Dの観てきた!クチコミ一覧

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EMPTYMAN

EMPTYMAN

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/01/08 (土) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

ようやく観た。
予想してた作風とドンピシャで、逆にちょっとびっくり。
主人公をもっと煮詰めたほうが良かったと思う。物語を牽引しない主人公だと目が行きにくいし、でも共感しやすいキャラには出来たはず。自信がないと後ろ向きだよねって部分でもうちょっと上手く観る側の気持ちを近付けさせる事が可能だったのでは。
アフタートークで演出家から『不細工すぎる』というダメ出しを受けていたのが明らかになったあに子さん。役柄的にそれはグッジョブでしょう。
ここしばらくなんかいつも見てる池田さんが今回もやっぱり良くて、彼を次にいつ観られるかも楽しみ。

ネタバレBOX

単純に間がもっと詰まれば観やすくなるはず。台詞としてはちょっと現実離れしたものが多いからそこは勢いで各個が乗り切って、その狭間が生まれない様に間髪入れなければもっと集中して観られた。
あと、ダンスとまで行かない振り付きの動きの部分。動きが単純なリピートになっていただけに少しずつ乱れが。見せ場にはなっていなかった感。
12ヶ月の最後にこれを再演して1年でどう変わったかを見せるってのも良いと思うのだけど。
女優(おんなやさしい)

女優(おんなやさしい)

ろりえ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

上演時間の長さとか、面白かったらどうでもいい。
短くてもつまらねーもんはつまらないし、面白いのが書ける人は書きたいだけ延々と書いても面白い。後は観る側のスタンスとコンディション。蜷川さんのくそ長い演目を『短かったら面白いのに』とか言わないでしょ? 
さて、何よりも着目したのは描かれているものに対して。これまでのろりえは表面上のネタ的な奇抜さが目立っていましたが、今回は明らかに内面をしっかり描くほうへシフト。人間を書いていたな、という印象。それでいてろりえらしい破天荒な面もあるので、状況に対するどんぞこ感が半端ない。
あの舞台、見切れお構いなしなのが潔くていい。途中で窓から転換部の人が見えてて爆笑しそうになりました。あんなもん、見て見ぬ振り出来るもんか。

ネタバレBOX

実は…でした!みたいな複線からの物語展開があまり機能してない気がした。これまではテンションのまま受け入れるしかなかったけど、今回は先述の通りちょっと理性的に見てしまう部分もあって「え、それおかしくない?」と普通に思えてしまった。もっと追い込んで欲しかったかも。
あなたの部品 リライト

あなたの部品 リライト

北京蝶々

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

「あなたの部品 アナザー」でもいいくらい。
ファイナルが好きだったんですけど、ここまで変わるか。いっそホントにアナザーでも良かったかも。義肢が本物の体とは違うとか、自分の体でも別物に感じるとかにも通じるし。
忙し忍者さんのコメントにほぼ同意なので、その辺りは記載を省略。
とにかく熊川さんが可愛かった。卑怯なほどに可愛かった。あんな境遇で一途な子なんて健全な男子はみんなイチコロに違いないってくらいに心を寄せてしまった。

ネタバレBOX

北京蝶々×時間堂 feat.酒巻&熊川ってな印象。勝手ながら思ったのは、もっと劇団員が得をする公演で良かったんじゃないかという事。劇団員が脇を固めているのは作品を支えている様でもあり、いやでももっとわかりやすくおいしいポジションにいても良かったんじゃないの?と。
国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

以上、異常アリ。
これが58に対して最後の感想か。自分にとっても節目な気持ち。
自分が初めて彼らを見たのは明大活劇工房の新人公演だった訳で、その頃にハマカワさんが一人芝居をやっていたらさて観る気になっていたかどうか。しばらくの時間が過ぎて今。まぁ大丈夫だろ面白いだろと心から安心して観るに至りました。
不親切の二人が出ていなかったのは本当に残念。劇団員公演とか観てみたくはあったよね、やっぱ。
作家の帰還までどうにか繋ぎで活動していく姿なんか観たくなかったし、スパッと終わっちまえばいい。そしていつかまた始まる時があれば始めればいい。カッコいいバンドは絶頂で解散してカッコいいまま伝説になる。で、性懲りもなく再結成したりする。58にはそれがお似合い。しばらくは、さよなら。

ネタバレBOX

「さっき終わったはずの世界」
上演前にパンフレットでキャスティングが変わっている事に気付いて、小道具の写真立てに気付いてからはもうダメだった。笑うしかねーだろ。

「テンパッてる奴」
東谷さんがツッコミする姿とかカカフカカで観てた気がするんだけど、意外とそうでもなかった。これはもう爆発力の勝負か。でも器用さも相当に必要。悪ふざけは中途半端じゃただホントふざけてるだけになる。ここまでやればしてやったり。

「三鷹の男」
伊神さんこそTHE器用な役者、だと思っているのですけど。実際はどうなんだろ。本番を観る限りはそうとしか思えなかった。

「三鷹の女」
ハマカワさんの演技のみ。立派な看板女優だった。最後に観たのがこれで良かった。
ラストエンド遊園地

ラストエンド遊園地

新劇団松葉ステッキ

アミュゼ柏(千葉県)

2010/12/09 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

過去最高作。
そしてこれが頭打ち。
脚本的には今迄で一番まとまっているものの、あくまでまとまっているだけ。多すぎる登場人物に作品と直結しない見せ場を与えてパズルの様に組み合わせているから、物語に一貫した流れはない。結局のところ、メインであるはずの遊園地の閉演が何故そうなったらいけないのか全く共感出来ない。閉演しない様に頑張れ!と誰を応援する気にもならなかった。それでも、脚本は今まででは一番マシ。
問題は役者と演出。旗揚げ以降、ここで上手くなった役者が見当たらない。松葉ステッキ入団以降に初めて演技を始めた役者は少しは延びている。それは0が1か2になった話であって今後まだ成長はありえるが、それ以前から演技をしていた言わば10くらいだったであろう人々がいまだに10のままとかせいぜい11の状態なのは大問題。役者として後輩の手本になる様な人物がいない。だからいつまでも看板役者も育たない。作品を作る為の演出家の不在も痛いが、何より役者を育てられる演出家の不在が絶望的。
次回は再演らしい。作品的な質の向上は期待出来ないし、観に行かない事に決めた。

ネタバレBOX

2012年末までに千葉県で一番有名な劇団になるつもりだそうです。三条会とかの存在は知らないで言っているのが、可哀想。
シンベリン【満員御礼!ありがとうございました!】

シンベリン【満員御礼!ありがとうございました!】

演劇映像企画

早稲田大学学生会館(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/27 (土)公演終了

古典は堅実。
新人公演と卒業公演ってのは色々なものがこもってるもんです。 不勉強なもので原作のその存在さえ知りませんで。シェイクスピアの他作品っぽい部分が散見されて、いや分かりやすい話だしもっと知られていいんじゃないだろうか。似てる部分があるから既に有名なほうの作品が選ばれて日の目を見る機会が少ないんだろうか。関係や環境によって翻弄される人々。いや、立派なロマンス。最後はそれまでに入り組んだ色んな事情が一気に快方へ向かう絵に描いた様な大団円。そこはもうちょっと失踪感が欲しかったかも。 シンベリン役の石渡さん、上手いのか上手くないのか良く分からなくて良かった。妙な存在感というか、存在感が妙というか。あと、えみりーゆうなさんも出演。先日は世田谷シルクで少年役だったのが、今回は悪意ある継母役。その違いぶりも一興。

ネタバレBOX

古典の台詞回しに勝ててない役者がいた。台詞量そのものが多いし遠回しな言葉を使ってるけど、言ってる内容は結構単純なはず。なんだけど仰々しくやろうとするから役者自身の気持ちが着いて来なくなっちゃう。劇中の立場関係は明確なんだから、各々が迷わなければ観てるほうにはちゃんと伝わるんです。 演出的な事であえて挙げると場転がもうちょっとスムーズであってくれたら。見せたい部分なのか見せたくない部分なのかはっきりさせたほうがいい。
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エムキチビート

シアターサンモール(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

久々に。
平行世界で運命に翻弄される人々の姿と揺れ動く感情。お得意のやり方。個人的にはファンタジーは苦手な傾向にありますが、エムキチは役者の気力と体力をしっかり費やして必死さを見せてくれるので響いてくるものがあります。改めて遊園地のアトラクションみたいだなと思ったり。見栄えも豪華になっていて、視覚だけでも充分に楽しめる。勿論内容でも楽しめます。観るのがご無沙汰で、NIYさんが格段に上手くなっていて親心みたいな気持ちが沸いたりも…(笑)。

ネタバレBOX

まず、細かい事。武器が床や擦れ違う他の役者の武器に当たって音を立てる時がしばしばあって一瞬素に戻されそうになった点が惜しかった。
実は死んでましたパターンは以前にもあったし先読みは出来た。それでも「いつどのタイミングでそれが明らかになるだろう」という目線でドキドキ。それこそ前に乗った事のあるアトラクションにまた乗る時の感覚。そういう意味では、物語よりは演出で見せていたという印象も。カウンセラー達も夢に飲み込まれてナユタをハジメだと錯覚していたって辺りは冷静に考えると合点が行かないのだけど、そこまでの流れに没頭出来ていれば良い意味で騙されるはず。純粋な人ほど巻き込まれて楽しめる作風。実際その前辺りから客席では鼻をすする音が聞こえていたから、感銘を受けていた人は多かったのでしょう。個人的にはそこからが長く感じられましたが。嫌だった訳ではないのですが、自分としては感極まるMAX値がドスンと来ず一定のアベレージで続いたので振り切って欲しかったなと。
思い返せば意外でしかし正解だったと思うのがナユタとハジメの関係性。明確な恋愛関係であったらきっとドロドロしてしまって、ラストのあの明るさは出なかったでしょう。いざ観ていたその瞬間はスパッと終わりすぎた気もしたのだけど、「あなたの分も生きていく」みたいな覚悟を背負うのではなくこれからの始まりの為に過去と決別した一歩になっていた。

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

なんだかんだで解散ではあるものの、
前回と今回は再演作品で早い内から台本が役者の元にあった訳で。質での勝負が出来たなという印象。それまではひたすらに突っ走っていてそれも58の魅力の一つではあったのだけど、箇所によってしっかりと速度を使い分けたりコーナリングを如何に綺麗に曲がるかもレースの楽しみ方。いつの間にかレースに例えていました。
そもそも台本の時点で役柄の存在意義がそれぞれハッキリしているのはあるとしても、配役のハマり具合も良かった。それぞれが何をやるべきかが観る側にも分かって、だからこそ何をやって欲しいかという期待も生まれた。感情移入というよりは親近感かな。
個人的にはさいとうさんにナイスアクト賞を一票。役柄としての彼を応援していたのか彼自身を応援していたのか見失うくらい良かったです。

ネタバレBOX

視覚的に乱雑な舞台美術で、あぁ谷賢一っぽいなと。ほぼ美術がない舞台で役者が演じて何かを発生させるのも演劇の楽しみだし、具象がはっきりしていて既に何か漂ってるのもそれはそれでまた良いです。生活感がある所には生きている生々しさがある。
伊神さんは破壊力と器用さを兼ね備えている良い役者。「コンパクトディスク~」の時には確実にモンスターだったし、「誰も寝てはならぬ」の初演と再演であれだけ対照的な役柄チェンジがあったのももっと話題になって良かったはずなんだよな。58解散後の動向が一番読めないんだけど、いや絶対今後も何処かで姿を観たい。
大らかで毒のない役柄だったハマカワさん。むしろ気の知れた仲間だから気兼ねなく毒を吐くから毒にならない様な。最後にしてあれが58に身を置く時の彼女そのものの姿だったのかな、とか。
沖縄からの独立後のしっちゃかめっちゃか大騒動はポカーンと見ちゃたんだけどそれで良かったのだろうか。「こいつらバカやってんな-」っていうポカーンじゃなくて、それまでとのギャップに着いて行けないポカーンだった。初演を観ている自分がそうなったので、今回が初見の人はどうなんだろう。そのほうが分からなさが過ぎてそういうもんかって思えるのかな。
ラスト、壁が透けてフライヤーで見慣れたあれが見えるのは個人的になんかちょっとしっくり来なかった。作品としてのラストと劇団としてのラストに結び付きを感じなかったのと、あとはもしかしたら自分がまだ本当にこれで最後だと思えてないのかも。
The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】

The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/07 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

上手い。
広瀬さんの脚本はギリギリエリンギで観た事があって、その時点で書くのが上手いとは思ってた。どうやって物語を展開させればドキドキするのか分かってる。今回もそう。外さない分、結構王道の部分もある。だからって物足りないって事はないです。上手いパズルのハメ方をした王道だから。そういう意味でも、昨今の小劇場っぽい作風ではないですね。娯楽としての質は高いと思います。演劇初心者が「演劇」と思って観るには観やすいはず。
観に行った時点であらゆる仕掛けに巻き込まれる仕組みになっています。まずは、早めに行って事前にパンフレットその他に目を通しておいたほうが良いです。何も確認しないまま観ても大丈夫ではあるけど、設定の理解にちょっと時間が掛かるかもしれません。あと、娯楽を楽しむには気を抜いてしっかりマジックに掛かっておく必要があります。
客席の位置で見え方が大分変わります。何処に座っても誰かしらの顔は見えなくなる。一度目は作品を楽しんで、二度目も行ける方は位置を気にして目当ての役者の表情を楽しむ。そういうのがいいかもしれません。一度しか行けない方は勘を信じて座ってください。
設定を理解させる必要がある分、序盤はどうしてもそこに労力が割かれる。今回の内容だと要はセカンドライフみたいなもんだよーって伝われば話は早いけど、客席にはそもそもネットと疎遠な人もいる訳で。分からない事を理解しようとすると身構えるし、分かろうとするのも面倒ってなる人もいる。それを緩和させる為にも序盤はもう少し笑い要素が欲しかったかもしれない。あったけど、もう少し。

ネタバレBOX

物語は良い。凄く良い。物語に物足りなさはなかったんです。ただ、初日の時点では台本が「演技の段取りを記したもの」である比重がまだかなり大きかった。内容の設定的にもそうなってしかるべきなんだけど。とはいえ個人的なニーズとしてはここからの役者力に期待。熱が欲しかったのです。それは物足りなかった。映像に向いている様な気がする作風で、没頭するよりは何処か客観視しながら観ていた。観る側が実体験した覚えがない設定で登場人物に普通の人がいないから、感情移入して「分かるわー」ってなるよりは強い気持ちに当てられて「そうなっちゃうんだー」ってなるべき作品だと思うのです。客席を巻き込んでおかないとラストのあれも効きにくいし。個人的にはそういう意味で熱が元となる押し付けてくるくらいの勢いや有無を言わさぬ説得力がまだ不足していると感じて、特に死ぬ演技は軽視していました。死ぬなんて自分の身に置き換えたら重大イベントのはずが。「演技だなー」って観てしまって。「演技だけど、でも」って思いたかった。それなりにロングランな公演だから、後半にどうなっているか気に掛かります。
月と牛の耳

月と牛の耳

渡辺源四郎商店

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2010/12/03 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

カツ+カレーですよ。
なべげんもデスロックもしばらく観に行けていなかったところでの、これ。千葉県柏市から埼玉県富士見市まで電車で移動して駅から20分くらい歩いてチケット料金を支払って、それでも労力を割いたなんてこれっぽっちも思いませんでした。行きの道中もわくわくしていたし、帰りも満足。バスでも良かったけどせっかくだから町並みを見たくて歩きました。自分はこの街まで演劇を観に来たんだ、と思える様に。
ある意味で対照的。台本の時点で強固な物語を書く畑澤さんと、台本よりも俳優の身体から物語を立ち上げる多田さん。その共通点は、プロレス好き。アフタートークにもありましたが、既に筋書きの決まったものをどう魅力的に見せるかというのは確かにプロレスと演劇の共通点。そういう意味でも、今回は立派な見せ物でした。まずは見るもしくは観る。それから感じたり思ったり。
この企画の成功は両者がそれぞれ劇団だからというのが大きかったかと。勿論交じり合ってる部分もあり絶対的に交わらない部分もあり、それぞれの役者がそれぞれの団体の色をしっかり持っているからこそ出来たコラボレーション。浮き出たグラデーション。プロデュース公演で同じ事をやろうとしてもバラバラ過ぎてこうはならない。

ネタバレBOX

ヒールの畑澤さんが非常に活きた顔をしていました。
ZOMBIE(ゾンビ)

ZOMBIE(ゾンビ)

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2010/12/02 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

鍛え上げられた肉体で
ひたすらバカな事をする。その熱量は還元されれば客の笑いに。生で観るべき。
冒頭からしばらくの「何も起きなさ」にニヤニヤ。物語の起伏がないという意味ではありません。突飛なバカ設定でグイグイ進行していきます。でも、よくよく考えると何も起きてないんです。よくよく考えなくても何も起きてません。それなのに翻弄される登場人物にニヤニヤなのです。
またなんでこの寒くなった時期に夏の設定なのか全く分かりません。脱ぎたかっただけとしか思えません。また観るに耐える体なのでその無駄遣いっぷりが余計に笑えます。

ネタバレBOX

顔のいい人がちんこ出すのは反則。
トナカイを数えたら眠れない

トナカイを数えたら眠れない

MONO

座・高円寺1(東京都)

2010/11/27 (土) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

地に足の着いた台本。
「Aと思わせておいて実はBなんじゃないか?」って思ったのに結局Aっていうのが観ている間に何度もありました。言ってしまえば在り来たり。じゃあ詰まらなかったかって言えばそんな事はなく。堅実。

ネタバレBOX

姉妹が終盤のトランプでお互いを呼び合うのはよく分からなかった。呼んだから何になるのか。意味はなくとも押し付けてくるだけの何かがあれば観られたんですが。
光子の裁判 ★ご来場ありがとうございました。

光子の裁判 ★ご来場ありがとうございました。

青年団若手自主企画 渡辺企画

アトリエ春風舎(東京都)

2010/11/30 (火) ~ 2010/12/07 (火)公演終了

観測に近い。役者も素材。
戯曲構造がどうとかではなくワンアイデアを演出で見せていくやり方。それだけに追える何かが欲しかった。冒頭の客席の緊張感は「何が起きているか分からないからちゃんと観なきゃ」が根源で、それは流石に何処かで尽きてしまう。それが尽きる前に劇中の何かがどうにかなる事を期待させるほうに目を向けさせる必要があった。つまりは変化。関係性とか感情とか状況とか。それがこの演目の場合、
以上、プレビューでの感想なのでそれ以降どうなったか。

ネタバレBOX

アフタートークが作品のケアになっていなかったのが残念。純粋に分からなかったという意味でされた『量子力学って何ですか?』という質問に「全てです」と答えられても。先生の信念であり長年からの真理で事実なんだろうけど、知らない人にとっては興味を沸かす答えではなかった。イラっとしたし、演劇が内輪なものになっている現状は外部から見たらこういう印象なんだろうなと思えて寂しかっ
Ⅰ・D‐イド‐

Ⅰ・D‐イド‐

梅酒が好きだな

d-倉庫(東京都)

2010/11/26 (金) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

梅酒が好きなんですか。
劇団ひろぽんが思い浮かんだんだけど、主宰松井さんが正に元劇団員だったとの事。個人的にファンタジーは苦手ではあるのですが、思い入れの強さが感じられました。不足している部分と同時に、こだわっている部分もありました。それは演出的にまだ上手くないという事ですが、下手とは思わなかった。やりたい事は明確なのだから後は経験値がついてくれば。今回は若さがいい方向に働いていたかな。同じ事を続けるならあと2回か3回くらいで確立する様な予感。
拘束ピエロの池田さん。多分何度かは観ているはずなんだけど、最近エンクラで観た時にはきっちりこなす印象だったのが今回は飛び道具的な役割で。

ネタバレBOX

もっと狭い劇場のほうが良かったとは思う。せっかくの熱量が拡散して充分には伝わってこなかった。奥行きは舞台美術で埋めていたものの、天井が高いので宙が埋まっていなかった。
台本的にはあなだらけ。メルとガンチは結局?とか。エスが助けてくれた理由も分からないし、言ってしまえばパンフレットの出演者紹介でエスが二番目なのが違和感。何よりあのラストでは終わってないと思った。劇中の大きな出来事が終わっただけで、舞台で見せて欲しい部分はまだあった。物語的に言えばあの後にそれぞれの人物がどうなったんだろうって想像したくなるだけの余韻や伸びしろがあって欲しかった。
~あの素晴らしい闘争(まつり)をもう一度~≪★バナナ全学連☆≫【劇場版:バナナ学園の闘争】

~あの素晴らしい闘争(まつり)をもう一度~≪★バナナ全学連☆≫【劇場版:バナナ学園の闘争】

バナナ学園純情乙女組

王子小劇場(東京都)

2010/11/22 (月) ~ 2010/11/22 (月)公演終了

祭!
学生祭って文化祭と同じ様なもんだよね。って事はこれは文化の祭だよね。バナナっていうよく分かんない文化の祭。
感想めんどい。体験するしかないだろ。とか言って、実際観に行っても客席の何処にいたとか何に気を取られてたとか色んな事情ですげーごちゃごちゃしてるからまぁ全部は観られない。あんなもん余す事無く観ようとしたら脳が破裂するわ。人間の脳って都合の悪い事は忘れる様に出来てるらしいじゃないですか。過度のストレスで別人格が生まれたりするらしいじゃないですか。そういう時間と場所。

ネタバレBOX

ブルーノプロデュースで気になっていた杉田健介さんが出てて「わー」って思った。高木さんはろりえとかエンクラでやってた事をそのままやってるみたいな。本人が一番面白がってる幸せな役割だった。金髪の彼女は大森美里さんだ。彼女がたくあんをまるごと食ってたのはみんな見えただろう。納豆食ってたのは20人くらいに見えてたかな。その後で猫缶食ってたのは多分4人くらいしか見てないと思う。加藤真砂美さんをしばらく観てないなぁ。
果実の門

果実の門

乞局

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

記念公演。
別公演で折り込まれたチラシが手に入る度に盛り立てられた気分になった記念公演。凝ったチラシだったし、過去作品からのスターシステムなんていうドキドキ要素で。
いつ何処で誰に言われたんだろう。レビューか何かで見たのか? 「乞局」の登場人物はとりあえずみんな何かに怒ってるっていうのが今回もまた。理不尽な状況で先が不透明であろうと怒りは行動力の根源になる。怨恨とはまたちょっと違って。怒ってるやつはこえーな。


ネタバレBOX

あれで終わった気はしなかった。
りんごりらっぱんつ

りんごりらっぱんつ

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

過去いち。
個人的にはこれまで観た競泳作品で一番好きだった。トレンディドラマの頃から物語の紡ぎ方は上手いと思いつつ、自分としては演劇に恋愛要素をあまり求めてなかったから。その点で焦点が今回は家族や上京に当てられていたのが自分の身に置き換えやすくて。いや別に恋愛だと自分の身に置き換えられない訳じゃないって訳でもないんだけど。個人同士の関係性よりももっと大きなもの。枠自体が大きくて、気持ち自体も。今になって「女ともだち」とか「NOT BAD HOLIDAY」が観たくなった。
川上さんと今村くんの異物感。周りが強固な分、あえての足元の危うさのハラハラ感が良かった。完璧すぎる人間とは接するの距離を感じて、欠点があったほうが親近感が沸くじゃないですか。この演目を人間に例えたらその欠点部分があの二人。愛せる様になる為に大切な欠点。役者力よりは配役の妙。

ネタバレBOX

始めは姉妹の配役が逆なんじゃないかと思ったんだけど、生きてる人間は亡くなった人間の年齢を追い越していく切なさ。
オーナーの奥さんが桃子さんなんだと思って観ていたのですが、どうやら違かったらしくて。同じ事を思った方、いませんか?
おまけの一人芝居も。ザ・おまけ。完成度がどうとかでなく、競泳を観に行ったからこそ観られるっていう。細野さん・大川さんでもやって欲しい。
PUZZLE

PUZZLE

PLAT-formance

王子小劇場(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/15 (月)公演終了

やっと観れたぜ本公演。
色んな事をやれるパフォーマー二人が色んな事をやっていました。
ノーマルは演目数がもっとあっても良かったかな。仕事終わりで観に行く時には程よい満腹感だったんですけど、がっつりいきたい時にはちょっと足りない。

ネタバレBOX

ラーメンズが好きなのです。主語が抜けました。彼らもラーメンズが好きだし、自分もラーメンズが好きです。なので、やりたい事を鑑みた上でラーメンズ以上を求めるのです。彼らがやっていない事、やれない事をやって欲しい。恐らく今は意図的に別個にしているであろう吉田さんの音楽活動とか、プラットの舞台上でピアノ弾いたらいいじゃんと思う。あとは小劇場でやってる事を利点に出来る何か。大舞台では柵になって出来なくなってしまう何か。
COVER / Rose+

COVER / Rose+

reset-N

ザ・スズナリ(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/14 (日)公演終了

「Rose+」のみ。
両方観たかったんだ。両方観たかったんだけど。
既に事が起きた後。外の世界はもう手に負えない事になってるらしい。そんな状況の、日本人達。今の日本で自分が日本人だと意識する事は日常においてはほとんどないでしょう。何かスポーツが好きで日本チームや日本人選手を応援する時くらいですか。その時くらいは日本以外を外国と思って、時には敵だと思うのです。戦って初めて、戦いになって初めてそういう事を意識します。勝つにはどうしたらいいのか、何故負けたのか。それは戦争になったら「どうしたら生き延びられるか」になる。勝たなくても生きていられるから意識しなくなって、それが今の日本なのかな。
山田さんが随分と可愛い役でした。上手かったとかそういうのは良く分かりません。ただ、可愛かったんです。

ネタバレBOX

ただ安い公演を行っただけではない。安くて素晴らしい公演を行ったんだ。みんな、観るべきだったと思う。特に普段演劇を観ない人にこそ。
Bプランズ

Bプランズ

.comet <ドットコメット>

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/11/03 (水) ~ 2010/11/08 (月)公演終了

変なの。
主人公がすっとぼけた感じというのが異色。普通物語っていうのは主人公が何かを成し遂げるまでの試練や成長を追いかけるものじゃないですか。少なくとも自分はそういうもんだと思ってたんですけど。で、この主人公にそういう信念がない。それもそのはず。彼らはBチームなのだから。AチームになりたがっているBチームならまた別の信念があるんだけど、それもなかった。都会と地方くらいの温度差。

ネタバレBOX

こなれて来てるからなのかな。前に見た時と同じくらい動いてるだろうし熱量がこもってるはずなのに伝わってくるものが弱かった。こういう作風なら勝負はそこだろ。その勝負方法でやらかしてくれる団体が個人的に好きなのです。
殺陣がスローになるところとか、ベタだけどストロボ使えば良かったのでは?

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