天守物語 公演情報 少年社中「天守物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    妖艶美追求で幻想の花を・・・
    少年社中の力量は素晴らしい。中村龍介の立体感ある演技が圧巻!対照的に描かれていた加藤良子も好演!観ていて安心感が有り、コントラスト良く彩られていた。元ジェンヌ・あづみれいかは、妖艶美の追求で舞台に幻想の花を咲かせて欲しい!■原作台本などネタバレBOX

    ネタバレBOX

    原作:播磨国姫路城。天守閣に住む魔界の妖精・天守夫人富姫(あづみれいか)は、城主秘蔵の鷹を捕らえて、妹分の亀姫に贈った。その鷹を探してやってきたのは、若く美しい人間の鷹匠・姫川図書之助(つづうらゆうすけ)。二人は恋をする。惹かれながらも元の世界へ帰った図書之助だが無実の罪に追われて富姫にかくまわれる。しかし、妖精たちの象徴である獅子頭の目を追っ手に傷つけられ富姫と図書之助は盲目に。もはやこれまでと覚悟した時、どこからともなく現れた工人が獅子頭の目を直し、二人の視力も戻るのだった。

    泉鏡花が一世紀前に戯曲を書いた時代は、維新戦争後の君主政権下。軍藩財閥・富国強兵政策から日清戦争・日露戦争があり、台湾・朝鮮統治が始まり、日本産業革命の過渡期。治安も悪く庶民は相変わらず貧困で自然災害に翻弄されていた。暴風雨(台風)による風水害・大雨・土砂崩れ・河川反乱による洪水と浪害(凶作)は毎年毎年繰り返され苦しんでいた時代。舞台で「通りゃんせ」が歌われるのも、細道は母の胎内からの産道。行きは生むことで帰りは死ぬこと。生活苦からの間引き・子殺しの意味があり、天神様から貰うお札は天変地異から神に縋る信仰心で人身御供である7歳の男子を生贄として貢ぐこと。そして生き残る家族のために娘は身を売る事が繰返された背景がある。雨情の間引きの童謡「しゃぼん玉とんだ」黄泉返り「七つの子」が生まれたのも本作品の4~5年後である。

    本作品を演出する毛利亘宏は、3月11日に発生した東日本大震災と重ね併せスタッフ総力で原作をアレンジ。日本再創生の強いメッセージを携え舞台でリメイクし表現している。

    それでも鏡花の重厚なテーマ感を、2時間足らずで描くのはやはり限界があり、物語の展開前段にもう少し丁寧な描写が欲しいが・・・。この想いは欲張り過ぎなのだろうか・・・?

    富姫・あづみれいかは安定感はあるが、何か足らないような気が・・・例えば場面によっては、みだれ髪などでの化粧を考慮してみては・・・もう少し妖艶美からの幻想感が欲しい。あづみ自身は自然に美しいのだから、怖さ毒々しさがあっても・・・裏返る声も両刃の剣?
    美しさを求める図書之助は思い切って女性のキャスティング・・・?同性愛表現も欲しい・・・
    演技力がある舌長姥・杉山未央には、もっと気味悪いくらいのメイクも・・・・要検討・・・!?
    鷹/童子・中村龍介の表現力は抜きん出ている!彼の動きが妖気な雰囲気を創り、対照的に極楽鳥・加藤良子が自然な演技で惹き出して魅せている!少年社中…オン・ロード!

    ■原作に興味のある方はURLを張っておきます。プリントはA4片面18ページの短編です。(原作は、天守夫人と図書之助の倫理感の高い究極の愛・心象美作品、少年社中・毛利作品は鍛え逞しく生きるオリジナル作品?双方を対比させながらお芝居をお楽しみ下さい)  底本:岩波書店[鏡花小説戯曲選 第十二巻]      参照文献:[夜叉ヶ池]講談社1979
    ■原作台本URL [  http://www2s.biglobe.ne.jp/~ant/tensyu/tensyu.html  ]

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    2011/06/07 17:48

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