老人と怪物 公演情報 テノヒラサイズ「老人と怪物」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    シリアス味の強めなテノヒラサイズ
    19:30の回を奥から観劇しました。
    上演時間120分。

    全体的にシリアス調ですが、
    ぽいっと入ってくる笑いが効いていて、
    前半の、物語のたんたんとしたところも飽きずに観れました。

    アリスが対決することになる「怪物」の正体とその姿、
    その際の登場人物の様子に心が揺り動かされて、
    自分でも何の感情かわからない涙が出てきました。

    ガツンとくる良作でした。

    ネタバレBOX

    やってることはチラシのとおり。

    てっきり、2つのストーリーが同時進行する
    (客席側からは片方の物語のみがメインで見えるつくり)
    のかと思っていて
    「1回しか観れないの悔しいなぁ」と臨んだのですが
    2つ目は1つ目の時代の回想録的な表現だったので、
    どちらの客席からも2つのストーリーは視認できました(笑

    役者さんの表情などで2回見たかった気持ちはありましたが、
    ストーリーは1回で把握できる設計でよかったです。

    基本はツナギで、そこにポイントで個性をつけて
    「衣装」として魅せる方法はいつも上手いなぁ…とおもいます。

    一人で複数の役をやっていますが、
    どの登場人物も生き生きとしていて、見間違えることもなく、
    役者さん各々の力量の高さが感じられて安心して観ていられます。

    田所さんのかわいさと、謎めき年齢不詳感を生かした演技は
    今回も目を引きました。
    姿をほぼ変えてないのに別人になるさまが見事でした。
    一方、姿かたちが違いすぎて、
    (キャスト表を見ていたにもかかわらず)信じがたかったあだちさんの
    メイン2役も見事でした。
    女運の悪い青年の伊藤さん、
    某老人に向ける彼の感情は「人間あるある」だなぁと。
    わかりやす過ぎるくらいの彼の心の動き、朗らかさが、
    話を重苦しくさせなくてよかったです。

    川添さんの絵に描いたような「俗物」っぷりは恐ろしくもあり、
    いっそ清清しく笑えるようでもあり、
    湯浅さんのおびえきった姿は可哀想でもあり
    もはや哀れを通り越して笑えてしまったり、
    彼を翻弄する松木さんの揺ぎなさとその奥にある本心、
    あと、別ストーリーで松木さんが演じてる彼の理不尽な心(←笑)など、
    人間って面白いし怖いしやっぱり楽しい生き物だなと思いました。

    涙を流すシーンで、どこから見ても「泣いている」とわかる木内さんと、
    役柄上何が起きてもぜったいに泣いてはならないだろう上野さんの姿が
    同じ場面だったわけではないけど大きく対比になっているように思えて、
    ストーリー上で互いに果たす役割などもあって特に印象に残りました。

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    2015/10/04 09:40

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