ニホンオオカミはいなかった 公演情報 十七戦地「ニホンオオカミはいなかった」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    作品内容もさることながら、開演前の気配りもステキ
    初日に1回目の観劇しました。

    受付は1時間前。
    受付順に整理番号発行、
    開場5分前に劇場前に番号順並ぶシステム。
    上演時間は1時間50分。


    2辺囲みの客席。
    最前列も背もたれありのちゃんとした椅子でした。

    そのぶん、入り口向かって左側の最前列は舞台と椅子の間が狭かったのですが
    開演直前まで
    舞台の上に靴で乗っても大丈夫なようなマットが敷かれていて、
    奥の席を空けていても後から来た人が入りやすいようになっていました。

    終演後にも敷いてくれて、
    奥の人に気兼ねすることなくアンケートが書けました。

    時間の経過や季節感を
    衣装と照明、演技で表現するさまが
    説明的でなく、とても自然でスルっと入ってきました。
    登場人物たちの抱えた「嘘」とその動機も細やかで、
    どちら側から見ても各々に見処がありそうな立ち位置になっているように思われました。
    反対側で観ようと考えている、
    2回目の観劇も楽しみです。

    ネタバレBOX

    仏壇の上や、当日パンフの人物相関図で

    女系の一族であることをあらかじめ暗示してあって、
    中心となる三姉妹の背負っている目に見えない「重さ」がさらに増して感じられました。

    (以下役名にて)

    春子さんと牧田さんの過去が、言葉にしていない段階でも空気で予感させられていて
    すごいなと思いました。
    そこに小山内さんをからめた「ラブコメか!」みたいなやり取りも笑えました。

    わぁわぁ騒ぎのなかでも登場人物は一貫して自分の意思で行動しているのが見えて、
    行政書士の蔵本さんの動きが面白かったです。

    良平さんの、某シーンでの牧田さんへの言葉とその表情、
    玄太くんの「ムラ社会」での立ち回りは残酷だなと思いつつも人間らしく、
    芽衣ちゃんの「知ってしまった」あとの愛らしい行動と思わぬ攻撃方法(←笑)、
    秋乃さんの後半の生々しさ、たくましさ、下克上感、
    未夏さんの(作中)最初の帰省の言外で醸し出される都内の暮らし、
    家を捨てたといいつつ彼女なりに動いてる様子とその優しさ、
    細い肩に一身に背負う春子さんの愛憎ない交ぜの立ち姿など
    みどころたくさんでした。

    「ここから破綻するんじゃあ?」
    と思わせるポイントがいくつか散りばめられつつも
    なんとかもちこたえていて
    その、ヒビが入る瞬間のたびに息を飲むハラハラをたのしみました。

    1度でも楽しく観れましたが、
    春子さんのかかえたものを知った2回目がさらに楽しみです。

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    2015/11/14 08:59

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