満足度★★★★
圧倒的史実を題材にする難しさを感じる
三谷さんが、実在の人物を描いた作品は、過去にもたくさんありましたが、この芝居の登場人物は、あの戦慄の史実の中に生きたナチスの将校とそれを取り巻く映画人。
だから、三谷さん御自身が、「これはコメディではない」と断る必要もないほど、どんなに面白く芝居が進もうと、最後は、戦慄の真実を描くことになります。
実在の画家の交流をオリジナルの芝居で描いた時と違って、私達は、幾ら舞台上で、三谷さんの描いたオリジナルのゲッペルスやヒムラーやゲーリングの人間性に、愛着を感じたとしても、彼等がしでかした史実は、厳然と記憶の中にあるので、どうしても、「これはフィクション」として受け止める心の許容範囲が狭められ、その点が、この作品に対する好意的評価に自然と歯止めを掛けるのではないかと、観劇中も終始感じてしまいました。
とは言え、白井さん、風間さん、段田さん、小日向さんという、それぞれ、かつて一世を風靡した劇団で活躍されていた4男優の夢の共演、シルビアさんと新妻さんのまさかの歌唱対決、意外な平さんの軽妙洒脱な演技、小林勝也さんの重厚さなど、観客の喜ぶ要素は山のようで、飽きることもなく楽しめた舞台であったことは事実でした。
新妻さんと、小林隆さんは、本当に素敵な役者さんになられて、益々ファン度が増しました。
2011/04/22 01:44
2011/04/21 11:18
ずいぶん長いこと、エラーだったご様子ですね。
私も、昨年のアワード投稿の時、しばらくエラーが続き、投稿できないかなと思ったことがありましたが、その後は何とか繋がっています。
でも、以前は見なかった、謎の表示は常に付きまとっていますけれど。
この三谷さんの芝居は、三谷さんの作者の書いた動機は非常に納得できるのですが、でも、それ故に、常に舞台の向こうに作者の思いが見え過ぎたきらいがありました。
役者さん演じる、ヒムラー達が、実際の人物だと錯覚させてもらえる瞬間が皆無でした。
舞台の天井に三谷さんが隠れて、役者達を操る糸が見えてしまうような感じ。
やはり、この題材や登場人物を、三谷さんが書くのは門外漢だったような気がしています。