kikiの観てきた!クチコミ一覧

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ケムリ少年、挿し絵の怪人【全公演終了いたしました!誠にありがとうございました!】

ケムリ少年、挿し絵の怪人【全公演終了いたしました!誠にありがとうございました!】

くちびるの会

吉祥寺シアター(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/07 (火)公演終了

満足度★★★★

オトナの子ども心をくすぐりつつ進む冒険譚。

時代に取り残されたような町で起こる奇妙な事件に、虚構と現実が交叉する。

あばくことで失われるもの。それでもあばき続けなくてはならない存在。身を隠しつつ町に潜んでいた探偵と、彼に対する怪人の想い。

なるほど!な配役と、懐かしくも怪しい商店街のセットが、物語の魅力をいっそう引き立てていた。

残花―1945 さくら隊 園井恵子―

残花―1945 さくら隊 園井恵子―

特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター

座・高円寺1(東京都)

2016/06/01 (水) ~ 2016/06/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/06/03 (金)

重い題材を、丁重かつ誠実に物語へと落とし込む姿に胸を打たれた。

観終わって、長い息を吐く。深呼吸というより、まるでずっと息を止めていたかのような心持だった。そういうある種の緊張感を背負いながら観る舞台だったように思う。

翼とクチバシもください

翼とクチバシもください

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/14 (土)

フィリップ・K・ディックの小説やスチームパンクのような、ある種のSFめいた非現実感、あるいは現実が虚構に浸食される感じや人でない者の意識を具象化する印象がジンワリとまといつくような不思議な舞台。

観終わってまたすぐに観たくなって、ファンの方々がこの劇団を称する「観るドラッグ」という形容詞に納得した。

Hamlet

Hamlet

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/05/21 (土) ~ 2016/05/31 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/21 (土)

固有名詞を排し、スーツ姿や赤いハイヒールなど現代風な衣装をまとった人々の、普遍的な愛憎劇としてのハムレット。

この演出家らしいスピーディな展開と荒々しい感情の発露が観る者の神経を揺さぶった。

青森に落ちてきた男

青森に落ちてきた男

渡辺源四郎商店

ザ・スズナリ(東京都)

2016/05/03 (火) ~ 2016/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/05/07 (土)

実際にあった出来事を、わずかに位相を変えて寓話めいた形で描きつつ、その筆致は生々しい。

敵兵を「鬼」の姿で描くけれど、実際に鬼の所業を行っているのは人間、それも同じムラに住む人々だ。

欲望や憎しみや見栄や保身やウソ。力尽くで女を襲ったり、権力を嵩にきて人々を死に追いやったり、生体解剖をしようとしたり。

物語の最後に置かれた70年後の戦争。この舞台の原型となる作品は、戦後70年を迎えた年に上演されている。寓話というには収まりきらない時代への思いが、そこにこめられているのだろう。

LADYBIRD,LADYBIRD

LADYBIRD,LADYBIRD

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/05/06 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/07 (土)

舞台いっぱいに踊る子どもたちのキラキラした笑顔と、大人がニヤッとするようなシニカルなやり取り、そして、それぞれの事情を抱えながら精一杯に生きていく人々(いやムシだけど)の姿に、大人も子どもも楽しめるミュージカルとなっていた。

ミュージカル「ハルらんらん♪―和崎ハルでございます」

ミュージカル「ハルらんらん♪―和崎ハルでございます」

わらび座

わらび劇場(秋田県)

2016/04/16 (土) ~ 2017/01/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/05/03 (火)

女性の、いや人間の権利や尊厳、誇り、そういうものを言葉で説明するよりもっと切実に描いて、我々が我々らしく生きることを考えさせる。

英雄でも超人でもない当たり前の人々が、精一杯生きる姿の強さと美しさが印象に残った。

憧憬新道 DOUKEI SHINDO

憧憬新道 DOUKEI SHINDO

新生 萬屋錦之助一座

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/04/27 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/05/01 (日)

戦国時代を駆け抜ける義賊とその周囲の人々が描く、アクションあり、ダンスあり、笑いありの気軽に楽しめるエンターテイメント時代劇。

突っ込みどころももろもろあれど、言うだけ野暮、笑って泣いて楽しめばいい、という印象の舞台。

ダンサーさんをきっちり入れた劇中レビューや殺陣などのアクションも見どころだろう。

イントレランスの祭

イントレランスの祭

サードステージ

よみうり大手町ホール(東京都)

2016/04/29 (金) ~ 2016/05/06 (金)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/04/30 (土)

テンポ良く進む物語に笑ったりハラハラしたりしながら、いろいろ考えたりもさせられる。

うーん、美醜による区別も、差別のひとつかもしれないけど、好みだって恋愛だからなぁ。

ある人物の自己犠牲による偽悪的な振る舞いで、主人公が救われる『泣いた赤鬼』的な物語の座りの良さが、シリアスなテーマをこじんまりとまとめてしまったような気がして少し気になった。

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/04/30 (土)

A・B2つのうち、Aプログラムのみ拝見した。

『戦争に行ってきた』
登場人物が皆、普通の人のように見えるのに絶妙に気持ち悪くて、何でだろう?と思っていたら、ラストまで観て腑に落ちる。もちろん人物だけでなく内容もしっかり気持ち悪い(←褒め言葉)。いわば、リアリティについての物語。

生理的な反応を、会話劇と地続きに挿入していくことによって見せる、ある種の生々しさ。それをギリギリで嫌悪ではなく演劇的な面白さに見せているのは、演出と俳優のチカラの確かさだろう。

作品としての好き嫌いは別れるところかもしれないが、ひりつく感じが否応なく印象に残る作品となった。

『その好きは通らない』
喫煙所での男ばかりのよもやま話がいつしか恋バナへ発展し。そこへ現れる女たちとのやり取りは、「ありそう」な感じを超えて面白かった。大森茉利子さんの佇まいが「いつもの喫煙所」に違和感を持ち込んで、「人生」みたいな何かを感じさせた。

DAICHI

DAICHI

(株)ユアストーリー

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2016/04/24 (日) ~ 2016/04/29 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/04/29 (金)

仕事。家族。跡取り。パートナー。親と子。そういう当たり前の人間の営みや、人々の喜怒哀楽がこんなにしみるのは、自分も当たり前の人間だからだろう。

大地と向き合い、食べ物を育てる農業という仕事。そして、「ありがとう」という言葉。

大切なものを喪った嘆きとそこから一歩ずつ歩き出す姿に素直に寄り添える、そういう舞台だった。

夢の劇 -ドリーム・プレイ-

夢の劇 -ドリーム・プレイ-

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2016/04/12 (火) ~ 2016/04/30 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/04/29 (金)

美しいものを観た。久しぶりに、そんなふうにシンプルに感じられる舞台と出逢った。

遠い昔どこかで観た絵画のような物語。その非現実感を醸し出しているのは、逆説のようだけれど生身のダンサーたちだったかもしれない。ありえないくらいしなやかな身体が物語を牽引していく。

キャストもそれぞれ味わいのある演技で物語によく似合っていた。

詩的な言葉に満ちたどこか懐かしい物語。それを彩るしなやかな舞踏と生演奏。描きだされた世界に浸って、しばし日常を忘れた。

サイクルサークルクロニクル

サイクルサークルクロニクル

monophonic orchestra

APOCシアター(東京都)

2016/04/06 (水) ~ 2016/04/11 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/04/10 (日)

奇妙に飛び去っていく時間は、目を背けていた私自身の人生。その自覚が観る者の胸を刺す。

誰もがそれぞれ違う時間を生きてるのだと寓話的にあるいはSFとして描く筆致は、少し辛口で同時に少し優しい。

終演後にふと当パンを見る。役名につけられた説明(それぞれの時間の経過の仕方?)にニヤッとしてしまった。

「全 員 彼 女」「全 員 彼 氏」

「全 員 彼 女」「全 員 彼 氏」

劇団競泳水着

小劇場B1(東京都)

2016/04/08 (金) ~ 2016/04/17 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/04/10 (日)

ナンセンスなラブコメ風の設定からにじみ出る、女と男のそれぞれのせつなさ。

観る者の角度を変えて、同じ場面が繰り返される様子が、すれ違う男と女の心を浮かび上がらせた。

男女2両サイドから描いた公演のうち、女性が主人公のバージョンしか拝見できなかったのが残念。

イトイーランド

イトイーランド

FUKAIPRODUCE羽衣

吉祥寺シアター(東京都)

2016/04/14 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

隣の隣のイトイーランド♪
FUKAI PRODUCE羽衣を観るのは初めてだったので、最初のうちは、うわぁ、何?何これ?と呆然。

けれどしだいに引き込まれて、終演後はついパンフや台本、CDを買い込むほどでした。
帰り道、脳内で(あなたの星の隣の隣のイトイーランド♪)と、劇中の曲が流れ続け、言葉だけでは描けない世界ってあるよなぁ、とボンヤリ思ったりしました。

神芝居

神芝居

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2016/04/20 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★

初X-QUEST!
気になっていたX-QUESTの舞台をようやく拝見できました。

アクションやダンスの格好良さ、パワフルに走り回るキャストの魅力、濃いめの笑いなど多くの見どころを散りばめつつ、様々なモチーフを重ね、繋げていく展開に、ふお〜そうか、そうくるか〜〜とテンション上がりました。

終演後の撮影タイムも楽しくて、次の公演もぜひ拝見したいと思いました。

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

壱劇屋

王子小劇場(東京都)

2016/04/06 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

濃密な90分
四面舞台で描かれる奇妙な脱出劇は、身体表現・緊張感・笑い・カタルシス、そして、静かな感謝などに彩られた期待を裏切らない濃密な90分だった。
パフォーマンスと物語の結合が心地よく、観終わって充足感を感じながら劇場をあとにした。

やみつきになりそうな劇団だった。

「爆裂!GR7!」~じゃじゃ馬姫を奪還せよ~

「爆裂!GR7!」~じゃじゃ馬姫を奪還せよ~

しゅうくりー夢

駅前劇場(東京都)

2016/03/10 (木) ~ 2016/03/14 (月)公演終了

満足度★★★

ヒーローとアイドルと。
馬鹿馬鹿しくかつチャーミングなストーリーと魅力なキャラクターが楽しい2時間ちょっとのファンタジー。

なるほど、ヒーローやアイドルがいるから日常がキラッと輝くんだね、なんてことを観ていて思った。

登場人物の抱く愛や憧れや野心などそれぞれの切実さを、キャスト陣の熱演がきちんと伝えていた。

笑いもアクションもたっぷりで、特に椎名さんの跳び蹴りが素敵だった。

脱兎の見上げる、

脱兎の見上げる、

荒川チョモランマ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2016/02/25 (木) ~ 2016/02/29 (月)公演終了

満足度★★★★

奇妙な家族の物語
奇妙な家族(とその周りの人々)の再会と再開を描くシチュエーションコメディ(でいいのか?)。

キャラクターの造型がチャーミングで、可愛らしい雰囲気の物語。観終わったあとに、家族の在り方に正解なんてないのかも、と思った。

女優さんたちが可愛くて眼福だった。

審判

審判

藤波瞬平一人芝居

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/02/24 (水) ~ 2016/02/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

集中と緊張
2年ほど前に別な方が演じたのを観て衝撃を受け、戯曲を探して読んだ。

それを、藤波さんが演じる。劇団しゅうくりー夢への客演で初めて彼の芝居を観たのは、もう何年前になるだろう。加藤健一事務所の研究生だった彼がこの『審判』を演じるのだと思うと、観る前から期待が高まっていた。

安易に人を誘うには重過ぎる内容だけれど、あえて友人と一緒に観た。

スゴかった。

閉ざされた空間で裁く者と裁かれる者が向き合う。息を吐く音や身じろぎする椅子の軋みさえ響いてしまいそうな緊迫感。

生と死、人間の尊厳、正気と狂気とか。

ヒリヒリするような集中と緊張の2時間15分。土曜のマチネを観たのだけれど、その日も翌日も2公演なのだと思うと何だか胸が痛むような気がした。

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