月に叢雲、花に風 公演情報 劇団ZTON「月に叢雲、花に風」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    夢幻のような2時間
    初演はDVDで見ていましたが、
    初演にも出ていたキャストのほとんどが1世代上の配役になっていて、
    また、大筋は同じですが随所に変更点もあって
    よりリアルに作品の成長を見れた感触がありました。

    休憩なしで約2時間。

    可動式パネルを使ってのキャストの出ハケは幻想的で、
    1、2秒で戦場が変わるのも鮮やかでした。
    それによって暗転の回数も抑えられたようで
    疾走感が維持されていて楽しかったです。

    ネタバレBOX

    特に心に残ったのが

    平忠正(清盛の叔父)の死に際とその際の清盛の表情、
    源義朝の親殺しの際にずっと同じことを口走っていたときの
    その言葉各々のニュアンスの違い、
    音楽に合わせて総キャストが入れ替わりたちかわりでのACTシーンで
    両者のその状況を上手下手で対比させた見せ方

    ほかにも

    鎌田正清&正近兄弟(今回は兄弟設定でした)の
    わちゃわちゃ空気読めてない感じの前半から
    後半で見せたシリアス、熱さ、口惜しさに打ちひしがれながらも
    次代を支えようとする姿のそのギャップ

    信西にかわって登場した、妖艶さをたたえた公家の藤原璋子の
    腹に一物抱えながらも公家公家した上品さのオブラートに包んでいるさま、
    後半で堕ちていく彼女の叫び声

    キャラクターが大きく変化した常盤の、
    笑いに見せかけつつも実は壊れているさま、
    運命的な「出会い」から皮肉にも増していく艶っぽさ
    すべてをつぎ込むと決意した彼女の笑い声

    言人(ときひと=安徳天皇)の作中での心情変化、
    男女どちらともとれる純な声質と笑顔、それゆえの傲慢さ、
    言人と同じ次元で相対する義経の妄執と
    イメージシーンの中で見せた悲しさ・絶望、
    義朝をのっとり、はべっている時の存在感、義朝とのリンクっぷり

    などなど、書ききれません!

    星をひとつ減らしたのは、
    早口になると聞き取りづらくなってしまう言葉が多くあったことと、
    殺陣がちょいちょいずれてたところ、
    ラストが「現状維持で終わった」ように見えてしまって
    個人的に少々物足りない…と思ってしまったことから。

    あ、海賊の頭領が匣を持っていたときにいたのは誰だったんだろうな…
    海賊の先祖ってことでいいのかな。
    スピンアウトで、ほかの「匣の使役」の話も見てみたいなと思いました。

    ZTON作品はキャラクターが生き生きして設定も凝っているので、
    一作では収まりきらないふくらみがあって好きです。

    0

    2015/10/04 11:01

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大