みくろの観てきた!クチコミ一覧

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ムーア

ムーア

日本のラジオ

RAFT(東京都)

2016/10/06 (木) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

めをつむるなんてもったいない
上演時間55分、濃密な作品でとても面白かったです。

受付のスタッフさんの対応も丁寧で、
当日パンフレットの裏面が台本(←全文掲載!)のことも
受け渡しの際に目を見て一人一人に言ってくださって、良いなと思いました。

新聞を模したようなデザインの当日パンフも雰囲気あって良かったし、
色みはないのに妙に圧迫感のある舞台美術や
役者の演技力を魅せる演じ分けや、
出ずっぱりの演出も見ごたえありました。

片時も目を離せない作品でした。



以下はツイート転載で失礼します。

ネタバレBOX


題材は、知らない人についてっちゃアカン的なアレと、
色々マイノリティな人のアレなんだけど
別にそんな「キモッ!」とかいう気持ちにはならなかった。
でも「かわいそう」とも思わなかったけど。
身につまされる部分のほうが多かった、というか。
小道具の使い方とか、役者のじわる変わり方とか…ゾクゾク

劇場出たら日常の風景、っていうこの立地がさらにクる話だなーと思った。
そんで、役者の表情とかが最後列でも視認できる
あの距離感もいいんだと思う。
東中野駅から会場のRAFTまで12分くらいか? 
歩く価値あった。
駅までのすれ違う人たちも、作品の一部みたいだった。

当日パンフに台本が載ってるの、
セリフ云々のパワーもあるけど
役者さんの演技でものいわせる系だからこその、
自信あっての行為なんだろうな…(まだ読んでない) 
安藤氏の視線と藤本さんの小道具の使い方と立ち姿、
横手さんの数種類の不気味さと
三澤さんの引きずり込み方と圧がスゴかった。

昼の(別作品)も、夜の日本のラジオも
床に靴底が当たる音すらたてるの憚られる緊張感ある景色で…
(別作品)は2回目だったから
どこでゆるみポイントがあるか把握できてたから良かったけど、
日本のラジオは次はどうなる、この止まった空気を誰が動かすのか…って
とてもヒリヒリした。


NBL大作戦

NBL大作戦

ゲキバカ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/11/07 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

二時間半があっというま!
チラシとパンフレットから見た印象だけ持って観劇したら、
オープニングのダンスで出てきた登場人物たちの姿や
奇想天外な展開に衝撃でした。
たしかに、ゲキバカがただのレトロな学生コメディで終わるとは
思ってませんでしたが…!

生徒も先生もいきいきしていて、
「いい加減に、ふざけないでちゃんと授業してください!」
って言いながらも
結局一緒になって笑っちゃうような
楽しそうな学校でした。
舞台の大きさを使った後半の演出も面白かったです。

ネタバレBOX

女優さんにも躊躇なくえげつないこと言わせる展開ですが、
それでも全体としてかわいさが損なわれないのが
すごいなと思いました。

モカさんの、アドリブにふきだしそうになりつつも
言葉を発するときには引きずらずにいるところ、
後半のアクション、
そして一貫して無表情だった彼女が見せた感情が素晴らしかったです。

学生生活をダンス風味で見せる演出、
笑いでくるみつつもまっすぐに大事なことを伝えてくる感触、
時間を忘れて楽しみました。
狂犬百景(2016)

狂犬百景(2016)

MU

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/10/01 (土) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

ゾンビ映画的設定で描かれる人間模様に、ニヤリ&ズシン
上演時間は約2時間10分。
受付は開演1時間前、
開場は30分前(チケット記載の整理番号順)。

本編もさることながら、
スタッフワークも劇場の椅子などの環境もよくて楽しかったです。
団体の公式ツイッターが公演前に
その日の当日券の有無、
開場時間等ツイートしてくれていて、
三鷹駅からのバスの乗り場と時刻表も書いてくれてるのがとても親切でした。

(以下、
自ツイート転載でしつれいします)



狂った犬がうろつく街に住む人々のあれこれ話。
男と女の面倒くささ、
人の本性が出て、それがピリピリするし滑稽。
上演時間は2時間10分だったけど、途中、
薄暗がりでの場面転換ありな連作短編なので、
肩の力を抜く時間あり。面白かった。

当日パンフに配役と各話のあらすじ&
登場人物のソコソコくわしめな説明が載ってそうだったので
ほとんど読まないで観劇。でも平気。
2話の暗転明けに女性が多めに出てたとき
区別つくか戸惑ったけど、
話始めたら各々個性的で
すぐ区別ついた。
前に観たことある方々も、わりとすぐに気づけた。

なんで今日マチソワじゃないんだろう(当日券買ったのに!)ってくらい
面白かったので、来週も来れたら来よう。
上演台本も販売。
値段は覚えてないけど高くはなかった筈。
早めに予約したから初演の台本データ送られてて、
聞くとなんか色々違うところあるらしいのですぐに読むのは勿体無いなぁ。

ネタバレBOX


「コウリュウ室」の漢字を、
最初違うほう(交流)をあてて聞いてて、その後、
あっちがうちがうそうじゃない(拘留か)…になったんだけど、
あれは作者の計算か私がバカなのか…

PMC野郎所属のNPO法人さんは、
全部人間の役。
メイクしてなくても演じ分ける役者っぷり。
そうそう、こういうの好き。
最後に出てくる役が特にインパクト強かったな。
前半の(役の)肩や手、呼吸と表情の細かさが印象強かったから余計。

古屋敷さんはナマでは3、4作くらい観てるかな? 
共通してまっすぐが暴走している感じで、
それが表に出るかフツフツしてるかっていう芝居の違い。
彼に限らずだけど、本筋スポットが当たってない時の反応や様子が細かい。

第一話の、 
コンビニの棚の品物を前に出す店員の手つきがやたらリアルだったな(笑)  
肩をすくめて気配消す感じとか、わかる。 
飛び越えて行われる会話を聞く
彼女の表情が好き。 
運命についてのことばが印象的。 

第二話の、 
女子アナみたいな(偏見)娘の、 
一見してすぐにわかる「あの感じ」すごい。 
彼女への「~で返事をするな!」が最高(笑) 
ラストの彼女の行為の意味に気づいて
スッとする。 

個人的に好きだけどエグいわ(精神的に)と思ったのが、
第三話の3人の「いつから」の話。 効果音とか無いんだけど、
空気が変わる音がするようだった。 
これは役の説明読まないで見てよかったな~。 
良心と残虐が
くるくると入れ替わって見える、 
なかなかそろわないトランプ神経衰弱みたい。 
志村さん(役名)と彼の関係が 
口に出される前に見ててわかる。 
なんでだろう。 
お互いの距離の取り方かしら? 

第四話は
全てが集束してくる感じにザワザワする。 
MUは前の時もそうだったけど、 
収まってるようで
別の部分の嵐が始まる感じ。 
男の「理解してる」感と
嫉妬丸出しの顔に
笑うかもやっとするかはこちらの心情次第だな。 
紙コップ男子がツボ。 

舞台装置の見えなそうで見える感じと 
奥の使い方が良かった… 
歌詞を覚えられない彼女の声が、 
ある意味サブリミナル効果だったな。 

想像力があると少しグロいのかも。 
現場はでないけど、血糊はあるから。 
橘さん(役名)の鞄から出てくるアレの破壊力。 

テノヒラサイズの人生大車輪'15

テノヒラサイズの人生大車輪'15

テノヒラサイズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/12/22 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

「あれ」でここまで魅せるとは!
テノヒラサイズは遠征して観にいく団体です。
何度か再演されているこの作品はまだ未見だったので、
東京で観られて嬉しいです。

チラシには「奇跡の90分」ですが、上演時間は1時間50分程度。
事前に告知があったので助かりました。

身近にある道具であそこまで様々な景色や物体を作り出す手腕、
ツナギのみで見た目もほぼ変えないのに
「さっきとは別人」とすぐにわかる役者さんたちの高い演技力、
ストーリーの鮮やかさに、ただただ食い入るように観ていました。

ネタバレBOX


バラバラだったものが収束する展開が見事でした。
椅子の使い方ではジェットコースターと逃亡劇が特に好きです。

私が観た回では
映画撮影のシーンをつくる際にモニターを模した椅子が崩れたのですが、
湯浅さんが自分のやっているキャラの演技を崩さずに対応して
まるで通常シーンの一つのようにしていて、
そういうところがすごいなぁと思いました。
客席を素に戻さない&戻ったとしてもすぐに作中に引き戻してもらえて
安心してわくわく観ていられます。

ガヤガヤしているシーンなど、
本筋に大きくは関わらない会話にも思わず笑えるやりとりがされていて、
どこを観ていても面白かったです。

プロポーズのシーン、
役者さんの雰囲気と言葉と役柄が合っていてときめきました。

「90分」は彼らが目覚めてからの作中の経過時間なのかなぁ…?
覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】

覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】

劇団ZTON

王子小劇場(東京都)

2016/09/22 (木) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

再演されるごとに洗練される、ZTON流三国志!
受付・開場は開演の30分前。
上演時間は、途中休憩なし2時間10分。

客席は横に広く、アクトエリアも上下左右に広く使った方式で、
迫力の殺陣と
キャラクターと世界観を一望できる「ACT」と呼ばれる一連のシーン、
大小さまざま散りばめられた伏線と格好いい見せ場、笑いどころなど
飽きることのない時間でした。


覇道泰平シリーズは2作だった初演から拝見しておりますが、
1作にまとまった2015年版の「そのまま再演」ではなく、
役者さんに合わせてキャラクターの性格が変化していたり、
セリフは同じなのに
語調や表情でまったく別の言葉のように聞こえるようになっていたり、
新たな楽しみがありました。


こりっちフォームから事前に予約していると
劇団から当日に案内メールが来るのですが、
席の種類や空調の具合、
当日の天候についての言及(傘立てがある等)もありとても親切でした。

自分は2公演予約しているのですが、
内容把握は1回で満足できる描かれ方です。
でも、どうにかもっと追加観劇できないかな? と思うくらいに
何度も味わいたい魅力的なキャラクターと世界観でした。

ネタバレBOX


今回は「劉曹編」と冠されている、劉備と曹操が主軸となる話。

劉備役と曹操役の役者さんの芝居力と客席に与えてくるイメージが
天秤…あるいはコインの裏表のようにバランスがとれていて
すごく良かったです。

若干、BGMの音量と役者さんのシャウトが混じって
不明瞭な部分もありました。


↓以下は自ツイートの転載↓

再演を重ねるごとに本当に文字通り研ぎ澄まされていく
為房さんをはじめとした皆さんの殺陣! 
あとキャラクターの掘り下げもどんどん深くなって、
見せ方もさりげなくとディープにとが混在してて楽しい、
ほんと東京でコレ観れて幸せ…!


平野くんは
全覇道泰平張飛のなかでいちばん(ピー【ネタばらし:おばか】)だよ!!!(笑
めっちゃ良いもの観た


黄龍ちゃん代々可愛いんだけど
「可愛いってこんなにいっぱい種類あるんだ!?」って感激した。
炎龍さま…白いすてらさん、美しすぎた。
某台詞、いままでの炎龍の印象とは決定的にちがう言い方だったなぁ。
董卓一行今回出てきた瞬間に惚れたわ。
同中(オナチュー)感ある関係性

ZTON、速さもあるけどそこに乗せたストーリー云々って感じのことを
開演前にツイートしたけど、速さもやっぱりすごかった。
今回、王子の舞台をとても広く使ってる…! 
ここの劇場は団体によって、
客席入った瞬間に方向感覚めっちゃくるうね。
前で迫力を体感するか、後ろで世界を楽しむか悩む

『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】』で
「知恵がまわるものが生き延びていくための術(すべ)」を観てほしい。
ほんと、今回の「彼」の生への執着を観てほしい。
まだ初日だから明かすの悩んだけど言っちゃうね。
後半の関羽の生き方。血が冷える。
(追記:劉備の話を聞いているとき、
両側の二人の疑念や怒りをおさえようとしてるような仕草、壮絶な笑顔)

初演再演を経ていろいろ追加要素があったり、
逆にスパッと、見せる部分を語りに変えたり他のキャラに託したり…
ブラッシュアップってこういう事なのね、と実感。
笑いどころも客席だいぶウケてて、
笑わせ方愛され方がどんどん巧くなってる。
張飛の某発言(追記:義勇軍のくだり)がツボにハマった。あれウマいわー!


作中の、龍達の舞からの一連のシーンは
ZTONでは「ACT」と呼ぶらしい。
今後の展開や、世界観などをぎゅっとおさめた見ごたえある部分。
今回は龍と各勢力の関係の中に、伏線や各キャラの心情が描かれる。
全体見るつもりだったのにうっかり董卓軍を注視してた(笑) 
呂布の表情、雄弁でした。

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

【Bチーム】観劇。
『七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)』と『笑の太字』(各45分)を
間に10分の休憩をはさんで2本立て。

各作品上演前に、
脚本演出の冨坂さんがご挨拶してくれました。

2作品とも、現場を見てただ笑いながらも
「笑いをつくること」に関して考えさせられる部分もあって、
楽しかったです。


早期予約&事前入金して
当日受け付けに申し出るとキャッシュバックされる
「(大)貧民割り引き」があるのも面白いです。

ネタバレBOX


『ワイフ~』での、
スタイリッシュ大作戦(勝手に命名)で時計が外されてからの展開に笑いました。
更なるハラハラドキドキ要素も加わって、
ラストまでゲラゲラ笑いながらも手に汗握ってました。
(アナログ時計よりデジタルカウントダウンの方が
焦燥感と誤魔化しできない感じがあって、
あの切り替えから空気が変わった気がしました)

途中に挟み込まれるあれやこれやで
「どうせ円満に解決するんでしょ?」って気が見ていてしなかったのがすごかったです(笑
べつに「あのコメディを演じてる役者さん」の人生について
作中で語られることはほとんど無いのに、
彼らの話し合いシーンで垣間見える「芝居へのスタンス」の違いで
彼らが普段どういう役者で、
他にどんな感じの作品に出てるのかなど
想像できるのも楽しかったです。
「実はスタイリッシュ作品が好きな、チャン役の役者」
を演じてる津和野さんの
片言を禁止された後の「アイヤー」の日本語訳、面白かったです。


『笑いの~』は、
観劇前にはタイトルの意味がよくわからなかった(モトネタにピンときてなかったので)のですが、
そういうことか! と気づかせる序盤のやりとりと、
タイトル映像の、有無を言わせない感じにのけぞりそうになりました。

「甲田くん」の屁理屈爆弾と、
それにツッコミながら対応する「津和野先生」の、
短い言葉なのに的確で破壊力ある感想の言葉のチョイスが
すごいなと思いました。
「不死身か!?」最高でした。

怒涛のセリフ量に圧倒され、
仰天のオチ、
その後繋がっていくシーンでの表情にドラマを感じました。

ランニングホーム

ランニングホーム

ステージタイガー

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2016/06/02 (木) ~ 2016/06/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

全員主人公、なのに間延びなしの良作

開場は開演の30分前だけど、劇場ロビーは45分前から開放。
ホットドック(400円・ドリンク付500円)も、美味しかったです。

上演時間はだいたい100分。
カーテンコールは1回しかやらない団体なので、そこで延びることもないです。

この会場は、入場して階段を上ってからどっちが劇場だっけ、とか、
お手洗いどこだっけ、とか、ちょっとわかりづらいのですが、
迷いそうなところにスタッフさんが立っていて
こまめに案内してくれて助かりました。

暗転時にチャプター名(誰の、どこの時間軸か等)が字幕で出るのですが、
前列中央付近にいたら首をひねらないと視界に入らなくて、
途中まで気づきませんでした(笑

「叫び、走る」イメージが強い団体ですが、
沈黙や背中で語る芝居、
同じシーンを主人公が変わることで別の角度から見せる手法など、
しっとりとしたシーンも今回多くて、じわりじわりと泣けてきました。

あんなに勢いよく走ってるのに、立ち位置的にはほぼ動かない
あの「走り演技」いつも見とれます。

ネタバレBOX


町のシティマラソンを中心軸に、
各々の登場人物のドラマが終結していくつくり。
スタートのシーンが何度か見れるのですが、
そのたびに「主人公」が違うので、
まったく違う景色に見えるのが楽しかったです。

「なんにもない町だよ」という言葉が出てきますが、
観終えてみて、
「なんにもないところ」には「なんにもない」が在って、
それは「なんでもある」ってことなのかな、と思いました。



作中に何度か
「お前はすごいよ」の気持ちの向きが見えるシーンがあって、
そこが好きでした。

とくに中川(役名)にその矢印が向いたときのやり取りが、
役者さんの表情、漂う空気、
見えないけど想像できるスマホ画面や過去などをまとっていて
人生を感じました。

カメラマンと人妻のシーンも、彼らの表情や仕草から
写真の一枚一枚が見えるようでとてもよかったです。


劇団員さんも客演さんも、
細やかさと大味なところ両方観れて、とても満足しました。


あと組長(初演版)がインパクトすごくて大好きでした(笑
いちご畑でつかまえて

いちご畑でつかまえて

三度目の思春期

ギャラリーがらん西荻(東京都)

2016/05/13 (金) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

「恋は状態異常」とはいうけれど。
ジュルネ・ソワレ観劇。

座席は入って右方向に3列、
左方向の壁沿いに1列のL字型。
上演時間は60分。

終演後に台本販売あり(800円)


右方向の最前列は桟敷席でしたが、
見た感じ座布団がかなり厚かったです。
(わたしは椅子席に座ったので、座り心地は謎)

開園5分前までの間、土足であがって良いマットがアクトエリアに敷いてあるので、
手前に座ってもあとから来た人が奥に行きやすいので良かったです。
(自由席でも「奥から詰めて座ってください」という現象が起きない)


スカートで桟敷席に座る人のために、
ブランケット等があると良いなと思いました。
(荷物預かり対応など、スタッフさんテキパキしてて動き良かったです)

自分はジュルネソワレと観ましたが、これマチネもあったんですよね…
疲れもセリフの揺らぎも目立たなくて、
公演の間の時間も短いのに、役者さんすごいな~と思いました。

いちごのような甘酸っぱい気持ちをキュンキュン感じる、
でも甘い話ではない作品でした。

ネタバレBOX

登場人物が隠そうとしているけど
客席には感情がだだ漏れになっていること、
また、逆に最後の方まで明かされないことなど、
60分にギュッと詰め込んでいて面白かったです。

30、40、50代の女性が組んでいるという設定で、
感情表現や
特にネット(LINEやPC操作、デジタルタトゥー)に対する世代的な意識の違いを
うまく織り込んでいて、面白かったです。

50代のビーさんの、
おばさん的な図太さと少女のようなトキメキを抱えている様子がいいバランスで愛らしかったです。
名前を聞かれるシーンで、手が手錠をかけられたようになっているのを見て、
そしてカタカタと震える姿を見て、
心情のあらわしかたが細かいなぁと思いました。

40代エーさんは、職業的な堅さとある方面への無知さが同居していて、
時おり口にする聖書の言葉が後々そういうことかーってなるの楽しかったです。
別の登場人物も言いますが「なんか、いい」って表現がぴったりでした。
耳元でとどめをさされたあとの「そうですか」に、鳥肌がたちました。

30代シーさんは、
おちゃらけているように見えて女心をぐいぐい感じさせてくれて、切なかったです。
ラスト付近の3人の背中合わせのシーン(あえて顔を見ないところが大人の女の絆だなぁ…)でも
わざときっかけになってて優しい人だなと思いました。


男性二人は、
ひとりは現場感、ひとりはスーツとか、
濃いめの顔と薄めの顔とか、
色々な意味で対称的な人物像で、二人しかいないのに広範囲をカバーしているなと思いました。

農家の方は、
怒りと信じたい&信じられないの戸惑いをおさえつつ感情がビンビン感じられる「誰ですか」のあたりと
自分の惹かれているという感情を冷静に、でもとても熱い言葉で言うシーンが好きでした。

農協の方は、裏に隠している疑問疑惑に対してうまく隠しつつ
みんなから見えない部分ではかなりはっきり出していて、
誘導する時の行動言動とかとか
若さゆえのやりすぎる勢いとか、
彼の気持ちはわかりつつも「悪魔だよ…!」と思いました(笑
ネクタイのシーンは、傍目から見ていてもかなりドキドキしました…!


ラストシーンの
滑稽で、生まれ変わりつつもやっぱり彼女たちは彼女たちなんだなーって所に
笑いながら、とてもスッとしました。

最初は全部食べたけど、
最後は全部食べないで残していくところに、
オンナゴコロを感じました。
神芝居

神芝居

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2016/04/20 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

掛詞ラッシュとエンタメ感に酔いしれる
何度か拝見している団体。

上演時間100分程度で、
終演後カテコから引き続き写真撮影タイムあり。
それを含めて110分。
(事前に撮影会のことも含めてアナウンスしてくれてるのが親切)

ハイスピードな台詞まわしや殺陣、ダンスなどでエンタメ色が強いですが、
世界観もしっかりしていて単なる「カッコイイ祭」じゃないところが好きです。

衣装も、初見でも何のキャラクターなのかわかりやすく、
一人一人の見分けがつくし
ド派手な照明(点滅系あり)にも負けてなくて見ごたえありました。

ネタバレBOX

前回の『義経~』では途中から理解が追い付けた感があったのですが、
今作は最初に手を引いてくれて、そのあとスピードが急に増していく印象でした。

途中(ウラシマソロシャウトのあたり)で、
感情は同調しつつも、いきなりの変調にとまどって頭がパーンとなりそうでしたが、
終盤には落ち着き…というか包み込むような展開になり、
ラストの「ギガニッポン」を見つめる二人のやりとりに涙が出ました。

難解な言葉遣いが多いところや、去り際の台詞など、いくつか音と文字が脳内で一致できない部分があったのですべてを理解できた感じは無いのですが、
「すごいのを観た!」という感覚は強くて楽しかったです。
平日の天使、その他の短編

平日の天使、その他の短編

キコ qui-co.

Ito・M・Studio(東京都)

2016/09/20 (火) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

Aプログラム観劇。
受け付け、開場は開演30分前。

会場は坂を上ったあとに路地を右折するのですが、
入るべき路地に看板が置いてあるのも親切でした。

Aプログラムは休憩込で150分。
(『ミートソース・グラヴィティ』『赤猫の舌』+休憩10分+『平日の天使』)

Bプログラムは後日観に行きます。

この上演順、にくい。
すごく面白かったです。
役者さんも作品ごとに様々な姿(表情・性質など)を使い分けていて、
終演後「同じ役者だったのか!」ってびっくりするような人もいました。


特に『赤猫の舌』は観劇後「2回観たいなぁ」と思ったので、
Bプログラムでも上演されるの嬉しいです。

彼らが内に秘めた、「狂おしいほどの愛」を
自分だけひっそりと透かして見ていたら、
そのまま自分の中に通じていた、というような体験でした。

ネタバレBOX


>『ミートソース・グラヴィティ』
阿佐ヶ谷の商店街にある「ミー○屋」に行きたくなりました。
コントのようだなぁと思っていたら、後半の展開が切なくて泣けました。
小栗さんの笑顔からとてつもない時間を感じました。

>『赤猫の舌』
「イバラキ」の存在感の笑いと重み、衝撃的でした。
赤い服の女性とギターを弾く小栗さんという初っ端の絵面で
小栗さんが作・演出した別団体の『おつきさまがついてくる』のことを
ふっと思い出したのですが、似て異なる…でも
底にある感覚的なところで同じものを感じる世界観だなぁと思いました。
作中の世界観はとても冷たい設定なのに、
人間の温かみや肉感的な表現で役者さんが世界を構成してるのが
面白かったです。

>『平日の天使』
相手に触れなければ基本的に発症が分からない、という病を
役者さんが具現化させる様に
「演劇って、なんて面白いんだろう!」と思いました。
(客席は演者に触れられないから、彼らの説得力が命)
『ミートソース~』で見せた笑顔と同じ顔で、まったく違う性質で、
一番遠いけど一番身近にある恐ろしさかもしれないな、などと思いました。



↓以下は自ツイートの転載↓

人の目に見えないものを、役者の芝居でそのように見せる感じ、
感覚を言葉にするセンス、表情。ドキドキする。
愛と欲、本能と理性の境界線を刺激された。
作品ごとに違う人間になる役者さん達スゴすぎ。

Aプログラムは3作で150分。全然、そんな長さを感じなかった。
パイプ椅子のクッションも厚かったし。
あることばが、劇場を出たときにタイミングよくその通りだったので、
この時に観に来た自分を誉めたい。
(追記:雨が止んだ)
利己的な愛情を否定しない所が好き。
『平日の~』の彼女(追記:マリ「感染しててほしい」)の台詞、至言。

人を好きになった時の、
情緒不安で幸せで破滅的なあの感じを味わえるのがキコ/qui-co。
『ドリームランド』『ラット13』と観てきて今日やっと確信した。
あと『赤猫~』あの声どこから出てるの!? って感じだった。
女優さん達、ピュアなのも、夜を想像させる色気も、
どっちも持っててスゴイ。
(追記:『ドリームランド』は別団体での上演で
厳密にはキコ名義じゃないけど…)


小栗さん、ほんと超いっぱい出てた。
そしていろいろな感情が取り揃ってた。
3編のうちどの小栗さんが好きかなんて…言えない…
(強烈に好きな役があるけど、はげしくネタバレに抵触する)
(追記:『 ミートソース~』の誠一さん、すごく好きです。)


タイムリーパー光源氏

タイムリーパー光源氏

十七戦地

Gallery&Spaceしあん(東京都)

2016/09/09 (金) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

観客をタイムスリップさせるタイムリーパー
受付、開場は開演20分前。
上演時間は65分。

靴を脱いで上がる古民家での上演。
(受付時に、靴をいれるビニール袋を貸してもらえる)
最前列は少し低くはなりますが、
全席椅子でした。

脚本家さんの客席案内は、
開演直前に設置される追加席の事も告げてくれて、
親切でした。


タイムリープ(時間を戻ってやりなおす)の演出はどうするのかなー…と思ってたら、
そうきたか! という見せ方で、
それによって色々想像させる部分が増して、
とても面白かったです。


終演後に台本(800円)や劇団グッズ販売あり。

ネタバレBOX


最初のシーンの、光源氏と景色のコラボレーションがとても雅で、
「この人が光源氏(光る君)だ!」という説得力がありました。

藤原さんが藤壺役だと思っていたので、
キャスト表を見てびっくりしましたが
作中の惟光の発言を聞いて納得。
そして「重要人物を、あえて舞台上に出さない」柳井さんの脚本の力をつくづく感じました。

平安的な小道具は扇子くらいなのに、
(衣装も雰囲気程度)
芝居が始まると平安時代になってしまう舞台の魔法にかけられた65分でした。

夜公演だったので(?)、
戸のガラスに役者さんの顔が映って、
背中を向けているときも表情が見えたのがラッキーでした。

繰り返される会話、
出てくる言葉は同じなのに
感情によって言い方が変わったり、
それによって向かう先が変化してしまう(見える部分が変わる?)のが
とても楽しく、
繰り返しのダラダラ感がなくて良かったです。
ナイゲン(全国版)

ナイゲン(全国版)

Aga-risk Entertainment

新宿FACE(東京都)

2015/11/13 (金) ~ 2015/11/14 (土)公演終了

満足度★★★★★

机と椅子があれば、どこだってナイゲン
昼の回を観ました。

実際の教室のぎゅうぎゅうした感じは薄まったものの、
入場時のチカチカした明かりや音楽、
西日の入りかた(照明)、
登場人物たちの動きが空間を意識したものになっていて
魅せる作品寄りになっていたように思えました。
とても面白かったです。


ワンドリンク制で、場内でも観ながら飲めたのですが、
わら半紙の資料を、ドリンクを持ちながら見てるの大変そうでした…(笑)

エダニク

エダニク

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

シリアスもモヤモヤもドタバタもピリピリも、とにかく上質
何度か上演されている作品とのことですが、初めて観劇。

上演時間105分。
(チラシ記載よりも実際のランタイムが延びた旨が、
メールで送られてきました。親切…!)

開場後は、団体からの予約での整理番号と、
劇場側で予約した時の整理番号で同時入場する方式でした。

椅子の背もたれにもクッション的な物がついていて、
背中に優しかったです。

「観劇後、肉が食べられなくなるような話なのかな…」
と思っていたのですが、杞憂でした。

役者さんたちも上手で、純粋に会話劇としても楽しいし、
力のある脚本なので、
作中に描かれていたテーマを深く掘り下げて
こちらに考えさせるきっかけとしても、上質だなぁと思いました。

ネタバレBOX


がっつりシリアス一辺倒な展開を想像していたのですが、
会話の中の自然な笑いや、
「本人たちは必死なのに傍目から観ると面白い」現象もあって
肩ひじはらずに入りこめました。

どの登場人物の主張も思考も理解できるけど、
お互いに納得できない立ち位置…という絶妙な位置取りで、
作中に出てくる「模範解答がない」問題も、
三者が同じくらい人間として丁寧に描かれているので
「誰かに肩入れさせて、客席側の思考を誘導する感じ」がまったく無くて、
そこがとても快適でした。

音楽も照明もほとんど変化のない中、
役者さんのまとう空気で、
雰囲気が硬くなったり柔らかくなったりする舞台上。
目が離せませんでした。



義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅せることに突出してて好き。
ソワレを奥側3列目から観劇。

義経と宮沢賢治という、知られた題材だったので
あれこれが交錯するシーンも
まくし立てるようなスピーディーなセリフ回しにも
混乱せずについていけました。

壁、床面など舞台空間全てにうつし出される光、
前楽だったのに疲れを見せない殺陣、
キレのある言葉遣い、
3列目でも汗まで見える近さ、
どれをとっても魅せられました。

天井を見上げたところの、舞台装置も美しかったです。

カンフェティで買ったチケットを、
終演後希望者には
劇団オリジナルチケットに交換してくれるのも
半券にこだわる人には嬉しいサービスだなと思いました。

刺毛-シモウ-

刺毛-シモウ-

はぶ談戯

テアトルBONBON(東京都)

2016/10/19 (水) ~ 2016/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

好みは分かれると思うけど、心に残る作品
知っている役者さんが客演するということで、
初めてうかがいました。
指定席で、上演時間は休憩なし2時間。

劇団先行で予約しまして、
劇場に行ってみたら
該当するイスがないという事態に直面しましたが、
スタッフさんが丁寧に迅速に対応してくださって
気持ち良く観劇できました。

予約の際のメール対応も優しくて良かったです。

本編は、好き嫌いはあるかもしれないけど、
見ないふりしてる醜い部分をえぐるようなシーンもあり、
でも、それでも寄り添っていないと生きていけない
人間の不完全さ&切なさを感じる話で、
私は好みでした。

ネタバレBOX



山奥のコテージに訪れた人々が、
少しずつ心と人生が壊されていく…
というような話で、
性的な方面の話題も出てきましたが、
「いろんな愛の形があるんだなぁ」
という感じで、

エロいなとは思いましたが
(基本的に直接的にはキス止まりだった)
いかがわしいとか汚らわしいとか思いませんでした。
と、いうか、
他人のこんな部分を見ちゃイケナイかなと思いながら見ているのが
背徳的で楽しい…あっ、でも楽しんじゃいけないのかしら? って感じで、
ゾクゾクしました。

歌謡ショー的な部分は、
スタスタやって来てさりげなくマイクを渡していったり回収したりする管理人夫婦含めて面白かったです。

歌謡ショー的演出は特に「突然!」って感じでもなかったので、
違和感なく見れました。

オープニングは耳が慣れる前に始まって、耳と目が忙しかったのですが、
ソロ曲の歌詞は、
歌詞カード(販売パンフレットに記載)見なくても聞き取れました。
人妻の曲が、
歌い出す前のエピソードを絡めた
それっぽい曲調で面白かったです(笑)

時々あった、2、3組の場面のセリフが入れ子になっている(?)演出は
情報整理で頭使うのにちょっと苦労したけど、面白いなぁと思いました。
昴のテルミニロード

昴のテルミニロード

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王子小劇場(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

初・レティクル東京座でした。
別の舞台で観た役者さんがこちらの劇団員ということで初参加。

役者は全員白塗りで、終演後にはライヴがあるなど、
独特の雰囲気がある劇団なのだなぁという印象を受けましたが、
劇団公式サイトには観劇に際しての説明が丁寧に書いてあり、
チケット予約前からウェルカムな雰囲気でした。

過去公演の動画や写真などをネット上に残していて親切だし、
役者さんたちが「自分推しの人はこのあたりの席がおすすめ!」など
公演期間のだいぶ前にツイートしているのも良いなぁと思いました。

終演後数分の休憩をおいてのライヴも、楽しかったです。
(後方で役者さんが振るリズムをレクチャーしてくれていたので、
初参加でも疎外感なく楽しめました)

ストーリーも北欧神話を知っているとニヤリとできる要素アリ、
知らなくてもぐいぐい引き込まれる熱量と悲劇性、
場転の華やかさや舞台装置の巧みさで
休憩なし2時間ちょいでしたが長さを感じませんでした。

サイトや当日パンフレットの人物説明やストーリー概要で
文字が多くてドキドキしましたが、
そんなに頭にぎゅうぎゅう押し込まなくても大丈夫な展開でした。
(作中でみんな名前が呼ばれるし、
世界観もちゃんとストーリーに沿って説明される)

来年にあるという、次回公演も行きたいなと思いました。


ネタバレボックスには自ツイートを一部転載。

ネタバレBOX

これは中毒になるやつ!!!(笑) 
みんな格好いいほうに全力で振りきってて
特にヤシロの人は何者?ってレベル。
雨宮さん、めっちゃ禍々しくて吸い込まれる。
これは論争劇では観れない姿…! 
台本買ったけどこの勢いは文字で表せないから完全に記憶スイッチ用。

白塗りは照明がガンガンあたるから
もはや気になるとかそれ以前の段階。
表情がむしろ見やすくなるし、キャー(*゚∀゚*)ーなシーンも
生々しいけど生々しすぎず私にとってはかなり良い効果だった。
ていうか、あの舞台装置なにあれすごい。使うタイミング絶妙。
空間取りも、見るとかなりギリギリだ。

何人かしゃべり方(句読点の入れ方)が独特だなーって
最初思ったんだけど、いわゆる「クサい」ってやつなんだろうなぁ。
でもみんな徹底してそれだから、
誰も浮かないしこっちも冷めずにラストまで
あの世界観にぐいぐい持っていかれた。
手袋外そうとするだけであんなえろくなるとか…ナイフ舐めもやばい

護送撃団方式の彼は
一部シーンでギャースってなったけど全体的に好み。
衣裳の肩部分がふわってなる立ち方や、後半の肉体的演技。
妹さんも、ものすごい衣装ですがそれ以上に迫力があって
色々と業の深い兄妹…あそこで2時間レベルの芝居1本できそう…
っていうかそれ言ったら他のメンツでも以下略

イヅミ先生の、語気に含まれる感情の複雑さが好きだ。
アンジェさんの寂しさとか彼女が求めてた温もりの種類とかも。
あの人の、満たされない癒されない所が変質して表に出てる感じとか。
RT座、全体的に派手で勢いがあったけど
それで誤魔化したり押しきらず、複雑な感情面も描かれてて良かった。
裸火

裸火

BELGANAL

仙川LiveBar DingDong(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

停電の夜、光に群がりぶつかる自我
タイトル(「はだかび」と読むそうです)とビジュアルから、
どぎまぎしちゃうような内容だったらどうしようと思っていましたが、
ほとんどいかがわしさはなく、
右往左往しながらも自分の体面を取り繕うとする「いいオトナ」達に
思わずニヤニヤしちゃいました。


上演時間75分の、ギュッと詰まった濃い話。
終演後に時計を見て「まだこんな時間!?」とびっくりしちゃいます。

劇場は京王線「仙川」駅から私の足でだいたい10分かからない程度。

確かな実力を持つ役者陣、
「登場人物の行動の自由」を生かしたような演出、
彼らの醜悪な面を描きながらもどこか滑稽さと愛らしさを残している脚本、
素晴らしかったです。

役者名と役名の一覧表が見当たらなかったのがちょっと残念でした。


以下、自分のツイートの転載で失礼いたします。

ネタバレBOX



--12:00回--

大停電の屋敷、
自分の守りたいものをどうにか守ろうとするイイオトナ達の右往左往。
あの場所にいられない彼女、この勝負、不利だよな~って思いながら。
全編薄暗がり、
ランプ光にチラ見えする登場人物の欲望と往生際に、笑った笑った。
会話だけで立場丸見えで、面白いね。


全員、心的に右往左往してるけど鶴町さんは肉体的にも(笑)
狩野さんの今回の役どころ好きだ、好きだわ。
紅一点の林田さんの言葉「ほんとそれ!」ってなる。
海外は蝶と蛾の区別つけない、っていってたけど
愛憎も区別つけなくていいかもね。


たぶん、どこの角度も神席なんだと思うけど、
さっき私が座ってた席は、哀れな男が光ってる神席だった(笑
カテコ無い芝居なので現実感を残したまま、いま頭のなかで咀嚼してる。
キャスト表は、台本(800円)買わないと分からないパターンかな…
観てれば立ち位置は初見でもわかる。


フライヤービジュアルのようなエロい話ではないけど、
想像力豊かだと会話とかから色々想像しちゃいそう。
そして終わってから見ると…なんか切なくなるな、この写真とフレーズ。
守りたかったものとは…


--16:00回--

(補足:舞台のセットについて)
子供の頃に、「落ち葉ー、わーい!(撒き散らし)」やろうと思っ
て裏を見たら…! ってやつまで再現されててある意味泣いた。


さっきと逆(席)から。
…あれ!? なんかちょこちょこさっきと違う景色ですよ!? 
そういえば『ヘルメス~』でも…
同じ顔を見れるとは限らないのね。
城見(役名)さんのある行為が決定的に12時回と違ってて、
演出面白いなぁって。
この話、停電してなかったら、結末変わりそう。

一度結末を観てから色々な所を注視してたら
「隠し事野郎・嘘つき野郎の法則」がしっかり表れてたなぁって気付けた。
この、登場人物一人一人の時間軸の絡み合いが楽しい楽しい。
ラストシーンのある現象(補足:あるものが燃えて火が消える)、
音楽のタイミングがちゃんと合ってるのがスゴいと思った。
そういうところにゾッとする。


ある一点(補足:箱)に人物が集中するシーンで、
息をのむ緊迫感とそこに同居する馬鹿馬鹿しさ、
「笑ってはいけない○○」感があって観ていて本当に面白かった。
あのシーンに今回の一件のすべてが集約されてる(笑) 
鶴町さん、『幻書~』(補足:同じ脚本家の別団体での作品)でも
あんな立場やってたなぁ(笑

「自分だけがキミのことをわかっている」と言う人達の
傲慢さ、むなしさ、そう信じこんでる愛らしさ。
そんなことを考える作品だったな。

「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演

「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演

Théâtre des Annales

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

五感と想像力を刺激されました
ツイッターの評判と、
やたら長いタイトルに興味をひかれて観劇を決めました。

最前列で観劇。
足元ぎりぎりまで役者が来るというので(実際そうだった)、
リーフレットごと鞄をスタッフに預けてしまったため、
登場人物の名前もさっぱりわからないままに観劇。
それでも何の不自由もありませんでした。

1時間50分程度、
閉塞感のある空間でありながら
同時に距離や時間を超えて無限の広がりも感じられるという
まさに演劇の醍醐味を楽しめました。

同時に、迫真の演技の役者さんたちを観て
「本当にこれはセリフなのだろうか、お芝居なのだろうか」
とも思ってしまいました…!

ネタバレBOX

ずっと真面目なシーンばかり続くのかと思っていたら、
本人達はまじめなんですけど肩の力が抜けるようなやりとりもあって
面白かったです。

部屋にあるもので地形をつくる際のウィトゲンシュタインたちの「気づき」や
空気を読んでないようで読んでるベルナルドの清涼感、
手紙を読み進める際に変化していくミヒャエルの表情や、
(あのシーンで「彼」が読むのが見せ方としてもすごく良かった)
ラストシーンのカミルの「存在」や、皆に背を向けた時の憤りと自己主張、
隊長の、空気を固めたり弛めたりする絶妙な間の取り方、
上官も上層部も、人間であり万能ではないこと、
作中の印象的なことを挙げていくと、きりがないです。

照明も使っているのはわかってはいるものの、
劇場の外に行けばお金を出して好きなものが食べられるのが
わかっているものの、
「ここにはこれしかない」感がすごくあって、
だからこそ言葉の無限性を感じられて、
それが高まったタイミングでの「闇」が、すごく想像力を突き刺してきました。

『ロデオ★座★ヘヴン』

『ロデオ★座★ヘヴン』

ロデオ★座★ヘヴン

スタジオ空洞(東京都)

2016/10/25 (火) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

「芝居」の可能性&魅力の大盤振る舞い!
受付&開場は開演の30分前。
L字型の2面客席。
上演時間は、休憩なし110分。

作品と作品をつなぐ転換の時間も、
バタバタ物を置いていくのではなく、
リズミカルに計算して演出しているようでした。

まったく色の違う3作品、さまざまな魅力がありました。

役者の演技力と、演劇の自由度と、
ロデオ★座★ヘヴンという団体の軌跡と
ここに至るまでの奇跡的な出会い(役者さんや脚本演出家さん)を感じる公演でした。

ネタバレBOX


椅子の上にあったアレ、そして映像に、
「どこかでチラシを手にした瞬間から、
この公演が始まってたんだなぁ」
と思わされました。
ニホンオオカミはいなかった

ニホンオオカミはいなかった

十七戦地

小劇場 楽園(東京都)

2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

作品内容もさることながら、開演前の気配りもステキ
初日に1回目の観劇しました。

受付は1時間前。
受付順に整理番号発行、
開場5分前に劇場前に番号順並ぶシステム。
上演時間は1時間50分。


2辺囲みの客席。
最前列も背もたれありのちゃんとした椅子でした。

そのぶん、入り口向かって左側の最前列は舞台と椅子の間が狭かったのですが
開演直前まで
舞台の上に靴で乗っても大丈夫なようなマットが敷かれていて、
奥の席を空けていても後から来た人が入りやすいようになっていました。

終演後にも敷いてくれて、
奥の人に気兼ねすることなくアンケートが書けました。

時間の経過や季節感を
衣装と照明、演技で表現するさまが
説明的でなく、とても自然でスルっと入ってきました。
登場人物たちの抱えた「嘘」とその動機も細やかで、
どちら側から見ても各々に見処がありそうな立ち位置になっているように思われました。
反対側で観ようと考えている、
2回目の観劇も楽しみです。

ネタバレBOX

仏壇の上や、当日パンフの人物相関図で

女系の一族であることをあらかじめ暗示してあって、
中心となる三姉妹の背負っている目に見えない「重さ」がさらに増して感じられました。

(以下役名にて)

春子さんと牧田さんの過去が、言葉にしていない段階でも空気で予感させられていて
すごいなと思いました。
そこに小山内さんをからめた「ラブコメか!」みたいなやり取りも笑えました。

わぁわぁ騒ぎのなかでも登場人物は一貫して自分の意思で行動しているのが見えて、
行政書士の蔵本さんの動きが面白かったです。

良平さんの、某シーンでの牧田さんへの言葉とその表情、
玄太くんの「ムラ社会」での立ち回りは残酷だなと思いつつも人間らしく、
芽衣ちゃんの「知ってしまった」あとの愛らしい行動と思わぬ攻撃方法(←笑)、
秋乃さんの後半の生々しさ、たくましさ、下克上感、
未夏さんの(作中)最初の帰省の言外で醸し出される都内の暮らし、
家を捨てたといいつつ彼女なりに動いてる様子とその優しさ、
細い肩に一身に背負う春子さんの愛憎ない交ぜの立ち姿など
みどころたくさんでした。

「ここから破綻するんじゃあ?」
と思わせるポイントがいくつか散りばめられつつも
なんとかもちこたえていて
その、ヒビが入る瞬間のたびに息を飲むハラハラをたのしみました。

1度でも楽しく観れましたが、
春子さんのかかえたものを知った2回目がさらに楽しみです。

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