シェアの法則 公演情報 劇団青年座「シェアの法則」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2021/01/28 (木) 18:00

    シェアハウスを舞台にした「いい話」だった。観るべし!
     劇団「日穏」の主宰である岩瀬晶子が青年座に書き下ろした新作。日穏は私のお気に入り劇団の一つだが、岩瀬の書く脚本は緻密で無駄がない良さがあると思っている。本作もその特徴が発揮されている。
     とある町にあるシェアハウス「トゥルペンハウス」は、大家のキヨコ(登場しない)の意向で周辺の同業よりかなり安い家賃で、ワケアリ系の入居者が多い感じ。今日も朝から住人たちが細かい「あるある」事件を起こすが、実はそのキヨコが骨折し入院し、夫の秀夫が乗り込んで来たため、会計士の秀夫(山本龍二)は儲けにならないシェアハウスを儲かる状況にするために家賃の値上げを言い出す…、というような展開。序盤で細かいエピソードを提示し、家賃の値上げという事件を通して、さまざまな展開を経て、伏線を回収してエンディング、という岩瀬の脚本がまず良い。加えて、青年座のような伝統のある劇団の特徴として幅広い年齢の役者が出演できるという利点も活きて山本・岩井富子らのベテランから高校生役まで、役に見合った役者が生き生きと演じる様子は観ていて安心できる。
     おそらく観ている観客のほとんどが、こうなってほしい、と思うエンディングにほぼなるというあたり、ベタと言えばベタである。だが、ベタであることで安心できる舞台というものもあるということを改めて確認できる芝居もあるのだと思う。ベタにはベタなりの良さがあるのである。また、カーテンコールでの岩井の喜びようを観ていて、演じる側も嬉しい舞台がある、という当たり前のことにも気づかされたのも収穫だった。

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    2021/01/29 18:10

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