満足度★★★★
鑑賞日2021/01/04 (月) 19:30
スポーツに関する30分弱の短篇を2作上演するが、2作とも短篇という特徴を活かした巧妙な作品で、面白かった。
『コントロールオフィサー』は旧作。水泳選手の競技会の後の、ドーピング検査場での会話。4人の選手同士の関係が徐々に分かる会話の積み上げも巧みだが、それぞれに付く4人のドーピング検査員(コントロールオフィサー)という「異質」な存在がいることで生じる微妙な感触の違いが特に面白く、客席からの苦笑が絶えなかった(時に爆笑)。さすが平田オリザだと思った。
『百メートル』は陸上競技の控室での扱った新作。こちらも、4人の競技者と2人のコーチの関係などが徐々に明らかになる展開が巧みだが、1人だけ場を認識していない存在がいて、その人の気づかなさ具合が面白い。
両作とも、スポーツ選手がそのような会話をするのか、という疑問はあるが、いや、するかもしれない、という微妙な線を巧く作り上げている。新年最初の観劇として、いいものを観せてもらった。観て損はない。30分弱-休憩10分-30分弱。