天守物語
少年社中
吉祥寺シアター(東京都)
2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
本物だった。
ここまで完成度の高い作品を観たのはいつ以来だろう・・・。
観終わった後はただもう『すげぇ・・・』の一言。
キャンプファイヤーで炎の近くに立っているかの様な、そんな熱気を舞台から感じた。
ラストに向かう怒涛の流れはとにかくもう圧巻。
それこそ近くにいる自分の服が燃えちゃうんじゃ?ってくらいの熱気だった。
おまんじゅう
多少婦人
OFF OFFシアター(東京都)
2011/06/02 (木) ~ 2011/06/06 (月)公演終了
満足度★★★★
ユル面白かった。
うわぁユルいなぁ・・・
というのが一本目を観た感想でした。
けれど、そのユルさが意外と嫌いじゃないんです。
ベルトだってギチギチに締めたらお腹が痛くなっちゃいますから。
腰パンできるくらいのユルさが今の時代はいいかもしれません。
けれど、
三本目、四本目辺りになるとなんだか少々方向が変わってしまい、いやちょっとそれは受け付けられないかも、というか意味がわからないかも・・・となってしまいました。
ただ、役者さん達はなんとも味があってよかったです。
遠藤夏子さんなんて最高ですね、いるんですねああいう人って本当に。実在することに感動を覚えました。
そして石井千里さん、別の芝居で見てその存在感にすっかりやられてしまい、いったいどこの何者なんだろう・・・と思っていたら、まさかこういう場所でこういう色もの系をしてるなんて・・・その贅沢な使い方に劇団の計り知れない可能性を感じましたが、できるだけもっと前面で使ってあげて欲しいなと思いました。
『十二人の怒れる男』/『裁きの日』
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
十二人の怒れる男
まさに怒れる男達が怒りまくってました。
たまにビクッ!ってなったり・・・
ガタッ!って椅子がなったり・・・
そんな一時間四十分でした。
とてもルデコちっくで、
濃密に濃厚に濃縮された空気を感じました。
関ヶ原でダンス
劇団6番シード
吉祥寺シアター(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
少し消化が不良でした。
まぁ、10円のチョコを万引きしたり、たばこを吸ったりする程度の不良度ですが、それでもなにしろ消化しきれないところがあったのは確かです。
汚ないことを書くと、とうもろこしや繊維の多いニラなどを大量に食べた感じかもしれません。そして若干もやもやとしています。
役者さん達はとても上手で貫禄すら見せていて、舞台セットは素晴らしく、衣装も本物テイストで非常に良かったですし、物語を切り取ってみればどれもこれもが名場面になるような、そんな総合的にはとてもよい作品なはずなのですが、なにしろもやもやとし、なんだか置いてきぼりにされた感じがするのはなぜなんでしょうか。
ビタースイート
studio salt
Space早稲田(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ほろ苦い。
四本の短編がどれもほろ苦かったです。
劇場は非常に狭く、雨のせいでムンムンと蒸し暑く、通路まで全て塞がれた形で、今ここで火事でも起これば大パニックで逃げ場のない状態だな・・・などとほろ苦い考えを抱いていたのですが、物語はどれも充分に楽しめる、そして笑える、ほろ苦さの中に甘さのある、まさにビタースイートな感じでした。
神様の言うとおり
NICE STALKER
池袋GEKIBA(東京都)
2011/05/27 (金) ~ 2011/05/31 (火)公演終了
満足度★★★★★
脚本がまず素晴らしい。
言葉の選び方が最高ですね。
つまりセリフが秀逸で、何度も何度もクスリとやったり、アハハと笑ってしまいました。
それだけでも観る価値充分なのに、揃えた役者が他の劇団でも活躍するようなS級クラスなものだから、とても安定してるし、芝居のうまさに魅入ってしまいました。
マルチエンディングということで、残念ながら自分の回はバッドエンドで終わってしまいましたが、それでも最高に楽しめました。
戦争にはいきたくない
らくだ工務店
駅前劇場(東京都)
2011/05/20 (金) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
本物を観た。
完璧ですね。
なにからなにまで。
もうなんだかジワジワと凄かったです。
脚本なんかはこれがまたじっくりねっとりと練られているんでしょうね。じつは少し前に観たお芝居が登場人物がそれほどいないにも関わらずいったい誰が誰なのかまったくわからないままモンモンとした思いを抱きながら観終わったという経験を強いてくれたのですが、こちらの芝居ときたら絶妙なタイミングで出演者の名前がセリフの中に組み込まれていたり、呼び掛けたりで、自然と誰が誰なのかわかるようになっているものですから、ズンズンと物語に入り込むことが出来ました。テクニックですね、ああいうのって。素晴らしいです。
髪結う時 【無事終演致しました!ありがとうございました!】
TOKYOハンバーグ
千本桜ホール(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/31 (火)公演終了
満足度★★★★★
ただもうたくさんの人に観てもらいたい。
そう思った。
人間ってよくできていて、目の下、眼底辺りに小さな穴が空いていて、涙が分泌された時には溢れ出てしまわないようその穴を通って鼻まで流れるように出来ていて、悲しい物語でも観たときには涙は鼻水へと変わり、雨は雪へと変わり、誰もがグズグズグズと鼻をススることになるわけだが、まさに今日の千本桜ホールはその鼻ススリの大競奏会になっていた。
ただ、その細い穴では通りきれない程の涙を大量に分泌し続けた自分はもうずっとずっと泣き続けていたせいで、脱水状態の放心状態で終わりを迎え、グッタリ状態だった。
そのくせなんだか心には、ふんわりと焼き立ての温かみが湯気を立てていたから人間って不思議だ。
とにかくね・・・
この物語はとても悲しい話かもしれないけれど、愛に溢れた温かい話でもあって、胸が張り裂けそうなくらいに切ないけれど、それ以上に幸せの姿を見ることができる、そんなとても心に響く、誰彼構わず、ねぇ観てよ観てみなよ、と勧めたくなる、そんな話なわけだし、話なわけさ。
サリー【s'aeli】《当日券あります!》
アフリカ座
TACCS1179(東京都)
2011/05/20 (金) ~ 2011/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★
グッと来た。
口コミって怖いなって思った。
例えばこの観劇サイトでも、
知りもしない赤の他人の評価を見て、
その作品の評価を決め付けてしまうんだから。
そういった意味でこの作品、なんだか評価が悪く、雨の中マイナーな街、下落合まで足を運び、休息を取るべき日曜の夜を退屈な作品を観ることに時間を費やすことになるとすれば嫌だなと、そう思いながら観劇したわけだが・・・
結論から言うと、とてもいい作品で、まさにいい意味で期待を裏切られることになった。
まぁ正直自分男だから、それなりの男の性を持っているわけで、だから、まぁ少々出来が悪くても、AV女優さん達を目の前で見れるのであればそれはそれでいいんじゃないか?なぁおい?と自分に言い聞かせながらの観始めだったのだが、次第に彼女達の堂々とした演技に引き込まれ、たぶん実生活と被るような内容も演じているんだろうなと思うと、もうなんだかグッと来てしまって・・・
最後は彼女達を単なる役者として見ている自分がいて、そして、感動している自分がいた。
空気ノ機械ノ尾ッポvol.17
空気ノ機械ノ尾ッポ
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台ならではの舞台。
ザムザ阿佐谷といえば、階段状の客席から舞台を見下ろす形の劇場だが、それを反転させ、普段は舞台である場所を客席にし、普段は客席である階段状の舞台を見上げる形になっていた。
それが舞台に立体感を与えていたし、上下左右を縦横無尽に動き回る芝居にはとても合っているように思えた。
場面展開がとても早く、ポンポンとテンポ良く進むものだからなんだか考えが追っつかなくなりそうになり、であればもう考えずに観たまま感じろ!と自分に言い聞かせて激流に飲まれていった一時間半だった。
お願いだから殴らないで
MacGuffins
pit北/区域(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
パワフルでスピーディー。
変にコテコテと盛り盛りしてなく、テンポがよく、観やすかった。
特に説明もないままに早い展開で進んで行くのに、なんの違和感も疑問も無くすんなり受け入れられた。
途中途中使われる映像がよく出来ていて、これがいいアクセントになっていた。
「コンサギ」
東京パチプロデュース
劇場HOPE(東京都)
2011/05/17 (火) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
王道の笑い。
いい感じのコメディーでした。
まるでコメディーの伝統芸能を観ているような、そんなどっしりとした安心感がありました。
変にひねくり回されることなく直球で笑わしてくるものですから、こちらも素直に笑うことができました。
王道ですね、笑いの。
ガクラン
THE 黒帯
テアトルBONBON(東京都)
2011/05/11 (水) ~ 2011/05/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
ガクランに愕然。
現在、過去、未来〜♪
と歌っていたのは誰だったろう?
すっかり忘れてしまった。
昔の話過ぎて。
けれどついつい口ずさんでしまった。
なんだか気分が良くなって。
観終わった後に。
それくらいに、
歌なんて歌うくらいに、
なんともおもしろいお芝居だった。
夏葉亭一門会vol.2(公演終了!!ご来場ありがとうございました!)
王子落語会
王子小劇場(東京都)
2011/05/09 (月) ~ 2011/05/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
ダメでしょ。
全然ダメでしょ。
だって・・・
役者なのにこんなに上手に落語しちゃって、
だったらもうそっちにしちゃいなよと、
そっちの道でがんばっちゃいなよと、
そうしちゃいないよねぇユウと、
そうも言いたくなるでしょ、
ジャニりもするでしょ。
うん。
いやいや本当、
笑わせ過ぎだから。
つゆだくに汗かくから。
加齢臭出始めて迷惑だから。
それにしても・・・
彼らを知らない人達がこれを観たらなんて思うんだろう?
たぶん、若手落語家達の会だと思うに違いない。
そして、すこぶる精鋭達の集まりだと。
それくらいにおもしろかった。
うん、
そういった意味で、
やっぱりダメでしょユウ達。
PerformenVI~Paradiso~
電動夏子安置システム
吉祥寺シアター(東京都)
2011/05/07 (土) ~ 2011/05/15 (日)公演終了
満足度★★★★
長丁場。
二時間十五分三十秒・・・なかなか長かった。
後ろの老婦人達がああだこうだちょいちょいしゃべり、ついには携帯電話まで鳴らしてしまったのにはびっくりしたが、意外と許せた。
たぶんそれはこの作品がなかなかに難しい内容で、ん?あれ?これってそういうことか?どうなんだ?という箇所が何度もあり、後ろの老婦人達がまさにそれに対して疑問を投げ合っていたからだと思う。
つまりそれくらい難しい内容で、なんとも頭をひねるわけだが、それでも間あいだに入れられている色々な試みがおもしろく、そこがもうなんともツボをツンツンと突くものだから、自分も後ろの老婦人達も何度も何度も声を上げて笑ってしまっていた。
たぶん、観劇していた皆さんそんな感じだったのではないだろうか?パフォーメン?ん?神?なんなの?よくわかんないや・・・けど、あれ?なんか、ここ、あはは、笑える・・・みたいな。
そんな作品だった。
湯河原ドリフターズ 菊の間
アリー・エンターテイメント
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/05/06 (金) ~ 2011/05/10 (火)公演終了
満足度★★★★
演出勝負。
同じ脚本で演出を変えるとなればそりゃ派手にもなるってものでしょうね。自分がその立場でもそうします。
とはいえ、二本扱えるとあれば一本はしっとりと行くのでしょうか。そんなことを考えながら、二本を手掛けるこちらの演出家さんの、たぶん派手な方の作品を、その狙うところである笑わせてやるという考えにすっかりハマりながら、バカ笑いしながら、ずっと笑顔になりながら、楽しませてもらいました。
ハッピー!!―夢ヲ見ルマデハ眠レヌ森ノ惨メナ神様―
おぼんろ
GALLERY LE DECO 1F(東京都)
2011/04/28 (木) ~ 2011/05/05 (木)公演終了
満足度★★★★
いいと思いました。
やりたいことをやりたいように自由にやって、それが客に受けて。その流れでどんどん大きな箱へとステップアップしていけばいいと思いました。
あまり日本では見かけないスタイルですが、ラスベガスのマジシャンなんかはあんな感じでやっていたなとふと思い出しました。おおいに客に語り掛け、客をいじり、客を盛り上げていくやり方のことです。シャイな日本人にはあまり向かない気がしますが、元々温かい気持ちのファンが集まっているああいった場では効果的な気がしました。
それにしても繭だとか蚕だとか、よくその題材からあれだけの物語に仕上げたものだと、その想像力に驚かされました。
狭い客席にぎゅんぎゅんに押し込まれ、こりゃ短時間で音を上げてしまうかも、と思いきや、一時間半集中して観終えることができました。
よ~いドン!!死神くん
ポップンマッシュルームチキン野郎
吉祥寺シアター(東京都)
2011/04/29 (金) ~ 2011/05/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
観れて良かった。
どうしても観たかった作品なので観れて良かったです。
そういうのってあるじゃないですか?どうしても食べたいものがあって、それを食べれた時の感動って。『焼肉食べてぇ』って時に食べれた焼肉って最高じゃないですか。
ましてやそれが叙々苑だったら最上級じゃないですか。
この作品はまさにそれでした。
それどころか、本当は焼肉なんて食べたくなかったのに・・・って時に出されたとしても『うわっ!うめっ!』となるくらいに游玄亭でした。
さくらノート
TEAM 6g
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/04/28 (木) ~ 2011/05/05 (木)公演終了
満足度★★★★
良かった。
そして泣いた。
女優さん達が綺麗だったので、それだけでも観てて飽きなかった。劇場全体をうまく使ってたし、舞台セットがよくできていた。
ニューヨーク、ニューヨーク
東葛スポーツ
Glad(東京都)
2011/04/22 (金) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★
おもしろい試み。
渋谷のライブハウスでラップのみを駆使しての芝居、ということでいったいどんなのかなと、まったくの手探り状態で観てきました。
場所が少々わかりにくく、最初隣のライブハウスに入ってしまい、受付の女子二人に『ここで今日芝居ってやります・・・?』と、催し物の状況を尋ねると『はぁ?今日ステージに立つのはシンガーだけですけど?』と、ガムでもクチャクチャやりそうな勢いで答えられたのと、英語混じりの回答に驚きを隠せず『え、し、しんがー?』と聞き直すと、もう一人の優しめの女子が手でマイクを握るフリをしながら『歌手ですよ、か〜しゅ』と丁寧に教えてくれたのですが、それが逆になんともその場にいることへの場違い感を感じさせてくれ、いたたまれない気持になりました。
なんだか都会に出てきたばかりの田舎者の気分でした。
まぁ実際そうなのですが。
まぁ関係ない話ですが。
会場に入ると喫煙可の状態で、隣の男性もたばこをくゆらせていましたが、場内が煙っていたのは演出上のスモークで、他の方が言う程気になることはありませんでした。
一時間の短い時間設定はこの舞台ではちょうど良かったですが、10分以上も遅れてきた客の来場を待つ意味がわかりませんでした。
たしかに冒頭部分、おもしろい趣向を凝らしていましたが、遅れたから話が繋がらないってこともないでしょうし、そもそも遅れて来た数人の為に、間に合うように早く来ている数十人を待たせるというのは、真面目な客達を少々バカにしているのでは?と思ってしまいました。
ましてや席は散在タイプで、遅れて来てもある程度融通が効く感じな様子でしたし。