ごんべい 江戸版/平成版 公演情報 ゲキバカ「ごんべい 江戸版/平成版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    観るから…魅るの変換へ!
    この劇団の作・演出-柿ノ木タケヲは、観る側へ心の暇を与えず、如何に舞台をカタチ良く見せ、強引にでも演出家の術中に引きずり込む拘りが劇作の基本姿勢ににあるのでは…!?
    冒頭アドリブでの観客との会話で芝居導入したり(これは演技に自信と余裕がある者でなければ駄目だが)、劇中の強弱感も30人ダンスや歌であったり、アクロバティックで派手なアクションパフォーマンスがあったり、暗転と同様な効果を見込んでか?厭きそうなタイミングの良さで観客とのお遊びがあったり、場面転換が実に上手い!物語や言葉にもコミック的な洒落があり、年代問わずに楽しめる。これ等の点で、劇団は数多いなか、演出に優れて観る者も含め自分達も楽しみながら創る?が特徴であると感じる。 只、観る~魅るまでのハイクオリティーへの変換は、芝居の骨格を含め対話劇をより充実熟すことが必要…とやや不満に思うのだ…。
    男優陣の中で、客演ではあるが、岡田一博が一段に高いレベルで芝居を引き締めながら卓越した演技で存在感と演出の補完をしている。久しぶりにセンス良い舞台役者に出逢えた気持ちで素直に嬉しい。彼の出たこの芝居を観ただけでも十分価値があるようにと満足したのだ…。
    彼のオーラや語り口などから、30年位は経つだろうか?つかこうへい事務所解散「蒲田行進曲・後編」で、つかに良くいじられていた風間杜夫を重ね合わせ観ていた。そう言えば、つかが早逝してから丁度一年が経ち、新盆の季節である。     「紙ふぶき 雪か桜か 夏芝居」   良い点、悪い点など、感じたことを、ネタバレBOXで…。

    ネタバレBOX

    パフォーマンスで優れている例として、役者陣の対話に不満で厭きたな?と思っていたら、九尾狐(山下亜矢香)を先頭に、蛇の蜷局を巻くパフォーマンスがある…これなど驚くように美しい!そのように良く稽古を重ねている!と判ることなど。その九尾狐・山下亜矢香は、女優陣の中で安定した演技で、持ち場も魅せ場も心得て見事にアッピールしている。
    主役のごんべい・石黒圭一郎を含め対話劇に不満を感じる役者陣が多いので、時々、目を閉じ台詞を聞いてみるが…やはり言葉で芝居する点では、まだまだ不満だと思うこと…確かに石黒は俊敏な動きで、アクションパフォーマンスには優れたところもあるが、台詞廻しは早口で聴き辛いこと。急遽代役の初日で、気分が昂揚していることもあると思うが…。
    劇団の特徴であるアクションパフォーマンスを勿論否定するものではないが、それを役者人生で必要とする時間は短い。基本、ストレートプレイの補強充実が重要である…と考える。演技の基礎的な部分を、より的確に優先補強して欲しい。まとい・泊ヶ山まりな、お凛・三澤さき、お船・長瀬みなみなども甲高く同様に早口である。平常時に早口な人は、緊張高揚時には更に早口になる。舞台と、TVや映画などの映像演技は違うかも知れないが、 バラエティーも含め早口の人は大成しない!例えば、カメラワークのターンなども同じなのだが、遅いくらいと思うのが丁度良い塩梅になる!その鷹揚な技術体得も必要なのだ。
    是非、自己啓発から気付きと発声鍛錬などで、修正と今後の舞台への研鑽を望みたい!

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    2011/07/15 07:36

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