「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演 公演情報 Théâtre des Annales「「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    五感と想像力を刺激されました
    ツイッターの評判と、
    やたら長いタイトルに興味をひかれて観劇を決めました。

    最前列で観劇。
    足元ぎりぎりまで役者が来るというので(実際そうだった)、
    リーフレットごと鞄をスタッフに預けてしまったため、
    登場人物の名前もさっぱりわからないままに観劇。
    それでも何の不自由もありませんでした。

    1時間50分程度、
    閉塞感のある空間でありながら
    同時に距離や時間を超えて無限の広がりも感じられるという
    まさに演劇の醍醐味を楽しめました。

    同時に、迫真の演技の役者さんたちを観て
    「本当にこれはセリフなのだろうか、お芝居なのだろうか」
    とも思ってしまいました…!

    ネタバレBOX

    ずっと真面目なシーンばかり続くのかと思っていたら、
    本人達はまじめなんですけど肩の力が抜けるようなやりとりもあって
    面白かったです。

    部屋にあるもので地形をつくる際のウィトゲンシュタインたちの「気づき」や
    空気を読んでないようで読んでるベルナルドの清涼感、
    手紙を読み進める際に変化していくミヒャエルの表情や、
    (あのシーンで「彼」が読むのが見せ方としてもすごく良かった)
    ラストシーンのカミルの「存在」や、皆に背を向けた時の憤りと自己主張、
    隊長の、空気を固めたり弛めたりする絶妙な間の取り方、
    上官も上層部も、人間であり万能ではないこと、
    作中の印象的なことを挙げていくと、きりがないです。

    照明も使っているのはわかってはいるものの、
    劇場の外に行けばお金を出して好きなものが食べられるのが
    わかっているものの、
    「ここにはこれしかない」感がすごくあって、
    だからこそ言葉の無限性を感じられて、
    それが高まったタイミングでの「闇」が、すごく想像力を突き刺してきました。

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    2016/03/06 17:52

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