天守物語 公演情報 天守物語」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-20件 / 33件中
  • 満足度★★★

    久々の少年社中でしたが
    劇研卒業の頃から観ていましたが、お芝居の創りはとても丁寧だと思います。
    ただ、劇団員の強烈な個性はあまり感じられなかったような。
    最近はあまり観にいけてなかったので、観てない間に変わったのかな。
    ちょっと残念です。
    お芝居が舞台上だけで完結していたような印象で、ブラウン管(←ふるっ)を通して観ているようでした。
    せっかくのナマモノだから、客席中を巻き込んで欲しかったです。

    作品はきれいに仕上がっていたから、それもありなのかな、と思いますが、私はちょっと物足りなかったです。

  • 満足度★★★★

    鷹の見せ方が秀逸
    少年社中の「天守物語」を観に行ってきました。劇団名は以前から知っていて、いつか観たいと思っていました。チラシの雰囲気が素敵だったし、会場が吉祥寺シアターだということもありチケットを予約しました。予約は遅かったのですが、座席番号は D列12番と良席でした。

    原作は泉鏡花の「天守物語」です。妖怪と人間の恋とそれぞれの種族の悲哀が描かれています。
    泉鏡花原作の舞台は、芸術集団れんこんきすたの「外科室」を観たことがあります。特に鏡花が好きという訳ではありませんが、縁の地である金沢へ旅行してきたばかりですし興味がありました。

    力を持ちながら、人を殺すと鳥になってしまう妖怪。その妖怪たちを束ねる美しい富姫と殿様の鷹匠、図書之助。二人の出会いと恋、そして二人を取り巻く妖怪と人間の争いが、絵巻物のように展開していきました。

    世界観はとても素晴らしかったです。衣裳やメイク、演技で作り上げられた世界を楽しみました。ただ、開演後すぐに退出した人に前をぶつかって横切られたり、両隣の人が何度もカバンをガサガサあさる音がうるさかったり肘が当たったりで、集中が途切れたのが残念でした。座席はとても良かったのに、まわりが悪かったです。

    話も素敵でしたが、残念だったのは富姫と図書之助がお互いを想う気持ちがあまり伝わってこなかったことでした。富姫の美しさに心を奪われた図書之助と、かつて恋人を裏切り愛して合った為に殺されてしまった樫之助にそっくりの息子。出会って惹かれたというのは分かりますけど、妖怪と人間が自分の世界を捨ててもいいと思えるほど深くお互いを愛してしまうというところまでは理解できませんでした。納得できていないのは私だけかなと思いましたが、コレビューを読んでみたら同じように感じている方がいました。

    とても素敵だったので、これで主役2人の内面がもっと舞台で表現されていたら大好きな作品でした。少年社中さんの舞台は、また気になる作品があったら観に行きたいと思います。

    ネタバレBOX

    天変地異で人が大勢死んだのは妖怪のせいだと滅ぼそうとする人間と、獅子頭によって弱い人間を助ける為に力を与えられて生まれた妖怪。いわれのない理由で仲間を殺されながら、鳥になってしまう為人間を殺せずに苦しむ妖怪の憎しみと葛藤は悲しかったです。

    全体的に素敵でしたが、特に見せ方が良かったのは富姫の恋人だった鷹ですね。
    富姫と愛し合った樫之助を殺して鳥になってしまった彼は本当に鳥に見えました。かつては同じ妖怪でありながら鷹の言葉は富姫には分からないというのも、時が経ち、かつて殺した恋敵の息子が富姫と出会い恋に落ちていく姿を、そしてその結末を見届けようとする彼の姿は素敵でした。
    鷹と妖怪や人間の対比は、昔観たゴジラと少女の恋愛物語でも同じような方法がとられていました。鷹は衣裳もそれらしく作ってありますが、ゴジラは上半身裸で特殊メイクもなし、効果音と役者の動きだけでリアルに表現していました。こういうのは演出の力ですね。役者さんの表現力ももちろんですが。
  • 満足度★★★★★

    劇場を制した段階で勝負あり!
    劇場に一歩入った瞬間、聳え立つ天守閣、手前の白色L字動線(90度より間違いなく少し鋭角)、見事な舞台セットに圧倒され!・・更に照明、衣装、音楽(和洋折中コーラス込み)も良く、特にその中で、心揺さぶる和楽(龍笛・篠笛、琴、和太鼓)更に、お祭り型円舞により、血が湧きたち肉が踊らされました・・正にジャパニーズ・エンターテイメント、圧巻でした。
    ”主役鷹匠役の甘浦さん"の大抜擢、”妖艶なあずみさん”、”鷹役の中村さん"の為に用意されたL字動線を颯爽と飛び駆け回る勇美な鷹もカッコ良かった。”岩田さん・大竹さん・井俣さん・堀池さん”は、皆さん適役でした。贅沢を言えば、もっと悲恋的なものを折り込んで戴きたかったのです・・が、時間的な制約か?”毛利さん”の”あずみさん”に対する遠慮なのか?・・そういえば・・”毛利さん”の描く恋愛描写/場面って・・苦手なのか?経験不足なのか?元々の素養が・・?、本作も”少年社中”らしくて、大満足に終わりましたです。
    終演後、恒例の劇場からの留意事項、周辺住宅街への影響を配慮する為、役者さんの見送り御容赦願いの告知があり、珍しく吉祥寺シアター1Fホールに人が溢れ出ていない状態でした。”少年社中さん”はマナーを含め劇場さんの評判も良い劇団さん、なのかなと思いました。その中、物販コーナーに遠慮気味に唯一井俣さんが出ておられ・・前作「ネバーランド」のDVD購入した際、声をかけて戴き+握手をさせて戴きました。基本役者さんとは会話を含め、(のめり込まない様)あえて交流をしない事を心がけていますが、今回は握手をさせて戴きました。(モダンスイマーズ自称“名も無き役者Fさん”に次ぐ2人目です。)次回作、一年後との事ですが、期待して待ってます。

  • 満足度★★★★

    満足!
    今のところわたしの今年一番。
    衣装も美術も相変わらず凝っているし、
    平日割引で観たせいもあるけど、
    この値段でこの近さでこのクオリティはコストパフォーマンス高すぎでしょう。
    豪華絢爛で大満足。
    ストーリー自体より、総合力の勝利といった感じでした。

    ネタバレBOX

    廿浦さんの真面目な雰囲気が役と合っていたと思います。

    そして、鷹が仮面ライダーオーズの“アンク”に見えて仕方なかった。
    これってたまたま鳥をイメージしたために同じようになってしまったのか、
    アンクが影響しているのか・・・。
    毛利さんどうなんでしょうか(笑)
  • 満足度★★★★

    和風エンタメ
    クチコミの好評価と劇団HPの作りの綺麗さに驚き、最終日にチケット取り獅子頭さんと常に目が合う位置で見てきました。

    古典作同様に残酷さもあり、切なさもあり、踊りで始まり踊りで終わり、総じて夢のような絵巻物を、小劇場ならではの迫力で見たひとときでした。

    ネタバレBOX

    生きる世界が違う二人が出会い、戦が絡み。人間の狂気と憎悪は生きる執念深さにも見える。あの地震がなければ、切ない幕切れで済む感想だったろうが「苦しくても生きる」という台詞に複雑さと希望とが入り混じり、これからの道標の方向次第を考えたら心が苦しくなったが、決して悲観してはいない。

    鷹は本当に鷹っぽかった。気になった点は姫の心象はもっとあって良かったかも。亀姫も妖艶というより、幼さの印象が強かった。
  • 満足度★★★★★

    あかん
    いや、圧巻。

    舞台セットからワクワクをそそられ、芝居・ダンス、全てがガツンと飛んでくる。
    ストーリーもわかりやすく、役者一人一人が際立っていた。
    爆笑をさそうわけではないが、必要は息抜きシーンも絶妙なバランスであった。

    更には最前列ど真ん中の席で観れたこともあり、間近で役者をこれでもかと見させて頂いた。

    本来、洋風なテイストであると聞いていたが、和でも全くもって素敵な世界観。是非来年の舞台も観たい!

  • 満足度★★★★★

    やっぱり
    少年社中さんすきだなぁ。と感じました。
    役者さんはもちろん、舞台装置もすごく迫力があり
    音響も照明もとても力強く美しかったです。

    それから吉祥寺シアターまでの道のり…
    細い道を通らない行き方を知らず、
    夜公演後はこわいなと思っていたのですが
    いただいたハガキにアトレ沿いの行き方が!
    方向音痴な私でも楽々でした^^

  • 満足度★★★★

    社中さん版、
    天守物語というべきか。 舞台セット、衣裳も凄い! 内容は富姫と図書之助の葛藤の比重が大きく重々しいけど、それを払拭する演出で天守物語の世界に引き込こんでくれ、見応えありました☆ 現代のこの異常ともとれる状況を天守物語の舞台に置き換えて、観る者に行く末を指し示したそんな劇だったのではないでしょうか。

  • 満足度★★★★★

    無題7
    直前になってみることにしました。チラシだけはよく目にしていて「みようかなぁー、どうしようかなー」とは思っていました。タイトルを聞いてもピンとこないのですから泉鏡花原作はもちろん、あらすじすら知りません。もともとSF以外の日本の小説はほとんど読んだことがないのでした。泉鏡花といえば→「消滅の光輪」が泉鏡花文学賞を受賞したしたくらいしか知らないのです(ですのでみなさんのコメント、たいへん参考になります)。ここは3回目ですけど、前2作広さを少しもてあましているような感じを受けたので、ちょっぴり不安。新宿から混んでいる中央線で吉祥寺へ。ブックオフと古書店1件をチェックし会場へ向かいました。奥の扉からはいるとそこは異郷。

    ネタバレBOX

    お芝居のこととか役者さんのことは、もうみなさんが書いていらっしゃるので割愛。
    入った時の第一印象。ちょうど江戸東京博物館、入口から「日本橋」を渡りながら一歩ずつ進むごとに時代を遡ってゆくかのよう。「封建時代──晩秋」という設定に対して日本橋が1603年(慶長8)だそうなので思い出すのにいいかんじ。舞台の幅、奥行きを存分に使っています。セット、衣装、言い回し、照明と音楽。こういったお芝居、久しくみませんでした。四季の「ジーザス」以来かも(主演山口さんのとき..古っ)。大がかりな舞台、海外ものだったら昨年みたけどちょっとちがうか...「ニーベルングの指輪(新国立劇場)」。

    妖しい人たちが雰囲気十分に演じているのでお話のなかにすっと入ることができました。みながら思い出したのは「蜜姫村(乾ルカ著)」。山奥深い村..伝奇物(賛否あるみたいですが、個人的には大好き)。



  • 満足度★★★★

    チラシも話も美しい!
    「天守物語」の内容知らずに観劇した。

    舞台セットもしっかりと作られていて期待が高まりながら開演を待った。わかりやすい構図を最後まで保ち、安定した演技に支えられた公演。満足のいく2時間を過ごせた。

    富姫(あづみれいか)と図書之助(廿浦裕介)の、妖と人の悲恋を主軸に、登場人物の考えと感情を力強くまた儚く描き、エンターテイメント性の高い作品に仕上がっていた。照明や音響も演技に上手く作用していて、見ごたえ十分だった。

    ネタバレBOX

    妖と人の混在する戦国時代。武田播磨守に仕える鷹匠・図書之助と妖の姫君・富姫は、時代の流れや肉親の情、種族間の対立に翻弄されながらも、それらを克服し、真実の愛を掴む。

    妖が人を殺すと鳥になるという縛り、妖が人を愛する立場にあること、人は妖を諸悪の根源として目の敵にしていること、そしてその結果、双方が殺し合う歴史が続いていること、など相容れぬ関係が前提がある上に、その他の要因(図書之助の父の件、弟の件、亀姫の立場、武田播磨守の乱心、願を叶える獅子頭など)も加わることで、悲恋のストーリーを一層魅力的に彩っている。どこらへんが脚色の部分か知らないが、よく考えられた話と思う。そしてそれをテンポよく進めることで、話がスッと頭に入ってくる。

    序盤の踊りとラストの真っ赤に燃えあがる舞台上での踊りが印象的。妖と人も本質的に同じで、愚かながらもただただ踊り続けるしかないような悲しみと、哀しき運命を跳ね返さんとするかのようなパワフルさの同居した、なんともいえない異様な印象をもった。

    あづみれいかの妖艶かつ運命にもてあそばれるかのような演技は好印象。また、廿浦も板挟みにあいながらも、富姫への愛を示す誠実な青年を好演した。
    大竹、杉山、井俣の猪苗代トリオも残虐な妖らしさを上手く演じ、舞台に花を添えていた。(一応、人間の残虐さの裏返しとしての残忍さなのだが)
    個人的に極落鳥役の加藤良子がカラフルな衣装とメイクも手伝ってか、かわいく思った。彼女もまた、愛する「人」を殺したというバックグランドがあり、興味をひく存在だった。

    チラシは、黒と赤、青を基調に妖しく魅惑的にデザインされ心惹かれるものがあった。HPもとてもきれいなつくり。舞台の中身も上々だけど、宣伝にも力が入っていて、そんなトコも良かったと思う。
    次回公演もぜひ見たい。
  • 満足度★★★

    21世紀の新「天守物語」
    口コミが良いので見に行きましたが…。
    原作の歴史的な名作戯曲として描いているのではなく、東日本大震災後、現実の自分達の感情や感受性で受けとめ、舞台にしているのが面白かった。
    しかし、原作「天守物語」の言葉で詠う魂の美しさ、発露はみられなかった。綺麗ではあるけれど単調な絵物語。 ただ、鷹の表現は良かった。その他感想は、ネタバレBOXにて…。

    ネタバレBOX

    原作をベース「少年社中・新天守物語」と言うべき毛利作品で、心の描写が不足している。
    せめて、富姫が何故、天守に棲む妖怪になったのか、その描写があれば…。

    原作の鏡花「天守物語」は、言葉のすみずみにまで張りめぐらされた美的感覚が魅力の一つ。そして、その美しさが表面的なものでなく、原作にあるような「魂の美しさの発露」があってこそ、舞台での「天守物語」の本当の灯りが見えてくる。
    富姫が、図書之助を想う心、凛として何者にも媚びない強さ、ただ一度の恋に、天守夫人としての永遠の命をもかける真心、それらが灯りとなって舞台を照らすのだ。
    我が子を想う親の様に…。演じ手そのものが、鏡花の世界にシンクロして、はじめて生まれるものと…。鏡花ワールドの背景と、丁寧で繊細な心の描写が欲しい。

    例えば、二人が盲目になった後、図書之助を想う天主夫人・富姫の台詞に…
    (私一人だけであれば…)「雲に乗ります、風に飛びます、虹の橋も渡ります。図書樣には出来ません。あゝ口惜〈くやし〉い。あれ等討手のものの目に、蓑笠着ても天人の二人揃つた姿を見せて、日の出、月の出、夕日影にも、おがませようと思つたのに…」
    「お顏が見たい、唯一目……。千歳百歳〈ちとせももとせ〉に唯一度、たつた一度の恋だのに…」
    「前世も後世もいらないが、せめてこうしていとうござんす…」
    「私は貴方に未練がある。いいえ、助けたい未練がある…」などなど…。
    真実の愛に溢れた美しい言葉がある。その心がなければ、綺麗ではあるけれど単調な絵物語にすぎないのだ。

    ほか、男優陣の、アクション的な動きは必要ない。演技のごまかしになる。ライターで灯りを点けるより、火打石で燈す方が美しい炎だと…。
  • 満足度★★★

    良く作り上げた世界観なのだが・・・
    ここまで作り上げる事が出来るならば、
    もう一つ掘り下げてほしかった。
    とても分かりやすく、エンターテイメントして成功していると思うが、
    天守物語は玉三郎など多くの名優、名演出が挑んでいる。
    其れ故に余りにも秀作が多い。
    それを踏まえて、敢えて挑戦したのであれば、
    もっと大胆な角度からのアプローチが欲しいし、
    もう一ひねりした上質なテイストが欲しい。
    劇団としての実力を感じつつも、原作の力に乗っかり、
    其処から飛翔出来なかった感が否めない。

  • 満足度★★★★


    まず劇場に足を踏み入れて、舞台セットを観ただけで期待感が高まりますw
    「天主物語」を全く知らなかったのですが、ストーリーも理解しやすく、前方の席だったため、役者陣の演技もよく見え、迫力が直に伝わってきました。

    ネタバレBOX

    特にラストシーンは鳥肌でした。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしかった!!
    舞台セットの造りが凝ってました。
    その造りを駆使した疾走感は、少年社中らしい。

    しかし今回オトナシャチュウというだけあって、流れるテーマはしっとり。

    わたしは天守物語そのものが初めて。
    妖の存在の、なんという儚さ。
    強くて、美しくて、優しくて、恐ろしくて、哀しい。
    それぞれの報われない愛と、運命が、たまらなく切なかったです。

    シャチュウ独自と思われる人物像や演出に、「らしさ」が出てました。
    遊び心が楽しい。

    各キャスト毎の感想は、また次に。
    また観に行くので。

    最後の乱舞が、生命そのものを現しているようで。
    舞い上がる火の粉、降り注ぐ紙吹雪を浴びたその舞は必見です。

  • 満足度★★★★

    素晴らしい世界観。
    原作の世界を残しつつ独自のアレンジ、そしてメッセージに心を打たれました。

    壮大で普遍のテーマと未来への希望と絶望。
    この空間を沢山の方に味わって頂きたい。

    千秋楽もチケットを買い、更なる進化を期待して。
    もう一度感動したいと思います。

    追記:千秋楽を観て来ました。
    前回よりテンポが良くなり観やすくなってました。
    グッと来る部分も違って観れたしセリフもよく聞こえました。
    それと、桃六の方の声枯れのせいか、前回ほど胸に響かず残念。
    長丁場で喉から声を出しちゃっていたのでしょね。
    で、やはり亀姫と舌長姥の方の演技が大好きです。

    ネタバレBOX

    最初の踊りと『あやかしは人を殺めると鳥となる…』この場面で既に涙が込み上げそうでした。
    ですが、本編始まってすぐは何か違和感。
    鏡花の重みのある世界を描くにしては軽い感じと、どこかチグハクした中に浮いた感じでのめり込めない。
    富姫も綺麗にしようとして何かウソっぽい。
    図書之助も何だか現代っぽい。
    主役二人には泣けるくらいのもっと恋の狂気を魅せて欲しかった。
    鷹も動きはこの世の物と思えぬ雰囲気は出ているのだけれど、セリフ回しが軽い。
    変な間延びも気になりました、しかし薄の秀逸な存在感が際立っていました(笑)
    そんな中、亀姫と舌長姥が一気にアヤカシの世界を造り出した。
    桃六の存在も凄く気になる、演技力が光ってる!

    段々世界に引込まれ最後のシーンの強いメッセージに大粒の涙があふれて、音楽と踊りでは体が震えて来ました。
    本当に感動しました。

    追記:千秋楽を観て来ました。
    図書の想いが今回はズッシリと心に響いて来ました。
    彼の演技がこの一週間で上手くなっていた様に感じました。これからも期待したい役者さんですね^^
    ラストのセリフは間違えた?
    前回は『無様に生きろ!』だった様な記憶違い?
    今日は『無様に踊れ!』でした。
    ・・・『生きろ!』の方がグッと来ると思います。
  • 満足度★★★★

    妖艶美追求で幻想の花を・・・
    少年社中の力量は素晴らしい。中村龍介の立体感ある演技が圧巻!対照的に描かれていた加藤良子も好演!観ていて安心感が有り、コントラスト良く彩られていた。元ジェンヌ・あづみれいかは、妖艶美の追求で舞台に幻想の花を咲かせて欲しい!■原作台本などネタバレBOX

    ネタバレBOX

    原作:播磨国姫路城。天守閣に住む魔界の妖精・天守夫人富姫(あづみれいか)は、城主秘蔵の鷹を捕らえて、妹分の亀姫に贈った。その鷹を探してやってきたのは、若く美しい人間の鷹匠・姫川図書之助(つづうらゆうすけ)。二人は恋をする。惹かれながらも元の世界へ帰った図書之助だが無実の罪に追われて富姫にかくまわれる。しかし、妖精たちの象徴である獅子頭の目を追っ手に傷つけられ富姫と図書之助は盲目に。もはやこれまでと覚悟した時、どこからともなく現れた工人が獅子頭の目を直し、二人の視力も戻るのだった。

    泉鏡花が一世紀前に戯曲を書いた時代は、維新戦争後の君主政権下。軍藩財閥・富国強兵政策から日清戦争・日露戦争があり、台湾・朝鮮統治が始まり、日本産業革命の過渡期。治安も悪く庶民は相変わらず貧困で自然災害に翻弄されていた。暴風雨(台風)による風水害・大雨・土砂崩れ・河川反乱による洪水と浪害(凶作)は毎年毎年繰り返され苦しんでいた時代。舞台で「通りゃんせ」が歌われるのも、細道は母の胎内からの産道。行きは生むことで帰りは死ぬこと。生活苦からの間引き・子殺しの意味があり、天神様から貰うお札は天変地異から神に縋る信仰心で人身御供である7歳の男子を生贄として貢ぐこと。そして生き残る家族のために娘は身を売る事が繰返された背景がある。雨情の間引きの童謡「しゃぼん玉とんだ」黄泉返り「七つの子」が生まれたのも本作品の4~5年後である。

    本作品を演出する毛利亘宏は、3月11日に発生した東日本大震災と重ね併せスタッフ総力で原作をアレンジ。日本再創生の強いメッセージを携え舞台でリメイクし表現している。

    それでも鏡花の重厚なテーマ感を、2時間足らずで描くのはやはり限界があり、物語の展開前段にもう少し丁寧な描写が欲しいが・・・。この想いは欲張り過ぎなのだろうか・・・?

    富姫・あづみれいかは安定感はあるが、何か足らないような気が・・・例えば場面によっては、みだれ髪などでの化粧を考慮してみては・・・もう少し妖艶美からの幻想感が欲しい。あづみ自身は自然に美しいのだから、怖さ毒々しさがあっても・・・裏返る声も両刃の剣?
    美しさを求める図書之助は思い切って女性のキャスティング・・・?同性愛表現も欲しい・・・
    演技力がある舌長姥・杉山未央には、もっと気味悪いくらいのメイクも・・・・要検討・・・!?
    鷹/童子・中村龍介の表現力は抜きん出ている!彼の動きが妖気な雰囲気を創り、対照的に極楽鳥・加藤良子が自然な演技で惹き出して魅せている!少年社中…オン・ロード!

    ■原作に興味のある方はURLを張っておきます。プリントはA4片面18ページの短編です。(原作は、天守夫人と図書之助の倫理感の高い究極の愛・心象美作品、少年社中・毛利作品は鍛え逞しく生きるオリジナル作品?双方を対比させながらお芝居をお楽しみ下さい)  底本:岩波書店[鏡花小説戯曲選 第十二巻]      参照文献:[夜叉ヶ池]講談社1979
    ■原作台本URL [  http://www2s.biglobe.ne.jp/~ant/tensyu/tensyu.html  ]
  • 満足度★★★★★

    すごい
    人にお勧めしたい舞台です。

    ネタバレBOX

    前半は若干設定や言葉遣いについていけず…。

    でもクライマックスに向かうに連れ、役者の皆さんが積み重ねたものが爆発し、目が離せなくなりました。


    そして、込められたすごくタイムリーなメッセージ。

    くるぞくるぞ!
    踊れ踊れ!
    って最後の絵は先読みしてしまいましたが(笑)。

    想像以上に抱き締められました。
    ありがとうございます。泣きながら笑っちゃいました。
  • 満足度★★★★★

    すごかった
    まずセットと衣装がすごかった。手が込んでいて、こだわりを感じられた。
    時代劇って何となく苦手なんだけど、そんなことを感じさせない構成、そして役者さんたちの迫力。物語に入り込んでしまった。
    今までで一番かも?ってぐらいにすごい芝居でした。

  • 満足度★★★★★

    絶品!
    鷹役の中村龍介があまりにも妖艶で美しい。まず、会場に入ると天守閣のセットに圧倒される。このセットでこれから始まる物語に相当な期待感が生まれ、なんだか嬉しくなってワクワクドキドキする。結果、照明、音楽、衣装、音響、メイク、演技力、それらの匠は秀逸な演出と融合し幻想的な舞台を作り上げていた。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    その昔、妖怪と人間が創造される。妖怪は地を鎮め、地を守り人間を守ることを天命とし、白鷺城の天守閣から人間を眺め見守っていた。これら妖怪を束ねる美しい婦人の名を「富姫」という。一方で妖怪が天変地異を操り人間を滅ぼそうとしていると疑心暗鬼になった人間たちは妖怪を滅ぼし、天守閣にある、願いが叶うという獅子頭を奪おうと企む。これらを軸に妖怪と人間と、妖怪だった鳥の因果応報を含んだ悲恋の物語だ。

    舞台とは視覚の満足度から高揚感も満たされる。今回の舞台はメイクと衣装のバランスがあまりにも美しくファンタジー性溢れる舞台だった。衣装制作はどうやら5人で制作したらしいが、こうした裏方の力量があってこその舞台だと今更ながらに感じる。

    そして全てのキャストらの演技力も素晴らしかった。地上と天空を結ぶ梯子までをも想像できて壮大な物語だったと改めて感じる。舞台はコミカルな場面も用意され、クスリ・・と失笑し、序盤に踊るシーンから始まり、踊りで終わる舞台はほぼ戯曲通りに描写していた。しかし演出家の毛利は終盤で桃六に「苦しくても生きる」というメッセージを充分に散りばめセリフとして吐かせる。これらは毛利の脚色によるものだが、そのメッセージは強く観劇者の心に残り感動したと思う。

    泉鏡花といえば、人間界と妖しげな異界とが交錯する不思議な世界を描いた作家で有名だが、その戯曲は舞台化し易いよう舞台セットまで書かれている。特に『天守物語』は、姫路城の天守の第五層に住んでいて「左右に柱、向って三方を廻廊下のごとく余して、一面に高く高麗べりの畳を敷く。紅の鼓の緒、処々に蝶結びして一条、これを欄干のごとく取りまわして柱に渡す・・・」と延々と続くのだ。笑


    舞台は泉鏡花の妖しい世界観と毛利の演出が見事に融合され舞台化されていた絶品だ。最後の場面。花吹雪が舞い上がる煌びやかな安土桃山的舞台はこの世のものとは思えないほど優美で幻想的であった。素晴らしいエンタメであった。




  • 満足度★★★★

    あたり
    「天主物語」なんて全く知らなかったし、
    初めての劇団でしたが、これはうれしい「あたり」でした。
    とにかく役者さんたちが真剣に演技しているのが伝わってくる、
    素敵な舞台でした。
    中村龍介さんの存在感が桁ちがいにスゴイ!
    オススメデス!
    来年の次回作も気になります。

    ネタバレBOX

    個人的な見解ですが、
    惜しむらくは
    主演のお二人がちょっとあっさりしすぎていたように思います。
    もっと情念とか狂気とかを見せて欲しかったです。
    勝手なこといいましたが、
    とにかく素晴らしい舞台です。

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