毒見<全日程終了致しました。ありがとうございました!!〉 公演情報 味わい堂々「毒見<全日程終了致しました。ありがとうございました!!〉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    畳み掛けるように
    かみながらの前説に、大丈夫かと思いつつ物語は始まる。ともだち7+友達2の9人。お互いがお互いを測りながら、正の場合には、お金で現状維持、負の場合は、断絶/ゲームアウトすることでその関係を修正してゆく。先日観た「女子高(高校時代→10年後)」とはまた違った面白さ。

    以下、ネタバレ(駄)。

    ネタバレBOX

    畳が4つ。始まってしばらくすると突然の畳返し。敵か…ではなく、数人で慎重に支えながら畳面を客席に向け、そこに映像が映るのだがとてもお子様向けではない…シュールだ。突然暗くなって聞こえてくるドクンドクンという音も心臓によくない。

    なんだかみんな嫌なヤツ。自分の都合でともだちを振り回し、ともだちの都合で振り回される。誰に共感すればいいんだ。ザクザクと10人集めたら全員誰かに当てはまるというものではないにしても、100人集めたら結構いるんじゃないか。

    基本、1畳1世帯らしい。それぞれが並行して会話が始まったりする。バラバラに、同期して、繋がりながら。ここのところは話しの内容と台詞とタイミングがポイントで、もう少し滑らかに展開すると美しかったのでは。

    ラスト、ともだちであることを絶つためにはその相手を抹殺することさえ厭わない…。ともだちでなくなると自分が何者なのかさえ分からなくなる。アイデンティティーも外注か。記憶から遠ざかる。だから目の前を通り過ぎる者が誰だったか思い出さない。どうでもいいことだから。牢獄の1人を除いて。

    これは、最後のシーンまではその1人の記憶の中の物語だった(または、ようにもみえる)、ということであってますでしょうか。という前提でみて、①看守に語りかけるのはいつものこと(看守も慣れた様子か)②監獄の中は意外と過ごしやすい(という台詞から)③刑の内容がわからない(死刑、有期刑…)、普段の戯言ではなく、もっと(文字通り)劇的に締めくくったほうが落差を感じてよかったのではないかと、思いました。

    個人的には好きな作品。

    0

    2011/04/06 13:34

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大