上手い。
広瀬さんの脚本はギリギリエリンギで観た事があって、その時点で書くのが上手いとは思ってた。どうやって物語を展開させればドキドキするのか分かってる。今回もそう。外さない分、結構王道の部分もある。だからって物足りないって事はないです。上手いパズルのハメ方をした王道だから。そういう意味でも、昨今の小劇場っぽい作風ではないですね。娯楽としての質は高いと思います。演劇初心者が「演劇」と思って観るには観やすいはず。
観に行った時点であらゆる仕掛けに巻き込まれる仕組みになっています。まずは、早めに行って事前にパンフレットその他に目を通しておいたほうが良いです。何も確認しないまま観ても大丈夫ではあるけど、設定の理解にちょっと時間が掛かるかもしれません。あと、娯楽を楽しむには気を抜いてしっかりマジックに掛かっておく必要があります。
客席の位置で見え方が大分変わります。何処に座っても誰かしらの顔は見えなくなる。一度目は作品を楽しんで、二度目も行ける方は位置を気にして目当ての役者の表情を楽しむ。そういうのがいいかもしれません。一度しか行けない方は勘を信じて座ってください。
設定を理解させる必要がある分、序盤はどうしてもそこに労力が割かれる。今回の内容だと要はセカンドライフみたいなもんだよーって伝われば話は早いけど、客席にはそもそもネットと疎遠な人もいる訳で。分からない事を理解しようとすると身構えるし、分かろうとするのも面倒ってなる人もいる。それを緩和させる為にも序盤はもう少し笑い要素が欲しかったかもしれない。あったけど、もう少し。