関数ドミノ
イキウメ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/05/08 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
イキウメらしい舞台を堪能しました
相変わらず、浜田さんが好演されていました。
安田さんも、イキウメでしか拝見したことないのですが、気になる役者さんのお一人です。
昔、星新一や清水義範のSF物に熱中していた頃、こういう世界感を演劇で成立させる劇団が出ようとは夢にも思わなかったので、イキウメは、私の夢を具現化してくれた、素敵な劇団。前川さんの才能に心酔しています。
終始、ハラハラドキドキ目が離せない芝居でした。
ハンナとハンナ
TACT/FEST
あうるすぽっと(東京都)
2010/08/14 (土) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい秀作に涙しました
フライヤーから想像した通り、「モジョ・ミキボー」の女の子版的ストーリーでしたが、それ以上に、描かれた世界は哀切な感情を湧き起こす芝居でした。
全くの2人芝居。双子のお2人だからこその、ハーモニーの美しさが随所に光る、期待以上の秀作舞台で、2人の舞台挨拶が終わった後も、拍手は鳴り止まず、再登場したお2人の清々しい笑顔に、心が洗われました。
公演期間が短かったので、是非、また再演してほしい作品です。
それにしても、2人の声の美しさには感動しました。
パパは犯罪者!?
LEMON LIVE
駅前劇場(東京都)
2010/01/30 (土) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
愉快痛快傑作コメディの掘り出し物
こんなに幸せな気分で、小劇場で、楽しく笑えるコメディを観たのは、チャリT企画と8割世界以来かもしれません。
青年座の山路さんと、文学座の浅野さんが、小劇場で共演する面白そうな芝居と、作品そのものには、ほとんど期待もせず行ってみたら、これがもう、宝くじに大当たりしたような気分になる、素敵な超傑作コメディの決定版でした。
後ろ席の小学生の男の子が、ひきつけおこさないかと心配になるくらい笑い続けで、お母さんに笑いすぎをなだめられるくらい、万人受けする、ホントに傑作痛快劇でした。
作演の斉藤栄作さんは全くどんな方か何の知識もないのですが、一度で、大変気になる作家さんになりました。さりげなく、哲学的なメッセージを織り込まれる手腕も見事。作演のあざとさが微塵もなく、本当に観客本位の舞台創りをなさる方とお見受けしました。
コメディを愛する方や、コメディを上演する劇団の方には、必見劇だと是非おススメしたい、文句なし、超一級喜劇でした。
ミリオンダラー・カルテット
TBS
東急シアターオーブ(東京都)
2012/09/05 (水) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
陰の名プロデューサーの悲哀に涙
たぶん、日本広しと言えど、こんな気分で、泣きながら、この舞台を観ていたのは、私一人だけかもしれない。
この歴史的一夜の出来事は、私がまだ2歳の冬。ですから、当然、この出来事に個人的思い入れも皆無なら、プレスリーを、当時、テレビ映像で観た以外は、後の3人の歌手のことはほとんど知りません。
では、何故、こんなに、涙が頬を伝うのでしょう?
それは、この作品が、陰の名プロデューサーの悲哀をきちんとドラマ化しているからだと思うのです。
祖父や父や叔父や主人を通して、これまで、たくさんの無名な名プロデューサーのその世界(出版界、演劇界、映画界、音楽界)への愛情と悲哀の歴史を、山ほど見聞して来ました。
先日も、演歌界のゴタゴタのニュースを見たりしました。
だから、この舞台に登場する、サン・レコードのサムが、私には、祖父や父や夫の姿に見えました。何もかも、心の琴線に触れて、涙を堪えることができませんでした。
ロックンロールの上手い下手はよくわからないのですが、キャスト陣、噂に違わず、超一流揃いでした。
もっと、物真似ショー的なステージを想像していたのですが、さにあらず!
本当に、素晴らしい人間ドラマでした。
何だか、宣伝が、画一的で、ロックンロールファンでないと、観る価値がなさそうに感じる宣伝の下手さが、この作品の素晴らしさを一般に伝えていない気がして、非常にもったいないなと思いました。
経済とHの佐藤さんが、現地でご覧になった感想をネットで発表されていて、大絶賛はされていなかったので、逆に、観てみたいと思ったのですが、行って本当に良かった!!劇場も、大変観易くて、素敵でしたし、これは音楽ファンでない方にも、是非おススメしたい舞台でした。
広い世界のほとりに
TPT
ベニサン・ピット(東京都)
2008/10/29 (水) ~ 2008/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
様々な登場人物に共感して、泣きました
千葉さん、役者さんとしても名優ですが、演出家としての才能もある方と認識して、大変見応えある舞台を堪能できた時間でした。
若者、その親、またその親と3世代の苦悩が色濃く、繊細に描かれ、近年にない重厚な家族劇でした。
それぞれの役に、自身の思いが投影でき、誰彼共感しては、泣いてしまいました。
安奈淳さんがお元気になられたことも、涙の一因ではありましたが。
モリー先生との火曜日
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2010/06/03 (木) ~ 2010/06/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
賞賛に値する真の感動作
かなり以前、「週間ブックレビュー」で紹介された時から、ずっと気になっていた作品の舞台化。もっと、朗読劇に近い雰囲気なのかと想像していましたが、さにあらず。私が過去に観た2人芝居の中でも、最高作の一つに数えられる、秀作舞台でした。
とにかくまず驚いたのは、高橋さんの役者としての進化の目覚しさ。過去にかなり高橋さんの舞台は観ていますが、こんなに硬くない彼の演技は初めて観たように思います。加藤さんも、ここ数年、幾度か台詞を咬むことが多々あったのに、この舞台では、そんな気配は微塵もなく、活舌も良く、本当に、お2人の演技表現が過剰にならず、シンプルだったので、自然に、このストーリー世界の住人になることができました。この年齢になっても尚、演技者としての進化を続けているお2人の表現者に、まずは、心底敬服の念を抱きました。
高瀬さんの演出も、作品の良さ、誠実さを損ねることのない、程の良さ。決して、過剰にならず、感動の押し売りもせず、ジワジワと胸に浸透する秀逸な感動の漣が心地良く感じられました。
モーリー先生の人柄と、その師に魅了されて行く生徒の心の交流が、実に自然に描かれて、間違っても、お涙頂戴ものの作りでないことが、何より嬉しく感じました。
良い作品があり、それを見事具現化した、キャスト、スタッフの、並々ならぬ力量の結集作。
モーリー先生の住居は、彼の心の内のようにシンプルで、清々しく、セット、照明、音楽、場転のスタッフの動き、全ての舞台表現が、この作品の良さを阻害することなく、テーマと一体化していました。
最後のカーテンコールの、観客から発せられる、本物の感動の拍手が、とても耳に心地良く、心の奥底までずっと響いていました。
どん底
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2008/04/06 (日) ~ 2008/04/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ケラさんの才能に気付かされた作品
「どん底」は、昔々、滝沢修さんの舞台を拝見したことがあり、もうとにかくひたすら暗いという印象しかなかったのですが、今回のケラ版を観て、あまりの面白さに面食らいました。
キャストも適材適所だし、生演奏などもあり、2幕の明るい外の風景にも目を奪われました。
こんな、若い人には見向きもされないだろう、新劇の古典を、若者向きに見事にアレンジした、ケラさんの天才肌の演出にただただ感服しました。
映像役者さんではダントツごひいきの江口さんの好演も嬉しくなりました。
ずっと以前から、江口さん、舞台でも活躍されたらと期待していましたから。
山崎一さんの演技が切なくて、涙が出ました。段田さんは、まさにはまり役。
こんな「どん底」なら、また見たくなると思いました。
華麗なるミュージカル音楽の世界 ガラコンサート2012~サットン・フォスター来日記念スペシャル~
サンライズプロモーション東京
新国立劇場 中劇場(東京都)
2012/09/15 (土) ~ 2012/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
申し訳ないような気分
トニー賞を2度も受賞された、サットン・フォスターさん、皆さん、日本のミュージカルシンガーが口を揃えて、「可愛い!」とおっしゃっていた通り、お人柄も素敵な雰囲気で、日本キャストの中にも自然に溶け込んで、全てに魅力的な女優さんでした。
歌良し、ダンス良し、演技良し、スタイル良し、性格良しで、非の打ち所がない感じ。
他の日本側の出演者も実力派揃いで、日本にいて、こんなチケット代で、堪能させて頂けるなんて、幸せな一夜でした。
フットルース
劇団スイセイ・ミュージカル
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/08/08 (木) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
小野田レンは大成功!
小野田さんの歌唱力は、高校時代のデモテープを拝聴した頃から認知済みですが、ダンスはどうかな?とやや心配でした。
でも、幕開きから、その不安は払拭されました。
彼は、メインとしての華があるだけでなく、チームを統率するリーダーシップも併せ持っているようなので、この役には、ピッタリでした。
「ヒーロー」は、いつ聴いても、元気をもらえるし、歌唱力のある人の歌う「オールモストパラダイス」は、心に沁みます。
行けて、観られて、聴けて良かった!
若かりし頃、彼と観た映画館での会話も懐かしく思い出され、60近い年齢になっても、胸キュン現象、起きました。
ミュージカル 『レディ・ベス』
東宝
帝国劇場(東京都)
2014/04/11 (金) ~ 2014/05/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
天にも昇る気持ち
何しろ、ずっと待ち侘びていた花總さんの主演舞台復帰作、拝見できただけで、夢見心地でした。
花總べス、山崎ロビン、吉沢メアリー、古川フェりぺ、石丸アスカムのキャストスケジュール日でした。
一番目を奪われたのはセットの美しさ。簡易なセットなのにもかかわらず、映像と照明で、その場をそれらしく感じさせるスタッフ技術に息を呑みました。
べスにとっては、敵役の、石川、吉野コンビの見事な息の合い方にも拍手喝采もの。
曲は、難解なものも多く、訳詞があまりはまっていないようにも感じましたが、全体的に、キャストがすこぶるはまり役ばかりで、これは、久しぶりに、リピートしたくなるミュージカルでした。
ザ・キャラクター
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
言葉遊びが、本質を焙り出す見事さ
まず、会場に着いて驚いた。四季の劇場かと思った。
高校生らしき学生団体が、引率されて来ている。
ちょうど、あの事件が起きた頃に、生まれた世代。
こんな芝居を学校で観に来る時代になったかと、まず感激!
そして、野田さん!「ハイパー」で、もう才能が枯渇したかと心配になって、実は、恐る恐る観劇。
大丈夫でした!!やっぱり、野田さんはスゴイ!!
稀有な劇作家でした。
あの事件を、こんな舞台設定にして、言葉遊びと見せかけて、見事に、人間の本質を焙り出して行く才気に満ちた台詞選びの術。
そして、事件をただ踏襲するだけのドキュメンタリー的な芝居ではなく、きちんと、野田さんの劇世界に変換する作劇の妙!!
素晴らしい!!こんな劇作家は、やはり他にはいそうにありません。
役者さんんも、皆良かった!宮沢りえさんの台詞は、どうしていつも、あんなにストレートに、心にダイレクトに響くのでしょう?
スゴイ女優さんだといつも思う。
藤井さんの舞台も、観る度、思う。この方、本当に、才能ある俳優だなと。
野田さんは、いつでも、安定した女優さん振り。チョウ・ソンハさん、演技も動きも期待通り。銀粉蝶さん、やはり、適役。
古田さんも、役に合って、実に良かったし、橋爪さんも、「ハイパー」より、ずっと、橋爪さんであるべき必要性を感じた。
ただ、アンサンブルの役者さん達は、動きは、演出の言う通り実践できて、素晴らしかったのですが、まだ経験不足な方が多いせいか、台詞が明瞭に聞き取れない方が多く、その点は残念でした。
やっぱり、こういう、本当に頭脳明晰な劇作家の書く芝居は、脳と心を刺激してくれて、演劇の醍醐味を思う存分感じました。
フロッグとトード ~がま君とかえる君の春夏秋冬~
シーエイティプロデュース
博品館劇場(東京都)
2007/07/27 (金) ~ 2007/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
初演は最高でした
昨年の再演は、川平さんが変にいじってしまい、何だかがっかりでしたが、初演のこの舞台は、私の観劇人生でも、ベスト20には入るような素敵な素敵な舞台でした。
演出、脚本、衣装、照明、音楽、美術、キャスト…、何を取っても一級品の舞台!!
子供達にも、四季のミュージカル以上に絶対必見にしてほしい作品でした。
もう、カタツムリさんのお手紙運び、最高でした。
沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】
蜂寅企画
小劇場てあとるらぽう(東京都)
2012/09/05 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
恩師に、時代劇作家中尾ありと報告したくなる
今でも、心の中に往き続ける、時代小説の大家である、我が恩師に、「知り合いの中尾さんという劇作家が素晴らしい才能なんですよ」と墓前に報告したくなってしまいました。(バックの中の遺影には、早速報告しましたが…)
旗揚げから、拝見していますが、今回の作品は、今のところ、最高傑作だと思います。
人物一人ひとりの心情が丁寧に描かれているし、観客に、情報提示する、脚本の頃合が絶妙で、構成の巧みさに感心します。
舞台セットのセンスも抜群。
役者さんも、公演の度に、進化されて、有名な脚本家の作品を、商業演劇で上演する時代劇などより、悠にクオリティの高い作品でした。
ただ、欲を言うなら、髪型と、帯に、もう少し、配慮がほしいと思いました。
特に、花嫁姿の場合において。
会話の中に、人魚のたとえ話が出て来ますが、ヨーロッパならともかく、あの時代の日本で、人魚という概念があったかしらと、その部分も、ちょっと違和感を感じました。
「浦嶋太郎」の方は、似たような伝承が、中世から伝わっていた筈で、OKかなとは思うのですが。
マイワン・アンド・オンリー
東京グローブ座
青山劇場(東京都)
2012/03/10 (土) ~ 2012/03/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
極上の愛の賛歌
観る前は、かなり迷いましたが、行って本当に良かった!
素直に感動しました。
単なる、お気楽な、ボーイ・ミーツ・ガールの良くあるミュージカルかと、高をくくっていたのですが、してやられっぱなし。
久しぶりに、日本の上演ミュージカルで、プロの仕事ぶりを見せて頂きました。
主役の坂本さんは、所属事務所のイメージからか、真のミュージカルファンには敬遠される向きがあるのかもしれませんが、四半世紀も、ミュージカルを観ている自分的には、今や、日本の10本の指に入る、名エンタティナーのお一人ではと感じます。
大和田美帆さんも、同様で、彼女も初舞台から拝見しているので、最近の実力を観るにつけ、如何に努力されたかが、推量できます。
お二人が踊るシーンは、古き良き、アメリカミュージカル映画を観るようでした。
他のキャストも、それぞれ、役を楽しく演じられ、久々、観ているだけで、幸せになれる、素敵な作品でした。
最近、翻訳ミュージカルを観る度、違和感ある訳詞にゲンナリすることが多かったのですが、この訳詞は、グッドフィットでした。
ガーシュインの音楽が良いのはもちろんですが、訳詞がしっくりしているので、素直に舞台に酔いしれることができて、満足でした。
最後のカーテンコールで、ミュージシャンの挨拶を、映像で済ませたのも、奥ゆかしくて、好印象でした。
最近、やたら、出演者以上に、目立とうとして、最後に、我が物顔で挨拶するある指揮者に辟易しているので、この奥ゆかしさには、敬意さえ感じました。
昔から、何千という演劇を観て来ましたし、たくさんの演劇人や業界人にも会いましたが、とかく、プロ中のプロ程、出しゃばらず、謙虚なものですね。
ミス・サイゴン
東宝
青山劇場(東京都)
2012/08/22 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
新妻キム、更に良し!!
今日は、当初観る予定ではなかったのですが、ひょんなことから、観劇。
先日、新演出に、驚嘆したので、今日は、わかった上で、丹念に、注視して、再観劇。更に、満足度が高まりました。
先日は、気づかなかった、エレンの新曲も、よく耳を欹てて聞いたところ、メロディは、以前の曲の方が印象深いものの、内容的には、エレンの心情を良く説明していて、理解度が増した気がしました。
新妻さんのキムは、初演の時には、ぎこちなかったのですが、その後、いろいろな難役を経験されて、深みの増したキムとして、戻っていらっしゃいました。
こうなると、知念キムも、もう一度拝見したくなりますが、時間もチケットもなくて、残念無念。
相変わらず、幼少のタム役者君に、脱帽!
演劇集団 砂地 『Disk』
演劇集団 砂地
シアタートラム(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
濃密かつ秀逸極まる!
今まで観た全ての芝居が陳腐に思えると錯覚してしまう程、まるで上質な翻訳劇のような、味わい高度な作品でした。
人物の一挙手一投足、台詞の一字一句に、目も耳も一瞬たりとも離せない、濃密度の濃い舞台でした。
こういう硬質な演劇を構築できる船岩さんの才気に、衝撃を受けます。だって、私の長男より、年下でいらっしゃるのに…。
途中まで、この作品の観劇には不釣り合いな若い女性のけたたましい笑い声が後ろから聞こえたのですが、後半は、固唾を呑んで凝視していたような気配。彼女に、感想を聞いてみたい気がしました。
これ、外国語に翻訳して、オフブロードウエイとかで上演したら、トニー賞とか取るようなレベルの舞台ではないでしょうか?
吉例顔見世大歌舞伎
松竹
歌舞伎座(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/25 (金)公演終了
満足度★★★★★
ニ左衛門さんの至芸に酔う
成駒屋さんの襲名公演以上に、もう一度、ニ左衛門さんの綱豊卿を拝みたくて、夜の部を観劇しました。
何度も、観た御浜御殿ですが、拝見する度に、綱豊のキャラクターが確立される様に圧倒されます。
それに、本当に、真山青菓の台詞劇の巧みさには、その都度、舌を巻くばかりです。
一時期、歌舞伎役者としての演技がふら付いた感のあった染五郎さんの助右ヱ門も、見事に復活されて、安堵しました。
肝心の、芝翫さんの「盛綱陣屋」の方は、幸四郎さんの台詞が籠り、3階席にまでは明瞭に聞こえなかったのが残念でした。
そのため、周囲の席の方々も、左近君の登場までは、眠くなったと、異口同音に話していました。
成駒屋への掛け声以上に、「高麗屋!」の掛け声が、連発されるのも、ちょっと考え物だと思えてなりません。
たいこどんどん
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2011/05/02 (月) ~ 2011/05/26 (木)公演終了
満足度★★★★★
下世話が光放つような演出に、陶酔感あり
迷いましたが、これは観て正解でした。
6歳の頃からの橋之助ファンとして、嬉しく思える作品でした。
現代歌舞伎の趣のある、大変スピーディな道中物で、長時間の観劇を感じさせない芝居でした。
改めて、井上ひさしさんの偉才ぶりを痛感すると共に、井上作品と、蜷川さんの相性の良さを実感しました。
八百屋のお告げ
グループる・ばる
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2006/11/17 (金) ~ 2006/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
もう一度観たい
もうね、これは、本当に、最高でした!
聡さんと裕美さん、両鈴木さんの、最高傑作のひとつだと思います。
松金さんのあの演技、もう一度生で観たいです。
再演してくれないかなあ?
シャドーランズ
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2010/01/06 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
静謐な愛の物語
思った通り、春風ひとみさんの出演が、この作品を成功作に導いていました。
春風さんが、舞台に登場した途端、舞台が波打ち、みるみる気持ちが引き込まれて行くのがわかり、二人が心を通い合わせて行く気持ちに寄り添いながら、最後まで、見守ることができました。
日本人では、なかなか口にしないようなストレートな愛情表現も、加藤さんと春風さんの口から発せられると、なんの違和感もなく、素直に感情移入できて、清々しい気持ちになりました。
取り立てて、センセイショナルな物語進行ではないので、春風さんでなく、演出が鵜山さんでなければ、これ程、感動的な舞台に形成するのは、難しい題材だったかもしれません。
それに、ストーリーに重要な役どころの子役さんが、本当にいい演技をされて、お二人の名演に水を注さなかったのが、救いでした。
主人公の、神に対する思いが、彼女との関係を通して、微妙に変化して行く様子も、静かな流れの中で丁寧に描かれ、主人公の思いを、観客が追体験できるような上質な舞台でした。
若かりし頃、ズートルビの一員として、バラエティタレントだった新井さんが、中年になって、得がたい役者さんになられたことも、感慨深く拝見しました。
「ナルニア国物語」、読んでみたくなりました。