線のほとりに舞う花を
てがみ座
王子小劇場(東京都)
2011/04/12 (火) ~ 2011/04/18 (月)公演終了
満足度★★★
今度は音楽劇でした
いつも公演の度、変化球を魅せて下さるてがみ座の舞台、今回は、音楽劇でした。ミュージカルではなく。
相変わらず、長田さんの生み出す物語世界は惹き付けるものが多く、感心します。
こういう状況下で観ると、天災で多くの命や家や土地が失われる中、人間同士の争いによって、命を失うことの愚かさをより痛切に感じてしまいます。
昔読んだ、アゴタクリフトフの小説を彷彿として観劇していたら、当パンに、長田さん御自身が、影響を受けたと書いていらして、驚きました。
ただ、この作品、私の個人的好みからすれば、別の演出で観たかった気がしています。
大ファンの大西さんの手の仕草が絶品演技で、またしても感嘆ものでした。
CLUB SEVEN 7th stage!
東宝
シアタークリエ(東京都)
2011/04/03 (日) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★
エンタメの鏡のような公演
毎回欠かさず観ているクラブ7も、これで7回目。
いつも感じるのは、玉野さんと出演者達が、心から、お客さんの喜ぶ顔を念頭において、お稽古されている様子が、ジワジワと、伝播して来る素敵なステージだなあということ。
今回は、こういう状況下の公演で、尚一層その思いを強くしました。
玉野さんに感謝の気持ちでいっぱいになります。
最後に、客席に深々とお辞儀をされる玉野さんの姿を、是非、企業の不祥事で、上辺だけの陳謝をする人達にご覧頂きたくなりました。
久しぶりに、切れのよいダンスで魅了する、吉野、東山ご両人が、クラブ7に帰って来て下さり、天にも昇る気持ちでした。
このステージを届けて下さった皆さんに、心からお礼を申し上げたいと思います。
国民の映画
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2011/03/07 (月) ~ 2011/04/03 (日)公演終了
満足度★★★★
圧倒的史実を題材にする難しさを感じる
三谷さんが、実在の人物を描いた作品は、過去にもたくさんありましたが、この芝居の登場人物は、あの戦慄の史実の中に生きたナチスの将校とそれを取り巻く映画人。
だから、三谷さん御自身が、「これはコメディではない」と断る必要もないほど、どんなに面白く芝居が進もうと、最後は、戦慄の真実を描くことになります。
実在の画家の交流をオリジナルの芝居で描いた時と違って、私達は、幾ら舞台上で、三谷さんの描いたオリジナルのゲッペルスやヒムラーやゲーリングの人間性に、愛着を感じたとしても、彼等がしでかした史実は、厳然と記憶の中にあるので、どうしても、「これはフィクション」として受け止める心の許容範囲が狭められ、その点が、この作品に対する好意的評価に自然と歯止めを掛けるのではないかと、観劇中も終始感じてしまいました。
とは言え、白井さん、風間さん、段田さん、小日向さんという、それぞれ、かつて一世を風靡した劇団で活躍されていた4男優の夢の共演、シルビアさんと新妻さんのまさかの歌唱対決、意外な平さんの軽妙洒脱な演技、小林勝也さんの重厚さなど、観客の喜ぶ要素は山のようで、飽きることもなく楽しめた舞台であったことは事実でした。
新妻さんと、小林隆さんは、本当に素敵な役者さんになられて、益々ファン度が増しました。
月にぬれた手
舞台芸術学院
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/03/25 (金) ~ 2011/03/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
舞台芸術学院の底力の結集が見事
還暦の舞台芸術学院が輩出した、たくさんの力あるアーティストの業が結集した舞台で、まずそのことに、演劇ファンとして、胸が熱くなる思いがしました。
舞台が東北ですから、どうしても、今現在の震災の被害が常に想起されて辛くもなりはしましたが、でもこの舞台を観られて良かったと心から思えて、感動をたくさん頂きました。
内容に関する感想は、後日改めて書くつもりですが、終演後の金内さんの誠意溢れる、観客への感謝のコメントに、思わず、もらい泣きしてしまいました。
先日のある公演後に感じた後悔の念は、この公演では微塵もありませんでした。
渡辺えりさんの劇作の才、御見逸れしました。
南へ
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2011/02/10 (木) ~ 2011/03/31 (木)公演終了
満足度★★★
いつも構図が一緒
キャスト陣は、皆好演されていました。
開演前の野田さんのメッセージには、一部で、共感し、一部で、反論したい思いがありました。
内容についての感想は、少し落ち着いたら、改めて書くつもりですが、蒼井さん演じる女性あまねが誰をモデルにしているかがわかる世代とそうでない観客で、意見が分かれる気がしました。
〆(しめ)
自転車キンクリーツカンパニー
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★
今、観るべき芝居ではなかった
震災後、予約済の公演をずいぶんキャンセルし、今日も迷いましたが、チケットも購入していたので、あれ以来初めての観劇となりました。
行かなければ良かったと後悔しています。
あまりにも、脚本に求心力がなく、ごくごく個人的な、どうでも良いような内容なので、震災前なら、まあ、それなりに楽しめたのかもしれませんが、とても、そんな気にもなれず、役者さんにも、そういう内容に対するジレンマがあったのか、楽日だと言うのに、どこか心ここにあらずの演技が感じ取れて、この時期に上演すべき作品内容ではなかったなと、役者さんがお気の毒にも感じました。
また、これは声を大にして、訴えたい思いですが、作演出である主宰の、人間的な常識や見識を疑う部分がたくさんある作品であり、上演でした。
音楽劇 わが町
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2011/03/03 (木) ~ 2011/03/13 (日)公演終了
満足度★★★
音楽劇化面では成功作
オリジナル楽曲による音楽劇化と聞いて、仕上がりを懸念しましたが、「わが町」の音楽劇としては、大変良い仕上がりの舞台だったと思います。
特に、1幕で、その良さが生かされていました。
楽曲も、あの戯曲の雰囲気に合って、とても効果的でした。
音楽を入れることで、余計体感時間が長くなるのかと思っていたら、いつも長く感じる部分がうまくカットされていて、テンポも良く、厭きませんでした。
ただ、3幕の演出面には、やや疑問が残りました。
土居さんの歌声にはいつも癒されるし、演技も、嬉しくなる程、お上手でしたが、でも、欲を言えば、エミリーとジョージは、せめて、20代の役者さんをキャスティングしてほしかったと思いました。
月いちリーディング/11年3月
日本劇作家協会
座・高円寺稽古場(B3F)(東京都)
2011/03/05 (土) ~ 2011/03/05 (土)公演終了
満足度★★★★★
実際観劇した戯曲なので
今日は、初めて、実際自分が舞台で拝見したことのある戯曲が取り上げられたため、芝居で感じたことと、リーディングだけで聴いた場合と、これ程、感じ方に差があるのかと、驚く点が多く、自分にとっても、新たな発見が多い、月1リーディングとなりました。
ゲスト劇作家の横内さんが、おっしゃったように、ヒロセさんは、大変演劇を愛していることがわかる作劇をされる方だと、私も全く同感でした。
そこで、横内さんは、「最近、あんまり演劇好きじゃないんじゃない?って思う芝居が多くて…」とおっしゃってましたが、それも同感。
ヒロセさんは、劇団を主宰し、ご自身で作・演されているので、ご本人も感じていらしたように、役の配分とかが、キャストに均等で、また戯曲に多くを盛り込まず、演出で補うというやり方が定着している感じを強く受けました。
完成した芝居として観ると、大変面白い部分が、戯曲だけを読むと、足りない点がかなりあるのではと感じました。
初めて、ゲストで参加された劇作家や演出家の方にとっても、たくさん発見があったように思う月1リーディング、来期も、5月から開催とのこと。
やっと、いろいろな面で定着して、今後の発展が益々楽しみになりました。
今日は、またキャストも演技派揃いで、楽しめました。
息子が大絶賛していた瓜生さん、やはり素敵な味のある役者さんでした。
てがみ座にご出演だった西田夏奈子さんのスターの追っかけも愉快でした。舞台では、大西玲子さんが熱演された役で、これも絶品演技でしたが、西田さん演じるこの役も、実際の舞台で観てみたくなりました。
ドロシーの帰還
空想組曲
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/02/23 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
全くダークとは程遠い大感動作でした
こちらの演劇口コミサイトで、「ダークだ」という観て来たコメントを見て、行く前はかなり心配でしたが、私が実際に観て大好きになったほさかようさんは、私の勘を裏切ることはなく、今回の作品も、素敵な素敵な感動作で、ほっとしました。
群像劇に見せて、やはり最後は、ドロシーがこの作品の主人公だったとわかる、秀逸な劇構成。
セットの書割りの背景画もお見事。
どなたかの表現を拝借するようですが、まさに、職人芸のオンパレード。
帰宅後読んだ当パンの、ほさかさんの挨拶文に、また感銘を受けました。
いろいろ、現実社会の歪みを知ったこのサイトですが、こういう素敵な劇団とも巡り会えたことを思えば、この口コミサイトには、感謝しないといけないなとも感じます。
AndvYou 3~いつもある場所~
+ new Company
南大塚ホール(東京都)
2011/02/24 (木) ~ 2011/02/26 (土)公演終了
満足度★★★
群舞や合唱にはやはり圧倒されました
一部の短編オリジナルミュージカルは、キャストと音楽の良さに救われました。
脚本に関しては、まだプロの仕事のレベルには到達していないと思います。
二部のレビューは、どうも構成や並びに一貫性がなく、ややもすると、発表会的な部分も見えましたが、それでも、群舞や、殺陣や、合唱は、文句なく、心を打つものがあり、今回も、何度か涙腺が緩みました。
過去の2作品は、全体で、一つのミュージカルレビュー形式の芝居だったので、あまり、粗は見えませんでしたが、今回のように、はっきり、1部の芝居、2部のレビューと分けるのなら、芝居の台本は、筆力のある方に依頼した方が成功したのではと感じました。
二部のレビューを、ソロや有名ミュージカルのデュエットをやめて、群舞や、合唱、客席参加型のワークショップ形式に特化すれば、より、観客の心を鷲づかみにできるパワーがある劇団なので、今後は、より一層の舞台構成の熟考を期待したいと思いました。
シングルマザーズ
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2011/02/20 (日) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★★★
永井さんらしさが帰って来た!
前回の公演「かたりの椅子」は、やや、永井さんご自身の私憤が前面に出過ぎて、演劇作品としては、疑問が残るものでしたが、今回の芝居は、永井愛さんらしい、ユーモアとペーソスに満ちた、とても素敵な作品でした。
何でも、二兎社の制作の女性の実体験に材を得たらしく、劇作家、演出家の永井さんが、彼女を心から応援する気持ちが、作品に、リアルさと愛を注いだのだと感じました。
名の知れた役者さんの健闘もさりながら、枝元さんと、玄覚(正式な字が変換できず)さんの、立場の異なるシングルマザー二人の好演が、嬉しくなります。
チラシから受ける印象より、ずっと、重く、深みのある佳作舞台でした。
これは、観に行って良かったと、心から思います。
コラボレーション
加藤健一事務所
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/02/19 (土) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
時代に抗いつつ、生きることの苦しさ
それが、静謐に胸に迫る佳作舞台でした。
いつも、感じることですが、鵜山さんの演出は、それがどんな国のどんな時代の、どんな分野の話であろうとも、時代や国籍を超越した、普遍性のある作品に変換させて、観客に提示する力がお見事だと、感心します。
今回のこの舞台もまさにそうでした。
ナチスの圧政や、それに纏わる、人物の動向をあまり知らない人間が観ても、きちんと、この作品のテーマが伝播する舞台構成になっています。
この作品の主人公である、リヒャルト・シュトラウスと、彼のオペラの脚本を手掛けたシュテファン・ツウ゛ァイクの、二人の人物の、時代に翻弄される苦悩は、いつ如何なる時代に生きる人の胸にも、共感を持って、心を揺さぶる舞台力がありました。
加藤さんももちろんですが、ツウ゛ィク役の福井さんが、とても好演されていました。
ナチスの党員役の加藤さんのご子息の義宗さんは、いつの間にか素敵な役者さんに成長されていました。彼の10代の時の初舞台も拝見していますが、年月が経って、口跡も、立ち姿も、役者さんらしくなられて、嬉しく拝見しました。
加藤さんと、紀伊国屋ホール、あー、ずいぶん昔、ここで「熱海殺人事件」を、狭い通路に座って、夢中で観劇したことを、懐かしく思い出しました。
あの頃の、演劇界は、何もかも素敵だったなあと、感慨深い想いがしました。
深説・八犬伝〜村雨恋奇譚〜
東宝
シアタークリエ(東京都)
2011/02/11 (金) ~ 2011/02/24 (木)公演終了
満足度★★★★
楽しみな若手役者さんがワンサカいた
時代劇、現代劇問わず青春群像劇タイプの芝居には、目がない人間なので、時代劇群像劇の代表格の「八犬伝」は、昔から、大好物の作品です。
と、言うわけで、若い出演者は、高橋さんと大和田さん以外、全く存じ上げませんでしたが、行って来ました。
冒頭しばらくは、観なきゃ良かったと後悔しかけそうだったのですが、これが、やはり、原作の圧倒的面白さも加味してか、中盤から、どんどん気持ちが前のめりとなり、最後には、久々、大劇場で、心から、喝采の拍手を送ってしまいました。
犬塚信乃役の高橋さんは、声に色気があり、こういう役はまさに適役。玉房の保坂さんは、四季時代には想像もできなかった悪役を、実に生き生きと演じられ、さすが、殺陣などの所作も美しい!
お名前さえ知らなかった、古川さん、中村さん、加藤さん、窪寺さん、斉藤さん、汐崎さん、根本さん等、8犬士役やその他の若手男優さんも、皆さん、華もあり、姿形も美しく、真摯に演技に取り組んでいて、何だか、それだけで、えらく感動してしまいました。
ただ、残念なのは、冒頭の、意味のあまり感じられない、人物紹介的シーンが、同じような場面が続き、冗長に感じた点と、殺陣の剣さばきの所作と、擬音効果が、全く合っていなかったこと。音だけは、新感線張りなのに、あまりにも、「シャキーン」という音が、とんでもないところで、連打され、如何にも作り物めいて、興を殺ぎました。
テンペスト
TBS
赤坂ACTシアター(東京都)
2011/02/06 (日) ~ 2011/02/28 (月)公演終了
満足度★★★★
なかなか壮大な舞台でした
脚本、演出が、映像畑のお二人だし、この方達の舞台作品を過去に拝見し、やはり、芝居の何たるかが、まだ身についていない公演しか記憶にないので、正直あまり期待せずに観劇しました。
ところが、意外と、今回の舞台は、良かったので、ほっとしました。
きっと、何作か舞台制作を経験されて、映像と舞台の違いを体得されたのだろうと思います。
時折、舞台背景に使われる映像は、もちろん、専門家の仕事だけあり、とても美しく、効果的に使われていましたし、なかなか、大河ドラマのエッセンスもあり、見どころの多い舞台でした。
それに、映像でも活躍中の出演者の演技レベルが高く、たまたま、今日は、男子高校生の団体が来ていましたが、皆おとなしく集中して観ていたし、最後の拍手には力がこもっていたので、皆堪能したのではと感じました。
仲間さんの琉球舞踊の所作がお見事で驚きました。
それに、とてもスタイルの良い、殺陣もお見事な若い女優さんがいてどなたかと思ったら、長渕剛さんのお嬢さんの文音さんでした。
彼女のお母様の初舞台を、昔コマ劇場で観ましたが、その時のお母様より、演技も身のこなしも洗練されていたように思いました。
11人いる!
Studio Life(スタジオライフ)
あうるすぽっと(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/28 (月)公演終了
満足度★★★
ミーハーおばさん的には満足でした
スタジオライフのファンになって以来、一番好きなコンビ、山本芳樹さんと、及川健さんの久々の共演、アルコルチームの方を観て来ました。
スタジオライフにしては、いつも程、展開がスピーディでもないし、緊迫感もそれ程、なくて、もっと言ってしまえば、11人目が誰かとか、あまり気にならないのんびりムードでしたが、お二人のファンとして、ミーハー感覚で観れば、充分堪能させて頂きました。
毎度のことですが、ここって、選曲センスが良くて、それで、相当得してる感じもありました。
とにかく、若い役者さん達が元気に舞台を務めてくださっている姿を見るのは、それだけで、気持ちがいいものですね。
ロクな死にかた
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
嬉し泣きの100分、完成度マックス!!
ひょっとこ乱舞は、チョウ・ソンハさん観たさに「プラスチックレモン」をみたのが最初で、これで、確か4回目ぐらいの観劇歴ですが、まあ!今回程、感嘆したことはありません。
まず、昔から、広田さんの頭脳明晰さはよくわかったのですが、以前は、観客に伝わらなくても構わないという雰囲気がどこか、作品に漂っていたのですが、今回は、そんなところが微塵もなく、世代を選ばない、普遍的な作品に仕上がっていました。
スタイリッシュな演出でありながら、メッセージがダイレクトに伝わり、若者の会話のリアリティにゾクゾクする程の快感を味わいました。
今、私が知る限りにおいて、日本で、一番の若者会話劇が書ける作・演出家は、広田さんを置いて他にいないような気がします。
以前は、ストーリーと分離して、唐突感が否めなかったダンスが、今回の作品では、見事に、ストーリーと融合し、その美しいシルエットに何度もため息が出ました。
配役表を見た時、浮かないかな?と心配になった、ゲキバカの伊藤今人さんが、絶妙な匙加減で、適材適所の役を与えられ、ほろ苦い笑いを担われ、このキャスティングセンスにまた唸りました。
ひょっとこの役者さんも、いつの間にか、皆さん、素晴らしい進化をされていて、目を見張る思いでした。
早口の台詞が多く、何人か、とちる方もいましたが、そんなこと、全く気にならないし、むしろ、またそれが、リアルに拍車を駆け、とにかく、このステージの何もかもが超一級品揃いで、もうただただ感涙しまくりの100分。
倉田さん、西川さん、渡邉さん、笠井さん、寺田さん、田中さん、松下さん、中村さん、根岸さん…、あー、皆皆、とっても素敵でした。
広田さんのような頭脳明晰な方が、演劇に手をそめてくださったことに、感謝します。
本当に、たくさんの方に観て触れて感じて頂きたくなる素敵な舞台でした。
「神社の奥のモンチャン」
ゴジゲン
座・高円寺1(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★
箱に見合わないレベルで残念
途中退場者、たぶん3~4人。
もし、モンチャンが目次さんでなければ、私は5人目の退場者になっていたと思います。
ゴジゲンは、「たぶん犯人は父」から観始め、その作風は好きなのですが、今回の作品は、松居さん学生時代の作とのこと。さもありなんと思う程、作品も、構成も演技も、学生時代に退行したような印象でした。
箱がゴジゲンには大き過ぎたきらいもあります。
全ての見せ方が、素人レベル。学内の無料公演なら、充分かもしれませんが、座・高円寺で、これだけの入場料を取るには、見合わないレベルだと感じました。
クラウド9
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
青年座が、一皮も二皮も剥けた感あり
いやあ、正直、度肝を抜かれました。
性描写が赤裸々で、ほんとに、これ青年座の芝居??と驚愕でした。
でも、これ、観て良かった!!
すごく面白いし、感銘受けるし、何より、養成所時代から存知上げている、宇宙さんと安藤さんが、役者として、飛躍的進化を遂げていることを、見せ付けられた、心から、喜びを覚えましたから。
青年座の役者さんが、こういう戯曲を、ご自分の体に落として、表現できるようになったことが、嬉しくてなりませんでした。
欲を言えば、自劇団のみの配役で観たかったと思います。
クライブ役、山路さんで観てみたかったですね。
伊藤大さんの演出は、この作品の本質をよく捉え、迷いのないジャッジが行き届いたようで、成功だと思いますが、惜しむらくは、セットが、やや薄っぺらな感じがしたことです。もっと、抽象的なセットの方がむしろ良かったように思いました。
月いちリーディング/11年1月
日本劇作家協会
座・高円寺稽古場(B3F)(東京都)
2011/01/29 (土) ~ 2011/01/29 (土)公演終了
満足度★★★★
やはり面白かった!!
今までの月1リーディングで、たぶん番参加者が多かったのではないでしょうか。
そして、作品も、ゲスト劇作家トークも、大変面白くて、何度も会場に笑い声が響きました。
ゲスト劇作家は、上から目線の方じゃないのに限ります。
土田さんのトークはいつも面白くて、場が和やかになるので、大好き!!
鐘下さんとの相性も良く、一番参加者が多い日が、こういうメンバーで、良かったこと!!
いつも、いろいろな劇場で、スタッフをなさっている作家さんの作品でしたが、ご本人の思惑通り、ライブ感がある、戯曲でした。
ブラッシュアップされたら、また拝見したい作品でした。
エディット・ピアフ
日本テレビ
天王洲 銀河劇場(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★
嫌な予感が、見事的中
歌のうまい安蘭さんのピアフと、浦井さんを観たくて券を買ったものの、実は、この劇の作者と演出家名を見た時、嫌な予感があったのです。
案の定、幾らキャストを、集めたところで、それだけでは、いい舞台にはならないという、良い事例公演でした。
とにかく、場転が多く、暗転も多く、ピアフの人生のどこに焦点を絞るかという工夫もなく、本と、演出が、とても、プロのお仕事には感じられませんでした。
場転も、もっと気の効いた演出なら、多くても苦にはなりませんが、まあ、高校演劇の演出だって、もっとましなのではと思うようなド素人ぶりの転換で、これでは、☆は一つかしらなどと、もうこうなったら、安蘭さんの歌を聴きに来たのだと、自分に思い込ませようとしていたのですが、ようやく後半になって、ちょっと見所があり、救われた気がしました。
よって、星は二つに。これ、全て、キャストの皆様への☆のみです。