たいこどんどん 公演情報 Bunkamura「たいこどんどん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    下世話が光放つような演出に、陶酔感あり
    迷いましたが、これは観て正解でした。

    6歳の頃からの橋之助ファンとして、嬉しく思える作品でした。

    現代歌舞伎の趣のある、大変スピーディな道中物で、長時間の観劇を感じさせない芝居でした。

    改めて、井上ひさしさんの偉才ぶりを痛感すると共に、井上作品と、蜷川さんの相性の良さを実感しました。

    ネタバレBOX

    幕開き後しばらくは、古田さんの早台詞がほとんど聞き取れず、このまま行くのかと心配になりましたが、きちんんと会話は聞き取れ、ほっとしました。

    たぶん、古田さんは、狂言回し的な解説台詞は不向きな役者さんだなと感じますが、でも、この太鼓もちの役は、大変任に合っていました。愛嬌ある役なので、ピッタリだったと思います。

    橋之助さんは、子供の頃から、素質のある役者さんでしたが、今回、初めて彼の歌を聴いて、驚きました。なかなか巧いんですもの。声もいいし…。

    また、彼の歌う芝居、観たくなりました。

    心配していた鈴木京香さんも、何故か、映画の演技よりずっと良かったし、宮本裕子さんが、相変わらず、見事な猥雑感を醸し出して、絶品艶技!同性の私が観ても、何かドキドキでした。

    地味ながら、市川夏江さんが、良い老女ぶり。昔の新国劇を思い出してしまう雰囲気がありました。

    大林さんは、背が高いせいもあるでしょうが、普段着物を着ている女性に見えず、借りてきた猫みたいな風情が残念でした。彼女が登場すると、突然、アマチュアの芝居のようになってしまうので。

    モンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」が、時代劇なのにも関わらず、うまく劇中に取り入れられていて、暗転が楽しく感じました。

    3・11以来、何度も耳にする地名がたくさん出て来る芝居で、最後の場面、主人公二人の見聞きした江戸の現状が、今の日本の置かれた状況とダブり、心をざわつかせましたが、作品全体の空気は、大変痛快で、娯楽時代劇の様相でした。

    心からのカーテンコールの拍手が何度も続き、久しぶりに、コクーンで、満足感を得られた公演でした。

    いつか再演があるなら、この太鼓もち役、今度は浅野和之さんか、段田さんで観てみたい気がします。

    ただ、一つ思ったのは、もう鏡はいいんじゃないかな?いい加減、マンネリ感あり。

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    2011/05/18 23:38

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