あるラストが素敵でした。

    てがみ座だけに、実際届かずとも、お互いの心に届いていた手紙が二人の心の支えだったのだなと、感涙するラストです。

    説明過多にならない長田さんにしては、母親に、姉妹の助命の手助けを申し出る際の兵士の台詞だけが、やや説明的に過ぎる感じを受けました。

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    2011/04/15 19:09

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