満足度★★★★
ある夏の日の出来事が少年の心に残した影。男子高校生2人の会話から始まった物語は、過去の事件を巡って記憶と会話を重ね、時間を遡りつつ進んでいく。小学校のプールで起きた事故。欺瞞。そして小さな真実。家族、教師、友人、それぞれの立場や想いをかいくぐり、あの日何があったか思い出すことで少女のことを自分の中にとどめようとする。少女の歌声が鮮やかによみがえる。繊細に積み上げられた場面を彩る郷愁。夏の匂いの記憶が、この物語を自分にとってもどこか懐かしいものに感じさせた。
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2017/12/31 03:23
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