jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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治天ノ君【次回公演は来年5月!】

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはりスゴイ
3年前に駅前劇場で上演された話題作の再演だが、初演は観てない。大正天皇という、少し目立たない存在に焦点を当てて、それを様々な立場から描く140分は全く飽きることなく、ほぼ緊張感の中で淡々と進む。松本紀保の存在感が見事だが、感情をほとばしらせる場面の岡本篤もステキだ。評判通りのスゴサで、堪能した。

邪宗門

邪宗門

月蝕歌劇団

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/08/27 (水) ~ 2008/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白い!
 寺山らしい構造の作品を、月蝕風に解釈して好演。あまりにも面白いので9月1日にも観に行ってしまった。若い役者陣が力を伸ばしてきていると思った。

『愚図』

『愚図』

KAKUTA

あうるすぽっと(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

お見事!
2014年の『痕跡』で鶴屋南北賞を受賞した痕、再演モノを経ての書き下ろし作品だが、桑原らしい感触の芝居である。さまざまな一見無関係に思えるエピソードで始まり、それらが収束していくという構成も見事だし、少し笑わせ、しょうがないなぁと思わせ、そして切なく終わる展開も見事だ。何よりも寂しい人への暖かい眼差しが感じられるのが良い。KAKUTAにしては、そう多くない人数での群像劇だが、メインの夫婦を演じた林家正蔵・千葉雅子の組み合わせが実に良い。

それにしても、1日に観た青☆組の吉田小夏と、桑原が、どちらも平田オリザ女子高生企画の『転校生』に出ていたというのは、興味深い。

悪巧みの夜

悪巧みの夜

同級生演劇部

梅ヶ丘BOX(東京都)

2016/11/01 (火) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

「同級生」らしさがいっぱい
同じ孤児院を過ごした「同級生」が、その後輩の失踪を調べる内に意外な犯罪に辿りつく、という巧みな作品だった。作・演出の須貝は monophonic orchestra で書いてる作品とは全く違ったテイストの芝居も書けることを示したし、須貝・浅野・佐藤の3人も、キャラクターのしっかりした「同級生」という存在を描いてステキだった。

わたしを、褒めて

わたしを、褒めて

旋風計画

ザ・ポケット(東京都)

2016/10/26 (水) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

本家より良いかも
タカハ劇団の昨年の作品を、旋風計画(「アネモイプログラム」と読む)というユニットが、高羽彩本人の演出で上演する。戯曲は、ここ数年の高羽の作品の中でもトップレベルと思っていたので興味深く観に行ったのだが、間違いなく良い芝居だった。本家は駅前劇場で演ったのだが、両側に広い駅前より、タイトで縦長の客席のポケットの方が、濃密感が出て良いようにも思えた。全く知らない役者陣だが、それぞれの役割をしっかり演じてて巧かったけど、何と言っても戯曲の見事さを改めて感じた。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/08 (土) 18:00

予想以上に面白く観せてもらった。観るべし!。90分。
 全く性格が逆の双子の姉妹の、1955年,1969年,1989年の出来事を、大原櫻子が一人二役で演じる。戯曲に指定と思われるカツラが6つ舞台上にあるところからスタートし、2人の3時代での6場で構成。サブに小泉今日子と八島智人、さらに、お洒落な場面転換を担当する王下貴司・斉藤悠の2人が出る。大原の熱演は素晴らしいのだが、何よりも戯曲が強烈な社会的メッセージを発する。フェミニズムの文脈で語られそうでもあるが、もっと普遍的な人間のあり方に迫っていると思う。作者とほぼ同世代の私にとっては興味深いキーワードがいくつか出てくるのだが、それを越えて楽しめる作品だと思う。小泉と八島も2役を演じてて、どこまでが戯曲の指定なのか知りたくなって、戯曲を買う気満々だったのだが、あまりの良さに興奮して買い忘れて帰って来てしまった。

10の銃と10の自由

10の銃と10の自由

tea for two

小劇場B1(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

再演のたくらみ
劇団 tea for two の作・演出を担当する主宰の大根が「好きなこと」をする企画の tea for ONE が2012年に上演した作品の再演。10人の役者がさまざまな役割で最終的に銃を持ち合い互いを狙い合う、ディスコミュニケーションをテーマにした作品と言えるのではないだろうか。役者陣は劇団員以外は初演とは異なるが、それぞれの役割をしっかりと演じる。切ないエンディングは相変わらずではあるが…。
なお、「10の銃と10の自由」はNODA・MAP『カノン』に出てくるセリフだが、大根はこの作品は観たことがないそうだ

さようならば、いざ

さようならば、いざ

ONEOR8

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/11/16 (水) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

薮の中か?
病気を持っていたのに飲酒運転で人を死なせて刑務所に入っていた父が死んだ、という知らせを受けた姉弟と、叔母2人、そして、それそれのパートナー。誰が悪いのか、というのは本作のテーマではないが、それが徐々に明らかになりつつ、変化していくという展開が、田村らしい物語作りで、非常に面白く見せてもらった。本当のことが最後まで分からないと思わせておいてのラストシーンの衝撃が凄い。

一人芝居ミュージカル短編集vol.1

一人芝居ミュージカル短編集vol.1

一人芝居ミュージカル短編集

アトリエ・カノン(東京都)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/15 (火)公演終了

満足度★★★★★

平板だが巧みで見事
音楽家の伊藤靖浩が、一人芝居のミュージカルを年に10本書いて10年続けて100本のプログラムを作ると言う企画の第1弾。イサドラ・ダンカンを描いた「それでも私は踊りつづける」福麻むつ美、ジュディ・シルを描いた「生殺しの蛇」ハマカワフミエ、バルバラを描いた「piano black」岡田あがさ、の3本を観たが、どれも興味深い作品に仕上がっていた。ただし、ミュージカルということで、物語の複雑さはあまりなく平板で、むしろ歌を使った表現に気を遣ったように思えた。驚くのは、イサドラ・ダンカン,バルバラという有名な2人に挟まれたジュディ・シルを取り上げた点。必ずしも有名でない70年代の女性シンガー・ソングライターを取り上げたのは、伊藤でなく演じたハマカワの要望だという。
ただし、上演順には疑問があり、数多くのミュージカルを経験した福麻をトップに持ってきたのでは、ストレートプレイ中心のキャリアのハマカワ,岡田は歌ではツライ気がする。その分、演技で魅せる2人の印象は強烈だった。その意味で、3者3様の魅力をしっかりと感じさせてくれる上演だった。

パール食堂のマリア

パール食堂のマリア

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

見事な再演
2011年に劇団化した最初の作品であり、主宰の吉田の生まれ育った横浜を舞台とした芝居が見事に再演された。基本的に、「良い人」たちの一寸寂しい部分も含めた切ない話を描くのが得意な吉田だが、そういった特性はこの戯曲でも存分に描かれている。しかし、劇団員以外の客演が変わったことで、初演とは雰囲気が大きく変わった。特に、軸となる存在のマリアが、幽玄的な木下祐子からリアリティ強い渋谷はるかになったことが大きい。それでもステキな作品であることに変わりはない。戯曲の巧みさを感じさせてくれる芝居だった。

劣る人

劣る人

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2011/03/16 (水) ~ 2011/03/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

見事な「劣る人」たち
それなりに興味深いキャラクターの人々が描く物語は、トリッキーな部分は少ないが、少しずつジワジワと気持ちの中に入りこんできて、90分という長さながら、起伏と緊張感をしっかりと維持して見応えがある。もっと毒のある物語かと思ったが、こういった路線は、それはそれで充分以上に面白く観られる。実に秀作。佐藤みゆき演じるホステスの悪さが際立って見事で、彼女とえばら大介が対峙するシーンの緊張感はelePHANTMoonならではといってよいように思う。久々に観る重実百合健在も嬉しい。

量子的な彼女

量子的な彼女

NICE STALKER

王子小劇場(東京都)

2016/11/19 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

理系心をくすぐる
最初に「皆さんは量子力学をご存知ですか?」という問いから始まって、とある高校の女子達を中心としたさまざまなエピソードが「理系的な」セリフで展開される。弱点はいっぱいあるが、「理系」でまとめようという、作家イトウシンタロウの心意気と、特に、屋上の先輩を演じた帯金ゆかり・山本光が石澤希代子を問い詰めるシーンのセリフに理系心をくすぐられ、☆5つを付けてみたが…。。

雨と猫といくつかの嘘.

雨と猫といくつかの嘘.

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

見事だった
再演で、初演も観ているが、実に優れた作品である。還暦を迎える風太郎の誕生日の記憶。誕生日はなぜかいつも雨、という風太郎と、常に飼っていた猫の物語と、記憶の中で微妙に美化される過去が、時間軸を何度も前後し、事実か幻想か判別し難い感触の、優しい抽象劇として終局に向かっていく。切ない面が強いが、人間の優しさを信じる吉田小夏の脚本が見事で、俳優陣も極めてタイトな演技で丁寧に表現する。安心できる緊張感、といようなものを楽しめる舞台だった。

わたしはミシン

わたしはミシン

チタキヨ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/10/07 (金) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

好きです!
米内山耀子の書く脚本は、巧妙に伏線を張って非常に面白いものになるという点で信頼しているのだが、今回はその1枚上をゆく上出来な作品だった。地方の縫製工場でオートクチュールを担当する女性3人と上司2人の巧みな関係を、実に見事に90分にまとめてあるプロフェッショナルな話で、悲しい話や感動する話では泣かない私が、唯一こういう話には泣けてしまうんだけれど、泣いてる暇がないくらいに笑わせてくれる。女優陣が巧みなのはユニットなので当然とも言えるが、客演2人を含めて、本当に面白い分かりやすい、泣けて、笑える作品だった。

ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】

ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/11/25 (金) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/11 (日) 13:00

2度目の観劇。やはり面白い!53分(休み15分)72分。
 2度目なので展開が読めて、伏線が張り巡らされていることに気づく(猫、とか)。場面毎に笑わされているが、伏線の深さにも笑わされることにも驚く。浅野和之体調不良で、三谷幸喜が代役を勤めるが、特に違和感はなし。

友達

友達

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/09/03 (金) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/23 (木) 14:00

2度目の観劇。やはり恐ろしくなる作品だった。
 多くの役者が出る作品だが、それぞれの役割が丁寧に描かれていると改めて思った。特に、次女役の有村架純が他の家族と離れて座っていることが毛っこあることに気づき、彼女の役割みたいなのによる演出なのかなと思った。三女役の伊原六花が割と純粋な感じが出ていて、その分、怖い気がした。だが何と言っても、父親役の山崎一が怖い。

壁背負う人々

壁背負う人々

くによし組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/08/23 (水) ~ 2023/08/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/23 (水) 19:00

すごい。

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/07 (木) 19:00

『ぬけ男…』を観た。2013年に初演の作品の再演で、初演も観ている。とんでもなく面白くて、そして切ない。観るべし!(1分押し)98分。
 5年間書いていなかった作家の物語と、その作家が書き始めた「ぬけ男」の物語が交錯し、最後には愛についての深い展開に続く。初演も観ているのだが、ほとんど覚えていなくて、観ている内に、ああこんな話だったなぁ、と思い出し、最後はちょっと泣けてしまった。「切なさ」が観始めた頃のMCRの特徴なんだなぁ…。くによし組の永井一信とみそじんの大石とも子が出ているので期待して行ったが、2人が軸になる夫婦役で見事に快演してる。その意味でも泣けてしまった。三澤さきの暴れぶりにも感心。

国民の映画

国民の映画

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/03/07 (月) ~ 2011/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

堪能
2幕3時間の大作だが、三谷幸喜らしい実に計算された見事な作品が展開される。三谷の得意なリアルタイムの芝居の中で、それぞれの登場人物のキャラクターがしっかり設定され、芸術を愛しながらも、ナチスの不合理に協力していってしまう人々の心の動きが丁寧に描かれる。今回の役者陣の中では相対的に若手である吉田羊が、いかにも場違いな駆け出し女優をしっかり演じる。そして、風間杜夫の重厚でしっかりした演技と、その風間と対決する新妻の凛々しさも際立つ。また、老優という設定の小林勝也の演じるシーンも見事である。また、映画シーンほかでピアノや効果音を出すピアニスト(荻野清子)は、セリフは全くないものの重要な存在である。しかし、何と言っても小林隆があまりにも素晴らし過ぎる。いかにも重い内容の作品だが、堪能、という言葉がぴったりくる舞台だった。

或る、ノライヌ

或る、ノライヌ

KAKUTA

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/30 (木) 19:00

KAKUTA久々の新作は、15年ぶりだかという劇団員のみの公演だが、とてもいい芝居を観せてもらった。
 いくつかの話がそれぞれ立ち上がり段々とまとまって最後は一つの話になるというのは、KAKUTAの、桑原の、得意とするところだが、今回は加えてロードムービー的な要素も加わり、芝居が広がりを見せた。加えて劇場の適度なサイズ感が巧みで、多様に変化する舞台美術も相まって、小劇場演劇らしさが見事に活かされている舞台になっていた。イヌの視線から見る、というのも新たな要素だったが、ちょっと切ない終わり方が泣かせる。劇団員だけということもあってか役者の相互に活かされ方も巧いが、若手もベテランも活躍する中で、主宰・作・演出の桑原の役者魂みたいなものも観られたような気がした。80分(休憩10分)65分強の計2時間40分弱が全く長く感じなかった。

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