jokermanの観てきた!クチコミ一覧

661-680件 / 1301件中
風博士

風博士

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2019/11/30 (土) ~ 2019/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/27 (金) 19:00

 楽前に2度目の観劇。初日に観たときより滑らかに芝居が進んでいるように感じた。初日には気づかなかった、エンディングの意味に気づき、改めて北村の発想の見事さを感じた。

ほしぞらのしたで

ほしぞらのしたで

RISU PRODUCE

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/12/25 (水) ~ 2019/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/26 (木) 19:00

 久々に観る RISU PRODUCE だったが、いつも通り、いい芝居だった。夜間中学を題材に、主宰で作・演出の松本が丁寧に取材したらしく、脚本がしっかりしていて、全て実話ではないか、と思わせるリアリティがすごい。役者陣も多様な年代や状況などを感じさせてくれるキャスティングで熱演である。最後にタイトルを含むセリフが1回だけ出てくるシーンが見事で、気持ちよく帰れる芝居だった。

Crime - 1st  -

Crime - 1st -

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2019/12/21 (土) ~ 2019/12/27 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/22 (日) 19:00

 現実の犯罪を3件、3劇団が40分ずつの芝居にする企画。興味深いが、現実の犯罪だけに気持ちよく帰れるというわけにはいかない。The Stone Age ブライアントは、何回もTVドラマになってる福田和子の、最もしんどい時期をある意味ストレートに描いた。芝居屋風雷紡は、佐世保小6女児同級生殺害事件の6年後、加害者の少女が施設から帰宅した時期を、一種幻想的と言うか、ファンタジー的に描くあたりが吉水の脚本の巧さと言えよう。singing dogは本作のため作られたユニットだそうだが、新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件を扱うが、時間軸を前後させる作りが巧く、犯人の妻役を演じたKAKUTAの異儀田の熱演が光る。

兎の姉妹

兎の姉妹

兎座

小劇場B1(東京都)

2019/12/17 (火) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/22 (日) 13:00

 初見の劇団。今村美乃が出るというので観に行ったのだが、いい芝居だった。女優になる夢を実現させるために家出同様に東京に出た妹が、姉の葬儀にも帰らず、10年ぶりに帰郷するや、その姉との葛藤を監督として映画にする、…、というストーリーはありがちだが、悪くない。家族同様に付き合いをしていた人々と、映画関係者の役者や助監督・カメラマンとのやり取りの中で、妹が、実は自分が姉を慕っていたのだと発見するエンディングが美しい。欲を言えば、セリフに拘っている部分と全く気を遣っていない部分との落差があることか。でも、気持ちよく帰れる芝居だった。

正しいオトナたち

正しいオトナたち

テレビ朝日/インプレッション

東京グローブ座(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/24 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/12/17 (火) 14:00

 2011年に大竹しのぶ主演で観たが、それとはまた違った味わいの舞台になっていた。子ども同士が喧嘩して一方が大怪我をした2組の夫婦が、冷静に話し合おうと被害者の家に集まる。最初は落ち着いて話しているが、徐々に互いの本性が現われ、加えて夫婦間のトラブルなども露になり、混乱に陥る、という(ブラック)コメディ。初のストレートプレイだと言う真矢みきを含めて、4人に役者はしっかり演じていたが、あまり笑いが起こらないのは、演出の問題かと思う。もっともっとテンポよくセリフのやり取りをすること、グローブ座の幅広い舞台を全部使ったことで視点が動き過ぎること、などが問題ではないだろうか。いや、個人的には充分に楽しんだのだけれど…。岡本健一が下品な夫に見えないというのも問題かも。

今、出来る、精一杯。

今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

新国立劇場 中劇場(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/12/13 (金) 18:30

 2013年にスズナリで初演、2015年にテアトルBONBONで再演した劇団の代表作とも言える作品を、初の新国立劇場進出に際して、ミュージカル化して上演する。面白いとは思うのだけれど、初演も再演も観ている者としては、やはり小さな劇場が合う芝居だと思う。ミュージカル化は『プレイハウス』の大成功からヒントを得たもののようにも思うが、本作には向かず、冗長になっただけに思えた。豪華な役者陣は皆巧く、しっかりと役割を果たしているが、大きさに負けた舞台、という印象が拭えないのが惜しい。

Butterflies in my stomach

Butterflies in my stomach

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/08 (日) 18:00

 素晴らしい舞台だった\(^_^)/~~。観るべし!主宰で作・演出の吉田小夏が、女性ユニットOn7の旗揚げ公演の元々はリーディング用に書き下ろした戯曲で、その後、さまざまな形で上演された作品を「本家」で上演する。とある女性の7歳から77歳までを7人の女優で描くというのはありうるアイデアだが、吉田の戯曲は丁寧で細かく、しかも、人生のさまざまな部分での「あるある」を描いて、それは私も経験しました、というようなエピソードに満ちているあたりは巧い。役者陣も、年齢にそれなりにバラツキがあり、容姿もさまざまな人選が見事だ。個人的には、声質の7人の差に気づき、ラジオドラマにしてもよいな、と思う楽しい舞台だった。

詠み人知らず

詠み人知らず

神保町花月

神保町花月(東京都)

2019/12/05 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2019/12/08 (日) 14:00

 面白いけれども、勿体ない部分もある舞台だった。公園に住むホームレス的な男が開く短歌教室に参加する、さまざまなワケありの人々の物語を、笑わせつつも、ホロリとまとめる辺りの脚本は巧い。ホームレス男を演じる、なだぎ武や小劇場・大劇場で活躍の岡田あがさ,小野川晶,道井良樹なども見事に枠割を演じる中、よしもと芸人の下品なアドリブが芝居を壊しているのが勿体ない。本来なら☆3~4つとしたいところだが、芸人の下品さが嫌でこの評価とした。

トラブルショー

トラブルショー

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2019/12/05 (木) ~ 2019/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/06 (金) 18:30

 ミュージカル座で何回も上演された手慣れた作品。3時間という長丁場なのに、全く飽きずに観ていられるのは見事である。1幕は、急遽、脚本を頼まれた作・演出家が個性的な役者陣に翻弄される物語。2幕は、初日を迎えるが、次々にトラブルが発生し、「ショー・マスト・ゴー・オン」で何とかするという物語で、バックステージ物の定番を2つ楽しめる感じが楽しい。役者陣も見事なもので、本格的な歌唱とダンスが楽しめる。空席があるのが勿体ない。

フィクション

フィクション

JACROW

駅前劇場(東京都)

2019/12/04 (水) ~ 2019/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/04 (水) 19:30

 いつもJACROWとは全く傾向の違う作品だった。オリンピック後の不景気で苦しむ、蒲田の工場,北海道の旅館,木更津のコンビニを、作者の中村が取材したノンフィクションである、という設定のフィクション。家族に焦点を当てた3話が入り乱れて展開されるのは悪くはないが、やや無理矢理な関係性を作るのはどうかな、と、思わないではない。個々の場目では役者陣は熱演しているがk、そもそも、オリンピックの後、なぜ不景気になったのか、が語られないのは、不十分な印象が拭えない。

女友達

女友達

タカハ劇団

スタジオ空洞(東京都)

2019/12/03 (火) ~ 2019/12/07 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/12/03 (火) 19:30

 面白い\(^_^)/~~。私生活でも仲が良いらしい、異儀田夏葉,高野ゆらこ,高羽彩の3人が、久々に会う同級生を演じる105分。3人のポジションが見事にフィットしていて、前半は引きこもりということで出ない高羽が登場するあたりから、物語が動く。最終場面の入れ子構造も巧いし、個人的には「ルヴァン」ネタが大ヒットだった。ただし、高羽には、こういった芝居だけでなく、「わたしを、褒めて」のような系列の新作も期待したい。それだけの力がある人だと思うから。

『Q:A Night At The Kabuki』inspired by A Night At The Opera

『Q:A Night At The Kabuki』inspired by A Night At The Opera

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2019/11/09 (土) ~ 2019/12/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/01 (日) 14:00

 3度目の観劇。やや引いた席から観た所為か、舞台美術の美しさを改めて認識した。広瀬すずはますます舞台に慣れてきていて、初舞台とは言え、2ヵ月の公演の経験が活きてきているように思う。上川隆也は野田の作品とは質が異なるように思っていたが、異種格闘技的な味を出してきているように思う。竹中直人はデビュー時のコメディセンスも、その後の役者センスも、どちらもしっかり出してきている。何より、松たか子の存在が大きい。

風博士

風博士

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2019/11/30 (土) ~ 2019/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/11/30 (土) 19:00

 日本文学に想を得て、北村想が自由に本を書くシリーズの第6弾。坂口安居のファルス(滑稽)小説を元に、興味深い世界観を見せる。元の小説は、風博士が友人に復讐するという物語だが、本作は、おそらく満州と覚しき戦中の売春宿の物語。中井貴一扮する宿の主人を軸に、売春婦、軍人、等々の登場人物が描く、ファルス劇。北村は反戦劇ではないと言っているようだが、どうしても戦争の悲惨さが目立つ。役者陣も、ある意味でピッタリな感じだが、何が言いたいかは分からない、というより、何も言わずにただ見てくれ、という舞台に思えた。

ピンポンしょうじょ→→

ピンポンしょうじょ→→

劇団ダブルデック

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2019/11/29 (金) ~ 2019/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/11/29 (金) 20:00

 リターンズ、とあるように、2014年に上演したものの再演。初演を観た方から、面白いと聞いて観に行ったのだが、確かに面白い。ただ、私に面白いと教えてくれた方によれば初演の方が面白いとのこと。でも、充分に面白い。95分間、ほぼ休みなく動き、歌い踊り、演技するというのだけでも、観ていて気持ちが良い。確かに物語がややくどく感じられるところもあるが、興味を持ち続けて観ていられる舞台だった。

廃優

廃優

牡丹茶房

王子小劇場(東京都)

2019/11/28 (木) ~ 2019/12/01 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/11/29 (金) 15:00

 牡丹茶房らしくダークだが、不思議と後味が悪くない。例によって、人が次々に死んでいくのだが、今回は全体の構造をしっかり作り上げているからだろうと思う。ただし、登場人物多過ぎ、時間(140分)長過ぎは勿体ない。

小さなエイヨルフ=罪過

小さなエイヨルフ=罪過

クリム=カルム

新宿眼科画廊(東京都)

2019/11/22 (金) ~ 2019/11/27 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/11/20 (水) 14:00

 大島朋恵が出ているのは知っていたが、評判が良いので観に行った。独特の美学を持つ作品だった。イプセンの有名な戯曲で、まともにやれば2時間になる作品を70分程度にまとめるため、マジックリアリズムの手法を使っているというが、何よりも兄妹をヴァンパイアにしたという換骨奪胎振りは見事である。元の戯曲をそのまま使っているのではなく、エッセンスを詰めたという印象の舞台か。残念ながら凝った舞台美術は私にフィットしなかったけれど、努力の跡は買いたい。興味深いユニットなので、この後もちょっと追っかけてみたい気がする。

鎌塚氏、舞い散る

鎌塚氏、舞い散る

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2019/11/22 (金) ~ 2019/12/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/11/26 (火) 19:00

 楽しく見せてもらった125分だった。貴族制が残ったという架空の日本で、全国ナンバー1執事として知られる鎌塚アカシ(三宅弘城)の活躍(ドタバタ?)を描くシリーズの5作目。シリーズすべて観ているのだが、どれも面白く、また、続けて観ていることで分かる部分もあり、今回が初見という観客には、味わいが分かりにくい部分もあったのではないか。今回は、今までになかったタイプのシーンがあり、今後の発展が期待される(^_^;)。ただ一人だけ本物の貴族の役を演じる大空の風格は見事だった。

下山と帰国

下山と帰国

くによし組

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2019/11/20 (水) ~ 2019/12/01 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/11/22 (金) 19:30

 2人して「ひきこもり」になった兄妹を、互いに秘密にしておこうとする母が、兄は登山、妹は海外旅行中ということにするが、その母がいなくなり、秘密がバレる…、という展開。作・演出の國吉本人もひきこもった時期があり、実話っぽい部分も含むが、いつもの切れ味は今一つな印象が惜しい。MCとか受付とか、役だか何だか分からない存在を入れたあたりは、いつもの「異常で、正常で、シュール」な國吉だったが、永井があんまり変な人に見えない、という点が勿体ない。劇団員の音が田舎に帰ったのだが、彼女を失ったことは意外に大きいのかもしれない。

掬う

掬う

ロ字ック

シアタートラム(東京都)

2019/11/09 (土) ~ 2019/11/17 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/11/15 (金) 19:00

 作・演出の山田佳奈が口字ック本公演で初めて「家族」を描いたと当パンに書いてる。確かに家族が重要なテーマになっている。しかし、山田が描く人物は奇抜な性格になっていることが多く、「家族」を描いた、というより、「家族という面倒な繋がり」を描いたものになっている。何より、共感できる人物が一人も登場しない辛さがあると思う。劇団員をあまり登用せず、客演を軸に描いているが、馬渕英俚何・千葉雅子の使い方は巧いと思う。

『Q:A Night At The Kabuki』inspired by A Night At The Opera

『Q:A Night At The Kabuki』inspired by A Night At The Opera

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2019/11/09 (土) ~ 2019/12/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/11/10 (日) 19:00

 書き忘れていたが、東京第1ラウンドを観た後、大阪・北九州と回って東京第2ラウンドの3ステージ目に2回目の観劇。滑らかになっている。特に、初舞台の広瀬すずは、第1ラウンドでも違和感がなかったが、今回もよい役割を果たしている。全体に、初野田地図の役者が多い中、重要なセリフやきっかけは、松たか子が担っているのだなぁ、と改めて思った。エンタメ性が強く出るかと思った舞台だったけれど、テーマ性があり、重たい内容になっているのは、近作では『ロープ』に似ているだろうか。

このページのQRコードです。

拡大