総長の観てきた!クチコミ一覧

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カフェ・ビアンカ

カフェ・ビアンカ

兎団

遊空間がざびぃ(東京都)

2011/03/05 (土) ~ 2011/03/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

良いもの見つけた・・・必見です。
ゲネプロを観せて頂きました。
作家が本を書いて・・・演出家が役者で舞台に描いて・・・役者が観客の心にも絵を描く・・・
作品は、バランスがとれて、桜花一想のHPと同様に素敵で、後味の良い余韻が有って、とても良い絵を心に描いて癒されました。
かざびぃは、小さい小屋で知近距離で観れますが・・・勿体ないです。
芝居には花が必要で、花を育てるのも主宰座長の役割・・・
主演の吉岡さんの麗しい目力を、主宰演出の斉藤さんが惹き出して・・・とても新鮮な魅力を感じて見惚れますよ!
お客さんへ投げる目線・・・起承転結・大切な台詞の間合いとフレージング…本番を重ねて更なる成長で大化け・・・期待で★★★★★です!?




マダン劇「碧に咲く母の花」★ご来場、誠にありがとうございました。

マダン劇「碧に咲く母の花」★ご来場、誠にありがとうございました。

May

タイニイアリス(東京都)

2011/06/09 (木) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

心の飢えから溢れる愛・・・
今回で金哲義氏作品を観るのは4作目である。それは非日常性を描く演劇とは異なり、偏に自己のルーツ感から心の飢えの如く祖国愛が溢れ出て、単編の戯曲と言うよりも4本連続の戯曲としても観られる精神性の高いベタな日常作品かも知れない。 以下は、ネタバレにて・・・。

観劇される方は、編集もあり、全てが正しい報道ドキュメントかは判りませんが、
■NHK・Eテレ2008年4月放送「悲劇の島 チェジュ(済州)~「4・3事件」在日コリアンの記憶 」
(参考URL  :  http://www.youtube.com/watch?v=BABNLB4HEig&feature=related  )

■チェジュ島四三事件 立命館大学文京洙教授 
(参考URL   :   http://www.youtube.com/watch?v=i3jIdlH5XNg&feature=related   )

 以上などで、多少の知識を得てからの方が、この作品も少しだけ理解し易いかと思います。

ネタバレBOX

2周りも若いアラフォーの金哲義氏が、作家のライフワークの様に「沈黙の歴史・済州48/4・3事件」を正面から捉え勇気を持ち「碧に咲く母の花」を書いたことを心から尊敬する。
敗戦により日本統治時代を終えても、反共を国是とした日本統治時の「治安維持法」警察機構を温存した李承晩・軍政権の行為が端緒にあり、日本人の我々も知る必要がある。

古くから日本は、済州島及び朝鮮半島と壱岐・対馬経由で、人を含めた交流をしていた。
実は、13年程前に私はある団体の事務局長をしていた関係で、その団体で壱岐・対馬を訪問した際、4・3事件犠牲者と思われる手脚縄縛の夥しい程の遺体が、海流に揉まれて流れ着いた歴史がある事を聞いた記憶があり、遺体を供養している寺院(太平寺・西山寺等)も覚えている。国家と雖も、犯した罪は非情悲惨過ぎる事件である。しかし、非情悲惨な歴史でもその事実を知り、継承しながら事実の解明と、再度過ちが起こらぬよう反省と清算により工夫して生きていかねばならならない。

その難しいテーマを、母・貞雅(斉藤友恵)とその娘・晴美(木場夕子)の母娘を中心にして描き、歴史の苦悩を抉る男(柴崎辰治)、晴美の父(倉畑和之)などの役を、見事に演じたMayの劇団員の皆さんは、例え隣国と雖も、歴史を勉強しながらの難しい演技だったと思う。過去60年以上も前の4・3事件だけれども、その清算事業は盧武鉉大統領の登場で始まったばかり…。しかも彼の死と38度線など民族の本質的な解決の道筋は未だ遙か遠くて見えない。娘・晴美も母の死から得た歴史の発掘により、人生は再スタートしたばかりである。彼女は今後母の魂と歴史にどう向き合って生きて行くだろう…?その答えは観ている私達側へ投げかけられていると思う…。友人の淑恵・清子ではなく、晴美なのだ…と。!

演出では、晴美が母の卵おにぎりを美味しい!亡くなった母の卵おにぎりを食べたい…でも、もう食べられない!と言う台詞がある。それが済州島の家庭料理かは判らないが、コリアン料理は刺激が強い食べ物と連想するが、卵は味をマイルドにする。それと同様、重いテーマが、劇団タルオルムの女史3人の素晴らしい助演(特に歌は美しい!)とマダン劇での上演で、舞台がマイルドになって実現している。但し、カーテンコール時には、劇団Mayの団員紹介と、演じる役者の殆どが在日でもない、日本の若者が学びながらの公演である事は伝えて欲しい。何故ならそれが、マダンによる大衆との文化交流・改革の意義であり、物語の昇華であり、人の心に国境は無いMayの実践で想いは理解出来るからである。
「十の果て」

「十の果て」

May

タイニイアリス(東京都)

2011/02/25 (金) ~ 2011/02/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

心撃つ台詞が・・・
活劇or人情劇なのか・・・私達が忘れかけていた民族を問わず祖国感・ルーツへの想いと問いかけを、Mayの皆さんが演じてくれました。
トーキーを利用した演出や、タイ二イアルスの小さな舞台をより大きく見せる工夫もあって斬新さを感じました。
劇中心撃つ台詞が数多く出て、特に少年タルスと光太郎の後段の二人だけの会話には熱く胸を撃つものが有りました。
敢えて言うと、演出脚本の金哲義さんは詩的センスが素晴らし過ぎる・・・多分演出への拘り思い入れも強くこれでもか?これでもか?と妥協をしないタイプかな?少し観ていて脳が疲れました。交響曲に間奏が有るように・・・もう少しそれが多く有っても良いかな?と・・・・・ごめんなさい・・・それでも★★★★★です。

七人の侍なんていらねえ

七人の侍なんていらねえ

劇団演奏舞台

門仲天井ホール<アート・キッチン>(東京都)

2011/03/18 (金) ~ 2011/03/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

客観から主観への転換・・・空気観の創造・・・
主宰の久保田猛さんが「つれづれなるままに…」で御挨拶されているように、自身のルーツ観から土一揆・百姓一揆をテーマに、主題通り黒澤映画とは対称的にスーパーマン・ヒーローのいない作品でした。 演劇にはいろいろな形があり、何でもありですが、この作品は、幕切れやコンポジションも持たないまま意図的に出発した作品らしい、農民の連帯意織と支配者への政治的要求・・・・歴史的にも今日でも軽視され、後継問題バラマキなど・・・崩壊しつつある農業生産者の重要性の訴えを軽妙なタッチで描き、実は裏面にはヘビーな主張ある戯曲でした。 劇団の【インターネットラジオドラマ‐大江戸お庭番】をそのまま舞台にしている手法で・・・・・小劇場の役者同志のかけあい舞台を見慣れている方には、多少観熟せないかも知れません・・・ 舞台を観るのも客観ではなく・・・一緒に空気を創り主観を求める手法・・・・だから、主宰は小劇場に拘っているのかもと・・・ラジオにかじり付いて、ときめいて同化していた良き時代を想い出していました。 主宰の久保田さんが入場口でもぎりをされていましたが、いつまでもお元気で、挑戦者として新しい原作をお創りになるのを楽しみにしています。喝采!!!

日本橋

日本橋

松竹

日生劇場(東京都)

2012/12/03 (月) ~ 2012/12/26 (水)公演終了

満足度★★★★★

全てが美しい
 泉鏡花が大正三年に発表し、のちに自ら戯曲化するほど鏡花自身も愛していた名作。
 今回の公演は、常にあくなき探究と研鑽を積み重ね、芸と美を兼ね備えた坂東玉三郎が演出、そして実に二十五年ぶりに主役の芸者・お孝役に挑戦している。
 その舞台の玉三郎は、言うまでもなく立ち居振る舞いが絶品で美しい!
 キャステイングも素晴らしい。
 対役の芸者・清葉の高橋恵子も、しっとりと癒しの演技で嫋やかに和の美を醸し出している。
 他の出演陣も充実し、鏡花独特のとにかく美しい台詞で綴られた演技で、その一篇一篇の詩が、舞台を増幅した映像の拡がりを持って脳裏に浸透してくる。
 全てが美しい舞台だった。

ネタバレBOX

 ものがたりは一人の医学士を巡り、二人の芸者お孝(坂東玉三郎)と清葉(高橋惠子)そして彼らを取り巻く登場人物たちが織りなす人間模様を鏡花独特のとにかく一篇一篇の美しい台詞で綴られた舞台。
 

 大正のはじめ、日本橋には指折りの二人の名妓がいた。稲葉家お孝(坂東玉三郎)と、瀧の家清葉(高橋惠子)である。しかしその性格は全くの正反対で、清葉が品がよく内気なのに引き替え、お孝は達引の強い、意地が命の女だった。
 医学士葛木晋三(松田悟志)には一人の姉がいたが、自分に似ている雛人形を形見として残し、行方知れない諸国行脚の旅に出てしまった。
 その雛人形に似ている清葉に姉の俤を見て思いを寄せる葛木は、雛祭の翌日、七年越しの自分の気持ちを打ち明けた。
 しかし清葉は、ある事情から現在の旦那の他に男は持たないと誓った身のため、葛木の気持ちはよく分かりながらも、拒んでしまう。
 葛木は清葉と傷心の別れの後、雛祭に供えた栄螺と蛤を一石橋から放ったところを、笠原巡査(藤堂新二)に不審尋問された。そこへ現れたのは抱妓のお千世(斎藤菜月)を伴ったお孝であった。お孝の口添えで、葛木への疑惑は解け、二人は馴染みになった。彼女は清葉と葛木の関係を知りながら敢えて自ら進んで葛木に身を任せようとした。これは清葉に対する意地であった。
 しかし、お孝には、稲葉家の二階に住みついた間夫・五十嵐伝吾(永島敏行)がいた。
 共にかなわぬ胸のうちを抱え苦しむお孝と清葉の二人の因縁を軸に、せつなく情実的に描きながら、美しくも悲劇で結される最終章へ向かって展開していく。
五月大歌舞伎

五月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/05/01 (日) ~ 2011/05/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽・素晴らしき挑戦・・・幸四郎!&吉右衛門
今月昼夜ともにそれぞれ2度目の公演へ・・・幸四郎が、170年ぶりの悪の二役をやるのって、もう見られないかも・・・と思うだけで、いてもたっても行かずにはいられなかった!(もちろん夜公演の吉右衛門の、懐の深い芝居の演技は言うことがない!私は本来・播磨屋・吉右衛門!)
隣席に座られた高麗屋(幸四郎の屋号)に特段に詳しい方がいて、幸四郎が三枚目を演じるのは、歌舞伎の世界では本来は許せないことなのだとか・・・!?(〇〇さ〇りがAVにでるようなものだと・・・?)そのことからも、70歳になる幸四郎が、伝統へ挑戦する意欲は素晴らしいということなのだ!!
(その方も吉右衛門を褒めていた・・・。短い登場で兄・幸四郎の舞台へのエールを贈る姿勢は素晴らしいと・・・。夜公演だけでも出ずっぱりで大変なのにって・・・同感!播磨屋サポーターとして嬉しい!)
最終章のかたき討ちシーンから拍子木が入って・・・「本日千秋楽に付き・・・・・」で舞台上からのご口上・・・・・。その後に幕が下りたが、スタンディングオベーションしたのは自分だけだったみたい!?
日本の演劇にはスタンディングオベーションは根付かないのかな・・・?
何処へ行っても、みなさんとてもおとなしいよね!良くも悪くも感情は素直に伝えたいね・・・・!

ネタバレBOX

昼公演・敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがじゃやむら)主演・松本幸四郎の二役
夜公演・籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)主演・中村吉右衛門と中村福助

この舞台の「芝居の非日常性と、善にも悪にも華が咲く!」素晴らしさと、芝居のストーリなど、今月の「観てきた!コメント」と「ネタバレBOX」に記載しました。ご覧戴きたく存じます。
五月大歌舞伎

五月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/05/01 (日) ~ 2011/05/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

幸四郎・170年ぶりの挑戦・・・昼公演
松本幸四郎が初役に挑む「敵討天下茶屋聚」(かたきうちてんがぢゃやむら)の演目は、慶長14年西暦1600年に備前の国(岡山)宇喜多秀家(芝居では浮田家)のお家騒動で、闇討ちにあった父の無念を、遺子が9年後の1609年大阪の天下茶屋で実際に敵討ちを遂げた事件を題材に、奈河亀輔が本を書下ろして江戸中期の天明元年1781年に初演された狂言である。
上演当初の評判はイマイチのようだったが、天保6年西暦1835年に四代目大谷友右衛門が工夫を凝らして、江戸中村座で敵役を主人公にした設定で舞台を演じて喝采を博した。その後繰り返し上演されて敵討ち狂言の傑作と言われている!
しかし、今回演じる松本幸四郎は初役であり、しかもその四代目友右衛門が天保14年西暦1843年に、二人の悪人安達元右衛門と東間三郎右衛門の一人二役を通し狂言で演じ分けて以来、170年ぶりの挑戦である。幸四郎は来年70歳。初役でしかも170年ぶりの一人二役。伝統を守りながらも現代感覚の人物描写で自ら挑戦して芸と向きあう姿勢はとても素晴らしい!
幸四郎は時代背景と登場人物の性格描写の他味わいある台詞などを綿密に練り上げ、悪役ながら二役の一方・東間は陰で画を描き人を操る大悪な首領役で、一方の元右衛門は盗人猛々しく小悪を重ねながら三枚目役と対照させるように上手く演じ分けており、四代目友右衛門が人気を博した江戸時代の舞台を、現代感覚の解釈で再現している。
初役ながら、序幕から大詰めまでの全五幕190分を、通しで二役を演じた幸四郎の挑戦する心意気は素晴らしく、改めて人生は生涯学習と感じる!
伝統と向き合う幸四郎の舞台を、実弟の中村吉右衛門が敵討ちを支える人形屋幸右衛門役、敵討ち立ち会い助っ人補佐人役坂田正三郎を八代目大谷友右衛門に演じさせて、粋な「敵討天下茶屋聚」だけに、妙で不思議な因縁を感じながら、言葉で表せない深い感動で観ていた!詳細は、ネタバレBOXにて・・・

ネタバレBOX

時代は江戸幕府開幕前の1600年頃、浮田家は石田三成と気脈を通じているのでは・・・と執権から疑われている。疑いを晴らし忠誠の証のためにも、北条氏より戴いた百歌仙「紀貫之が書いた色紙」を見せる必要がある。筆頭家老・早瀬玄蕃頭(段四郎:史実では林である)は、次席家老・岡舟岸之頭(桂三:史実では長船である)と重臣・東間三郎右衛門(幸四郎の二役:史実では当間である)が、お家乗っ取りの謀反を計略していることを察知していた。一派に一時奪われていたお家の大事な色紙を取戻した上、次席家老の岡舟は切腹させることが出来た。しかしその後、東間には逆に闇討ちにされた挙句に、玄蕃頭が保管する浮田家の重宝である百歌仙「紀貫之が書いた色紙」も奪われて無念の最後を遂げる。東間はそのまま出奔してしまう。早瀬家は、色紙を奪われた咎で取り潰しとなる。早瀬玄蕃頭の子息である伊織(梅玉)と弟の源次郎(錦之介)は、父の無念を晴らし早瀬家再興のために、許婚の染の井(魁春)と祝言を挙げ、家来の安達元右衛門(もとえもん:幸四郎の二役)と弥助(彌十郎)兄弟を伴い、四人で東間追うように上方へ向かう。色紙を奪われたことでお家が取り潰しとなり、二人は侍としての身分を失い浪人となったため、敵討ち免許状は持っていない。まずは色紙を取戻し、敵討ち免許状を得て東間を討つ(二つの使命を順に満たすことで早瀬家再興が認められる)旅へ出たのである。あとを追うように、妻・染の井と源次郎の許嫁・葉末姉妹も大阪天王寺門前へ探しに出て来たが東間側に見られてしまう。兄弟も近辺にいるのでは?と逆に察知され、標的となる。(東間のお家乗っ取りの悪企みを計る証拠の手紙などいろいろとあるが・・・省略)色紙も東間も見つけられぬまま、伊織たちは流浪を重ねて東寺近く(大阪市端の西成~阿倍野辺り?)に貸座敷を借り生活をしている。長屋にも住めぬ不安定な経済的困窮度が伺える。早瀬兄弟の供で来た元右衛門は、生来の酒好きで暴れ者であったために、東間の策略から悪の道へ進んでしまい東間側へと寝返っている。伊織と再会してから貸座敷に一緒に住み始めた染の井だが、それも束の間。伊織が色紙と東間を探し歩く不在の日、家宝の色紙が骨董屋で見つかったとの報が入り、買い戻すために200両必要と聞く。そのため妻・染の井が切ない決意をして、歌を一首詠み弥助に託す。「山川の 流れに沈む栃(とち)からも 身を捨ててこそ 浮かむ瀬もあれ」(栃の実の殻は、一度沈んでも水に浮くことが出来る。覚悟を決めて身を捨ててこそ、初めて浅瀬に浮かぶことができる。つまり「自分は身を捨てる決心(自分は遊郭に身を売る)私が犠牲になることで、貴方が浮かび上がることが出来るなら、それは私の想いである。そして、いつの日にか自分を救い出してくれるなら嬉しいけれど・・・本懐を遂げてくれれば救い出してくれなくても諦める」・・・。小判と引き換えに姿を消していく。同じ日に、東間の指図で盲目の按摩に化けた元右衛門が訪ねて来る。「過去の因果で目が見えなくなった」と弱々しく語り、心根が優しい実弟の弥助へ情実で訴え取り入ったところで、染の井のいきさつ一部始終全てを聞いてしまった。そのため情けをかけてくれた実弟の弥助を殺し、染の井の身売りの金を奪い盗り去ってしまう。(弟の源次郎は病で臥せており、夜眼が不自由で気付かないまま・・・多分、栄養失調?)元右衛門は源次郎も殺そうとするが、丁度伊織が帰って来たのに気付き慌てて逃げ出す。その際、帰ってきた伊織は夜の暗闇で元右衛門に不意を突かれて足を切られて不自由の身になってしまう。(伊織は相手が元右衛門と気付いていない)元右衛門が慌てて逃げ帰る様は、いかにも小悪人で三枚目に見えてしまう。更に時が経ち、伊織兄弟は福島天神の森(非人の部落)まで落ちぶれ果て、物乞いをしながらムシロ小屋で貧窮の日々を過ごしている。東間はそんな兄弟を偵察しながら、少しばかり元気を回復した源次郎が東間を探し出すための留守を狙い、元右衛門に指示をして奴(錦吾)を供に、兄の伊織をいたぶり殺してしまう。伊織の虫の息を確認しながら、過去の悪事を伝える元右衛門・・・「いや、まだあるまだある、うぬが女房染の井の身代金も、この元右衛門様が着服したのだ。」「びっくりするな、まだあるまだある、うぬがその躄(いざり)になったのも、俺がしたのだ」の「まだあるまだある」は、本当に憎々しいが・・・悪が増長していく見せ場でもある。さらには、帰ってきて伊織の死を知った源次郎も、気落ちから絶望したところを襲われ川へ投げ込まれる。(ここまで元右衛門を悪の権化のように書いてきたが、結局は東間の指図通り、彼の掌の中で動いていただけなのだ。)その後中村吉右衛門が演じる人形屋幸右衛門、八代目大谷友右衛門などの登場で粋で味のある演出があり、最終章へ向かう。(以下略)敵討ちのために艱難辛苦の生活を続ける早瀬兄弟達だが、場面場面で身分に拘りなく多くの人々と出逢ってはホッとする癒しの工夫があり、善意に助けられながら成就して行く190分は、観ていて疲労感がない!
深川安楽亭

深川安楽亭

劇団ユビキタス・アジェンダ

座・高円寺2(東京都)

2011/04/20 (水) ~ 2011/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

流石に俳優座・・・花の十五期!
この深川安楽亭は、私がW大大学院の頃、郷土・大学の先輩で【四期の会】小林正樹さんが監督で映画化した事を想い出す。仲代達矢・栗原小巻・山本圭・吾がマドンナ酒井和歌子・中村翫右衛門・佐藤慶・岸田森・近藤洋介・植田峻・神山繁・中谷一郎・滝田裕介・勝新太郎と蒼々たるキャスティングだった。祖父が放送局関係者だったので、祖父自身元祖コマキストと褒めまくっていた栗原小巻さんは、俳優座養成所第15期生・・・この旗揚げ劇団主宰・溝口舜亮さんと八町掘り同心・岡島役の片岡五郎さんも15期生・・・芝居が安定しているわけだ!
その他15期には原田芳雄・太地喜和子・赤座美代子・前田吟・林隆三・夏八木勲・村井国夫・竜崎勝・地井武男・小野武彦・浜畑賢吉・秋野太作・高橋長英と個性的で優秀な多くの方々がいて、俳優座でも特別に花の15期と言われている。私は素人だけど、地井武男さんのちい散歩に出演した事、小野武彦さんとは偶然にイタリア~スイスの列車の旅で出逢った事も・・・・!
1970年代当時、主宰・溝口舜亮さんはテレビ・東京12チャンネルで放映された「江戸川乱歩・明智小五郎シリーズ」で主役の明智探偵を演じていたなぁ・・・。演出演技陣も熟して文句ない!本も仕込みも良いし芝居の花・着物女王・三咲順子さんの艶やかで切れ良い演技も素敵だ。舞台空間の使い方など、芝居はこう創るものと若手劇団の手本であり、懐深い豊かさを是非若手劇団の皆さんにも観て勉強してもらいたい作品である。
演技陣も衣装さんも更に特筆すべきは劇中音響チェロの韮澤有さんで、最高評価文句なし! ★★★★★ 以下ネタバレにて

ネタバレBOX

「安楽亭」は、江戸市中から少し離れた四方を堀に囲まれた島と呼ばれる荒地にある一膳飯屋である。江戸市中と結ぶ唯一の道は、深川吉永町にかかっている橋だけだ。ここには主人の幾造・おみつ父娘に、世間ではまともに生きる事の出来ない親兄弟の縁もない定七・与兵衛・政次・由之助・仙吉などが一つ屋根の下に寄り集っている。愛情に飢えながらも、他人に無関心で互いの情さえ信じ合わない風を装いながら、抜荷した品物を安楽亭に隠匿し、客に応じて運び出すという生業で日々生きている無頼漢達である。ある日与兵衛が、街で無銭飲食の果てに袋叩きにあった商家奉公人の富次郎を助けてきた。富次郎は、幼馴染みで恋仲のおきわと夫婦になろうと誓い合っていた。ところが、おきわの母が病で亡くなり、借金を抱えた父親は娘を女衒の権六に12両で売りとばしてしまった。思いあまった富次郎は、お店の金に手を出しおきわを助け出そうと捜し廻ったが・・・それを果たさぬうち金を使い切ってしまった。次第を聞いた与兵衛が、数日後、おきわの情報を知らせてきたが、身請け身代金として20両必要だ・・・。それを聞いた安楽亭の無頼漢達は、自分達は人助けをする柄ではないと思いながらも、おきわは自分達が一肌脱がなければ救う手だてがないと思案する。そんな折、灘屋の小平から抜け荷の仕事が持ち込まれる。男達は本音では仕事に乗り気がしない・・・小平が手引した前の仕事で、仲間2人が捕り手に捕まり殺されたことから小平に疑念を抱いていた。しかも、八丁堀同心の岡島が安楽亭探索に血眼だ。それでも男たちは義侠心から、20両で小平から持ち込まれた抜け荷の仕事を引き受けてしまう。荒らくれ達は、自分達にはなかった夢を若者に託し、その愛を実らせようと、自らの身の危険を冒して灘屋小平からの話を引受けた仕事の夜・・・満月が光々と川面を照らす中、和蘭陀や唐からの禁制品を積んだ小舟が中川へ入り、安楽亭を目指していく・・・。しかし、彼らの行動を知っていたかのように待ち受けていた捕手の群れが・・・・。一方、以前この安楽亭へぶらり入ってきた男が・・・・?果たして、自らを犠牲にしても人への想いと深い情を鮮やかに描いた物語が、私達へ囁きかけるものは・・・?必見!必考!
かもだる田バラエチー~花の精~

かもだる田バラエチー~花の精~

かもだる田

しもきた空間リバティ(東京都)

2011/04/14 (木) ~ 2011/04/15 (金)公演終了

満足度★★★★★

下北リバティで花満開・・・
大震災後に自粛ムードが強いお花見・・・黄昏時に自宅を出て下北沢空間リバティへ夜桜見物?・・・花も宴会芸?も最高!!!久しぶりにスタートからエンディングまで笑顔で観ていた。
コスチューム表現とインプロ?と思う位に当意即妙アドリブコント【だるま食堂】の3人。身体表現と蘊蓄ある台詞で楽しめる【かもねぎショット】の3人。そして自虐的な表現で、時事ネタの計画停電などを演じて、思わず自分の学生時代を想い出させてくれた【多田慶子さん】・・・古くなるほど酒は甘くなる!!花も開かなければ・・・開き過ぎる位に満開の花。花の精・・・盛・凄・を観て、旨い花見酒が飲める楽しい夜でした。みなさん、花見に行きましょう!!!エンディング挨拶での【かもねぎショット・高見亮子さん】の見事な咳き込み?がダメ押しで・・・★★★★★

五月大歌舞伎

五月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/05/01 (日) ~ 2011/05/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

演劇の非日常性・・・夜公演
籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)。中村吉右衛門が、元禄九年吉原百人切りの実話を題材とした明治時代の上演から絶えていた場面を百有余年ぶりに復活し、発端より大詰まで上演するという話題の舞台。ここの籠釣瓶は、籠で作った釣瓶は汲んでも水が溜まらないことと同じように、人を切っても血糊も付かぬ切れ味落ちずに血を吸い足らない名刀の意である。その名刀を吉右衛門演じる次郎左衛門が持ち、吉原一の花魁八ツ橋を演じる中村福助の艶やかさとの調和が見事だ!吉右衛門の演技やせりふは言うまでもなく懐深く大きな演技・数々の引き出しがみられるが、福助にも、縁切りの場の名セリフ「つくづく嫌になりんした」は八ツ橋自身の境涯ともとれ、名女形への進化成長など・・見どころ満載とても楽しめ嬉しい舞台だった。
それにしても感じたのは、演劇の持つ、善にも悪にも花が咲き喝采を浴びる非日常性である。
天候に晴れもあれば雨もあり、台風もあれば大吹雪もあるように、人の心も日々不順である。人は一人では人間と言わない。芝居も同じで人が演じるのであるから、たとえ同じ演目同じ役者でも、同じものが出来る筈がない。昨日の芝居と今日の芝居、明日の芝居は同じではない。芝居に関わる人が増え、人と人との間ではじめて間合いが生まれ、舞台の作品が成熟していくのである。そして、同じ作品でも役者が変われば違う作品になリ、味を工夫し得意が生まれていく。演劇に情熱を持ち挑戦し続けることから伝統が生まれ、昇華して後世に残ることになるのである!演劇を志した以上、どのジャンル演劇集団も未来へ継承するよう努力をして欲しい!

ネタバレBOX

江戸時代の享保年間元禄九年に起きた事件「吉原百人斬り」を題材に、黙阿弥の門下生・三世河竹新七が書いて明治21年(1881年)5月1日に現在の明治座で初演された。
佐野次郎左衛門を初代中村吉右衛門・花魁の八ツ橋 は六代目中村歌右衛門が演じ、縁切の場の「花魁、そりゃあ、ちと袖なかろうぜ」というセリフは巷でも流行語になったらしい。

江戸時代の吉原では、最高級の遊女の花魁は、客との初対面の挨拶が終わると、かむろ以下すべて関係者を連れて、遊郭の中を練り歩いて帰る。その際、御贔屓客が来ている他の茶屋に向かって見染めとして挨拶する意味で微笑む。この時に、挨拶された茶屋は祝儀を花魁に贈るのが習わしとされ、花魁が挨拶する数が多いほど人気があり格が上とされた。「見染め」で八ツ橋が微笑むのはそのためで、次郎左衛門は自分にしたものと誤解するところから悲劇が始まるのである。
下野国(栃木県)の豪農佐野次郎兵衛(段四郎)が遊女お清を妻に迎えるが、妻が病気(梅毒)になったため捨て、良家へ婿入りする。捨てられたお清はすがり付くが惨殺してしまう。それが祟りで、次郎兵衛は悶絶死、次男の次郎左衛門(中村吉右衛門)は疱瘡(天然痘)に罹り、一命は取り留めるも酷く醜いあばた顔になる。
その後成人し、絹商人として成功した次郎左衛門は、江戸よりの帰途に金を奪われそうになったところ、浪人都筑武助(中村歌六)に助けられる。その恩義から武助を家に招いて剣術を習いながら世話をするが、根が病弱な武助は間もなく病死する。死の際に、武助から今までの礼・形見として「籠釣瓶」という刀を授かる。この刀は一度抜くと血を見ないではおかないという村正作・名刀の籠釣瓶(かごのつるべ)であった。籠で作った釣瓶は汲んでも汲んでも水が溜まらないことと同じように、切っても切っても切れ味落ちず血を吸い足らないとの意で、その妖しい名刀を今は吉右衛門演じる次郎左衛門が持っている。
江戸へ絹を売りに来た佐野次郎左衛門は、下男冶六(中村歌昇)とともに華やかな吉原を見物する。いかにも田舎者のなりの二人は、客引きにあやうく騙されそうになり、茶屋の女主人・立花屋お駒(中村芝翫)に「今日は帰りなさい」と諭される。いったん帰途を決意した次郎左衛門だが、花魁道中の八ツ橋(中村福助)を見かけ、見染めの笑顔に一目惚れをしてしまう。 花道の付け際で、福助演じる八ツ橋が見せる艶ある微笑みと、舞台中央で茫然自失、腰が抜けたようにへたり込み、いかにも田舎者の次郎左衛門を演じる吉右衛門との対比が絶妙で見せ場である。
佐野次郎左衛門はいったんは帰郷するが、その後八ツ橋のもとに通いつめ、実直な次郎左衛門とのあいだで、近々に身請けをすることで話がまとまる。一方、八ツ橋の養父であるやくざ者の釣鐘権八(中村彌十郎)が立花屋を訪ね、金の無心を頼むが、あまり度々のことなので断わられてしまう。これを恨んだ権八は、八ツ橋の間夫(まぶ:情夫)である浪人・繁山栄之丞(中村梅玉)の家へ行き、次郎左衛門の身請けの話を伝える。八ツ橋のもとへ来た権八と栄之丞は、次郎左衛門に愛想尽かしをするよう無理強いする。
次郎左衛門は、商売仲間二人を連れて茶屋に遊びに来ている。芸者や幇間も交えて大勢でにぎやかに酒宴をしているうち、遅れて八ツ橋が顔を出す。
八ツ橋は、「身請けをされるのはもともと嫌でありんすから、お断り申します。この後はわたしのところに遊びに来て下さんすな!」と次郎左衛門に愛想尽かしで、満座の中で恥をかかせる。八ツ橋は部屋を出ていき、商売仲間らも次郎左衛門を馬鹿にして行ってしまう。
残された次郎左衛門は、立花屋の主人に、八ツ橋のことはあきらめ「振られて帰る果報者とはわしらのことでございましょう。」とのせりふを残し寂しげに故郷へ帰ってゆく。
その後暫く八つ橋は元気なく、心許す同じ花魁の九重(中村芝雀)に、次郎左衛門に詫びを入れたいと打ち明け、九重が仲介をしましょうと二人で打ち合わせている最中に、次郎左衛門が四ヶ月ぶりに立花屋に顔を見せる。八ツ橋は嬉しそうに笑顔を見せているが不安げな表情もみせる。(福助の着こなししぐさなど玉三郎に続く名女形と感じながらみていた。)次郎左衛門は、また初会となって遊びたいと、立花屋へ申し出ると大歓迎を受ける。しかし、八ツ橋と二人だけになると表情が一変する。次郎左衛門は「コレ八ツ橋、よくも先頃次郎左衛門に、おのれは恥をかかせたな。」と「籠釣瓶」を抜き、逃げる八ツ橋を切り殺す。
狂気した次郎左衛門は刀を燭台に透かし見て「ハテ籠釣瓶はよく切れるなあ。」と笑いながら、八つ橋の間夫栄之丞や釣鐘権八などと江戸吉原中での大殺陣周りをみせる。(この場からは、先程までの人の好い善人次郎左衛門の演技とは異なり、吉右衛門の懐深い芸風で悪の権化を見事に演じてみせる。)
そして最後の場では、瓦屋根にまで昇り、火消連中相手に大量の水で攻められるなどの仕掛けもあり、次郎左衛門の瓦屋根上での見栄で幕となる。
四月大歌舞伎

四月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/04/01 (金) ~ 2011/04/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

緋牡丹お龍と・・・江戸市井の人々と逢う!
夜公演・演舞場の入り口から直ぐ正面にある菊五郎のデスクへ伺うと、琥珀色した鼈甲のメガネをかけたお龍さんが桜色和服で凛と立っていて、恐縮しながらご挨拶。いつもは事務所のスタッフさんだけど・・・。一幕目・義太夫の演目【絵本太閤記】で秀吉をご主人菊五郎と許嫁・初菊を長男菊之助、二幕目・常盤津と長唄【男女道成寺】でも清姫を菊之助が演じているだけに楽日も近くなって客入りもイマイチで・・・。自粛ムードが高いことを感じながら観劇。三幕目では岡本綺堂作の「権三と助十」。十五代目羽左衛門によって大正十五年に初演された演目を三津五郎・松緑が演ずる。この芝居は江戸市井の人々の生き生きとした生活を描く世話物。
英語に堪能で海外の推理小説を耽読していた綺堂は、その知識を下敷きに江戸版推理小説として、江戸風俗考証のテキストづくりという意味あいもあって書いたらしい。芝居にでてくる「井戸替え」は、毎年七夕の季節に現在のライフライン水道・井戸を大掃除する意で、この芝居で江戸の庶民の生活を垣間見るような楽しさがあちこちにちりばめられています。
「権三と助十」は大岡裁きの謎解きをするという推理小説風のお芝居です。以下ネタバレで・・・

ネタバレBOX

名奉行として名高い大岡越前守が江戸の町をおさめていたころの話。神田橋本町の裏長屋では、年に一度の井戸替えで家主・六郎兵衛の音頭とりで長屋中の人々が総出で働いている。それなのに籠かきの権三はさぼって昼寝の最中。
これに腹をたてた籠かきの相棒・助十が、権三の女房のおかんに文句をつけにくる。おかんも黙ってはいないし、それに家主や助十の弟・助八も加わって大騒動になる。
そこへ元この長屋の住人・彦兵衛の息子で、彦三郎という若者が家主を訪ねてくる。彦兵衛は小間物を商っていたが、馬喰町の旅籠の女隠居を殺して百両の金を盗んだという疑いをかけられ、取調べの最中に牢の中で病死してしまった。
彦三郎は父親の無実を信じていて、なんとか父の汚名をそそごうと江戸へ出てきたのだ。家主はその心に打たれるが、一度お裁きが決まってしまったものをひっくりかえすのは難しいだろうと困惑する。
それを陰で聞いていた権三と助十、「犯人は左官屋の勘太郎に違いない」と言い出す。実は事件のあった晩、権三と助十が夜遅く仕事から帰ってくる道すがら、ほおかぶりして血で汚れた着物の袖と光る刃物を天水桶で洗っている男を見たと言う。
それは勘太郎のようだったと二人は思ったが、その後彦兵衛が犯人として捕まったので、係わり合いになるのを恐れた二人は今までだまっていたという。
そこで家主は一計を案じ、彦三郎と権三、助十の三人に縄をうって、「彦三郎の父親は無実だという訴えに、力を貸した権三と助十が家主のところへ殴りこんできた!」と奉行所へ訴えることにする。こうすれば必ず再吟味を開始してもらえるとふんだのだ。
ところが一ヶ月たっても事件は一向に解決せず、そのまま町内あずかりになった権三と助十は仕事にでることもできず家でごろごろしているので、家族といざこざがたえない。そんなところへなんと釈放された勘太郎が角樽を持って二人のところへお礼参りにやってくる。
すっかり意気消沈してしまった権三と助十は平謝り。しかし勘太郎は居丈高に嫌味を言い続ける。そこへ長屋に住む猿回しの飼っている猿がやってきて、角樽にそえてあったのしイカをひったくり、怒った勘太郎は猿を絞め殺してしまう。
その様子を見ていた権三と助十は謝るのをやめ、勘太郎を袋だたきにして、なわでしばりあげる。そんなところへ町方が勘太郎を探しに来る。
やれやれ助かったと思う勘太郎。だが、実は勘太郎が釈放されたのは犯人だという証拠を探す作戦で、かくし目付けに血のついた財布を焼くところを見つかった勘太郎は真犯人として御用となる。
その上牢内で病死したとばかり思っていた彦兵衛も、大岡越前の配慮で無事に匿われていたことがわかり、一同は大喜びするのだった。
ラブ☆ガチャVol.2

ラブ☆ガチャVol.2

茶柱日和

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/03/31 (木) ~ 2011/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★

音響のチカラ・・・素敵な余韻
タレント芳本美代子さんの演出【茶柱日和】第1回公演でした。
ここのところタイトな日程だった上、明日から米国MLB観戦が決定しているので休養日にしようかな?と考えてたけど・・・本音言うと、野次馬根性・物見遊参で、期待していなかったのだけれども・・・・・行って良かった!
ショートラブコントを7連発の舞台に仕立て、TVを意識した演出も良いけど・・・ガチャガチャの景品と同じ様に貪な駄話を、見事な音響による演出で素敵な物語に変えてしまった。なんといってもこの類い稀なセンスには本当驚いた!感性豊かな才能での最高の音創りで、作品を一輝に垢抜けた可憐なラブストーリーに仕立て、見事な空気観を創り上げてしまった。
シアターグリーンの舞台・小屋のスパーンも当然考慮しているだろうけど・・・巧みな音響の演出にすっかり酔ってしまった!出口で美代子さんにも声かけしたけど・・・音響のチカラ素晴らしい!心地よい余韻・雰囲気を持って劇場を出られた・・・とても良い気分転換でMLBへ・・・
ガチャガチャで美代子さんから頂いたお菓子を旅行カバンに詰めよう!
美代子さんも【茶柱日和】ブレインを心のカバンに詰めて!!★★★★
残り★は9月6日~第2回公演のカバンから・・・出る?

若手演出家コンクール2010最終決戦

若手演出家コンクール2010最終決戦

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2011/03/02 (水) ~ 2011/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★

西高東低・・若手演出家コンクール
今年の天候不順で3月の今日でも東京は雪が降っている。寒い!
若手演出家コンクール・東京には日本の人口の一割一千万以上の人が住み、大学・専門学校はじめ、若い人の文化が集中している筈なのに・・・ファイナルに進出した4人の中にただ一人手作り工房錫村の錫村さんだけ・・・・・寒い!!しかもホームでの試合なのに、このレベルで何故ファイナルに進出したのか?不思議なくらいの作品であった。寒すぎる!!!
当日審査員の柄○明さんも呆れて、さっさと暗い客席で居眠り??を決め込んでいた。
一時間の上演規制はあるけど同条件で創作能力に???他に劇団ないのか東京に・・・??って思ってしまう。
大阪・名古屋から参戦の3人に勢いがあり、特段に、アウェィーの金さん率いるMay「晴天長短」の出来が素晴らしい。個性ある演技陣らキャスティングも良く、広い舞台でも十分いける。
審査委員長はじめ柄○明さんらを交えたアフタートークの時間が不足してしまう位だった。
最優秀賞・観客賞のW受賞は当然。力量が違いすぎる。金さんMayの皆さん、おめでとう!!
暫くは冬型の天候気圧配置・西高東低が続くのだろうな!?雪が積もってしまった・・・・・

無い光/変な穴(御来場ありがとうございました・御感想お待ちしています)

無い光/変な穴(御来場ありがとうございました・御感想お待ちしています)

MU

OFF OFFシアター(東京都)

2011/03/24 (木) ~ 2011/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★

無い光・・・でも絆がある・・・
臨死体験ルポや自殺問題など難しいテーマだけど、実は人の生きる絆を描いた作品で役者4人とも芝居が上手く絡みが実に良い。
イラストレーター陸夫役が真の統○失○症?と思えるくらい目線の不安定さなど演技が素晴らしい!
ルポライター尚子中心にアシスタント曾木のコミカルさと相俟ってリズムカルに展開して・・・・・同級性修美も絡んだコンビネーションが良い!
ただ、テーマが生と死のはざまを描いているので・・・暗いままでは・・・・・?
次回には、MUさんのコメディーな演出を観たい・・・期待を込めて★★★★です。

四月大歌舞伎

四月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/04/01 (金) ~ 2011/04/25 (月)公演終了

満足度★★★★

昼公演・・・女形の三津五郎が観れます!
今月初日に続き昼公演は2度目の演舞場・・・お江戸みやげ(おえどみやげ)で珍しく坂東三津五郎が女形・お辻を演じている‥・これが素晴らしい!これを見るため2度来たようなものだ!
三幕目の封印切(ふういんきり)藤十郎は人間国宝だけど・・芸にも旬があり熟し過ぎを実感!
三津五郎は今が一番熟し輝いている時期だと思う。明日22日夜公演のチケットもあるので・・・行こう!一幕目の演目・絵本太功記(えほんたいこうき)で團十郎・武智光秀に絡む佐藤正清、三幕目の演目・岡本綺堂作・権三と助十(ごんざとすけじゅう)の権三がとても楽しみである!

ごんべい 江戸版/平成版

ごんべい 江戸版/平成版

ゲキバカ

吉祥寺シアター(東京都)

2011/07/14 (木) ~ 2011/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

観るから…魅るの変換へ!
この劇団の作・演出-柿ノ木タケヲは、観る側へ心の暇を与えず、如何に舞台をカタチ良く見せ、強引にでも演出家の術中に引きずり込む拘りが劇作の基本姿勢ににあるのでは…!?
冒頭アドリブでの観客との会話で芝居導入したり(これは演技に自信と余裕がある者でなければ駄目だが)、劇中の強弱感も30人ダンスや歌であったり、アクロバティックで派手なアクションパフォーマンスがあったり、暗転と同様な効果を見込んでか?厭きそうなタイミングの良さで観客とのお遊びがあったり、場面転換が実に上手い!物語や言葉にもコミック的な洒落があり、年代問わずに楽しめる。これ等の点で、劇団は数多いなか、演出に優れて観る者も含め自分達も楽しみながら創る?が特徴であると感じる。 只、観る~魅るまでのハイクオリティーへの変換は、芝居の骨格を含め対話劇をより充実熟すことが必要…とやや不満に思うのだ…。
男優陣の中で、客演ではあるが、岡田一博が一段に高いレベルで芝居を引き締めながら卓越した演技で存在感と演出の補完をしている。久しぶりにセンス良い舞台役者に出逢えた気持ちで素直に嬉しい。彼の出たこの芝居を観ただけでも十分価値があるようにと満足したのだ…。
彼のオーラや語り口などから、30年位は経つだろうか?つかこうへい事務所解散「蒲田行進曲・後編」で、つかに良くいじられていた風間杜夫を重ね合わせ観ていた。そう言えば、つかが早逝してから丁度一年が経ち、新盆の季節である。     「紙ふぶき 雪か桜か 夏芝居」   良い点、悪い点など、感じたことを、ネタバレBOXで…。

ネタバレBOX

パフォーマンスで優れている例として、役者陣の対話に不満で厭きたな?と思っていたら、九尾狐(山下亜矢香)を先頭に、蛇の蜷局を巻くパフォーマンスがある…これなど驚くように美しい!そのように良く稽古を重ねている!と判ることなど。その九尾狐・山下亜矢香は、女優陣の中で安定した演技で、持ち場も魅せ場も心得て見事にアッピールしている。
主役のごんべい・石黒圭一郎を含め対話劇に不満を感じる役者陣が多いので、時々、目を閉じ台詞を聞いてみるが…やはり言葉で芝居する点では、まだまだ不満だと思うこと…確かに石黒は俊敏な動きで、アクションパフォーマンスには優れたところもあるが、台詞廻しは早口で聴き辛いこと。急遽代役の初日で、気分が昂揚していることもあると思うが…。
劇団の特徴であるアクションパフォーマンスを勿論否定するものではないが、それを役者人生で必要とする時間は短い。基本、ストレートプレイの補強充実が重要である…と考える。演技の基礎的な部分を、より的確に優先補強して欲しい。まとい・泊ヶ山まりな、お凛・三澤さき、お船・長瀬みなみなども甲高く同様に早口である。平常時に早口な人は、緊張高揚時には更に早口になる。舞台と、TVや映画などの映像演技は違うかも知れないが、 バラエティーも含め早口の人は大成しない!例えば、カメラワークのターンなども同じなのだが、遅いくらいと思うのが丁度良い塩梅になる!その鷹揚な技術体得も必要なのだ。
是非、自己啓発から気付きと発声鍛錬などで、修正と今後の舞台への研鑽を望みたい!
なぞらえ屋~不思議底七歌~

なぞらえ屋~不思議底七歌~

La・Moon

前進座劇場(東京都)

2011/04/01 (金) ~ 2011/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★

Comicの実舞台では・・・傑作!
前進座劇場は梅雀さんがフリーになる前に通った劇場で、祖父の翫右衛門の想いをも連想してとても懐かしく観劇(感激)!
実はこの日、昼公演の演舞場で藤十郎を観てがっかりして帰った後で・・・美術や衣装には期待していなかったけど・・・良かった。★
でも何よりも感動したのは、私と同じ道産子の有里紅良さんと主宰タッグを組む漫画家の夢来鳥ねむさんは大震災被災地宮城県仙台出身の方なのでその行動・活動力は復興への何より勇気付けになる!★
芝居は多少のパクリは有るけど・・・・・立ち上がりの千葉繁さんのナレーションが実に良い・・・流石に本物だ・・・久しぶりに聞いた生舞台へ★
タイトル通り劇中に歌唱場面が何曲かあったが、特に男優の英文Verの出来が悪く発音や♭にハズレ一気に引いてしまった。芝居の歌唱場面の殆どが多分口パクだったのでしょうが・・・?
もう一つ残念なのは、舞台での演技と台詞が観客席に背を向けた発声も多く有って声が通らなかったり・・・音響さん含めた演出演技陣のもう少しの研究努力が欲しい!!
ダンス陣に実にキレの良い動きをするショートカットの娘がいたので・・・見つけた ★
次回公演も期待したいチームで、合せて ★★★★+α・・・です。

第8回壽太郎ひとりコント

第8回壽太郎ひとりコント

壽太郎ひとりコント制作委員会

遊空間がざびぃ(東京都)

2011/06/04 (土) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★★★

大衆と共に・・・癒しもあり楽しい!
寿太郎一人コントと言うけど・・・出演者が10人を超えるコメディー・・・。
テーマの根底には、現在の文化がデジタイズされていることへの風刺があり、それと対照するよう演出でアナログな配役で楽しませてくれる。
ストーリーには多少無理も・・・?あり、演技は上手いとは言えないけど・・・?
損得抜き、出演者全員の熱意とチームワークで舞台を盛り上げてとにかく楽しい!
アラカルト的演出あり、笑くぼが可愛いバレリーナ登場の癒しもあり、可能であれば大震災の被災地へ慰問公演して欲しいけど・・・!?
このような明るさと元気が現在の日本には必要!演出・出演者の総合力で・・・ ★★★★

ネタバレBOX

寿太郎他何人かは芝居が上手いとは言えないし、ICチップが脳に埋め込まれた古畑任三郎をパックった刑事や、娘役2人のバレリーナの「脳がコピーされても体が覚えている…」など人体生理学的にも突っ込みを入れたくなる矛盾した設定や台詞などが出てくるが・・・
その様な事はどうでも良い・・・!(芝居はなんでもありだから・・・!)
とにかく明るく元気なステージが最高!芝居は言葉を語るものではない事を示す見本!
この日、他劇団の昼公演にも行ったけど、明らかにこの寿太郎公演の方が、チームワーク、舞台への熱意や観客を楽しませる献身度などは、はるかに勝っている!
それにしても、夫人役バレリーナの踊る演出タイミングは絶妙!娘役二人も素敵な癒し!
天守物語

天守物語

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

妖艶美追求で幻想の花を・・・
少年社中の力量は素晴らしい。中村龍介の立体感ある演技が圧巻!対照的に描かれていた加藤良子も好演!観ていて安心感が有り、コントラスト良く彩られていた。元ジェンヌ・あづみれいかは、妖艶美の追求で舞台に幻想の花を咲かせて欲しい!■原作台本などネタバレBOX

ネタバレBOX

原作:播磨国姫路城。天守閣に住む魔界の妖精・天守夫人富姫(あづみれいか)は、城主秘蔵の鷹を捕らえて、妹分の亀姫に贈った。その鷹を探してやってきたのは、若く美しい人間の鷹匠・姫川図書之助(つづうらゆうすけ)。二人は恋をする。惹かれながらも元の世界へ帰った図書之助だが無実の罪に追われて富姫にかくまわれる。しかし、妖精たちの象徴である獅子頭の目を追っ手に傷つけられ富姫と図書之助は盲目に。もはやこれまでと覚悟した時、どこからともなく現れた工人が獅子頭の目を直し、二人の視力も戻るのだった。

泉鏡花が一世紀前に戯曲を書いた時代は、維新戦争後の君主政権下。軍藩財閥・富国強兵政策から日清戦争・日露戦争があり、台湾・朝鮮統治が始まり、日本産業革命の過渡期。治安も悪く庶民は相変わらず貧困で自然災害に翻弄されていた。暴風雨(台風)による風水害・大雨・土砂崩れ・河川反乱による洪水と浪害(凶作)は毎年毎年繰り返され苦しんでいた時代。舞台で「通りゃんせ」が歌われるのも、細道は母の胎内からの産道。行きは生むことで帰りは死ぬこと。生活苦からの間引き・子殺しの意味があり、天神様から貰うお札は天変地異から神に縋る信仰心で人身御供である7歳の男子を生贄として貢ぐこと。そして生き残る家族のために娘は身を売る事が繰返された背景がある。雨情の間引きの童謡「しゃぼん玉とんだ」黄泉返り「七つの子」が生まれたのも本作品の4~5年後である。

本作品を演出する毛利亘宏は、3月11日に発生した東日本大震災と重ね併せスタッフ総力で原作をアレンジ。日本再創生の強いメッセージを携え舞台でリメイクし表現している。

それでも鏡花の重厚なテーマ感を、2時間足らずで描くのはやはり限界があり、物語の展開前段にもう少し丁寧な描写が欲しいが・・・。この想いは欲張り過ぎなのだろうか・・・?

富姫・あづみれいかは安定感はあるが、何か足らないような気が・・・例えば場面によっては、みだれ髪などでの化粧を考慮してみては・・・もう少し妖艶美からの幻想感が欲しい。あづみ自身は自然に美しいのだから、怖さ毒々しさがあっても・・・裏返る声も両刃の剣?
美しさを求める図書之助は思い切って女性のキャスティング・・・?同性愛表現も欲しい・・・
演技力がある舌長姥・杉山未央には、もっと気味悪いくらいのメイクも・・・・要検討・・・!?
鷹/童子・中村龍介の表現力は抜きん出ている!彼の動きが妖気な雰囲気を創り、対照的に極楽鳥・加藤良子が自然な演技で惹き出して魅せている!少年社中…オン・ロード!

■原作に興味のある方はURLを張っておきます。プリントはA4片面18ページの短編です。(原作は、天守夫人と図書之助の倫理感の高い究極の愛・心象美作品、少年社中・毛利作品は鍛え逞しく生きるオリジナル作品?双方を対比させながらお芝居をお楽しみ下さい)  底本:岩波書店[鏡花小説戯曲選 第十二巻]      参照文献:[夜叉ヶ池]講談社1979
■原作台本URL [  http://www2s.biglobe.ne.jp/~ant/tensyu/tensyu.html  ]
Theatresports(TM)

Theatresports(TM)

インプロ・ワークス

小劇場 楽園(東京都)

2011/04/13 (水) ~ 2011/04/13 (水)公演終了

満足度★★★

SENSE(センス)・・・磨け!
シアタースポーツ第一回公演。即興バトルだから面白い!笑いも多い!楽しい!でも発展途上・・・!?4組のチームが出演。第一部はオハラハウス5人vsプラットホーム5人の対戦だけど・・・会場から笑いは出るけども・・・笑いの多くは、人の不幸は蜜の味的な演者の未熟さ・与えられたテーマからの閃きと表現力の浅さから戸惑う姿が滑稽だったからではないか?と・・・でも良い鍛錬にはなる。メインイベント第二部は、3人組蛇龍vsタイガーバーン2人。事前にネタの打ち合わせが無い即興演技だとしても、2人の方が芝居は合わせ易く有利になる。3人組は1人をヒールにしたトライアングルにすれば深みのある芝居になるが、3人が上手く絡み合わないと枠外に1人が浮いてしまう。想像通り綺麗な芝居vsドタバタの芝居だったけど・・・蛇龍・鉢山あきこさんは芝居に絡めなかった。その分汚れの塊を個性で売っている野口かおるさんは、さすがに我がW大後輩(30年も違うが・・・)で、吉本などいろんな舞台で叩かれただけに、即興のドタバタの芝居になっても与えられたテーマのオチだけはきっちり押さえていた。基本は忠実に・・・実践は厳しく・・・自らを知り努力を怠りなく来た証でもある。主宰で当日レフェリーをしていた絹川友梨さんが、演劇をスポーツの様に楽しむ「インプロ=シアタースポーツ」について情熱を燃やされ、定期公演を宣言されていた!実践で磨く楽しみ…センスは生まれ持ったものか?過去の成長過程からのものか?練習鍛錬から培われるのか?その全てが相乗してくるものとしても、日々芝居ばかりを考え、より多くの引き出しを持つ様に努力する芝居バカ男優陣が出てきて欲しい!SENSE(センス)不足だけどリーダーは男・・・の時代ではない!実感!★★★

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