音楽劇 わが町 公演情報 俳優座劇場「音楽劇 わが町」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    音楽劇化面では成功作
    オリジナル楽曲による音楽劇化と聞いて、仕上がりを懸念しましたが、「わが町」の音楽劇としては、大変良い仕上がりの舞台だったと思います。

    特に、1幕で、その良さが生かされていました。
    楽曲も、あの戯曲の雰囲気に合って、とても効果的でした。
    音楽を入れることで、余計体感時間が長くなるのかと思っていたら、いつも長く感じる部分がうまくカットされていて、テンポも良く、厭きませんでした。
    ただ、3幕の演出面には、やや疑問が残りました。

    土居さんの歌声にはいつも癒されるし、演技も、嬉しくなる程、お上手でしたが、でも、欲を言えば、エミリーとジョージは、せめて、20代の役者さんをキャスティングしてほしかったと思いました。

    ネタバレBOX

    最初のシーン、別役さんの芝居が始まったかと思いました。(笑い)

    1幕のグローウ゛ァーズ・コーナーズの学者の解説部分など、いつもちょっと冗長に感じる部分が一部カットされ、台詞がほぼ歌詞にそのまま転用されて、素敵な音楽劇になっていました。
    皆さん、台詞のない動作が自然で、芝居じみていなくて、すんなりと、わが町の住人に加わる心地がして、好感の持てる幕開きとなりました。
    私が過去に観た2つの舞台とは反対で、ギブスさん宅が上手、ウェブさん宅が下手という配置。
    ギブス夫人役の麻乃さんは、いつ観ても間口の広い女優さんだなと感心しますが、今回の役も素敵に演じていらっしゃいました。

    2幕は、ギブス夫妻と、ウェブ夫妻の2つのデュエットが、視覚聴覚共にとても、効果的で、音楽劇にしただけのことはあるなと感心しました。
    ただ、若い二人の恋が通じるシーンが、どうしても、土居さんと、粟野さんの見た目の大人っぽさが邪魔をして、進行係が台詞で言うような、自らの初恋の頃を思い出すというような心情にはなれず、ちょっと残念。
    特に、粟野さんは、30代の酒屋さんが、プロポーズしてる風情で、ここは、やはり、もっと若い役者さんで観たいなと思う場面でした。

    1幕、2幕と、軽快に、心地良く舞台が運び、これは、過去最高作かなと思い始めたところ、3幕は、逆に、演出的に?の多く感じる舞台進行でした。
    もう死者となった、ソームズ夫人やギブス夫人の喋り方が、おどろおどろしくて、あれでは、まるで、妖怪のようでした。エミリーに諭しているのではなく、まるで、脅しているみたいで、何だか、いきなり拍子抜けしてしまいました。心なしか、3幕になったら、客席の雑音も多くなった気がします。
    3幕が一番、作者の訴えたい部分ではないかと思うのですが、その点、やや残念な幕切れとなりました。


    でも、土居さんの豆の鞘を剥く仕草のお上手なこと!進行役の原さんの流暢さ、ダンディな川井さん等、芸達者揃いの「わが町」の住人は、今まで観たどの町より、クオリティ高い住人の住む町ではありました。

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    2011/03/09 00:49

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