みくろの観てきた!クチコミ一覧

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くそったれの世界

くそったれの世界

ソラトビヨリst.

ギャラリーLE DECO(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

気軽に観れる3作品でした
短編プラス短編プラス中編、という具合で3作品。65分くらい。

座席はアクトエリアを追い詰めるような3方向囲みでした。
演者は常にうろうろしているような感じなので、
1回しか観れなかったけど
役者の皆さんがまんべんなく見えたと思えました。

作品と作品の間に作演出の濱崎さんが
小道具を片付けるのですが、
そこもネタが入ってて面白かったです。
(日替わりだったのかは謎)

そのぶんタイトルコールがなかったので、
アレのパロディが2作品め「ためになるね」の始まりなのかと勘違いしました(笑)

強烈なタイトルで
チラシ絵もディープだったのでドキドキしてましたが、
怯えつつも物陰からチラチラっと顔を出しながら悪態をつくような(←イメージです)
皮肉と愛情とおちゃらけがブレンドされた3作品でした。

ネタバレBOX

作中で何度も登場人物が柱がジャマだジャマだといっていて、
演出の意見&客席の意見&登場人物の意見を言葉にしてるみたいでクスリとしました。

1作めは、着眼点が面白く、
女子が先に死んでいく仕組みが「わかるわかる~」と笑ってしまいました。
あわただしいくらいの一人複数役も楽しかったです。

2作めは、オチが読めたけど
ラストで舞台袖から聞こえる男子の言葉の入れ方がうまいなー、と思いました。
語り手を二人にしたのも見やすいし「女心」的なものが見えて好きです。

3作めは、ラストで「メタ芝居なのか?」と悩みましたが
誉め言葉として
「みんなくそったれですね!」
と、笑顔でいい放ちたい快作だと思いました。
錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

ポップンマッシュルームチキン野郎

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

劇場に着いた瞬間からポップンの世界へ
公演告知の時点から仮装についての話があり、
ハロウィン色を全面に出していたのでドキドキしていました。
話を見終えて、現実とリンクするような
作りになっているのが楽しかったです。
(仮装してる人もしてない人も楽しめる)

劇場に入ったときに配られたキャンディもただのサービスではなく、
客席に魔法をかける意味合いがあって
作中で明かされたとき「うまいなぁ」と思いました。
ポップンの、こういう
客いじりではない観客巻き込み方式、
こちらが気づかないウチにされているところが、楽しいです。

ネタバレに極力配慮した当日配布のキャスト表や、
販売パンフレットの人物紹介も小さめの文字で
「写真だけ見ようとしたとき、うっかり目に入ってしまう」
を防止しているようで、
とても親切な作りだと思いました。

ネタバレBOX

今回はいつもよりも
わざと先の読みやすいストーリーにしているのかな、
という印象でした。

開演前パフォーマンスも、いつもと雰囲気がちょっと違う感じで
本編のテーマをちょっと予感させるような話だと思いました。
(ゴウダ役のNPOさんの熱演に
 開演前から涙ぐんでしまった…)

中央のぐるぐる回る盆舞台(?)で流れていく彼女の人生を見せた方法が特に素敵だな、と思いました。

前の方で観ていたので
主演の方が暗転中も徹底してジャックであり続けたところがわかって、
そこもすごいと思いました。
そして前過ぎて(←笑)字幕になったときに一番下の行が見えなかったのがちょいと心残りでした。
お披露目〜死体編〜

お披露目〜死体編〜

日本コメディ協会

小劇場B1(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

二面舞台、おのおのの二面性、そして死体。
各々30分程度の4作品で、計2時間。
奥側で観劇。

開場時間中、スタッフさんが舞台上にいて
案内や諸注意、豆知識(?)、前説をつとめるコメディ協会会長のお人柄の紹介などをしていてそこも面白かったです。

どの作品も作り込まれていたけど、
自然に、なにも考えずにきゃあきゃあ笑える作品でした。

一人で観に行ったけど
前説で気兼ねなく声を出して笑える客席の雰囲気がつくられて、
終始楽しかったです。

役名は作中で覚えよう、と、
当日配布パンフのキャスト表を斜め読みで観劇に臨んだのは、個人的に正解だったと思いました。

ネタバレBOX

死体編といいながら
やはりコメディと浮気は切っても切れないのね、とおもいました。

1作めのたたみかける感じと見事な入れ違いっぷり、大好きです。脱いだらすごかった。

2作品め、あの音は結局なんだったんだろう…? 笑ってはいけないと笑えるの綱渡りが楽しかったです。

3作品め、やられたー! と思いました。すごく面白かったです。これは某企業とコラボしてほしい。

4作品め、作りが楽しい。システム音声が後半時短モードになる辺り、観る人の感覚もわかってらっしゃるなぁと。役者さんの身体能力におおっ、となりました。

展開中の薄暗がりでも笑わせにきてて、充実の時間でした。
『VAGUENIGMA -1999- 宮堂青年の幻怪モラトリアム』

『VAGUENIGMA -1999- 宮堂青年の幻怪モラトリアム』

疾駆猿

シアターKASSAI(東京都)

2015/10/21 (水) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

時代が変わってもベイゲニはベイゲニ!
晩春→初夏の順に、観劇。
おのおの約2時間でした。

基本の展開はほぼ同じで、
途中に主人公たちが遭遇する事件が別のもの…というつくり。

人間と、それ以外の存在を舞台上に同居させる描きかた、
違う場所にいる人達をレイヤーを重ねるように見せるシーン、
一人一人に焦点が当たるオープニングが好みです。

見えない登場人物には神妖はとことん見えてなくて、
好き放題の神妖たちの動きも可愛らしかったです。
役者さんたちが各々フルパワーで動いている場面が多くて
1回だと「どこが今のメインだ?」と悩んでしまうほどでした。

過去作品の登場人物と関連していそうなキャラクターがいたり、
描かれてない過去や今後の展開を匂わせるセリフなど、
今までのシリーズを見てるとにやりとするし、
次回以降も楽しみな作品でした。

事前入金者の列、当日精算の列、キャンセル待ちの列、と劇場前で振り分けるスタッフさんも手際よかったと思います。

劇場内も、当日券&遅れて入ってくる人用に、
まえもって座席一列を
(前の列と高さが同じ場所で、
 出入りしやすいけど
 はっきりいって他のところより見づらい列)
あけておくのも、考えてるなぁと思いました。

ネタバレBOX

個人的に、初夏のエピソードは、
メインの包丁婆事件に絡む「いじめ自殺した子の名前」などがセリフでしかでてこず、
少しストーリーとしては物足りない部分を感じました。
(晩春と続けて観たからかも…?)

東京は26市

東京は26市

ThE 2VS2

OFF OFFシアター(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了

満足度★★★★

さくさく笑えた~
短編6作。90分。

出演者は共通なのにどれも色合いの違う作りで、
どれも各々面白かったです。

「当日パンフレットです」と、
ポスターを渡された(広げたら確かに当パン)劇場入りからやられました(笑)

幕間のタイトルの出しかたも
挟み込まれた一本の話みたいになってて楽しいです。

ネタバレBOX

その当日パンフのサイズが
一長一短かなぁとも思ったり。
演目はアンケートにも絵入りで書いてあったので
ぶっちゃけ家に帰ってから広げて
ゆっくり座談会を読むのも一興かも、と思いました。

一本目のは、
インパクトすごくて面白かったけど
タイトルとどう関連するのかがピント来なくて個人的に消化不良でした。

カレーの展開は少しイラっとしつつ、
オチでもうなんでもよくなって、
きれいに笑えました(笑)
これの前にあの話を持ってくる辺りも、攻めてるなぁ、と。

披露宴はスライドショーの手法、
No3は世界の仕組みに気づいた瞬間の「!」が味わえて好きでした。

アタックチャンスでセリフ聞いてると
「あぁそういうことか」と気づいてそこも面白かったです。

イケメンやってた人が
別の話ではキモメンになったり、
女優さんも、
えげつない演技も可愛らしい演技もこなしてて、
役者の演技を見てるのも楽しかったです。
芸祭

芸祭

WATARoom

ザ・ポケット(東京都)

2015/10/07 (水) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★

各々の気持ちはわかるけど…
出演キャストは、ほぼ初見。
上演時間は90分。

配役表はありませんでした。
(名前が分からなくても、
 キャラかぶりはなかったので観る上で問題はなかったです)
パンフレットにも役名一覧、衣装姿の写真も無し。
壁掛けカレンダーとして使えるようになっていて
面白い仕組みだなと思いました。

話の筋としてはストレートなので、
演出でもっと冒険してほしかったなぁと思いました。

ネタバレBOX

個人的に、会話シーン で本当に「会話しかしてない」のが
延々続くことが多かったので
見えない時は最初から最後まで見えないのが苦痛でした。
感情が動くなら、身体や立ち位置も動いてほしかったです。

ところどころアドリブと思われるシーンがあって、
そこでは予想のつかない言葉が出てきましたが
ストーリーは全体的にベタなやりとりが多く、
どんでんがえしもなく、
物語上、一番出所が謎だった女子「マリカちゃん」も
特に掘り下げられ ることもなくて物足りなかったです。
(↑男性キャストが女装してたけど、
 作中で突っ込まれてなかったし完全に女子扱いでいいのかな…
なぜそういうことにしたのかも謎)

発表する演目ってことで披露される
ダンスや殺陣パフォーマンスは見ごたえありました。
あと、テーマソングも耳に残るメロディとフレーズで心地よかったです。
ドリームランド

ドリームランド

ロデオ★座★ヘヴン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/10/08 (木) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

めんどくさい人間たちが愛しくなります
ある田舎町の、パチンコ屋の看板爆破事件。
それをきっかけに動き出す人間模様。

上演時間、2時間5分くらい。

複数のチャプターで構成された話で、時系列で多少混乱したもの、
彼らの話を聞けば大体時系列は順に並べられるようになっていました。

中央が段になっているので、
座り芝居や寝転び芝居も後列からでも見やすそうです。

影が多めで、でもここぞという表情は自然と光が当たるようになっていて (発言者が移動したり、影になってた人がうまいこと退いたり)、
他にもいい演出だな、とおもうシーンがいくつもありました。

役者さんも
強烈な個性のキャラクターなのにとても現実的に演じていて、良かったです。

映写されるチャプター名が
前方席では役者にかぶって見えなかったり、
前述の時系列の事もあるので
台本、ほしかったなぁ…と思いました。


私が観た回は開演前にトラブルがあって客席照明が突然消えてしまったのですが、
「復旧まであと○分ほどいただきたく…」と
具体的に時間を言ってくれたこと、とても安心しました。

あと、出演はされない脚本演出の小栗氏の前説・諸注意も「自分の言葉で言ってる」感があって良かったです。

ナイゲン(全国版)

ナイゲン(全国版)

Aga-risk Entertainment

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2015/10/03 (土) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待以上! 笑いまくりました!
アガリスク作品を観劇するのは3回目、
私にとっては初めての『ナイゲン』です。

過去に観た作品も
怒涛の展開でコメディとして完成度高いのに
全部アドリブに見えるというライブ感もりもりの作品でした。

で、代表作と謳われるこの作品を、せっかく東京2会場でやるのに
FACEの1回しか観ないのは、私はきっと後悔する…と思ったので、
試演会も行くことにしました。

キャスト写真と説明はサイトにも記載があり、
会場に配置された席にも作中での呼び名の名札が
あらかじめ席に置いてあったので、
お目当てキャストがいる初見の人にも優しい仕組みでした。

本物の教室(元・だけど)を使っているので、
臨場感も半端なかったです。

座席に置いてあった冊子(作中で使われるものと同じ)も、
懐かしさを感じる紙質で、筆跡や記載内容から想像が膨らんで
開演前も「ただ待っている」だけの時間にならずによかったです。

加速して加速して、一気にぱぁんとはじけて、
その破片が見事に組みあがってキレイな形になる、
鮮やかで楽しい120分でした。

京都公演を経て、大きな会場(新宿FACE)での『ナイゲン』も楽しみです。

ネタバレBOX



後半部の「花鳥風月」の表情が見えない席にいたので、
彼の背中から、どんな様子なのかなーと想像して補完しました。
後日、別角度から観た知人の話を聞いたところ
だいたいその通りだったようで、
背中の演技、すごいなぁと思いました。

台本があるとは思えないくらいのライブ感で、
廊下まで使った演出には、特に大笑いでした。あの声の響き!(笑
ちょくちょく笑いが巻き起こるのに、
セリフのタイミングが良いのか、
「笑い声でセリフが聞こえなかった」ということもなく、快適でした。

前半から中盤にかけてが動きまくりの展開(票も人も)だっただけに、
後半の、どさまわりがらみの押し殺された空気が引き立って
唾をのむのもためらうほどの緊張感でした。

トークショー&反省会も、
何作か『ナイゲン』観た人も初見の人も発言しやすい雰囲気で、
(前のバージョンについての補足説明が行き届いてた・など)
とても楽しかったです。
月に叢雲、花に風

月に叢雲、花に風

劇団ZTON

神戸市産業振興センター ハーバーホール (兵庫県)

2015/10/02 (金) ~ 2015/10/03 (土)公演終了

満足度★★★★

夢幻のような2時間
初演はDVDで見ていましたが、
初演にも出ていたキャストのほとんどが1世代上の配役になっていて、
また、大筋は同じですが随所に変更点もあって
よりリアルに作品の成長を見れた感触がありました。

休憩なしで約2時間。

可動式パネルを使ってのキャストの出ハケは幻想的で、
1、2秒で戦場が変わるのも鮮やかでした。
それによって暗転の回数も抑えられたようで
疾走感が維持されていて楽しかったです。

ネタバレBOX

特に心に残ったのが

平忠正(清盛の叔父)の死に際とその際の清盛の表情、
源義朝の親殺しの際にずっと同じことを口走っていたときの
その言葉各々のニュアンスの違い、
音楽に合わせて総キャストが入れ替わりたちかわりでのACTシーンで
両者のその状況を上手下手で対比させた見せ方

ほかにも

鎌田正清&正近兄弟(今回は兄弟設定でした)の
わちゃわちゃ空気読めてない感じの前半から
後半で見せたシリアス、熱さ、口惜しさに打ちひしがれながらも
次代を支えようとする姿のそのギャップ

信西にかわって登場した、妖艶さをたたえた公家の藤原璋子の
腹に一物抱えながらも公家公家した上品さのオブラートに包んでいるさま、
後半で堕ちていく彼女の叫び声

キャラクターが大きく変化した常盤の、
笑いに見せかけつつも実は壊れているさま、
運命的な「出会い」から皮肉にも増していく艶っぽさ
すべてをつぎ込むと決意した彼女の笑い声

言人(ときひと=安徳天皇)の作中での心情変化、
男女どちらともとれる純な声質と笑顔、それゆえの傲慢さ、
言人と同じ次元で相対する義経の妄執と
イメージシーンの中で見せた悲しさ・絶望、
義朝をのっとり、はべっている時の存在感、義朝とのリンクっぷり

などなど、書ききれません!

星をひとつ減らしたのは、
早口になると聞き取りづらくなってしまう言葉が多くあったことと、
殺陣がちょいちょいずれてたところ、
ラストが「現状維持で終わった」ように見えてしまって
個人的に少々物足りない…と思ってしまったことから。

あ、海賊の頭領が匣を持っていたときにいたのは誰だったんだろうな…
海賊の先祖ってことでいいのかな。
スピンアウトで、ほかの「匣の使役」の話も見てみたいなと思いました。

ZTON作品はキャラクターが生き生きして設定も凝っているので、
一作では収まりきらないふくらみがあって好きです。

老人と怪物

老人と怪物

テノヒラサイズ

SPACE9(大阪府)

2015/10/02 (金) ~ 2015/10/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

シリアス味の強めなテノヒラサイズ
19:30の回を奥から観劇しました。
上演時間120分。

全体的にシリアス調ですが、
ぽいっと入ってくる笑いが効いていて、
前半の、物語のたんたんとしたところも飽きずに観れました。

アリスが対決することになる「怪物」の正体とその姿、
その際の登場人物の様子に心が揺り動かされて、
自分でも何の感情かわからない涙が出てきました。

ガツンとくる良作でした。

ネタバレBOX

やってることはチラシのとおり。

てっきり、2つのストーリーが同時進行する
(客席側からは片方の物語のみがメインで見えるつくり)
のかと思っていて
「1回しか観れないの悔しいなぁ」と臨んだのですが
2つ目は1つ目の時代の回想録的な表現だったので、
どちらの客席からも2つのストーリーは視認できました(笑

役者さんの表情などで2回見たかった気持ちはありましたが、
ストーリーは1回で把握できる設計でよかったです。

基本はツナギで、そこにポイントで個性をつけて
「衣装」として魅せる方法はいつも上手いなぁ…とおもいます。

一人で複数の役をやっていますが、
どの登場人物も生き生きとしていて、見間違えることもなく、
役者さん各々の力量の高さが感じられて安心して観ていられます。

田所さんのかわいさと、謎めき年齢不詳感を生かした演技は
今回も目を引きました。
姿をほぼ変えてないのに別人になるさまが見事でした。
一方、姿かたちが違いすぎて、
(キャスト表を見ていたにもかかわらず)信じがたかったあだちさんの
メイン2役も見事でした。
女運の悪い青年の伊藤さん、
某老人に向ける彼の感情は「人間あるある」だなぁと。
わかりやす過ぎるくらいの彼の心の動き、朗らかさが、
話を重苦しくさせなくてよかったです。

川添さんの絵に描いたような「俗物」っぷりは恐ろしくもあり、
いっそ清清しく笑えるようでもあり、
湯浅さんのおびえきった姿は可哀想でもあり
もはや哀れを通り越して笑えてしまったり、
彼を翻弄する松木さんの揺ぎなさとその奥にある本心、
あと、別ストーリーで松木さんが演じてる彼の理不尽な心(←笑)など、
人間って面白いし怖いしやっぱり楽しい生き物だなと思いました。

涙を流すシーンで、どこから見ても「泣いている」とわかる木内さんと、
役柄上何が起きてもぜったいに泣いてはならないだろう上野さんの姿が
同じ場面だったわけではないけど大きく対比になっているように思えて、
ストーリー上で互いに果たす役割などもあって特に印象に残りました。

中田さんとおるすばん

中田さんとおるすばん

toi

吉祥寺CLOSET吉祥寺CLOSET(武蔵野市吉祥寺本町3-3-9 ,2F)(東京都)

2015/09/11 (金) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

18時の回を観ました
古民家リメイクの会場で、
膝を抱えて少人数で1時間ちょっと。
楽しい時間でした。

だいぶ時間がたってしまいましたが、感想をブログに書きました。

ネタバレBOX


http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1125.html
それでも「これ」は奇跡のカケラ

それでも「これ」は奇跡のカケラ

N-Trance Fish

ABCホール (大阪府)

2015/09/26 (土) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★

感受性を刺激される物語たち
(ツイッターの転載で失礼します)

ソロを挟んで、いくつかの短編ストーリー的なダンス。
受け取りかたは人それぞれだと思うけど、
私は客席で勝手に脳内補完して勝手に笑ったり泣いたりしてました。
およそ2時間。

カーテンコールでの
言葉の無いまま動きだけで行った各所への感謝の表現も
まさに「身体で喋る」で、見事でした。

ネタバレBOX


個人的に好きなのは「喜」。
「彼の表現したいこと」や「美」が
彼を呼んだり彼に作られたり寄り添ったりアドバイスしたりっていう
あの表現がとても心ふるえました。
浅雛さんの、彼らと共に躍る動きや表情に喜びが満ちていて
すがすがしかったです。

初泣きしたのが「寂」。
早川さんのくしゃっとした笑顔の行く末に
よかったね、と祝福の気持ちを込めた涙がこぼれました。
やりたいと思ってる情動とできない自分自身を、
情動担当のダンサーを残留させるって見せ方にしたのが印象的でした。
寒さを感じているシーンではこちらもそういう感覚になったし、
同じようなシーンを表裏で見せてラストを変える仕掛けがよかったです。

衝撃度の高い「鬼」。
途中まで「どこが鬼なんだ?」と思ってたらまさかの展開で。
確かに話の前のソロダンスもなかなかに狂気でありました…。
さらに「彼女」が理性を取り戻して発狂していく際の
闇と赤のダンスは人形たちも怖いし
音楽をかき分けてガチな笑い声がして肝を冷やしました。

いきなり挟まった、お笑い要素の高い「欠落バトル」。
ダンスの種類と笑いの要素をうまく合わせてるなぁって思いました。
「鬼」で粟立った心が弛む、楽しい話でした。
ドンタコス氏の衣装と、それ(特に帽子)についての皆さんの感想に大ウケ。
ロコモコ氏は自由演技なのかな? ってくらいの
テキトーおじさまっぷりが楽しかったです(笑

一番脳内補完してストーリーつくって見てたのが「輝」。
乱暴に言うと、深夜番組がゴールデンの時間帯に来ると
制約が多くなって自由にできない、の感覚なのかなって思いました。
照らす光は自分自身で作るもので、
ラストで「そして案外枠なんて簡単に壊せちゃうよ」って
言われたような気持ちでした。

ギャン泣きしたのが「軌」。
親密になっていく夫婦、多少のすれ違いもあったけど仲良く。
でも彼女に記憶障害がおきたのかしら? 
何度も何度も出会いからデート、結婚式を繰り返す妻、
見つめながらも決意して同行する夫の姿に涙しました。
デートのシーンで、
周りの人たちのポーズが絵画や彫刻で、
あぁ美術館デートなんだなってわかる見せ方に感激しました。

オープニングとエンディングのダンスが
だいたい同じ流れながらも少し進展があるのが、
メンバーの顔を覚えられるようになってていいな、と思いました。

映像の使い方も美しかったです。
ただ、前方席だと壁の凹凸で文字が揺らぐので
ちょっとわからない部分もありました。(特に「輝」と「軌」)
見づらかったプログラム名は
当日配布のパンフレットで補完できたので結果オーライです。
 いいなずけ陰陽師

いいなずけ陰陽師

かのうとおっさん

HEP HALL(大阪府)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

肩の力抜いて笑えて、好き
休憩なし2時間。

終演後、天丼が食べたくなりました。

受付でもらえる、先行予約特典のプチ冊子も面白かったです(笑

ネタバレBOX

公演説明を今さらじっくり読みましたが、
作中で語られてないエピソードがいくつかある…!(笑
どこかのアフターイベントでやる(やった?)のでしょうか。

漫画になったら、きっと4コマ漫画だろうなって感じの
一本筋大きなストーリー内での起承転結がこまごまと。
かのうとおっさん独特、としかいいようのない
「ポンコツがカッコつけてる感」
「今時珍しいベタベタな展開」「さらに、それをスマートにできない」のが、
たまらなく面白かったです。

途中までは
「だれかが中心になってる話」なのか、
「そこは特に定めていない」のかがわかりませんでしたが、
九州陰陽師の青年が現れたあたりで
「彼女」の大きなエピソードが持ち上がってきて、
まさかの伏線回収にも驚きました。

有北さんのキャラ(特に電話のやり取り)が好きすぎでした。

何人かの役者さんは一人複数の役を演じていて、
そこを利用した仕掛けもうまいなと思いました。

傷つくな、鮮やかに浮遊せよ

傷つくな、鮮やかに浮遊せよ

チョコレイト旅団

小劇場てあとるらぽう(東京都)

2015/09/18 (金) ~ 2015/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

自分の人生でくらい、主役になりたいですよね
【敷金】チーム千秋楽を観劇。
上演時間、1時間50分休憩なし。

劇場の空調が全体に回りづらい、とのことで
開場時間のうちからその旨を何度もアナウンスしていて、
親切だなと思いました。

「うちわを配ってます」
「数多く確保してないので大きめの紙皿も…」のくだりも
ガチなのかウケ狙いで客席をあたためておく意図があったのか
謎でしたが面白かったです(笑

開場時間中から女優さんの数名がが「登場人物」として過ごしていて、
作中で日常描写が少ないところを補完しているようで良かったです。


一人一人に焦点をあけていけば
各々主役になれそうなエピソードを持っていて、
でも実際の人生では決して主役になれてない女子たちの事情が
少しずつ明かされて、からんでいく様子が面白かったです。

「私は今、誰かの脇役として産声をあげた。」
というフレーズが
特定の誰かにずっと焦点を当てるわけじゃない演出と
どこか影を落としている登場人物たちの生き方そのものにかかっていて
ジワジワ染みてきました。



初見の役者さんが多かったので、
できたら当日配布のキャスト表にチームも書いておいてほしかったです。
(劇場を出てサイトと照らし合わせるまで、
名前がわからないままだった方もいてちょっと不便…)

整理番号式での入場は、
開場5分前に劇場前に並ばせる等の対応をしてもよかったんじゃないかな…
と思いました。
通行する町の人が通りづらそうにしてて、ちょっと気まずかったです。


ネタバレBOX


ラジオの音声とシェアハウスの景色がリンクしたり、
突っ込みに使われたりなど、
下手奥側と上手側の使い方も面白かったです。

二つの世界も切り離されたものじゃなく、
ショータがこちらに食い込んでくる感じが違和感なくて、盛り上がりました。
(もくずさんのストーカーに見せて
実はシェアハウス側の人に意識が向いていたところとか)

「グッピーの存在も事件も、むしろ番組そのものが
彼女たちの人生にとっては脇役でしかなかった」というシーンも
刺さりながらどこか痛快でした。


女子トイレに並んでる時の云々とか、
「【来ないで】は【来て】だから」「もういいは、よくないから」等
わかりやすい言い回しで女心を表現する言葉のチョイスが
すごく好きでした。

女子だけのシェアハウスに男子大集合とか、
ナルミの恋愛観にドン引きの女性陣とか
写真を見てのベタな反応とか
どや顔のパンティ泥棒とか、
彼がパンティをつかって喧嘩を仲裁しちゃうとか、
笑えるシーンも多くて「長い」とは思いませんでした。

ラストも光があって良かったです。

二人芝居オムニバス オリンポスの神々

二人芝居オムニバス オリンポスの神々

ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動 増田赤カブトのこうのとり研究会

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2015/09/20 (日) ~ 2015/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

色合いの異なる笑いx3編+αに大満足
開演5分前からパフォーマンス開始。
上演時間80分。
アフタートークは『アラサンデレラ』の2人+司会小岩崎さんで
アラサンデレラの裏トーク。

前説・作品ごとの転換も「作業」「アナウンス」ではなく
観客を楽しませる(ハラハラもするけど)要素を盛り込んで、
「一瞬たりとも退屈させないようにしよう」とする
演者さんたちの気概が伝わってきて楽しかったです。


2編目のヘミングウェイは、
訳文でも良いから原作を読んでたほうが
どこがアレンジなのかも気づけて楽しめるかも…と思いました。
(個人の感覚です)

以下は自分のツイートのほぼ転載。

ネタバレBOX

>『アラサンデレラ』
まず最初の演出から、肩の力が抜けるいい見せ方だと思いました。
年齢的に耳に痛い部分もありながら、
コミカルに描いてるから素直に笑えるし、
中身は現実的で、最終的に元気が出る。
こっちがつっこむ前に登場人物どっちかがつっこむテンポの良さが
観ていてすごく楽しい。
「雑な魔法使い」って表現とか「ビビデバビデブ」とかツボ過ぎでした。
ラストまで気を抜かないアラサー賛歌が好きです。

>『白い象のような山並み』
会話を聞いて「あ、すごいわかる! でもなんでなのかねぇ?」ってなりました。
男脳と女脳の考え方や会話術の違いなのだと思うけど…。
落としたチョコを食べる食べないのシーンは、
落ちたチョコを彼女は未来の自分自身に例えてるように見えたけど、
男は純粋に彼女の体調などを心配してるように見えたし、
「愛」なのに表現でこんなに変わるんだなとムズムズしました。


吉田くん演じる「男」が、
原作の日本語訳を読んだあとにキャスト見て
「これを彼がやるの?」って思いましたが、
話が進むにつれてどんどん人格が出てきて、
その優しさと情けなさとの紙一重が彼にすごく似合ってくるのが
観ていて楽しかったです。
小岩崎さんの演じる「女」を見てて、
絶妙に自ら傷付くように語るんだなぁ…って切なくなりました。
そういう話し方になってしまう要因(これから中絶をすること)を知ってる故に。
こちらで勝手に相手へ過剰な期待をしてしまい、
そして勝手にガッカリしてしまうような会話術でした。
ラストの彼女の言葉を、
「男」がどうとらえたかで話の印象はガラッと変わるんだろうなと感じました。

> 『Mexican standoff』
この公演に来たきっかけ。
バンタムの細川さんの脚本で生きてる下下さんが
『かべぎわのカレンダリオ』ぶりに観たくて。
部屋で銃を構える二人の男ってシチュエーションに
○意が加わるだけでこんなに話が広がるのか! と笑いまくりでした。

長台詞をしゃべるリンドン(下下さん)の、
銃口が全然ぶれないことにまず感動しました。
あれだけ感情がはいって喋ってるるのに…!
あと、バリー(宮吉さん)の冷たい表情の下の諸事情とその説得力。
今回最前列で拝見してたのですけど、
ホントにフルで流れてきそうだなって思ってしまったくらいにリアル…(笑
「てへぺろ☆」顔がすごい破壊力でした、絵にかいたようなてへぺろ…!

おおきに龍馬

おおきに龍馬

劇団Spookies

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/09/16 (水) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

海援隊を知るいいきっかけに
以前、新撰組ものの公演を拝見しております。

幕末物はあちこちで上演されていて
イメージもほぼ固まっているところでの坂本龍馬。
やるほうも見るほうもプレッシャーあるだろうなと思いましたが、
杞憂に終わりました。

上演時間2時間5分。

「劇場内は乾燥しますので」と、入り口で飴玉をくれる心遣い、
歴史ものということで年表が挟み込まれているなど、
親切な公演でした。

本編、カーテンコールの後に次回作の予告編的なものをやるのも、
次につながるいい仕掛けだと思いました。

以下は、ほぼ自分のツイートの転載。


ネタバレBOX


海援隊、
この芝居を観ることにしなかった学ばなかっただろうな…
ためになった。
灯台(龍馬)を失った船(海援隊)がどうなるかと、
その船が再び組上がる話。
みんな勢いがあった。
悲しいシーンの端っこにも少し笑いがある辺りが、
真面目過ぎなくて良かった。
幕末は、女がやっぱり強い。

龍馬は出てこないけど、
登場人物の思い出や信念から龍馬を浮かばせる手法を使ってて、
龍馬のビジュアルとかキャラクターとか既に固まっている人にも
受け入れやすい感じ。
お龍さんじゃないほうの、
龍馬の婚約者「千葉佐那」が登場して、
その描きかたと彼女の決着が良いなと思った。

個人的には、
以前の新撰組ものでの主宰さんの剣舞が滑らかで速かったので
それが見れなかったのは少し残念だった(笑) 
土佐弁バリバリで「刀の重さ」も考えて話作ってて、
その丁寧さに好感をもっている。
ラストでちゃんと琢磨は弔いの引き金ひいてて、
同じ場所にいる事が必ずしも仲間の証ではないよなーって。

海援隊が「フェアプレイとティームワーク」を掲げて
海賊のところに決着をつけに行ったところで、
刀を使わないことはわかったのですが、
あれで海賊が本当に彼らを殺す気で来たら、どうなってたんだろうな…
と、ちょっともやっとしました。

勝海舟の、人生経験プンプン醸し出す演技が、
うまいこと海援隊の人たちの若さと青さを引き出していて印象深かったです。
あと、龍馬というとお龍さんがメインで描かれがちですが、
「千葉佐那」さんの決着も描いてくれていたのが嬉しかったです。

よみ人シラズ

よみ人シラズ

ナイスコンプレックス

吉祥寺シアター(東京都)

2015/09/09 (水) ~ 2015/09/14 (月)公演終了

満足度★★★★

知ることで愛せようになるんだなぁ、と思いました
こちらの団体の役者さんが客演しているお芝居を観て、
そこから1月の本公演を拝見したのが縁で今回も観劇。

2時間15分くらい。休憩なし。

開演前の諸注意の声が機械的だったのも、
作品の設定に準じたものだったのだと気づいて、いい効果だなと思いました。


相手が喋ってる時にもう一人が声をかぶせる会話が多く、
彼らの言わんとしていることはわかりましたが単語として認識しづらかったです。

テーマがテーマだけに楽しいものではなかったのですけど、
興味深く観れたし、見せ方も工夫されてて面白かったです。

ネタバレBOX

国歌「君が代」がテーマのお芝居ということで、
最初は緊張気味に観ていたこともあり、
序盤は誰が「人間の役」で誰が「概念の役」なのかで戸惑いました。

それがだんだんはっきりしてくる中盤以降には気持ちも落ち着いて、
特定の人物ではなく概念としての「政治の世界」の描き方、
「歌に衣を着せる」行為があらわす意味、
パイプ椅子で作った橋を渡る歌の「披露」など、
THE・演劇! な鮮やかな表現方法に見とれました。

役名は、登場人物がほとんど自己紹介をしないので
最後まで一致しないキャラクターもいましたが、立ち位置はわかりやすかったです。
(当日配布のパンフレットがすごく助けになりました)


国歌の是非とかそういう思想的な話ではなく、
服を着せたり檻に閉じ込めたりするように、
別の思惑・解釈を加えていくことで
本来の姿や関係が失われる様子とか、
それを繰り返すことで土台が失われるのでは、という懸念とか
「国歌」や「国家」に関すること以外にも言えるなぁ…と思いました。

「君が代」や「【君が代】が本来向けられていた対象」を擬人化することで
ストーリーがついていきやすくなっていたし、
感情移入もしやすくなっているなぁと思いました。


時代を超えて姿が変わっても「概念」たちは演技の根が変わらずの安定感で、
それを利用した会議のシーンの時代の飛び方が面白かったです。

「キミ」役の林野さんの立ち姿とオーラ、衣装の似合いっぷり、
玉音放送を現代語で語っている際の視線吸引力が素晴らしかったです。

聾唖の少年「アキラ」の(現実世界での)喋りは、
前後の様子でだいたい言いたいことわかったのでヤキモキせずに観られました。
聾の字を上下にわけて
「耳が聞こえない」ことを「龍の耳を持つ」と表すのはここで初めて見ました。
オリジナルの言い回しなんでしょか…格好いい表現だなぁ。


彼が持つ、サポート機械(スマホのアプリ?)の音声についても、
父親役の森田さんの表情だけでも
「あ、これお母さんの声なんだ」ってわかるようになってて
演出、演技力ともにすごいなと思いました。
森田さんの帝王のような揺らがない様が恐ろしく、目をひきました。


ぶっちゃけ「さわらぬなんちゃらにたたりなし」という認識で
特に意味も調べようと思わずに、ただ歌っていた「君が代」。
(恥ずかしながら「岩音鳴りて」だと、学生の頃は本気で思っていました)
知るきっかけ、深く知ろうと思うきっかけになって、良かったです。
おつきさまがついてくる

おつきさまがついてくる

【ハッカ】

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★

向こう側の客席が見えるけど「独り」。その説得力!
小栗さんの作品が観てみたくて、
前情報は、ほぼこりっちの記載事項のみで観に行きました。

手前と奥の挟み舞台で、
休憩なし、約2時間。

かけ離れた設定を通して、
私たちと同じような「当たり前の生活」を描くのが面白く、
俯瞰で観ていたつもりでしたがいつのまにか入り込んでしまいました。
(役者さん達がその設定を
行動のなかに自然に取り入れてたので、
違和感がなかった)

観劇前、
スタッフからの諸注意が、ラジオの音で聞こえづらかったです。

ネタバレBOX


この世界におけるタマちゃんの立ち位置が
もし自分だったら苦しいだろうなぁ…と。
シュカに聞こえないように言うあの一言に、
彼女の抱く複雑な愛憎を感じました。


シュカ達のような事になったことはないし、
似た境遇の人も知りませんが、
観ていて感情移入ができるのは
演技と演出と細やかな言葉づかいのせいなんだろうな…
思い出とリアルと幻覚の間で
「触れよう」としている姿に涙があふれました。


歩道橋のシーンの照明の使い方、とても効果的でした。
作中の生演奏も、音楽への移行のしかたや
音を出すツールのチョイスが、
話を分断せず、意味もあり、すごく好みでした。


役者さんも大きな不安を感じさせずに、
あたたかく、もの悲しく、
そしてリアルな町の景色を作っていました。

特に子ども世代の、設定が独特で、
彼らの作中での変化が目をみはりました。
小春ちゃんの恋について頭で考えようとしている(思春期?)ところのまくし立てる感じ、
背中合わせの二人のシーンは
「ここのために今までがあったのだろうか…」
と思わせる意識吸引力でした。


作中で使われるあの世界独特の単語が、
観てるうちは覚えているし認識してたのですが、
音として覚えづらくて、ちょっと説明と思い出しに苦労してます。

日記録と思い出の違いについての、システム説明をするシーンが好きです。
核の信託

核の信託

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

新宿村LIVE(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

プレ公演から、また違う印象に
リーディング形式のプレ公演も観て、本公演も観劇しました。
(プレ公演割引、ありがたかったです)

衣装と舞台装置、演出が付くと、こうも変わるのか…と、驚き。
プレ公演とは印象がだいぶ変わった登場人物もいて、
そういう意味でも面白かったです。

公演時間は、休憩なし2時間15分との告知。

ネタバレBOX


原爆を落とす側も、満場一致で落としたわけじゃなく、
いろいろな立場からの考え方を
登場人物を通して「同じ人間」として描いていて、作品としては好きです。

基本的に会話のシーンで構成されるので、
相手の話を聞いている途中で登場人物の感情が動く様子などを
観ているのも楽しかったです。

プレ公演でもウルッとした、夫婦の語りシーンでの二人が、
動きがつくことでさらに魅力的になっていて印象的でした。

時計の音や足音(地響き?)の重々しい効果音も、
いい場所で使われてるなぁと思いました。

ラストの、スチムソンの独白からのシーンは、
あれはスチムソン自身でもあり、
アメリカ、ひいてはこの世界そのものを表現してたのかなぁ…
と、思わされました。


ただ、観劇中にいくつか
「あれっ?」と思ってしまう部分もあるのも事実です。

特にヘレンが、夫には「希望を捨てないで」と言いながら
(人殺しをしてしまった&火にまかれて生存は難しいとはいえ)
おなかの子供とともに自殺してしまうところが、
「なぜその選択ー!?」って思ってしまいました。
プレ公演でも疑問で、本公演で
彼女の気持ちがわかるかなぁ思ってましたが、やはりそこは謎…。

リーディングでは、セリフが滑らかだったキャストの方が、
昼も夜もセリフが時々とんだりつっかえたりしていて
役の持つ底知れぬ恐ろしさと発言の説得力が減ってしまっていて、
そこもちょっと残念でした。
(セリフが難解な言葉が多かったり、似た言い回しが多用されるので
大変なんだろうなぁ…とは思います。さらに動くし)

VAGUENIGMA -Another Faces-

VAGUENIGMA -Another Faces-

疾駆猿

新宿眼科画廊(東京都)

2015/08/21 (金) ~ 2015/08/26 (水)公演終了

満足度★★★★

久住→梔子→碑の順で観劇
手前と奥の挟み舞台。

各々違う事象を取り扱っているようで、
じつは違う画材で同じものの輪郭を描いているような印象を受けました。

昨年11月の作品
(↑設定としては、今回の作品の次の年に起きる事件)
につながる言葉も聞けて、ウキウキしました。

公演時間は各々75分。

登場してこない人物の名前などもちりばめられていて、
初見の人はどうだったろうなぁ…と、ちょっと思いました。

怪異の存在感や描き方、
レイヤーを重ねたようなシーンの見せ方、
今回もぐいぐい引き込まれました。

10月も楽しみです!

ネタバレBOX


観劇後の自分のツイート(ネタバレ含む)を、ブログにまとめました。

http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1122.html

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