満足度★★★★★
鑑賞日2021/02/26 (金) 18:00
土居裕子と大森博史による2人芝居。いいモノを観せてもらった。観るべし!
『ロミオとジュリエット』のセリフを解体・再構成して別のラブ・ストーリーを作り上げるというベン・パワーの作品を、松岡和子により改変・調整し、若手演出家の荒井遼の演出で日本での初演。熟年の夫婦、「ロミオ」と「ジュリエット」の日常やら回想やらを、原作のセリフで構成する80分。ロミジュリのセリフを全て覚えているわけではないが、おそらく変えていないんだろうな、と思わせる古い言い回しが、改めて「夫婦の愛情」を際立たせる。若い観客も少なくないが、ロミジュリを何回か観たことがある方が楽しめる気がする。「A Tender Thing」というタイトルもいい。印象的なダンスシーンが挟まれるが、あえて巧く踊り過ぎないという演出が、そして役者がいい。大森の生ギター伴奏による土居の歌という「プレゼント」もある。エンディングのダンスシーンは本当に美しい。
アフタートークで、大森がまず名乗りを上げ、後から土居が入ったと知る。昨年9月に上演する予定がコロナで延びたそうだが、そのことで「熟成」されたような気がした。
2004年の『タン・ビエットの唄』で凄い女優だと思った土居だが、アフタートークの風情がとにかく可愛くて、惚れ直してしまった(^_^;)。