天守物語 公演情報 少年社中「天守物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    チラシも話も美しい!
    「天守物語」の内容知らずに観劇した。

    舞台セットもしっかりと作られていて期待が高まりながら開演を待った。わかりやすい構図を最後まで保ち、安定した演技に支えられた公演。満足のいく2時間を過ごせた。

    富姫(あづみれいか)と図書之助(廿浦裕介)の、妖と人の悲恋を主軸に、登場人物の考えと感情を力強くまた儚く描き、エンターテイメント性の高い作品に仕上がっていた。照明や音響も演技に上手く作用していて、見ごたえ十分だった。

    ネタバレBOX

    妖と人の混在する戦国時代。武田播磨守に仕える鷹匠・図書之助と妖の姫君・富姫は、時代の流れや肉親の情、種族間の対立に翻弄されながらも、それらを克服し、真実の愛を掴む。

    妖が人を殺すと鳥になるという縛り、妖が人を愛する立場にあること、人は妖を諸悪の根源として目の敵にしていること、そしてその結果、双方が殺し合う歴史が続いていること、など相容れぬ関係が前提がある上に、その他の要因(図書之助の父の件、弟の件、亀姫の立場、武田播磨守の乱心、願を叶える獅子頭など)も加わることで、悲恋のストーリーを一層魅力的に彩っている。どこらへんが脚色の部分か知らないが、よく考えられた話と思う。そしてそれをテンポよく進めることで、話がスッと頭に入ってくる。

    序盤の踊りとラストの真っ赤に燃えあがる舞台上での踊りが印象的。妖と人も本質的に同じで、愚かながらもただただ踊り続けるしかないような悲しみと、哀しき運命を跳ね返さんとするかのようなパワフルさの同居した、なんともいえない異様な印象をもった。

    あづみれいかの妖艶かつ運命にもてあそばれるかのような演技は好印象。また、廿浦も板挟みにあいながらも、富姫への愛を示す誠実な青年を好演した。
    大竹、杉山、井俣の猪苗代トリオも残虐な妖らしさを上手く演じ、舞台に花を添えていた。(一応、人間の残虐さの裏返しとしての残忍さなのだが)
    個人的に極落鳥役の加藤良子がカラフルな衣装とメイクも手伝ってか、かわいく思った。彼女もまた、愛する「人」を殺したというバックグランドがあり、興味をひく存在だった。

    チラシは、黒と赤、青を基調に妖しく魅惑的にデザインされ心惹かれるものがあった。HPもとてもきれいなつくり。舞台の中身も上々だけど、宣伝にも力が入っていて、そんなトコも良かったと思う。
    次回公演もぜひ見たい。

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    2011/06/12 01:50

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